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- 頼富 穰
リスティング広告の種類|3媒体の違いと選び方のコツを解説

リスティング広告をはじめて配信する際、まずはどの媒体から配信すべきか迷う方もいらっしゃるかと思います。
「リスティング広告が配信できる媒体にはどのようなものがある?」
「Google・Yahoo!・Microsoft、まずはどの媒体から配信すべき?」
「リスティング広告の成果を最大化するにはどうしたらいい?」
このようなお悩みを抱えている方に向けて、この記事では「リスティング広告の種類」「リスティング広告を配信できる媒体と選び方」「リスティング広告を効果的に運用する方法」などを解説します。
媒体選定の参考となるポイントを初心者向けにまとめていますので、リスティング広告の検討にお役立てください。
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目次
リスティング広告の種類
リスティング広告は、Google広告、Yahoo!広告、Microsoft広告の3つの媒体で配信できます。
それぞれの媒体の特徴や使い分けについては、後のセクションで詳しく解説します。
リスティング広告は、検索エンジンの検索結果ページに表示されるテキスト型の広告で、ユーザーが検索したキーワードに基づいて表示されるため、自社がアプローチしたいユーザーに接触しやすいのが特徴です。
また、一般的にリスティング広告は「検索連動型広告」を指すことが多いですが、広義ではディスプレイ広告(コンテンツ連動型広告)もリスティング広告に含まれることがあります。
この記事では、実際の広告運用で最も頻繁に使用される「検索連動型広告」に焦点を当てて解説します。
リスティング広告を配信できる3媒体
リスティング広告は「Google広告」「Yahoo!広告」「Microsoft広告」で配信することが出来ます。
配信精度やオプション機能など、細かい機能面でいくつか違いがありますが、基本的な仕組みは概ね同様です。
Google広告 | Yahoo!広告 | Microsoft広告 | |
特徴 | ・検索エンジンでトップシェア ・AIによる自動化でターゲティング精度が優秀 | ・国内向けの検索エンジン | ・PCでは国内2位のシェア ・Bing利用比率が高い法人/官公庁、ミドルシニア向け商材と相性が良い |
配信面 | Google検索 | Yahoo!検索 | Bing検索 |
ユーザー層 | ・幅広いが、若年層が多め ・スマホの配信比率が高め | ・幅広いが、ミドルシニア層が多め ・PCの配信比率が高め | ・幅広いが、ミドルシニア層が多め ・PCの配信比率が高め |
機能 | 高度なターゲティング、自動化の精度が高い | Google広告に似た管理画面で初心者でも扱いやすい | CPCが低いが機械学習の質はやや発展途上 |
また、日本における検索エンジン市場シェアは2025年時点で以下の通りとなっており、Googleがシェアの大部分を占めています。
参照元:statcounter|Search Engine Market Share Japan
そのため、リスティング広告はまずボリュームが見込めるGoogle広告から配信し、効果が見込めそうであれば、Yahoo!やMicrosoftにも出稿することをおすすめします。
Google広告
検索エンジンのトップシェアを獲得しているため、Yahoo!やMicrosoftと比べて多くのユーザーにリーチしやすい広告媒体です。
機能開発も多く、もっとも自動化が進んでいる媒体なので、はじめて広告を出稿する場合におすすめの広告媒体です。
メリット
- 検索エンジンのシェアの大部分を占めるため、広範なユーザーにリーチできる
- AIによる自動化が優秀で、他媒体と比べて効率的にパフォーマンス向上しやすい
- ターゲティングオプションなどが豊富で、目的に応じてカスタマイズしやすい
デメリット
- 出稿する広告主(競合)が多いため、クリック単価(CPC)が高い
- 競合が多い成熟市場では、代理店などが高度な運用を行っているケースもあり、短期でパフォーマンス改善が期待しづらい可能性がある
Yahoo!広告
Yahoo!広告は月間のアクティブユーザー数が8,000万人を超える規模であり、国内ではGoogleに次いで利用者が多い広告媒体です。
