5分で分かるリスティング広告|初心者向けに仕組みから運用方法まで解説

5分で分かるリスティング広告|初心者向けに仕組みから運用方法まで解説

日本の広告費に占めるインターネット広告媒体費の割合は年々増加しており、集客においてインターネット広告は欠かせない存在になっています。

その中でもリスティング広告は、Web広告の一丁目一番地と言える媒体であり、はじめてWeb広告を配信する際に検討されることが多いです。

一方、多くの広告主に検討されやすい媒体であるがゆえに、

  • リスティング広告は他の集客手段と比べてどんな特徴があるのか?
  • リスティング広告の成果を最大化するにはどうしたらよいのか?
  • リスティング広告を配信するにはどういう手続きを踏めばよいのか?

など、リスティング広告に関して悩みを抱える方が多いことも事実です。

そこで今回は「リスティング広告とは何か」「リスティング広告のメリット・デメリット」「リスティング広告の成功のポイント」など、リスティング広告の全体像を解説していきます。

リスティング広告を始めるか考えているなら
戦略から伴走可能な「オーリーズ」へ

リスティング広告を検討しているなら、1社1社向き合う伴走型支援のオーリーズ。
「コミュニケーションがスムーズ」「事業を理解して提案してくれる」とお声をいただいています。

【広告成果を最大化するオーリーズの特徴】

  • 顧客の課題にコミットするため、担当社数は最大4社
  • 運用者=顧客窓口だからスピーディーな仮説検証が可能
  • 顧客の半数以上が「強く」おすすめしたいと評価

目次

【全体像を30秒で理解】リスティング広告とは?

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、特定のキーワードを検索したユーザーに対して表示されるテキスト型の広告です。

短期間で成果を上げたい場合や、検索ニーズが存在する商材の集客に効果的です。費用はクリックされた分だけ発生するため、少額からでも無駄なく配信でき、結果を見ながら改善できる柔軟性もメリットです。

✅特にこんなときにおすすめ
問い合わせや資料請求を増やしたい
商品・サービス購入を促したい
顕在層の顧客に集中してアプローチしたい

配信できる媒体は、Google広告、Yahoo!広告、Microsoft広告の3種類です。ユーザー数の多さや機能の豊富さの観点から、初心者はまずGoogle広告から開始するのがおすすめです。

配信を始めるには、広告アカウントを開設し、キャンペーン設計、広告文とキーワードの設定、コンバージョン計測タグの設置をします。

本記事では、リスティング広告の基本や始め方成果を出すためのコツなどを紹介します。

Web広告をはじめて配信する方でも体系的に理解が深められるように、結論だけでなく「なぜそう言えるのか?」という理由や背景も含めてお伝えします。

リスティング広告の詳細

この章では、リスティング広告のイメージを深めていただけるように、実際どんな場所に配信されるのか、どのような媒体で配信できるのか、配信の仕組みについて解説します。

配信面

ユーザーが検索した検索語句を元に合わせて、検索結果画面にテキスト広告が掲載されます。左上に「スポンサー」と記載されているものはリスティング広告です。

通常、リスティング広告は検索結果の最上部に表示されることが多いですが、検索エンジン側で「広告よりもオーガニックページのほうがユーザーのニーズと関連性が高い」と判断される場合は、1ページ目の中盤以降に表示されることもあります。

配信できる媒体

リスティング広告は「Google広告」「Yahoo!広告」「Microsoft広告」で配信することが出来ます。

配信精度やオプション機能など、細かい機能面でいくつか違いがありますが、基本的な仕組みは概ね同様です。

日本における検索エンジン市場シェアは2025年時点で以下の通りとなっており、Googleがシェアの大部分を占めています。

参照元:statcounter|Search Engine Market Share Japan

そのため、リスティング広告はまずボリュームが見込めるGoogle広告から配信し、効果が見込めそうであれば、Yahoo!やMicrosoftにも出稿することをおすすめします。

Google広告

検索エンジンのトップシェアを獲得しているため、Yahoo!やMicrosoftと比べて多くのユーザーにリーチしやすい広告媒体です。

機能開発も多く、もっとも自動化が進んでいる媒体なので、はじめて広告を出稿する場合におすすめの広告媒体です。

Yahoo!広告

Yahoo! JAPANは月間のアクティブユーザー数が8,000万人を超える規模であり、国内ではGoogleに次いで利用者が多い広告媒体です。

基本的な機能や管理画面のUIなどは、Googleを踏襲して作られているため、初心者でも扱いやすい広告媒体です。

Microsoft広告

Microsoft広告は、Bingに広告を出稿できる点が大きな特徴です。BingはWindows標準のブラウザ「Edge」と連携しており、PCでの利用者比率が高いため、特にデスクトップユーザーにリーチしやすいです。

そのため、BtoBやシニア向け商材など、PC面での配信比率が高い商材とは特に相性が良い傾向にあります。

配信の仕組み

リスティング広告では、ユーザーが検索すると、事前に設定したキーワードに基づいて広告が候補に上がり、オークションによって掲載順位が決まります。

オークションと聞くと、Yahoo!オークションやフリマアプリのように、「入札額が高い人が落札する」仕組みを思い浮かべるかもしれません。

リスティング広告も基本構造は同じで、入札金額が高いほど、広告が上位に表示されやすくなります。

ただし広告オークションでは、入札金額だけではなく「広告の品質」も非常に重要な評価軸となります。

広告の品質とは、広告文と検索キーワードの関連性や、リンク先ページの利便性など、ユーザー体験を重視して総合的に評価されるものです。

つまり、単に高額で入札しても、品質が低ければ上位表示されにくくなります。逆に、関連性の高い広告を作れば、比較的低い入札額でも上位に表示されるチャンスがある仕組みです。

