リスティング広告とは|初心者が広告で成果を出す3つのコツ

リスティング広告とは|初心者が広告で成果を出す3つのコツ

日本の広告費に占めるインターネット広告媒体費の割合は年々増加しており、集客においてインターネット広告は欠かせない存在になっています。

その中でもリスティング広告は、Web広告の一丁目一番地と言える媒体であり、はじめてWeb広告を配信する際に検討されることが多いです。

一方、多くの広告主に検討されやすい媒体であるがゆえに、

  • リスティング広告は他の集客手段と比べてどんな特徴があるのか?
  • リスティング広告の成果を最大化するにはどうしたらよいのか?
  • リスティング広告を配信するにはどういう手続きを踏めばよいのか?

など、リスティング広告に関して悩みを抱える方が多いことも事実です。

そこで今回は「リスティング広告とは何か」「リスティング広告のメリット・デメリット」「リスティング広告の成功のポイント」など、リスティング広告の全体像を解説していきます。

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目次

リスティング広告とは

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!など、検索エンジンの検索結果画面に掲載されるテキスト広告のことです。(検索連動型広告とも呼ばれます)

特定のキーワードで検索している能動的なユーザーに広告を表示できるため、サービスや商品を探している、またはニーズが明確になっているユーザーへアプローチしやすいことが特徴です。

一般的に語られるマーケティングファネルで言えば、商品の購買に近い「ボトムファネル」のユーザー集客に効果的です。

配信面

ユーザーが検索した検索語句を元に合わせて、検索結果画面にテキスト広告が掲載されます。左上に「スポンサー」と記載されているものはリスティング広告です。

通常、リスティング広告は検索結果の最上部に表示されることが多いですが、検索エンジン側で「広告よりもオーガニックページのほうがユーザーのニーズと関連性が高い」と判断される場合は、1ページ目の中盤以降に表示されることもあります。

種類

リスティング広告は「Google広告」「Yahoo!広告」「Microsoft広告」で配信することが出来ます。

配信精度やオプション機能など、細かい機能面でいくつか違いがありますが、基本的な仕組みは概ね同様です。

日本における検索エンジン市場シェアは2025年時点で以下の通りとなっており、Googleがシェアの大部分を占めています。

参照元:statcounter|Search Engine Market Share Japan

そのため、リスティング広告はまずボリュームが見込めるGoogle広告から配信し、効果が見込めそうであれば、Yahoo!やMicrosoftにも出稿することをおすすめします。

Google

検索エンジンのトップシェアを獲得しているため、Yahoo!やMicrosoftと比べて多くのユーザーにリーチしやすい広告媒体です。

機能開発も多く、もっとも自動化が進んでいる媒体なので、はじめて広告を出稿する場合におすすめの広告媒体です。

Yahoo!

Yahoo! JAPANは月間のアクティブユーザー数が8,000万人を超える規模であり、国内ではGoogleに次いで利用者が多い広告媒体です。

基本的な機能や管理画面のUIなどは、Googleを踏襲して作られているため、初心者でも扱いやすい広告媒体です。

Microsoft

Google、Yahoo!と比べると後発の広告媒体で機械学習の質も発展途上と言えますが、Microsoft広告の配信先のひとつである「Bing」は、近年ユーザー数が増加傾向にあり、特にPC利用のユーザーにおけるシェアは、Googleに次いで第2位となっています。

Microsoft広告は、Google広告やYahoo!広告にない独自の強みを持つ広告媒体です。

特に、Bingに広告を出稿できる点が大きな特徴です。BingはWindows標準のブラウザ「Edge」と連携しており、PCでの利用者比率が高いため、特にデスクトップユーザーにリーチしやすいです。

また、Microsoft広告はCPCが低い傾向にあり、競合が少ないため、低コストでCV獲得が可能です。

さらに、Microsoft広告はエンタープライズ企業のリード獲得につながるケースも散見されており、BtoB企業の広告配信では特におすすめです。

Google広告やYahoo!広告と併用することで、より多くのCV獲得が期待できます。

配信の仕組み

リスティング広告が配信される仕組みを簡易的に説明すると、

  1. 広告の管理画面でキーワードと入札単価を設定する
  2. ユーザーが検索する
  3. 検索内容と一致するキーワードが設定された広告がすべて検出される
  4. オークションによって広告枠に掲載する広告の候補と掲載順位が決まる
  5. 広告が検索結果に表示される

という流れです。

ここで、いくつか広告の専門用語が出てきたので、それぞれの意味を補足解説します。

・ キーワード
 ・ユーザーの検索語句と表示する広告を一致させるために使用される単語やフレーズ
 ・設定したキーワードと関連する語句で広告表示されるため、自社の商品/サービスと関連のある語句や、顧客が検索するであろう語句を登録する

・ 入札単価(上限クリック単価)
 ・広告が1回クリックされるごとにいくらまで支払うか、広告主側で設定する金額
 ・入札単価が高いほど有利になりやすいですが、金額だけで広告表示可否が決まるわけではありません(理由は後述)

・ オークション
 ・同じキーワードに対して複数の広告が競合する場合に、どの広告を表示するか、および掲載順位を決める仕組み
 ・オークションは検索が発生するたびに発生し、広告媒体のアルゴリズムによって自動的に決定されます

 参考:キーワードとは(Google広告ヘルプ)
 参考:上限クリック単価(Google広告ヘルプ)
 参考:オークション(Google広告ヘルプ)

