- ナレッジ・ノウハウ
- 頼富 穰
【検索広告のキホン】広告が配信されない場合の対処法
今回は検索広告の配信に関わり始めた方に向けて、検索広告が配信される仕組みと、検索広告が表示されない場合の要因別の対処法についてまとめました。
事業会社のWebマーケティング担当者、支援会社の広告運用初学者向けの記事となります。
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目次
検索広告が配信される仕組み
入札オークションの仕組み
検索広告では、管理画面上で設定したキーワード(または類似語句)でユーザーが検索を行った際に、競合する広告同士で入札オークションを行います。
人気のキーワードに関しては、自社を含めて複数の広告がバッティングすることがほとんどです。
同一キーワードの検索結果上位画面に表示できる広告枠は限られているため、各広告の広告ランクに基づいてどの広告を表示させるのか?ということをオークションによって決定しています。
オークションの成否(広告の表示順位)を決定する広告ランクに関しては、主に広告の入札単価×広告の品質+その他要素の見込み効果という式で算出されており、設定したキーワードに関連する語句が検索されるたびにオークションが行われるため、キーワードを設定したら常に広告を表示できるとは限りません。
他社も広告を出しているKWに関しては、入札単価が低すぎる、広告の品質スコアが低すぎるとKWを入稿していても広告が表示されない場合がありますので注意が必要です。
参考:
管理画面で設定すべき項目
広告の入稿が完了したら、アカウントの各階層の配信ステータスをONにします。
キャンペーン、広告グループ、KW、広告すべての配信ステータスがONになっていればOKです。
新規のKWや広告を入稿する際は媒体による審査が入るため、審査が完了するまでは配信をすることが出来ません。KWや広告を作成する際は、媒体の審査ポリシーに引っかかっていないかチェックの上で内容を検討するようにしましょう。
参考:
広告が配信されているか確認する方法
1.実際に検索画面でチェックする
実際にどのように広告が表示されているか確認する際は、設定しているKWに関連する語句で検索窓を叩いてみましょう。
設定しているKWが完全一致であれば同一語句(または類似語句)、フレーズ一致であれば前後にサブキーワードを加えた語句、部分一致であれば関連性があると考えられる複数語句で検索します。
先ほどお話した通り、検索広告では該当の語句が検索されるたびに広告の入札オークションが行われるため、必ずしも広告が表示されるとは限りません。
広告が表示されるまで複数回同じ語句で検索窓を叩いてみて、自社の広告がどのように表示されるのか(表示内容、掲載順位など)確認してみましょう。
表示された広告をクリックしてしまうと広告費が発生してしまうため、LPが正しく表示されているか、CV計測が正しく出来ているかチェックする際は事前にCVテストを行うことを関係者に周知しておきましょう。
【補足】
例えばブランド認知を高めたい、競合他社に優先して広告の表示頻度を高めたい場合などは、キャンペーンの入札戦略を目標インプレッションシェアに設定しましょう。
目標インプレッションシェアは広告のIMP-sを特定の値に近づくように設定できるのですが、一般的には広告の表示頻度が高まるにつれCPCも上昇していく傾向にあるため、広告の表示頻度だけでなくCPAもサブ目標に置いている場合は随時目標%の値を調整していく必要があります。
その他にも多くの入札戦略があるので目的に合った入札戦略を使用しましょう。
- その他の入札戦略:下記は2023年3月現在のも
2.管理画面でIMPが出ているかチェックする
実際に広告が表示されているか確認するもう一つの方法は、広告の管理画面でIMPが出ているかチェックする方法です。
Google広告やYahoo広告などほとんどの媒体では最新データの反映に数時間のラグが発生するため、管理画面上のデータは常に最新のものであるとは限りません。
検索広告のレポートの実績値の反映目安 – Yahoo!広告ヘルプ
広告の配信ステータスをONにし実際に検索画面に広告が表示されていることを確認したとしても、実際に管理画面上にデータが反映されるのは数時間待ってから確認したほうが正確なデータを見ることが出来ます。
IMPやクリックなど大部分の指標は常時更新されますが、オークション分析やインプレッションシェア、検索語句などは1日に数回程度の更新頻度になるため、頻繁に確認するのはおすすめできません。
また、Adobe Analytics等の外部計測ツールでCV計測を行いたい場合は、各ツールの要件に従ってコンバージョン追跡タグの設置やカスタムパラメータを設定する必要があります。
タグの設置の際は、各ランディングページごとに追跡タグを埋め込む方法でも問題はありませんが、Google広告やYahoo広告を使っている場合はタグマネージャーを利用して設置を行ったほうが工数の削減が出来ます。