このためリスティング広告では、入札金額を上げる以外にも、「ユーザーにとって良い広告を作ること」が広告掲載を左右します。

なお、管理画面で確認できる「品質スコア」は広告の品質を示す指標ですが、掲載順位そのものを直接決めるものではないため、目安程度に捉えておくとよいでしょう。

リスティング広告4つのメリット

ここからは、リスティング広告を配信する代表的なメリットを4つご紹介します。

顕在層にピンポイントで訴求でき、CV獲得しやすい

検索結果に広告を表示できるという特性上、サービスや商品を探している、またはニーズが明確になっているユーザーへアプローチしやすいです。

また、広告を表示する対象者の性別、年齢、地域もコントロールが可能なため、自社のサービスへ購買意向を示す可能性があるユーザーへ効率的に訴求できます。

実際に多くの広告主においては、ディスプレイ広告やSNS広告など他の広告手法と比較しても、効率良くコンバージョンが発生しています。

なかでも指名検索と呼ばれる、自社の商品やサービス名に関連するキーワードは、リスティング広告の掲載によって高いコンバージョン率を期待できる可能性があります。

すでにSEOで1位に表示出来ている場合などはリスティング広告を配信する意義は薄いですが、競合他社が自社のキーワードに対してリスティング広告を出稿するケースもありますので、そのような場合は指名検索キーワードにリスティング広告を出稿するのもおすすめです。

画像や動画は不要で、準備の手間が少ない

バナー素材や動画素材の準備が不要となっており、広告テキストを作成すれば広告の配信が可能です。

よって開始までの準備にかかる時間や工数負荷は少なくて済みます。

また広告配信後も、広告管理画面上でテキストを変更することは容易であるため、バナー素材や動画素材の編集と比較するとPDCAを回しやすいです。

検索語句の分析で、商品企画や施策改善に活かせる

広告管理画面では、実際に広告表示が行われた検索語句一つ一つの表示回数やクリック数をリアルタイムで把握することが可能です。

よって理想の成果をすぐに得ることができなくとも、検索語句ごとの配信実績に基づいて、自社のサービスに関心を持ってもらえる検索行動の把握や、そこからさらにユーザーの属性、行動などの仮説立てにもつなげることができます。

以下はあくまで一例ではありますが、Google検索広告の検索語句を分析してディスプレイ広告の訴求軸やCVポイントを見直した結果、CV数が増加するケースも報告されています。

リスティング広告の検索語句のデータは商品企画や他の広告媒体の成果改善にも活用することが出来るため、検索語句のデータから示唆を得たい方にもおすすめです。

少額から配信でき、リスクを最小化できる

例えばテレビCMを行う場合には数千万円の予算が必要になりますが、リスティング広告は最低1円から出稿が可能です。

また、ユーザーが広告を実際にクリックした際に費用が発生するため、広告が表示されただけでおしまいということもありません。

 広告予算は24時間いつでも自由に設定変更が可能であるため、予算に応じて配信金額を柔軟に変更することが可能です。

なお、Google広告などの主要な広告媒体では、機械学習がパフォーマンスを見込めると判断した場合は設定した日予算以上の金額で広告が配信されることはありますが、1か月トータルでは、設定した日予算×30.4日の金額を超えて配信されることはありません。

リスティング広告4つのデメリット

リスティング広告にはデメリットも存在します。

一部配信の仕方によってデメリットを軽減できるものもありますが、一般的な特性としてご理解ください。

検索をもとに広告表示するため、認知拡大には不向き

商品やサービスカテゴリを知らないユーザーからは検索行動が発生しないため、潜在層にはアプローチすることが難しいです。

サービスカテゴリ自体への認知度が低く検索行動が見込めない場合には、ディスプレイ広告やYoutube広告などを通じて、潜在層からの認知度を増やす必要があります。

画像や動画で魅力を伝えたい商品には不向き

リスティング広告はテキスト型の広告なので、画像や動画を用いてユーザーに訴求することが難しいです。

テキストでも十分サービスに魅力を訴求できる場合には問題ありませんが、ビジュアルが訴求の鍵となるサービス(例えば装飾品、車など)においては、ユーザーに魅力を感じてもらうことが難しくなります。

なお、Microsoft広告では検索キャンペーンのなかにマルチメディア広告という機能があり、検索結果にテキストとあわせて任意の画像を表示させることが出来ます。

マルチメディア広告では、見出し・説明文・画像・ロゴ素材を複数入稿すると、機械学習によって自動で最適なパターンに組み合わせて表示されます。

マルチメディア広告の配信イメージ

テキストのみの場合と比べて検索結果画面での専有面積が大きくなり、視認性も上がるためクリック率の向上を期待できます。

競合が多い市場では費用対効果が悪化することも

リスティング広告はその開始の容易さと費用対効果の高さから、広告の配信先の候補として優先的に上がる場合が多いため、競合他社も広告出稿をしてくる可能性が高くなります。

同じサービスカテゴリに対して広告出稿をする広告主が増えるほど入札競争が激しくなるため、クリック単価(CPC)が上がりやすく費用対効果が合いづらくなります。

一部のユーザーには敬遠される可能性がある

広告を掲載しても、すべてのユーザーが好意的な印象を持ったり、クリックするというわけではないので、オーガニック検索結果でも上位表示を狙うなどの対策が必要です。

海外サイトの調査によれば、リスティング広告はオーガニックページ(SEO)と比べてクリック率が低い傾向にあります。

検索順位リスティング広告オーガニックページ(SEO)
1位2.1%39.8%
2位1.4%18.7%
3位1.3%10.2%
4位1.1%7.2%
出典:Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2025(First Page Sage)