掲載順位が決まる仕組み

広告の掲載順位は、リスティング広告の成果を決める重要な要素のひとつです。

掲載順位が上がることで、広告のクリック率が向上し、より多くのコンバージョンを獲得することが出来るようになります。

一般的に、入札単価を高く設定すれば、広告掲載が有利になると言えますが、広告の掲載順位は入札単価だけで決まっているわけではありません。

では、広告の掲載順位はどうやって決まっているかというと、「広告ランク(Yahoo!の場合オークションランク)」と呼ばれる、媒体が算出するスコアで決定されます。

たとえばGoogle広告の場合、広告ランクは入札単価以外の要素も参考とされており、なかでも「広告の品質」は特に重要です。

なぜ入札単価だけで広告の掲載順位を決めないかと言うと、GoogleやYahoo!などの検索プラットフォーム事業者は、ユーザーの検索体験に重きを置いているためです。

たとえば、入札単価は高いものの、ユーザーの検索意図と合致しない品質の低い広告を表示する機会が増えると、ユーザーの満足度が悪化し、検索エンジンを利用するユーザーが減少する恐れがあります。

Googleをはじめとする広告プラットフォームの提供者は、ユーザーと広告のマッチング精度を高めることで、全員が利益を享受できる仕組みを提供するように努めています。

参考:広告ランクについて(Google広告ヘルプ)

なお、広告の品質と似た概念として、広告の管理画面で確認できる「品質スコア」というものがありますが、品質スコアは広告の掲載順位を決定するオークションでは使用されていません。

あくまで広告の品質をはかる参考材料にする場合は問題ありませんが、品質スコア自体を上げることに捉われないようにしましょう。

費用相場

前提として、広告にかけるべき適正予算は、自社の目標やターゲットなどによって変動するものであり、一概に「これぐらいの予算をかけるべき」といった一律の基準を示すことは難しいです。

ただし、Google広告など主要な媒体は最低出稿金額を設けていないものが多いため、まずは月数万~数十万円など、スモールスタートで始めるのも良いでしょう。

なお、Web広告の代表的な予算の決め方には以下の4種類があります。

  1. 目標/タスク設定法
    1. 特定のマーケティング目標を達成するために必要なタスクを設定し、それらを遂行する上で必要な予算を策定する考え方
  2. 売上高百分率法
    1. 売上の一定割合(%)を広告予算とする考え方
  3. 競合同率法
    1. 競合の広告予算額と同程度の金額を予算とする考え方
  4. 可能額配分法
    1. 売上から固定費などの支出を引いた上で、使用可能な金額を広告予算とする考え方

リスティング広告をはじめて出稿する際は、上記の考え方を参考にしながら、広告予算をどの程度かけるべきか検討します。

広告予算をどれぐらい確保すべきか検討がつかない場合は、広告予算のシミュレーションをおこなってどの程度の予算が妥当なのかあたりをつけるのがおすすめです。

広告予算の妥当性を高めるシミュレーション手順

広告予算のシミュレーションは以下の手順で行います。

1.目標CPA(顧客獲得単価)を算出する

まず、広告で1件のコンバージョン(成約)を得るために許容できる獲得単価(目標CPA)を計算します。

目標CPAは、販売単価に目標利益率を考慮して算出します 。計算式は以下の通りです。

CPA=販売単価×(1-目標利益率) 

例えば、販売単価が1万円、目標利益率が30%の場合、目標CPAは7,000円となります。

目標CV数(例:50件)を設定した場合、目標達成に必要な広告費用は7,000円 × 50件 = 350,000円となります。

なお、上記の予算は後ほどご紹介するCPCやCVRなどの中間指標の改善によって、より少額予算で目標CV数を獲得できる可能性があります。

そのため、広告予算をシミュレーションする際は、CPCやCVRの予測値も考慮して判断することが重要です。

2.クリック単価(CPC)を仮置きする

次に、広告を出稿するキーワードを選定し、それぞれのキーワードのクリック単価(CPC)を調査します。

Google広告のキーワードプランナーなどのツールを利用すると、各キーワードの平均CPCの目安を知ることができます。得られた情報をもとに、平均CPCを仮置きします。

3.CVR(コンバージョン率)を仮置きする

広告のクリック数のうち、実際にコンバージョンに至る割合(CVR)を推定します。

過去の配信データがない場合は、業界の平均CVRなどを参考に仮置きします。あくまで目安ではありますが、リスティング広告の平均CVRは約3.75%というデータもあります。

ただし、CVRは商材やランディングページによって大きく変動するため、注意が必要です 。

4.目標CV数、想定CVR、平均CPCから広告予算を算出する

目標CV数、想定CVR、平均CPCの情報をもとに、必要な広告費を以下の計算式で算出します。

広告予算 = 目標CV数 ÷ 想定CVR × 平均CPC 

例えば、目標CV数を50件、想定CVRを5%、平均CPCを100円と仮定した場合、必要な広告予算は50 ÷ 0.05 × 100 = 100,000円となります。

上記の計算で得られた予算は、あくまでCPCやCVRを仮置きした場合の推定値です。目標CPAから算出した予算(350,000円)と合わせて検討し、現実的な予算規模を決定することが重要です。

SEOやディスプレイ広告との違い

ここでは、リスティング広告と比較されることが特に多い「SEO」と「ディスプレイ広告」との違いを説明します

SEOとの違い

まずは、SEOとの違いについて代表的なものを紹介します。

即効性がある

SEOの場合、検索結果の表示可否や順位は各検索エンジン(Google、Yahoo!、Microsoft)それぞれが自社サイトを評価することで決まります。

検索語句にもよりますが、競合性が高いキーワードの場合、検索上位に表示されるには時間を要するケースが多いです。

あくまで相対的な評価ではありますが、リスティング広告は新規で広告配信をしてから検索上位に表示されるまでのリードタイムを短縮できることが多く、SEOと比べて即効性の高い施策という評価を受けていることが多いです。