基本的な機能や管理画面のUIなどは、Googleを踏襲して作られているため、初心者でも扱いやすい広告媒体です。
メリット
- 日本国内の検索エンジン市場でGoogleに次ぐシェアを持ち、広いリーチが可能
- 管理画面のUIがGoogle広告に似ており、初心者でも扱いやすい
デメリット
- Google広告ほどの機能や精度はなく、広告の自動化の面ではやや劣る部分がある
- Googleに比べてユーザー層が偏っており、特定のターゲットには届きにくいことも
Microsoft広告
Google、Yahoo!と比べると後発の広告媒体で機械学習の質も発展途上と言えますが、Microsoft広告の配信先のひとつである「Bing」は、近年ユーザー数が増加傾向にあります。
特にPC利用ユーザーにおけるシェアは、Googleに次いで第2位となっています。
Microsoft広告は、Bingに広告を出稿できる点が大きな特徴です。BingはWindows標準のブラウザ「Edge」と連携しており、PCでの利用者比率が高いため、特にデスクトップユーザーにリーチしやすいです。
また、Microsoft広告はCPCが低い傾向にあり、競合が少ないため、低コストでCV獲得が可能です。
Google広告やYahoo!広告と併用することで、より多くのCV獲得が期待できます。
メリット
- Bingユーザーにアプローチできる
- 競合が少ないため、CPCが低く低単価でコンバージョンを獲得しやすい
- エンタープライズ企業やBtoB領域でのリード獲得に強みがある
デメリット
- 自動化の精度がGoogleやYahoo!より発展途上
- シェアが小さいため、全体のリーチは限られる
自社にぴったりな媒体を選ぶには?
リスティング広告を配信する際、どの媒体を選ぶかは非常に重要なポイントです。
基本的には、ユーザー数の多さや機械学習の精度の高さを基準に、まずはGoogle広告から配信を開始するのがオススメです。
Google広告は世界的にトップシェアを誇り、多くのユーザーにリーチできるため、最初に配信を開始するには最適な選択肢となります。
しかし、必ずしもGoogle広告が最適とは限らないため、自社にぴったりな媒体を選ぶためには、ターゲット層や商材に応じた判断が必要です。
ここでは、どのような場合にどの媒体を選ぶべきか、具体的な判断基準を紹介します。
この条件に当てはまったらGoogleがおすすめ
- 幅広いターゲット層を狙いたい
Googleは検索エンジンシェアの大部分を占めており、特に幅広いターゲット層(20代~40代)を狙いたい場合に最適です。また、スマートフォンユーザーが多いため、モバイルユーザーに対しても効果的にアプローチできます。 - 商材がB2C(Business to Consumer)向け
B2C商材を扱っている場合、Google広告は非常に効果的です。多くの消費者がGoogleで検索しているため、即効性のあるコンバージョンを狙いやすいです。 - 効率的にコンバージョンを獲得したい
Google広告は機械学習の精度が高く、広告運用を自動化する機能も充実しています。初心者でも効率的に運用を進めたい場合に適しています。
この条件に当てはまったらYahoo!がおすすめ
- 日本国内のユーザーをターゲットにしたい
Yahoo!広告は日本国内で強みを持つ広告媒体です。日本特有の市場やユーザー層に特化しているため、日本市場でのリーチを重視する企業には適しています。 - 40代以上のターゲット層を狙いたい
Yahoo!広告は特に40代以上のユーザーに強みを持っており、ミドル・シニア層をターゲットにした商材は特に相性が良い傾向にあります。 - 広告の競争が少ない場合にコストを抑えたい
Google広告ほど競合性が高くないケースが多いため、低単価でコンバージョン獲得を狙いたい場合におすすめです。
この条件に当てはまったらMicrosoftがおすすめ
- Bingユーザーをターゲットにしたい
Microsoft広告はBingに配信でき、特にPCユーザーに強みがあります。デスクトップ端末を主に利用している層にリーチしたい場合には非常に効果的です。 - BtoB商材を扱っている
Microsoft広告は、特にエンタープライズ企業やBtoBの商材に強みを持っています。PCユーザー層にリーチしやすく、特に大企業や法人向けの商材を扱っている場合に最適です。 - コストパフォーマンスを重視したい