この条件に当てはまればリスティング広告が有効

リスティング広告は具体的にどういう場面でおすすめできる広告なのか、代表的なケースをご紹介します。

商品・サービスカテゴリの検索ニーズがある場合

リスティング広告はユーザーの検索行動が発生しなければ広告を配信することが出来ません。

そのため、そもそもリスティング広告を配信すべきかどうかの判断基準のひとつとして、自社の商品やサービスカテゴリの検索ニーズがあるかどうか?という視点が重要です。

商品やサービスカテゴリの検索ニーズがあるかどうか調べるには、Googleが提供しているキーワードプランナーというツールを活用します。

キーワードプランナーでキーワード入力をすると、各検索キーワードの検索量の平均値を確認することが出来ます。

コンバージョンを増やしたい場合

リスティング広告は商品やサービスに関するキーワードで検索しているユーザーに広告を配信することが出来るため、商品購入や問い合わせなどのコンバージョンを増やしたい場合におすすめです。

なお、リスティング広告の配信によってコンバージョン数や売上増加につながった事例は、「リスティング広告の成功事例」でご紹介していますので、あわせてご覧ください。

検討期間が短い商材のCV獲得を狙う場合

展示会のブースデザイン、アルバイト求人、オフィス移転サービス、貸会議室など、ニーズが顕在化してからの情報収集~購買までのリードタイムが短い商材は、リスティングがWeb広告における主要な施策となります。

これは、商品・サービス購入までの検討期間が短いがゆえに、需要が顕在化したタイミングでアプローチすることが出来なければCVに繋がりづらく、ディスプレイ・SNS広告などではそうしたピンポイントの接触が難しいためです。

CV獲得を目的としている場合、リターゲティングを除いて十分な費用対効果が期待できる媒体はリスティング広告以外ではそう多くありません。

そのため、検討期間が短い商材の広告を配信する場合は、基本は検索広告に予算・工数を投下しながら、リタゲーティングでCV獲得の機会を狙っていくケースが一般的です。

少額から広告を始めたい場合

前述の通り、リスティング広告は1円から広告をすることが出来るため、まずは少額からスモールスタートで広告配信を行いたい場合に向いています。

あらかじめ予算を決めて設定しておけば、予算内で広告を配信することが可能です。

一方、極端に予算が少ないと、十分な表示機会が得られずに期待するパフォーマンスを得られない可能性があるため注意が必要です。

準備工数を最小限に抑えたい場合

あくまでディスプレイ広告や動画広告など、他の広告手法と比較した場合ですが、リスティング広告は画像や動画素材を用意しなくても広告を配信することが出来るため、配信準備の工数を最小限に抑えることが出来ます。

一方、詳しくは後述しますが、リスティング広告の成果を最大化する上では、広告を配信した後に配信実績を確認しながら、分析や運用をおこなう必要があります。

リスティング広告の成果を効率的に伸ばしていきたいが、自社に運用ノウハウが少ない、リソースを十分に確保できない場合などは、代理店などに運用代行を依頼するのもおすすめです。

代理店の運用代行では、主に以下のような業務を支援してもらうことが出来るため、リスティング広告の成果を最短で実現したい場合におすすめの選択肢です。

  • KPIや予算の策定
  • 広告の配信設定
  • 広告アカウントの運用
  • クリエイティブ制作(画像/動画/LPなど)
  • 効果計測・分析環境の整備(タグ設置やGA4の設定など)

一方、リスティング広告は、すべての商材や目的に向いているわけではありません。

たとえば、商品やサービスのカテゴリ自体がまだ広く知られていない場合、そもそも検索行動が発生しないため、広告が表示される機会自体が非常に限られます。

新規性の高いサービスなど、まだ市場認知が進んでいない段階では、まずはディスプレイ広告や動画広告などで認知を高めるアプローチの方が適しています。

また、そもそも「認知拡大」を主目的としている場合も、リスティング広告は不向きです。

検索をトリガーに広告が表示される仕組みである以上、商品やサービスに関連するキーワードで検索していないユーザーにリーチすることができないからです。この場合も、潜在層への広範な接触を目的とした他の広告施策を検討すべきでしょう。

さらに、商材の単価やLTV(顧客生涯価値)が低い場合も注意が必要です。

リスティング広告はクリック課金型のため、1回のクリックに数百円の費用が発生するケースが一般的ですが、コンバージョン率は平均3〜5%程度にとどまります。

たとえば単価1,000円未満の商品を扱っている場合、広告費が利益を上回ってしまう可能性が高く、結果として赤字運用になるリスクがあります。

最後に、すでに競合がひしめく飽和市場で、かつ自社の提供価値に大きな差別化がない場合も、成果を出すのは難しくなります。

リスティング広告は始めやすく即効性がある分、同じキーワードで多くの企業が出稿しており、入札競争が激しくなりがちです。

特に大手企業が積極的に出稿しているキーワードでは、クリック単価が高騰しやすく、十分な優位性がなければ費用対効果が合わないことも少なくありません。

このように、リスティング広告は強力な手法である一方で、目的や商材によっては他の施策の方が適しているケースもあるため、自社の状況に応じた判断が重要です。

リスティング広告3つの成功事例

リスティング広告の配信によって具体的にどのような成果が得られるのか、参考までに事例をご紹介します。

人材業A社「アカウント構成見直しでCV数が約1.5倍に増加」

総合人材サービスを展開するA社では、リスティング広告のアカウント構成を見直したことで、CV(コンバージョン)数が約1.5倍に増加し、CPA(獲得単価)30%ポイント改善しました。