表示内容をコントロールできる

SEOでは、検索結果に表示されるテキストは基本的に自社でコントロールすることが可能ですが、検索キーワードや検索ユーザーの意図によっては、ページ内のテキストが自動抽出されることがあります。

リスティング広告はレスポンシブ検索広告(RSA)という広告形式が標準仕様となっています。

AIによってテキストの組み合わせが自動調整されることがありますが、表示するテキスト自体は管理画面で指定することが出来ます。

掲載順位をコントロールしやすい

前述の通り、SEOにおいては検索結果の表示可否や順位は検索エンジンによって決められます。

一方でリスティング広告は、後述する入札をコントロールすることによって、掲載順位や発生する費用をある程度コントロールすることが可能です。

ディスプレイ広告との違い

次に、ディスプレイ広告との違いについて説明します。

広告の掲載面

リスティング広告はユーザーがGoogleやYahoo!で検索行動を行った際に、その検索結果に広告が表示されます。

一方でディスプレイ広告は、各媒体が保有しているポータルサイトのページ内や、アプリの広告枠に表示されます。

サイトを閲覧している際に、サイト内の上部や中盤に表示される画像バナーが表示されます。

広告の表示タイミング

リスティング広告は、ユーザーの検索行動をきっかけに広告が表示されます。

よって、商品やサービスを能動的に調べている人、つまりは購入意向が高い人に対して広告表示が可能になります。裏を返せば、検索行動が行われない限り広告が表示されることはありません。

一方でディスプレイ広告は、広告枠が存在するサイトやアプリを閲覧している際に表示されます。

検索行動が行われずとも広告を表示できるので、ユーザーが商品やサービスを認知していなくてもアプローチすることが可能となり、認知や購買行動につながるきっかけを作ることができます。

広告フォーマット

リスティング広告はテキストのみなので、広告作成の工数を最小限に抑えることができます。

ディスプレイ広告は画像や動画の制作工数がかかりますが、テキストだけでは伝えきれない視覚的なイメージを伝えることが出来ます。

リスティング広告4つのメリット

ここからは、リスティング広告を配信する代表的なメリットを4つご紹介します。

顕在層にアプローチしやすい

検索結果に広告を表示できるという特性上、サービスや商品を探している、またはニーズが明確になっているユーザーへアプローチしやすいです。

また、広告を表示する対象者の性別、年齢、地域もコントロールが可能なため、自社のサービスへ購買意向を示す可能性があるユーザーへ効率的に訴求できます。

実際に多くの広告主においては、ディスプレイ広告やSNS広告など他の広告手法と比較しても、効率良くコンバージョンが発生しています。

なかでも指名検索と呼ばれる、自社の商品やサービス名に関連するキーワードは、リスティング広告の掲載によって高いコンバージョン率を期待できる可能性があります。

すでにSEOで1位に表示出来ている場合などはリスティング広告を配信する意義は薄いですが、競合他社が自社のキーワードに対してリスティング広告を出稿するケースもありますので、そのような場合は指名検索キーワードにリスティング広告を出稿するのもおすすめです。

始めやすく、開始後の軌道修正も容易

バナー素材や動画素材の準備が不要となっており、広告テキストを作成すれば広告の配信が可能です。

よって開始までの準備にかかる時間や工数負荷は少なくて済みます。

また広告配信後も、広告管理画面上でテキストを変更することは容易であるため、バナー素材や動画素材の編集と比較するとPDCAを回しやすいです。

配信実績から示唆を得ることができる

広告管理画面では、実際に広告表示が行われた検索語句一つ一つの表示回数やクリック数をリアルタイムで把握することが可能です。

よって理想の成果をすぐに得ることができなくとも、検索語句ごとの配信実績に基づいて、自社のサービスに関心を持ってもらえる検索行動の把握や、そこからさらにユーザーの属性、行動などの仮説立てにもつなげることができます。

以下はあくまで一例ではありますが、Google検索広告の検索語句を分析してディスプレイ広告の訴求軸やCVポイントを見直した結果、CV数が増加するケースも報告されています。

リスティング広告以外に広告配信をしていることが前提となりますが、リスティング広告の検索語句のデータは他の広告媒体の成果改善にも活用することが出来るため、検索語句のデータから示唆を得たい方にもおすすめです。

少額から配信でき、予算をコントロールしやすい

例えばテレビCMを行う場合には数千万円の予算が必要になりますが、リスティング広告は最低1円から出稿が可能です。

また、ユーザーが広告を実際にクリックした際に費用が発生するため、広告が表示されただけでおしまいということもありません。

 広告予算は24時間いつでも自由に設定変更が可能であるため、予算に応じて配信金額を柔軟に変更することが可能です。

なお、Google広告などの主要な広告媒体では、機械学習がパフォーマンスを見込めると判断した場合は設定した日予算以上の金額で広告が配信されることはありますが、1か月トータルでは、設定した日予算×30.4日の金額を超えて配信されることはありません。

リスティング広告4つのデメリット

リスティング広告にはデメリットも存在します。

一部配信の仕方によってデメリットを軽減できるものもありますが、一般的な特性としてご理解ください。

潜在層へのアプローチが難しい

商品やサービスカテゴリを知らないユーザーからは検索行動が発生しないため、潜在層にはアプローチすることが難しいです。

サービスカテゴリ自体への認知度が低く検索行動が見込めない場合には、ディスプレイ広告やYoutube広告などを通じて、潜在層からの認知度を増やす必要があります。

テキスト情報での訴求が中心となる

リスティング広告はテキスト型の広告なので、画像や動画を用いてユーザーに訴求することが難しいです。

テキストでも十分サービスに魅力を訴求できる場合には問題ありませんが、ビジュアルが訴求の鍵となるサービス(例えば装飾品、車など)においては、ユーザーに魅力を感じてもらうことが難しくなります。