クリック単価(CPC)が低く、競合が少ないため、低コストでCV(コンバージョン)を獲得しやすい点もMicrosoft広告の強みです。
また、あくまで参考情報としてご認識いただければと思いますが、同じ商材で3媒体を配信しているケースでクリック単価(CPC)とコンバージョン率(CVR)の平均を示します。
以下のデータからも分かるように、GoogleはCPCが高い傾向にあるもののCVRも高い傾向にあり、Yahoo!とMicrosoftはCPCは低い一方でCVRも低い傾向にあります。
■アパレルEC
媒体 | 平均CPC | 平均CVR |
Google検索広告 | 101円 | 13.5% |
Yahoo!検索広告 | 77円 | 5.6% |
Microsoft検索広告 | 34円 | 1.1% |
■BtoB商材
媒体 | 平均CPC | 平均CVR |
Google検索広告 | 440円 | 10.6% |
Yahoo!検索広告 | 260円 | 6.8% |
Microsoft検索広告 | 130円 | 5.3% |
■金融商材
媒体 | 平均CPC | 平均CVR |
Google検索広告 | 190円 | 3.4% |
Yahoo!検索広告 | 110円 | 2.8% |
Microsoft検索広告 | 74円 | 2.6% |
※上記のデータは過去1年間の配信データの平均値を記載しています。
リスティング広告の始め方
ここでは、初心者でもわかりやすくリスティング広告を配信する手順を解説します。
まず、リスティング広告配信の流れは、Google、Yahoo!、Microsoftなどで大きく変わりません。
各プラットフォームで共通する設定項目が多いため、一度設定を覚えれば、他のプラットフォームでも同じように配信できます。
また、Yahoo!広告・Microsoft広告はGoogle広告からキャンペーンの設定内容をインポートすることが出来るため、一度Google広告の設定をしてしまえば、手軽に設定をすることが出来ます。
一方で、一部インポートされない設定項目などもあるため注意しましょう。
今回は初めてリスティング広告を配信する際に選ばれやすいGoogle広告の配信手順について流れを解説します。
詳細手順は以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
1. 広告アカウントの作成
リスティング広告を配信するためには、まずGoogle広告のアカウントを作成する必要があります。
Google広告の公式サイトにアクセスし、メールアドレスを使って新規アカウントを作成します。アカウント作成後、広告の配信地域や支払い設定など、初期設定を行います。
2. アカウント設定
次に、アカウント設定を行います。リスティング広告は、「キャンペーン」「広告グループ」「広告文」「キーワード」といった階層に分かれており、各階層で必要な設定をおこなう必要があります。
キャンペーン
キャンペーンは、予算やターゲティングなどを設定する階層です。
特定の地域やデバイスに向けて広告を配信する設定や、予算の管理などもキャンペーン設定で行います。
キャンペーンは、後の広告グループやキーワード設定と密接に関連しており、広告配信の戦略的な土台を作る部分です。
広告グループ
広告グループは、キャンペーンに紐づく階層です。
各広告グループ内で、特定のターゲットを絞った広告を設定し、関連するキーワードを選定します。
複数の広告やキーワードを一つの広告グループ内で運用することができ、ユーザーの検索意図により関連性の高い広告を表示するための設定をおこなうことが出来ます。
広告
広告では、広告文とランディングページ(LP)を設定します。
広告文は、検索結果ページに表示されるリスティング広告のテキスト部分です。
近年では、RSA(レスポンシブ検索広告)が主流になっています。RSAは、複数の見出しや説明文を入力することで、Googleの機械学習が最適な組み合わせを自動で生成し、最も効果的な広告を配信してくれる仕組みです。
この機能を活用することで、さまざまなユーザーに対してよりパーソナライズされた広告を表示できます。
広告文作成時には、商品の魅力やターゲットユーザーに響くメッセージを盛り込み、クリック率(CTR)の向上を目指すことが重要です。詳細については、以下の関連記事を参考にしてください。