当初は、広告グループごとの設計が曖昧で、広告文もどれも似たような内容だったため、機械学習の最適化が進みにくい状態でした。

そこで、実際の検索語句やユーザーインタビューの結果をもとに、以下のような改善を実施。

  • ユーザーニーズ別に広告グループを再編成
  • キーワードを整理して重複を排除
  • 広告文もニーズごとに出し分けるよう最適化

これらの施策により、広告の品質が上がり、結果としてCV数増・CPA減の両立が実現できました。

通信業B社「インテントマッチ導入でCPA20%改善」

通信サービスを提供するB社では、新たに「インテントマッチ(旧:部分一致)」を導入することで、配信ボリュームを増やしながらCPAを20%改善することに成功しました。

当初は「完全一致」や「フレーズ一致」中心であったため、広告が表示される回数に限界がありました。

インテントマッチを導入することで、多様な検索語句に自動で対応できるようにした結果、クリック率(CTR)が上がり、CPC(クリック単価)も低下しました。

なお、不要な配信を避けるため、検索語句を定期的にチェックし、不要な語句は除外キーワードとして設定することで配信精度を担保しました。

製造業C社「RSAの改善でCTR・CVRともに向上」

製造業を営むC社では、RSA(レスポンシブ検索広告)の設定を見直すことで、広告のクリック率(CTR)とコンバージョン率(CVR)をともに改善し、結果的にCPAの削減につながりました。

具体的には、似た内容の広告文(見出し)が同時に表示されてしまう設定になっており、訴求パターンが似通ってしまうことでCV獲得機会を逃している可能性が考えられました。

そこで、表示される見出しの組み合わせを調整し、訴求内容が重複しないように最適化を実施。

その結果、新たな訴求軸での広告表示が増え、今まで取りこぼしていたユーザーにもリーチできるようになりました。

リスティング広告の始め方

こちらでは配信開始までの手順の全体像をご説明します。

基本的には、Google広告やYahoo!広告などの各媒体で配信手順は大きく変わりません。

1. アカウント作成

まずは配信する媒体で広告アカウントを作成する必要があります。各媒体の広告アカウントを作成する手順は以下のヘルプページをご覧ください。

参考:Google 広告アカウントを作成する: ご登録方法(Google広告ヘルプ)
参考:広告アカウントを作成する(Yahoo!広告ヘルプ)
参考:Microsoft Advertising アカウントとキャンペーンを作成する(Microsoft広告ヘルプ)

2. アカウント設定

広告アカウントを作成したら、キャンペーンを作成して広告の配信設定を行います。

アカウント設定では、主に以下のような項目を設定していきます。

キャンペーンの目標コンバージョンやクリック数など、広告配信で重視する指標を設定する
ターゲティング地域/言語/性別/年齢など、広告を配信する対象を設定する
入札単価1回の広告クリックに対していくらまで入札する上限を設定する
日予算1日に使用する平均予算を設定する
キーワード広告を配信するキーワードを設定する
マッチタイプ広告を配信する対象となる検索語句の範囲を設定する
広告アセット検索結果に表示する広告テキストを設定する
ランディングページ広告をクリックした後に表示するランディングページのURLを設定する

アカウント設定が完了したら、キャンペーンを公開します。

キャンペーンを公開したらすぐに広告配信することができるわけではなく、媒体による広告審査をパスする必要があります。

通常、審査は1~3営業日程度で完了しますが、審査落ちした場合は該当のキーワードや広告アセットを変更するか削除しましょう。

3. タグ設置

広告の費用対効果を正しく評価する上では、ユーザーがWebサイト訪問後にコンバージョン(問い合わせや商品購入などの特定行動)に至ったかどうかを計測する必要がありますが、Webサイト訪問後のユーザー行動データを計測するには、タグと呼ばれるコードをWebサイトに設置する必要があります。

専門用語が多く難しく感じる方もいらっしゃるかと思いますが、タグは広告媒体の管理画面で発行することが出来、Webサイトに設置する方法としては、

  1. WebサイトのHTMLコードに直接埋め込む
  2. Googleタグマネージャーという専用のツールを使って設置する

2通りの方法があります。

上記どちらの方法で設置しても広告配信の結果には影響が無いので基本はどちらの方法で設置しても問題ありませんが、設置やメンテナンスのしやすさを踏まえると、Googleタグマネージャー経由で設置する方法がおすすめです。

4. 配信開始

アカウント設定やタグ設置など、すべての設定が完了したら広告配信を開始します。

意図通りに設定が行われているか、最終チェックも漏れなく行いましょう。

広告設定をオンにしても設定に誤りがある場合には配信が出ないことがあるので、配信開始後も配信状況は逐一チェックしましょう。

広告の管理画面でちゃんと設定をおこなったつもりでも、認識していない箇所で設定の不備があるケースもありますので、リスティング広告の配信を検討している場合は事前知識として覚えておきましょう。

また、リスティング広告は開始して終わりではなく、むしろ配信が始まってからが本番です。

最初から想定通りにうまくいくとは限らないので配信結果を見ながら分析、設定変更を繰り返していくことで成果の改善が見込めます。

例えば、

  • 意図した検索語句に広告が表示されているか?
  • クリック率は想定よりも低くないか?
  • コンバージョンが発生しているか?