競合他社とバッティングしやすい

リスティング広告はその開始の容易さと費用対効果の高さから、広告の配信先の候補として優先的に上がる場合が多いため、競合他社も広告出稿をしてくる可能性が高くなります。

同じサービスカテゴリに対して広告出稿をする広告主が増えるほど入札競争が激しくなるため、クリック単価(CPC)が上がりやすく費用対効果が合いづらくなります。

広告を嫌う人も一定数いる

広告を掲載しても、すべてのユーザーが好意的な印象を持ったり、クリックするというわけではないので、オーガニック検索結果でも上位表示を狙うなどの対策が必要です。

海外サイトの調査によれば、リスティング広告はオーガニックページ(SEO)と比べてクリック率が低い傾向にあります。

検索順位リスティング広告オーガニックページ(SEO)
1位2.1%39.8%
2位1.4%18.7%
3位1.3%10.2%
4位1.1%7.2%
出典:Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2025(First Page Sage)

リスティング広告はどういうときにおすすめ?

リスティング広告は具体的にどういう場面でおすすめできる広告なのか、逆にどういう場合はおすすめしないのかを説明します。

配信をおすすめするケース

リスティング広告の配信をおすすめするケースの代表例を4つご紹介します。

商品・サービスカテゴリの検索ニーズがある場合

リスティング広告はユーザーの検索行動が発生しなければ広告を配信することが出来ません。

そのため、そもそもリスティング広告を配信すべきかどうかの判断基準のひとつとして、自社の商品やサービスカテゴリの検索ニーズがあるかどうか?という視点が重要です。

商品やサービスカテゴリの検索ニーズがあるかどうか調べるには、Googleが提供しているキーワードプランナーというツールを活用します。

キーワードプランナーでキーワード入力をすると、各検索キーワードの検索量の平均値を確認することが出来ます。

コンバージョンを増やしたい場合

リスティング広告は商品やサービスに関するキーワードで検索しているユーザーに広告を配信することが出来るため、商品購入や問い合わせなどのコンバージョンを増やしたい場合におすすめです。

なお、リスティング広告の配信によってコンバージョン数や売上増加につながった事例は、「リスティング広告の成功事例」でご紹介していますので、あわせてご覧ください。

少額から広告を始めたい場合

前述の通り、リスティング広告は1円から広告をすることが出来るため、まずは少額からスモールスタートで広告配信を行いたい場合に向いています。

あらかじめ予算を決めて設定しておけば、予算内で広告を配信することが可能です。

一方、極端に予算が少ないと、十分な表示機会が得られずに期待するパフォーマンスを得られない可能性があるため注意が必要です。

準備工数を最小限に抑えたい場合

あくまでディスプレイ広告や動画広告など、他の広告手法と比較した場合ですが、リスティング広告は画像や動画素材を用意しなくても広告を配信することが出来るため、配信準備の工数を最小限に抑えることが出来ます。

一方、詳しくは後述しますが、リスティング広告の成果を最大化する上では、広告を配信した後に配信実績を確認しながら、分析や運用をおこなう必要があります。

リスティング広告の成果を効率的に伸ばしていきたいが、自社に運用ノウハウが少ない、リソースを十分に確保できない場合などは、代理店などに運用代行を依頼するのもおすすめです。

代理店の運用代行では、主に以下のような業務を支援してもらうことが出来るため、リスティング広告の成果を最短で実現したい場合におすすめの選択肢です。

  • KPIや予算の策定
  • 広告の配信設定
  • 広告アカウントの運用
  • クリエイティブ制作(画像/動画/LPなど)
  • 効果計測・分析環境の整備(タグ設置やGA4の設定など)

配信をおすすめしないケース

リスティング広告の配信をおすすめしないケースの代表例を4つご紹介します。

商材・カテゴリが認知されていない場合

上述の通り、リスティング広告はユーザーの検索行動が発生しなければ広告を配信することが出来ません。

たとえば新規性の高いサービスなど、商品・サービスカテゴリ自体がまったく認知されていない場合には検索行動が発生しないため、広告を配信しても十分な表示機会を得られない可能性が高いです。

認知度が低い場合には、まずはディスプレイや動画広告を配信してユーザーの認知を獲得したほうが良いでしょう。

認知拡大を目的としている場合

リスティング広告はユーザーの検索行動をトリガーとして広告配信する仕組みであるため、そもそも商品やサービスに関連するキーワードで検索していないユーザーにはアプローチすることが難しいです。

そのため、潜在的な需要のあるユーザーに広くリーチしたい場合などは、ディスプレイ広告や動画広告のほうが効果的です。

商材の単価やLTVが低い場合

商品の単価やLTVが低い場合もリスティング広告は不向きです。

一般的に、リスティング広告では1回のクリックに対して数百円程度かかることが多く、クリックしたユーザーが100%コンバージョンに繋がることはほとんどありません。(商材にもよりますが、コンバージョン率の平均は3~5%程度とされています)

そのため、例えば商品の購入単価が1000円を下回る場合などは、広告を配信して得られる利益に対してコストが上回ってしまう可能性があるため、費用対効果が合わない可能性が考えられます。

市場が飽和しており、優位性が低い商材

リスティング広告は、手軽に始めやすい一方で即効性を期待しやすいため、製品やサービスによっては競合性が高くなりクリック単価(CPC)が高騰する可能性があります。

たとえば、同じキーワードに大手事業者が積極的に入札しており、自社商品の優位性が薄い場合は、リスティング広告を配信しても期待する効果を得ることが難しいケースもあります。