広告が表示されない場合の要因別対処法
広告が表示されない要因を特定する際は、アカウントの階層ごとに設定項目をチェックしていき漏れなく確認することが重要です。
アカウントの階層ごとにチェック項目を知っておくことで、無駄な項目の確認に時間を割くことが無くなるため以下のチェック表を有効活用してください。
各要因別の対処法について補足説明をしていきます。
支払い残高が0になっている
アカウントの支払い残高が残っていない場合は広告の配信が止まることがあります。
残高が0になると、広告管理画面に「アカウントの残高が無くなったため広告は掲載されません」とアラートが表示されます。
アカウントの残高が0になることによる機会損失を防ぎたい場合は、広告予算は手動入金ではなくクレジットカードによる自動入金や請求書などの後払いを選択するようにしましょう。
予算上限に達している
Google広告やYahoo広告では、キャンペーン単位で日予算を設定することが出来ます。
1日の日予算は都度金額を調整することが出来るのですが、日予算に設定している金額が低すぎる場合も広告の配信が出ないケースもあります。
通常は検索トラフィックが多い場合、クリックやコンバージョンが獲得しやすいとアルゴリズムが判断した場合は1日の平均日予算の2倍まで配信が伸びることがありますが、月の前半で設定予算を早めに消化してしまった場合などは、月の後半で広告配信が減少する可能性が考えられます。
日予算の設定金額が理由で広告の配信が出ない場合は、日予算を引き上げて対処しましょう。
ターゲティングが狭すぎる
キャンペーンや広告グループのターゲティングが狭すぎる場合、広告の配信が出ない可能性があります。配信地域やターゲット属性(年齢/性別など)、デバイスや時間帯などを絞りすぎていないか確認するようにしましょう。
一般的にターゲティングを広げると広告を表示する対象が広がるため、CPCやCPAが上昇する可能性が考えられます。CPA目標に設定している場合は一気に拡張しすぎないように注意しましょう。
終了日を過ぎている
キャンペーンで設定した終了日が過ぎている場合は広告が配信されません。過去に停止したキャンペーンを再開する際に起こりがちなケースです。
終了日の設定を更新すれば解決しますので、焦らず配信スケジュールを確認しましょう。(配信開始日が未来の日付になっている場合も同様です)
入札戦略が無効になっている
目標コンバージョン単価(tCPA)や目標広告費用対効果(tROAS)を入札戦略に適用している場合は、機械学習が過去のコンバージョン履歴に基づいて最適化を行います。
学習の最適化に必要なサンプルCV数を大きく下回っている場合などは、自動入札の精度に悪影響を及ぼし配信が出ない可能性があります。
審査落ちしている
入稿しているKWや広告が媒体の審査項目に違反している場合、広告が表示されません。
KWや広告ごとの審査ステータスは各階層のステータス欄で確認できるため、新しくKWや広告を入稿する場合は審査ステータスをチェックするようにしましょう。
品質が低すぎる
広告の品質が低いことだけで広告の配信が出ないケースは少ないですが、競合性の高いKWの場合は広告の品質が低すぎることで広告の配信が出ない場合があります。
広告の品質は主に「推定クリック率」「KWと広告の関連性」「LPの利便性」の3要素が影響しますが、これはKWや広告などの単一の要素ごとに定義されるものではなく、広告オークションに参加するたびにリアルタイムで評価されます。
推定クリック率が低い場合は広告文の文言を具体的にしたり、【】を使うなどして視認性を上げる、KWと広告の関連性が低い場合は検索語句に使われている表現を広告文に盛り込む、LPの利便性が低い場合はユーザビリティの向上に有効な施策(画像を減らして読み込みスピードを上げる等)を実施してみることをおススメします。(推定クリック率は過去の掲載結果を基に反映されるため、すぐに改善されるわけではない点は注意が必要)
KWの検索量が少ない
入稿しているKW自体の検索量が少ない場合は広告の配信が出ないこともあります。
KWのマッチタイプを拡張してカバーできる検索語句を広げるか、検索量の多いKWを新規入稿するなどして対応しましょう。
KWの検索量を調べるには、キーワードプランナーを利用しておおよその検索量をチェックしておくと対象を絞りやすいです。
まとめ
💡 検索広告で広告が配信される仕組みと配信が出ない場合の対処法
・検索広告ではユーザーが検索行動を行うたびに入札オークションが行われ、掲載候補の広告同士で広告ランクが高いものが表示される
・広告が表示されない理由は様々あるため、アカウントの階層ごとに原因をチェックしていくと工数&ミス防止の観点で効率的
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