など、可能であれば毎日チェックと設定変更を繰り替えることを推奨します。

3パターンの運用体制

リスティング広告の運用体制には、①自社で運用する②代理店に委託する③個人に委託するの3パターンがあります。

それぞれメリット・デメリットがありますので、自社に合った運用体制を選択しましょう。

自社で運用する

広告運用を内製で運用する形式です。インハウス運用とも呼ばれます。

代理店などを挟まず自社内の人間だけで運用を行うため、意思決定~実行までのスピードが早く、素早いPDCAによって広告成果を高めやすい点や、自社内に運用ノウハウを蓄積しやすい点などが大きなメリットです。

一方、社内に運用経験者がいないと誤った課題認識や打ち手によって成果が悪化することも考えられるため、

  • 継続的に運用経験者を採用できるか?
  • 担当者育成・評価の仕組みを構築できるか?
  • 社内に広告運用のノウハウを蓄積する仕組みを構築できるか?

といったハードルをクリアできない場合は安易に踏み切らないほうが良いでしょう。

また、インハウス運用には以下のように大別して3パターンの運用形態があります。

  • ヘビーインハウス
    • 広告の戦略策定から運用までを自社で完結して行う運用形態
  • ミドルインハウス
    • 運用業務は自社で行うものの、戦略策定など一部の業務は外部パートナーの協力を得る形態
  • ライトインハウス
    • 運用や施策の立案をパートナーに委託しつつ、戦略策定などの上流レイヤーは自社で担当する形態

広告運用の体制は、一度構築したらずっと同じ体制で運用を続ける必要はなく、その時々の課題やニーズに応じて、柔軟に運用体制を調整することが重要です。

代理店に委託する

手数料を支払って、広告運用業務をWeb広告代理店に委託する形式です。一般的には、月間広告費の20%が手数料の相場と言われています。

依頼する会社にもよりますが、一般的には以下のような業務を代行してもらうことが出来ます。

社内のリソースが足りていないため運用を代行してほしい場合や、自社内に運用ノウハウが少ないため、専門スキルをもった人材に運用してほしい場合などにおすすめの体制です。

上述のように、リスティング広告はマーケティングファネルの顕在層のユーザーにアプローチできる即効性の高い施策であることから、リスティング広告の成果がマーケティング全体の成果を左右するといっても過言ではありません。

そのため、自社で運用するよりも代理店に運用委託したほうがパフォーマンスを改善できそうな場合には、代理店に支払う手数料も考慮に入れた上で、運用代行を検討しましょう。

広告運用を代理店に委託すると以下のようなメリットを享受できます。

  • プロが運用するため無駄なく最短距離で成果を実現することが出来る
  • 経験豊富な運用者が課題設定と施策の取捨選択を行うため、実行スピードを早めやすい
  • 各媒体のアップデート情報や最新手法・事例など、広告運用の最新情報をキャッチアップしやすい
  • 過去の支援経験をもとにして自社の勝ちパターンを明確化し、商材や予算、ターゲットなどの個別事情をふまえてカスタマイズ運用をしてくれる

なお、相談先の代理店を選ぶ際は、以下のような選定ポイントを参考に、3〜5社程度の候補から最終的に依頼する会社を選定するのがおすすめです。

  • 類似業界や予算帯の広告運用実績がどれくらいあるか
  • 自社の課題や商材など、個別事情に対する解像度が高いか
  • 担当者は自社の事業成長に寄り添ってくれるか、コミュニケーションに問題が無いか
  • 運用者1人あたりの担当社数が10社以上など、極端に多すぎないか
  • 広告アカウントは自社保有にできるか

個人に委託する

予算の兼ね合いなどで代理店への運用委託が難しい場合、個人に運用委託をする方法もあります。

委託する人や支援内容にもよりますが、代理店より安価に支援を受けられる傾向にあります。

一方で、担当者のパフォーマンスが期待水準に満たない場合、代理店委託であれば担当者を変更してもらうなどの選択肢もありますが、個人委託の場合は替えが効きづらいです。

個人に運用委託する場合は、代替が難しいことを理解した上で慎重に依頼先を選定しましょう。

初心者は押さえたい3つの運用ポイント

ここからは、リスティング広告を成功に導くための基本的な考え方を解説します。

前提として、リスティング広告の運用は、自社が設定する目標や予算、商材、ターゲットなどの様々な要素を考慮して最適な選択肢を取ることが重要です。

そのため、そうした事業目標や予算状況などによる違いを考慮せず、「これをやれば必ず成果が出る」といった一律の方法を示すことは難しいです。

しかし、この記事をご覧いただいている方は、はじめて広告を出稿する方も多くいらっしゃるかと思いますので、「はじめてリスティング広告の配信をする際に、優先的に押さえたい運用ポイント」を3つご紹介します。

1.適切なキーワードに入札する

リスティング広告におけるキーワードとは、広告主が広告配信の対象として含めたい単語や語句のことです。

一方、ユーザーが検索エンジンに入力する言葉は検索語句(クエリ)と呼ばれ、キーワードは広告のトリガーとなる役割を持ちます。

キーワード選定は、広告をいつどこに表示するかを決定する、またユーザーの検索語句と広告文の合致性を高めるという2つの重要な役割を担っています。

以前は広告掲載先を決定する観点から重要視されていましたが、機械学習が進んだ現在では、ユーザーの検索意図との合致性を高めること、そして意図しない検索語句への除外設定がより重要になっています。

キーワードを決める基本的な手順は以下の通りです。

  • メインキーワードの選定: 広告の軸となるキーワードを選びます
  • 掛け合わせキーワードの設定:メインキーワードに関連する語句を組み合わせて、ユーザーのニーズを具体化します
  • マッチタイプの設定:ユーザーの検索語句とキーワードの一致範囲を指定します(インテントマッチ、フレーズ一致、完全一致)
  • 除外キーワードの設定:広告を表示したくない検索語句を設定し、広告予算の有効活用を図ります