リスティング広告3つの成功ポイント

ここからは、リスティング広告を成功に導くための基本的な考え方を解説します。

前提として、リスティング広告の運用は、自社が設定する目標や予算、商材、ターゲットなどの様々な要素を考慮して最適な選択肢を取ることが重要です。

そのため、そうした事業目標や予算状況などによる違いを考慮せず、「これをやれば必ず成果が出る」といった一律の方法を示すことは難しいです。

しかし、この記事をご覧いただいている方は、はじめて広告を出稿する方も多くいらっしゃるかと思いますので、「はじめてリスティング広告の配信をする際に、優先的に押さえたいポイント」を3つご紹介します。

適切なキーワードに入札する

いくら能動的に検索を行っているとはいえ、関連性が薄いキーワードに対して広告表示を行ってしまうと、広告効果も薄まってしまいます。

そこで、より自社に興味を持ってもらい、購入に至る可能性が高いと考えられるキーワードに対して優先的に入札を行う必要があります。

たとえばエンジニア職に特化した転職支援サービスの広告を出稿する場合、「転職サイト」「エンジニア 転職」の2パターンのキーワードへ入札を行った場合には、後者のほうが自社サービスへの関連性が高く、利用してもらえる可能性が高いと考えられます。

「転職サイト」に入札を行ったとしても、すべての人がエンジニア職への転職を検討してるわけではないのでクリックやコンバージョンにつながる可能性は低くなります。

また、「エンジニア 転職 始め方」「エンジニア 転職 準備」などのキーワードは、検索ボリュームは多くは無いものの、転職をはじめて間もないユーザーが検索しているキーワードである可能性が高いため、サービス登録につながる可能性が高いと言えます。

このように、まずはコンバージョンに至る可能性が高いキーワードから優先的に配信できるように、入札するべきキーワードを見極めましょう。

ユーザーが求める情報を広告文に含める

広告文を作成する際は、ユーザーが求める情報を広告文に含めるようにしましょう。

具体的には、ユーザーが検索しているキーワードを含めるなど、ユーザーにとって魅力的に映る情報を届けることが重要です。

広告文をユーザーニーズを満たす形にすべき理由としては、ユーザーの期待値と合致するためクリック率の向上が期待できるだけでなく、媒体からの評価が高まり、広告の掲載順位が向上する効果も期待できるためです。

ユーザーの検索語句にあわせて適切な広告テキストを表示したい場合は、キーワード挿入機能広告カスタマイザを活用するのがおすすめです。

参考:広告文のキーワードの挿入機能について
参考:レスポンシブ検索広告の広告カスタマイザを作成する

なお、現在Googleなどの主要なリスティング広告媒体では、AIが自動で広告の表示内容を最適化してくれる「レスポンシブ検索広告(RSA)」が標準仕様となっています。

レスポンシブ検索広告では、事前に広告の管理画面で見出し文と説明文の素材(アセット)を設定しておくと、オークションごとに最適な組み合わせをテストして効果が高まるように最適化をしてくれます。

レスポンシブ検索広告(RSA)の改善ポイントは以下の5点です。

  • 見出しは10個以上、説明文は3個以上設定する
    • 見出しは最大15個、説明文は最大4個まで設定するのが理想的です。これは、より多くのバリエーションをテストし、機械学習を促進するためです。
  • 複数の訴求パターンを入れる
    • 多様なユーザーニーズに応えるため、同じ商材でも複数の訴求パターンを含めることが重要です。特に、会社名やブランド名は少なくとも一つの見出しに含めたほうが良いです。
  • 広告カスタマイザーを活用する
    • 検索キーワードと連動した広告表示が可能になり、クリック率の向上が期待できます。ただし、広告カスタマイザーの利用は見かけの広告の有効性には影響しませんが、実際には評価が上がるとGoogleは示唆しています。
  • 1つの広告グループに設定するRSAの数は1,2個まで
    • RSAが多いとデータが分散し、機械学習が進みにくくなるため、コンバージョン数が少ない場合は特に注意が必要です。データが十分にある場合は、3個でも問題ありません。
  • 見出しや説明文を定期的に更新する
    • パフォーマンスが低いアセットやデータ不足で学習中のアセットから優先的に見直しましょう。パフォーマンスが良いアセットを参考に、新たな訴求を検討することも有効です。

LPを見直してコンバージョン率を上げる

いくら広告が魅力的でも、その後のLPが広告の内容と違っていたり、操作性が低い場合にはユーザー離脱につながる可能性があります。

ユーザーが抱えている悩みや課題に対して解決策を提示し得るLPになっているか、今一度チェックしてみてください。

また、本記事では詳細は割愛しますが、離脱率を下げるためには、以下のような項目を参考に既存のLPの改善点が無いか確認します。

  • ファーストビューにサービスが提供できる価値が載っているか?
  • ユーザーが悩みや課題の解決につながると思える内容を掲載できているか?
  • 必要な情報(料金など)がすべて載っているか?
  • ユーザーにとって不安が残る内容になっていないか?
  • コンバージョンまでの動線は分かりやすいか?

リスティング広告の始め方

こちらでは配信開始までの手順の全体像をご説明します。

基本的には、Google広告やYahoo!広告などの各媒体で配信手順は大きく変わりません。

1. アカウント作成

まずは配信する媒体で広告アカウントを作成する必要があります。各媒体の広告アカウントを作成する手順は以下のヘルプページをご覧ください。

参考:Google 広告アカウントを作成する: ご登録方法(Google広告ヘルプ)
参考:広告アカウントを作成する(Yahoo!広告ヘルプ)
参考:Microsoft Advertising アカウントとキャンペーンを作成する(Microsoft広告ヘルプ)

2. アカウント設定

広告アカウントを作成したら、キャンペーンを作成して広告の配信設定を行います。

アカウント設定では、主に以下のような項目を設定していきます。

キャンペーンの目標コンバージョンやクリック数など、広告配信で重視する指標を設定する
ターゲティング地域/言語/性別/年齢など、広告を配信する対象を設定する
入札単価1回の広告クリックに対していくらまで入札する上限を設定する
日予算1日に使用する平均予算を設定する
キーワード広告を配信するキーワードを設定する
マッチタイプ広告を配信する対象となる検索語句の範囲を設定する
広告アセット検索結果に表示する広告テキストを設定する
ランディングページ広告をクリックした後に表示するランディングページのURLを設定する

アカウント設定が完了したら、キャンペーンを公開します。

キャンペーンを公開したらすぐに広告配信することができるわけではなく、媒体による広告審査をパスする必要があります。

通常、審査は1~3営業日程度で完了しますが、審査落ちした場合は該当のキーワードや広告アセットを変更するか削除しましょう。

3. タグ設置

広告の費用対効果を正しく評価する上では、ユーザーがWebサイト訪問後にコンバージョン(問い合わせや商品購入などの特定行動)に至ったかどうかを計測する必要がありますが、Webサイト訪問後のユーザー行動データを計測するには、タグと呼ばれるコードをWebサイトに設置する必要があります。

専門用語が多く難しく感じる方もいらっしゃるかと思いますが、タグは広告媒体の管理画面で発行することが出来、Webサイトに設置する方法としては、

  1. WebサイトのHTMLコードに直接埋め込む
  2. Googleタグマネージャーという専用のツールを使って設置する

2通りの方法があります。

上記どちらの方法で設置しても広告配信の結果には影響が無いので基本はどちらの方法で設置しても問題ありませんが、設置やメンテナンスのしやすさを踏まえると、Googleタグマネージャー経由で設置する方法がおすすめです。

4. 配信開始

アカウント設定やタグ設置など、すべての設定が完了したら広告配信を開始します。

意図通りに設定が行われているか、最終チェックも漏れなく行いましょう。

広告設定をオンにしても設定に誤りがある場合には配信が出ないことがあるので、配信開始後も配信状況は逐一チェックしましょう。

広告の管理画面でちゃんと設定をおこなったつもりでも、認識していない箇所で設定の不備があるケースもありますので、リスティング広告の配信を検討している場合は事前知識として覚えておきましょう。

また、リスティング広告は開始して終わりではなく、むしろ配信が始まってからが本番です。

最初から想定通りにうまくいくとは限らないので配信結果を見ながら分析、設定変更を繰り返していくことで成果の改善が見込めます。

例えば、

  • 意図した検索語句に広告が表示されているか?
  • クリック率は想定よりも低くないか?
  • コンバージョンが発生しているか?

など、可能であれば毎日チェックと設定変更を繰り替えることを推奨します。

3パターンの運用体制

リスティング広告の運用体制には、①自社で運用する②代理店に委託する③個人に委託するの3パターンがあります。

それぞれメリット・デメリットがありますので、自社に合った運用体制を選択しましょう。

自社で運用する

広告運用を内製で運用する形式です。インハウス運用とも呼ばれます。

代理店などを挟まず自社内の人間だけで運用を行うため、意思決定~実行までのスピードが早く、素早いPDCAによって広告成果を高めやすい点や、自社内に運用ノウハウを蓄積しやすい点などが大きなメリットです。

一方、社内に運用経験者がいないと誤った課題認識や打ち手によって成果が悪化することも考えられるため、

  • 継続的に運用経験者を採用できるか?
  • 担当者育成・評価の仕組みを構築できるか?
  • 社内に広告運用のノウハウを蓄積する仕組みを構築できるか?

といったハードルをクリアできない場合は安易に踏み切らないほうが良いでしょう。

また、インハウス運用には以下のように大別して3パターンの運用形態があります。

  • ヘビーインハウス
    • 広告の戦略策定から運用までを自社で完結して行う運用形態
  • ミドルインハウス
    • 運用業務は自社で行うものの、戦略策定など一部の業務は外部パートナーの協力を得る形態
  • ライトインハウス
    • 運用や施策の立案をパートナーに委託しつつ、戦略策定などの上流レイヤーは自社で担当する形態

広告運用の体制は、一度構築したらずっと同じ体制で運用を続ける必要はなく、その時々の課題やニーズに応じて、柔軟に運用体制を調整することが重要です。

代理店に委託する

手数料を支払って、広告運用業務をWeb広告代理店に委託する形式です。一般的には、月間広告費の20%が手数料の相場と言われています。

依頼する会社にもよりますが、一般的には以下のような業務を代行してもらうことが出来ます。

社内のリソースが足りていないため運用を代行してほしい場合や、自社内に運用ノウハウが少ないため、専門スキルをもった人材に運用してほしい場合などにおすすめの体制です。

上述のように、リスティング広告はマーケティングファネルの顕在層のユーザーにアプローチできる即効性の高い施策であることから、リスティング広告の成果がマーケティング全体の成果を左右するといっても過言ではありません。

そのため、自社で運用するよりも代理店に運用委託したほうがパフォーマンスを改善できそうな場合には、代理店に支払う手数料も考慮に入れた上で、運用代行を検討しましょう。