近年では機械学習による自動化が進んでいますが、初期設定として広告に関連するキーワードを設定し、運用しながら効果測定と除外キーワードの登録を行うことが、広告効果を最大化するために重要です。

キーワード選定に役立つツールとして、ラッコキーワードキーワードプランナー共起語チェッカーなどが挙げられます。

はじめてリスティング広告を配信するケースなどは、まずは少額からテスト配信をおこなって効果検証しながら予算の増額・減額を判断することが一般的だと思います。

いくら能動的に検索を行っているとはいえ、商材と関連性が薄いキーワードに対して広告表示を行ってしまうと広告効果も薄まってしまいます。

そのため、はじめて広告配信する際は、まずは購入に至る可能性が高いと考えられるキーワードから登録するのがおすすめです。

2.ユーザーが求める情報を広告文に含める

広告文を作成する際は、ユーザーが求める情報を広告文に含めるようにしましょう。

具体的には、ユーザーが検索しているキーワードを含めるなど、ユーザーにとって魅力的に映る情報を届けることが重要です。

広告文をユーザーニーズを満たす形にすべき理由としては、ユーザーの期待値と合致するためクリック率の向上が期待できるだけでなく、媒体からの評価が高まり、広告の掲載順位が向上する効果も期待できるためです。

ユーザーの検索語句にあわせて適切な広告テキストを表示したい場合は、キーワード挿入機能広告カスタマイザを活用するのがおすすめです。

参考:広告文のキーワードの挿入機能について
参考:レスポンシブ検索広告の広告カスタマイザを作成する

なお、現在Googleなどの主要なリスティング広告媒体では、AIが自動で広告の表示内容を最適化してくれる「レスポンシブ検索広告(RSA)」が標準仕様となっています。

レスポンシブ検索広告では、事前に広告の管理画面で見出し文と説明文の素材(アセット)を設定しておくと、オークションごとに最適な組み合わせをテストして効果が高まるように最適化をしてくれます。

レスポンシブ検索広告(RSA)の改善ポイントは以下の5点です。

  • 見出しは10個以上、説明文は3個以上設定する
    • 見出しは最大15個、説明文は最大4個まで設定するのが理想的です。これは、より多くのバリエーションをテストし、機械学習を促進するためです。
  • 複数の訴求パターンを入れる
    • 多様なユーザーニーズに応えるため、同じ商材でも複数の訴求パターンを含めることが重要です。特に、会社名やブランド名は少なくとも一つの見出しに含めたほうが良いです。
  • 広告カスタマイザーを活用する
    • 検索キーワードと連動した広告表示が可能になり、クリック率の向上が期待できます。ただし、広告カスタマイザーの利用は見かけの広告の有効性には影響しませんが、実際には評価が上がるとGoogleは示唆しています。
  • 1つの広告グループに設定するRSAの数は1,2個まで
    • RSAが多いとデータが分散し、機械学習が進みにくくなるため、コンバージョン数が少ない場合は特に注意が必要です。データが十分にある場合は、3個でも問題ありません。
  • 見出しや説明文を定期的に更新する
    • パフォーマンスが低いアセットやデータ不足で学習中のアセットから優先的に見直しましょう。パフォーマンスが良いアセットを参考に、新たな訴求を検討することも有効です。

3.LPを見直してコンバージョン率を上げる

いくら広告が魅力的でも、その後のLPが広告の内容と違っていたり、操作性が低い場合にはユーザー離脱につながる可能性があります。

ユーザーが抱えている悩みや課題に対して解決策を提示し得るLPになっているか、今一度チェックしてみてください。

また、本記事では詳細は割愛しますが、離脱率を下げるためには、以下のような項目を参考に既存のLPの改善点が無いか確認します。

  • ファーストビューにサービスが提供できる価値が載っているか?
  • ユーザーが悩みや課題の解決につながると思える内容を掲載できているか?
  • 必要な情報(料金など)がすべて載っているか?
  • ユーザーにとって不安が残る内容になっていないか?
  • コンバージョンまでの動線は分かりやすいか?

よくある質問

リスティング広告に関するよくある質問をまとめました。リスティング広告を配信してから困らないよう、事前に確認しておきましょう。

この記事で登場する専門用語まとめ

この記事では、できるだけWeb広告の初心者の方でも理解しやすいように平易な説明をするように心がけていますが、いくつか専門用語が出てくる箇所があるため、それぞれの用語の意味を記載しておきます。

基本用語意味
配信面広告が実際に表示される場所。特定のWebサイトやアプリなど
キーワード広告を表示するためにあらかじめ設定する語句。ユーザーの検索語句と一致すると広告が表示されやすくなります
検索語句実際にユーザーが検索エンジンに入力した言葉。広告が表示されたきっかけとなるワードです
オークション広告の表示順位や表示の有無を決めるために、広告主同士が入札と品質で競う仕組みです
入札単価広告のクリックや表示に対して支払ってもよい金額。オークションで使われます
広告ランク入札単価や広告の品質などをもとに決まる指標で、広告の掲載順位を決めるために使われます
機械学習広告の配信データをAIが学習し、配信の最適化やターゲティング精度の向上に活用する仕組みです
指標用語意味
COST広告配信にかかった費用
CPA(コンバージョン単価)1件のコンバージョン(成果)を獲得するためにかかった広告費用。COST÷CVで求めることが出来ます
CV(コンバージョン)広告の成果として定義されるユーザーの行動(例:購入、問い合わせ、申込など)が発生した回数
IMP(インプレッション/表示回数)実際に広告が表示された回数
CTs(クリック数)広告がクリックされた回数
CPC(クリック単価)1回のクリックあたりにかかった広告費用。COST÷CTsで算出されます
CVR(コンバージョン率)広告をクリックしたユーザーのうち、コンバージョンに至る割合。CV÷CTs×100で算出できます

SEOやディスプレイ広告との違いは?