広告運用を代理店に委託すると以下のようなメリットを享受できます。

  • プロが運用するため無駄なく最短距離で成果を実現することが出来る
  • 経験豊富な運用者が課題設定と施策の取捨選択を行うため、実行スピードを早めやすい
  • 各媒体のアップデート情報や最新手法・事例など、広告運用の最新情報をキャッチアップしやすい
  • 過去の支援経験をもとにして自社の勝ちパターンを明確化し、商材や予算、ターゲットなどの個別事情をふまえてカスタマイズ運用をしてくれる

なお、相談先の代理店を選ぶ際は、以下のような選定ポイントを参考に、3〜5社程度の候補から最終的に依頼する会社を選定するのがおすすめです。

  • 類似業界や予算帯の広告運用実績がどれくらいあるか
  • 自社の課題や商材など、個別事情に対する解像度が高いか
  • 担当者は自社の事業成長に寄り添ってくれるか、コミュニケーションに問題が無いか
  • 運用者1人あたりの担当社数が10社以上など、極端に多すぎないか
  • 広告アカウントは自社保有にできるか

個人に委託する

予算の兼ね合いなどで代理店への運用委託が難しい場合、個人に運用委託をする方法もあります。

委託する人や支援内容にもよりますが、代理店より安価に支援を受けられる傾向にあります。

一方で、担当者のパフォーマンスが期待水準に満たない場合、代理店委託であれば担当者を変更してもらうなどの選択肢もありますが、個人委託の場合は替えが効きづらいです。

個人に運用委託する場合は、代替が難しいことを理解した上で慎重に依頼先を選定しましょう。

リスティング広告の成功事例

リスティング広告の配信によって具体的にどのような成果が得られるのか、参考までに事例をご紹介します。

事例の詳細について知りたい場合は、この記事の下部にあるお問い合わせからご連絡ください。

新規で広告配信して早期に目標達成した事例

月間売上が1年で約20倍に増加

商材自動車の修理・整備出張サービス
施策Google広告の配信
結果月間売上が1年で20倍に増加

自動車の整備・出張サービスを提供する株式会社Seibii様では、自動車の修理・整備出張サービス「Seibii」のサービスローンチのタイミングから、オーリーズで広告運用支援を行っています。

売上を伸ばしてプロダクトの仮説検証を進める必要があった中で、社内に専任のマーケティング担当者はおらず、代表がマーケティング施策を直接見ている状態。

マーケティングの実行部分に強く、一緒に事業を成長させてくれるパートナーを探していた中で、オーリーズと出会い、Web広告の運用代行を含めたマーケティング支援をご相談いただきました。

代表から、月次の損益やオペレーション情報、プロダクトのイシュー、資金調達のスケジュールまで、事業状況についてリアルタイムに連携を受けながら、Seibiiの事業を成長させるための広告運用支援をカスタマイズで構築。

深い事業理解をもとにした広告運用支援によって、月間の売上を1年で約20倍まで伸長させることが出来ました。

配信中の広告パフォーマンスを改善した事例

代理店のサポートを受けながらインハウス化を実現

商材高速バス
施策・検索/ディスプレイ広告の配信
・インハウスと運用代行のハイブリッド体制
結果・CPA10%減少、CV数は1.3倍に増加
・広告運用業務のインハウス化を実現

WILLERグループ内で高速バス事業を営むWILLER EXPRESS株式会社様では、運用経験者の退職に伴い、広告のインハウス運用が難しくなったため運用代行に切り替えを行いました。

Google検索広告を中心として、キャンペーン設計の見直しや定常的なキーワード精査、広告文の改修などを繰り返した結果、CPAは10%減少し、CV数は約1.3倍に伸長。

運用代行によって主力商品の成果改善を実現しつつ、将来的なインハウス復帰を見据え、成約率を加味した広告レポートの構築や社内メンバー向けの勉強会などを実施。

社内リソースの調達や組織体制の整備の完了にあわせて再度インハウス運用に切り替え、現在は自社のみで広告運用業務を内製することが出来ています。

代理店変更によりCV数が前年比140.2%に伸長

商材ビジネスコミュニケーションツール
施策・検索/ディスプレイ広告の配信
・広告訴求開発のワークショップによるクリエイティブの品質改善
・BIでリード獲得以降のROIを可視化し、予算配分を最適化
結果・前年比140.2%のCVを獲得
・CVの増加に伴い有効リード/商談数も増加

ビジネスコミュニケーションツールを提供している株式会社ネオジャパン様では、主力製品のdesknet`s NEO(デスクネッツ ネオ)をはじめとして、自社製品の認知向上・ホットリード獲得のため広告運用を代理店に委託していました。

毎年広告の目標が上がっていく中で、リスティング広告をはじめとする獲得型広告の成果は伸び悩んでおり、目標リード件数を下回っている状況でした。

代理店の切り替え後は、NotionやSlackを活用して高頻度でコミュニケーションを行いながら、広告訴求開発のワークショップや、BIを活用して広告成果を可視化するなど、お互いの目線を合わせるための取り組みを積極的に実施。

結果として、広告品質が大幅に改善し、対前年比で140.2%のCVを獲得することに成功。広告のリード件数が大幅増加しただけでなく、有効リードも増加したことで商談件数も増加させることが出来ました。

よくある質問

リスティング広告に関するよくある質問をまとめました。リスティング広告を配信してから困らないよう、事前に確認しておきましょう。

Google/Yahoo!/Microsoftはどれがおすすめ?

リスティング広告はGoogle広告、Yahoo!広告、Microsoft広告などで配信できますが、はじめて広告配信をする場合、どの媒体から配信すべきか判断に迷うケースもあると思います。

結論として、広告をはじめて配信する場合はまずGoogle広告から配信するのがおすすめです。

理由として、Googleは検索エンジンシェアの大部分を占めているため、見込み顧客の数が非常に多いことが特徴として挙げられます。

また、あくまで弊社の運用経験をもとにした印象ですが、Google広告はYahoo!、Microsoftと比較して機能開発の頻度も多く、機械学習の精度が高いため、自動化を活用しながら広告の成果を最大化しやすいというメリットもあります。

40代以上のミドル・シニア層、BtoBのエンタープライズ企業などに広告配信したい場合はYahoo!、Microsoftのほうが費用対効果が高いケースも一部見受けられますが、Google広告と比べて運用難易度が高いことが多いので、はじめて広告配信する場合はGoogle広告から配信することをおすすめします。

インハウス運用と運用代行はどちらがおすすめ?

以下はおおよその目安ですが、

  • 社内に運用経験者がおり、広告運用の体制が整備されている場合
  • 自社内に広告運用のノウハウを蓄積したい場合
  • 月の広告予算が少額(100万円以下)である場合

などはインハウス運用を推奨します。

一方、運用代行を活用すると、広告運用の専門スキルを保有する人材にサポートしてもらうことが出来るため、インハウス運用よりも早期に成果に結びつく可能性があります。

運用業務をパートナーに委託することで、工数を確保することも出来るので、マーケティング戦略の立案や、他施策の遂行などに時間を充てることも可能になります。

インハウスか運用代行か迷っている方は、以下の比較表も参考にしてください。

インハウス運用運用代行
体制自社で広告運用を内製する代理店や個人に運用を委託する
メリット・意思決定と実行を社内でおこなうためPDCAを高速化しやすい
・自社の運用経験をもとにナレッジを蓄積しやすい
・プロが運用するため無駄なく最短距離で成果を実現しやすい・外部リソースの活用によって施策の実行スピードを早めることが出来る
デメリット・体制構築と維持の難易度が高い・運用経験者がいないと誤った設定・運用により成果が停滞する可能性がある・担当者によってパフォーマンスにムラがある・広告費と別で初期費用や手数料が発生する
コスト体制構築や維持が出来れば、中長期的には運用代行よりコストメリットが生まれるケースが多い支援が継続する場合は、手数料が発生し続ける

なお、はじめてWeb広告を配信するケースで、広告予算が月100万円以下など少額でテスト配信したい場合は、まずはインハウス運用で効果検証しながら、さらに成果を伸ばしていきたい場合に運用代行に依頼することをおすすめします。

理由としては、

  • 自社で運用するため、戦略と戦術の整合性を取りやすく、仮説検証サイクルを回しやすい
  • 様々な成功・失敗体験を繰り返すことで、自社に広告運用のノウハウを蓄積させやすい
  • 広告運用の経験があることで、運用代行を依頼する際に代理店の担当者と議論が進めやすい

が挙げられます。

いずれにせよ、広告運用の最適な体制は、自社の目標や予算などの個別事情に左右されるものであり、フェーズによって変化する可能性もあるため、その時々のニーズに応じて適する体制を選択するようにしましょう。

リスティング広告の成果を改善するには?

リスティング広告の成果を改善する上では、自社の課題を正しく認識することが重要です。

以下のようなツリーマップを使いながら、どの指標を改善すべきなのか、指標変化の裏にどんな要因がありそうか、仮説を立てていきます。

ボトルネックの特定が出来たら、課題に応じて適切な打ち手を選定します。

リスティング広告を配信して間もないうちは、設定・運用のベストプラクティスと呼ばれるような、基本改善を網羅的に押さえることが重要です。

以下のチェックリストでは、10人運用者がいたらそのうち8人がそうしたほうが良いと回答するレベルの一般的な推奨設定をまとめています。(画像をクリックするとスプレッドシートを閲覧できます)

リスティング広告を始める際、基本的な設定を理解しておくことが重要です。まず、アカウント設計をしっかり行い、広告の効果を最大化するために、キャンペーンや広告グループを適切に分けます。

この際、大事なのは、機械学習がうまく働くために必要なコンバージョン(CV)数を集めることと、広告内容がキャンペーンごとに異なるようにすることです。

次に、入札方法を選びます。予算などにもよりますが、基本的には「自動入札」がオススメで、これはAIが広告配信を最適に調整してくれる仕組みです。自動で入札額を設定してくれるため、広告の効果を高めやすくなります。

また、キーワード選定も重要で、ユーザーが検索する言葉を広告に合わせることで、クリックされやすくなります。

例えば、ユーザーが「渋谷 賃貸」などを検索した場合、該当の語句で検索しているユーザーのニーズに沿うテキストを広告に反映させることが効果的です。

広告の内容をより魅力的にするために、特定のキーワードを自動で広告文に挿入したり、地域や時間帯に合わせて広告文を変えることができる機能もあるため、必要に応じて活用しましょう。

まとめ:リスティング広告で売上を増加させよう

リスティング広告は、特定のキーワードで検索している能動的なユーザーにアプローチすることが出来るため、適切に設定・運用すれば、売上増加が期待できます。

リスティング広告の成果を最大化するには、目標や予算、商材、ターゲットなど、自社の状況に応じた運用のカスタマイズが重要です。

リソースを十分に確保できない、ノウハウが少ないため正しい運用をできるか不安な場合などは、代理店や個人事業主に相談するのもおすすめです。

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト

頼富 穰

新卒でパーソルキャリア株式会社に入社。社内ベンチャーとして立ち上がった顧問紹介サービスのコンサルタントに従事。 IT・メディア関連企業の経営層に対して顧問活用の提案を行う中で、データリテラシーを高め、経営・事業・組織を根幹から変えていくことの重要性を認識。 枠に縛られず顧客の事業成長に伴走する姿勢、アジャイルに物事を推進していくオーリーズのスタイルに共感し入社を決意。

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