ここでは、リスティング広告と比較されることが特に多い「SEO」と「ディスプレイ広告」との違いを説明します

SEOとの違い

まずは、SEOとの違いについて代表的なものを紹介します。

即効性がある

SEOの場合、検索結果の表示可否や順位は各検索エンジン(Google、Yahoo!、Microsoft)それぞれが自社サイトを評価することで決まります。

検索語句にもよりますが、競合性が高いキーワードの場合、検索上位に表示されるには時間を要するケースが多いです。

あくまで相対的な評価ではありますが、リスティング広告は新規で広告配信をしてから検索上位に表示されるまでのリードタイムを短縮できることが多く、SEOと比べて即効性の高い施策という評価を受けていることが多いです。

表示内容をコントロールできる

SEOでは、検索結果に表示されるテキストは基本的に自社でコントロールすることが可能ですが、検索キーワードや検索ユーザーの意図によっては、ページ内のテキストが自動抽出されることがあります。

リスティング広告はレスポンシブ検索広告(RSA)という広告形式が標準仕様となっています。

AIによってテキストの組み合わせが自動調整されることがありますが、表示するテキスト自体は管理画面で指定することが出来ます。

掲載順位をコントロールしやすい

前述の通り、SEOにおいては検索結果の表示可否や順位は検索エンジンによって決められます。

一方でリスティング広告は、後述する入札をコントロールすることによって、掲載順位や発生する費用をある程度コントロールすることが可能です。

ディスプレイ広告との違い

次に、ディスプレイ広告との違いについて説明します。

広告の掲載面

リスティング広告はユーザーがGoogleやYahoo!で検索行動を行った際に、その検索結果に広告が表示されます。

一方でディスプレイ広告は、各媒体が保有しているポータルサイトのページ内や、アプリの広告枠に表示されます。

サイトを閲覧している際に、サイト内の上部や中盤に表示される画像バナーが表示されます。

広告の表示タイミング

リスティング広告は、ユーザーの検索行動をきっかけに広告が表示されます。

よって、商品やサービスを能動的に調べている人、つまりは購入意向が高い人に対して広告表示が可能になります。裏を返せば、検索行動が行われない限り広告が表示されることはありません。

一方でディスプレイ広告は、広告枠が存在するサイトやアプリを閲覧している際に表示されます。

検索行動が行われずとも広告を表示できるので、ユーザーが商品やサービスを認知していなくてもアプローチすることが可能となり、認知や購買行動につながるきっかけを作ることができます。

広告フォーマット

リスティング広告はテキストのみなので、広告作成の工数を最小限に抑えることができます。

ディスプレイ広告は画像や動画の制作工数がかかりますが、テキストだけでは伝えきれない視覚的なイメージを伝えることが出来ます。

Google/Yahoo!/Microsoftはどれがおすすめ?

リスティング広告はGoogle広告、Yahoo!広告、Microsoft広告などで配信できますが、はじめて広告配信をする場合、どの媒体から配信すべきか判断に迷うケースもあると思います。

結論として、広告をはじめて配信する場合はまずGoogle広告から配信するのがおすすめです。

理由として、Googleは検索エンジンシェアの大部分を占めているため、見込み顧客の数が非常に多いことが特徴として挙げられます。

また、あくまで弊社の運用経験をもとにした印象ですが、Google広告はYahoo!、Microsoftと比較して機能開発の頻度も多く、機械学習の精度が高いため、自動化を活用しながら広告の成果を最大化しやすいというメリットもあります。

40代以上のミドル・シニア層、BtoBのエンタープライズ企業などに広告配信したい場合はYahoo!、Microsoftのほうが費用対効果が高いケースも一部見受けられますが、Google広告と比べて運用難易度が高いことが多いので、はじめて広告配信する場合はGoogle広告から配信することをおすすめします。

リスティング広告にはどれぐらい予算をかけるべき?

はじめてリスティング広告を配信する場合、まずどの程度の予算をかけるべきか判断に迷う方もいらっしゃるかと思います。

まず前提として、広告の適正費用は自社の事業や目標、ターゲットなどの個別事情によって可変するため、一概に「これぐらいの予算が適正」と基準を示すことは難しいです。

N数も少ないためあくまで参考程度にご覧いただければと思いますが、弊社の独自調査の結果では、Web広告を配信している広告主のうち、約7割は月間広告予算が100万円以下というデータが出ています。

リスティング広告は、はじめてWeb広告を配信する際に選ばれやすい媒体であり、かつ成果への即効性を期待されやすい媒体であることから、まずどの程度の予算をかけるべきか判断に迷う方も多く見受けられます。

その場合、まずは少額予算でテスト配信を行い、増額することで期待するパフォーマンスが見込めそうであれば予算を追加するケースが一般的です。

しかし、予算が少額すぎると機械学習の促進に必要なCVデータが蓄積できず、かえって費用対効果を低下させてしまう恐れもあります。

目標CV数やCPA、CPC、CVRによっては、期待値以上のパフォーマンスを上げるには予算を増額したほうが良いケースもあるため、広告の予算策定をする際は、シミュレーションを参考に予算が本当に妥当なのか慎重に検討することが重要です。

インハウス運用と運用代行はどちらがおすすめ?

以下はおおよその目安ですが、

  • 社内に運用経験者がおり、広告運用の体制が整備されている場合
  • 自社内に広告運用のノウハウを蓄積したい場合
  • 月の広告予算が少額(100万円以下)である場合

などはインハウス運用を推奨します。

一方、運用代行を活用すると、広告運用の専門スキルを保有する人材にサポートしてもらうことが出来るため、インハウス運用よりも早期に成果に結びつく可能性があります。

運用業務をパートナーに委託することで、工数を確保することも出来るので、マーケティング戦略の立案や、他施策の遂行などに時間を充てることも可能になります。

インハウスか運用代行か迷っている方は、以下の比較表も参考にしてください。

インハウス運用運用代行
体制自社で広告運用を内製する代理店や個人に運用を委託する
メリット・意思決定と実行を社内でおこなうためPDCAを高速化しやすい
・自社の運用経験をもとにナレッジを蓄積しやすい
・プロが運用するため無駄なく最短距離で成果を実現しやすい・外部リソースの活用によって施策の実行スピードを早めることが出来る
デメリット・体制構築と維持の難易度が高い・運用経験者がいないと誤った設定・運用により成果が停滞する可能性がある・担当者によってパフォーマンスにムラがある・広告費と別で初期費用や手数料が発生する
コスト体制構築や維持が出来れば、中長期的には運用代行よりコストメリットが生まれるケースが多い支援が継続する場合は、手数料が発生し続ける

なお、はじめてWeb広告を配信するケースで、広告予算が月100万円以下など少額でテスト配信したい場合は、まずはインハウス運用で効果検証しながら、さらに成果を伸ばしていきたい場合に運用代行に依頼することをおすすめします。

理由としては、

  • 自社で運用するため、戦略と戦術の整合性を取りやすく、仮説検証サイクルを回しやすい
  • 様々な成功・失敗体験を繰り返すことで、自社に広告運用のノウハウを蓄積させやすい
  • 広告運用の経験があることで、運用代行を依頼する際に代理店の担当者と議論が進めやすい

が挙げられます。

いずれにせよ、広告運用の最適な体制は、自社の目標や予算などの個別事情に左右されるものであり、フェーズによって変化する可能性もあるため、その時々のニーズに応じて適する体制を選択するようにしましょう。

リスティング広告の成果を改善するには?

リスティング広告の成果を改善する上では、自社の課題を正しく認識することが重要です。

以下のようなツリーマップを使いながら、どの指標を改善すべきなのか、指標変化の裏にどんな要因がありそうか、仮説を立てていきます。

ボトルネックの特定が出来たら、課題に応じて適切な打ち手を選定します。

リスティング広告を配信して間もないうちは、設定・運用のベストプラクティスと呼ばれるような、基本改善を網羅的に押さえることが重要です。

以下のチェックリストでは、10人運用者がいたらそのうち8人がそうしたほうが良いと回答するレベルの一般的な推奨設定をまとめています。(画像をクリックするとスプレッドシートを閲覧できます)

リスティング広告を始める際、基本的な設定を理解しておくことが重要です。まず、アカウント設計をしっかり行い、広告の効果を最大化するために、キャンペーンや広告グループを適切に分けます。

この際、大事なのは、機械学習がうまく働くために必要なコンバージョン(CV)数を集めることと、広告内容がキャンペーンごとに異なるようにすることです。

次に、入札方法を選びます。予算などにもよりますが、基本的には「自動入札」がオススメで、これはAIが広告配信を最適に調整してくれる仕組みです。自動で入札額を設定してくれるため、広告の効果を高めやすくなります。

また、キーワード選定も重要で、ユーザーが検索する言葉を広告に合わせることで、クリックされやすくなります。

例えば、ユーザーが「渋谷 賃貸」などを検索した場合、該当の語句で検索しているユーザーのニーズに沿うテキストを広告に反映させることが効果的です。

広告の内容をより魅力的にするために、特定のキーワードを自動で広告文に挿入したり、地域や時間帯に合わせて広告文を変えることができる機能もあるため、必要に応じて活用しましょう。

まとめ:リスティング広告で売上を増加させよう

リスティング広告は、特定のキーワードで検索している能動的なユーザーにアプローチすることが出来るため、適切に設定・運用すれば、売上増加が期待できます。

リスティング広告の成果を最大化するには、目標や予算、商材、ターゲットなど、自社の状況に応じた運用のカスタマイズが重要です。

リソースを十分に確保できない、ノウハウが少ないため正しい運用をできるか不安な場合などは、代理店や個人事業主に相談するのもおすすめです。

リスティング広告が有効か迷っているなら
広告にとらわれない支援「オーリーズ

広告施策のお悩みは顧客理解が強みのオーリーズへ。顧客の目的・商材特性に合わ
せて、広告にしばられないマーケティングプランを検討。戦略設計・運用までしっかり伴走。

【広告成果を最大化するオーリーズの特徴】

  • 顧客の課題にコミットするため、担当社数は最大4社
  • 運用者=顧客窓口だからスピーディーな仮説検証が可能
  • 顧客の半数以上が「強く」おすすめしたいと評価

この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト

頼富 穰

新卒でパーソルキャリア株式会社に入社。社内ベンチャーとして立ち上がった顧問紹介サービスのコンサルタントに従事。 IT・メディア関連企業の経営層に対して顧問活用の提案を行う中で、データリテラシーを高め、経営・事業・組織を根幹から変えていくことの重要性を認識。 枠に縛られず顧客の事業成長に伴走する姿勢、アジャイルに物事を推進していくオーリーズのスタイルに共感し入社を決意。

最近書いた記事