また、ランディングページ(LP)とは、ユーザーが広告をクリックした後に遷移する商品・サービス訴求のためのWebページのことです。
広告用のLPを用意することが難しい場合は、自社の商品ページやお問い合わせページなどを設定することも可能ですが、基本的には広告用に専用のLPを用意することをおすすめします。
広告用にLPを用意する意図としては、同じ商材でも、ユーザーによってニーズは多様であることが多いため、ユーザーニーズに応じて訴求やデザインを個別カスタマイズすることで、コンバージョン率の向上が期待できるためです。
また、すでにLPの用意がある場合は、LPがユーザーにとって魅力的な訴求となっているか、離脱に繋がり得るポイントを潰せているかなど、LPが適切なものとなっているかチェックをしましょう。
キーワード
キーワードは、ユーザーが検索する語句を基に、広告を表示させるための重要な設定です。
リスティング広告では、事前に設定したキーワードに基づいてどの検索語句に広告が配信されるのかをコントロールすることが出来ます。
キーワードは、自社の商品やサービスに関連する語句を設定します。商品名や会社名で検索する「指名検索キーワード」は、すでに関心が高く購買の確率が高いユーザーが検索する語句に配信することができるため、優先的に設定しましょう。
また、キーワードを設定する際は、マッチタイプを設定します。マッチタイプとは、広告の表示範囲をコントロールするための設定です。
マッチタイプには、インテントマッチ・フレーズ一致・完全一致の3つがあります。
マッチタイプ | 入力例 | 概要 |
インテントマッチ | Web広告 とは | 指定したキーワードに関連する内容の検索語句が広告の表示対象です。インテントマッチには、キーワードそのものが入っていない検索語句でも合致したとみなされるため、より多くのユーザーに自社製品やサービスをアピールできます。一方、複数の分析結果を用いてユーザーの意図をくみ取るため、想定外の検索語句をピックアップする可能性があります。 |
フレーズ一致 | “Web広告 とは” | 指定したキーワードと同じ意味を含む検索語句が広告の表示対象です。文言に差があっても、意味が同じと解釈されれば表示対象です。ただし、インテントマッチほどの複雑な分析結果を用いるわけではないため、拡張性は狭くなります。 |
完全一致 | [Web広告 とは] | キーワードとまったく同じ意味の検索語句が表示対象です。3つのキーワードマッチタイプのなかで最も絞り込めますが、広告表示対象となる検索語句の数は少なくなるため、配信数も少なくなる可能性が考えられます。 |
キーワードの考え方や、選定の詳細な方法については以下の関連記事をご覧ください。
3. タグ設置
Google広告でリスティング広告を配信するためには、ウェブサイトにコンバージョンタグを設置する必要があります。
タグは、Google広告の管理画面から取得でき、ウェブサイトに埋め込むことで、コンバージョンを追跡できるようになります。
Web広告の運用では、コンバージョンタグを設置することが基本中の基本です。タグがなければ、広告配信を続けてもその効果を正しく把握できず、改善することもできません。
コンバージョンタグは必ず設定して、広告の成果をしっかりと計測できる状態にしておきましょう。
なお、タグ設置の方法としては、①自社のWebサイトに直接設置する②Google タグマネージャー経由で設定する方法の2通りがあります。
基本的にはどちらを選んでも広告の配信実績には影響はありませんが、設定やメンテナンスのしやすさから、コード編集に不慣れな場合はGoogleタグマネージャー経由での設定をおすすめします。
4. 広告審査と配信開始
設定が完了すると、Googleは広告の審査を行います。通常、広告審査は1営業日以内に完了します。審査に通過すると、広告が配信開始されます。
ただし、配信ステータスが「ON」となっていても、設定に誤りがある場合や広告が審査に落ちた場合は、広告が表示されないことがあります。そのため、配信後は管理画面を定期的に確認することが重要です。
広告が表示されているか確認する方法は2通りあります。
- 管理画面での確認
Google広告の管理画面で、インプレッション数(IMP)に数字がついているか確認します。数字が表示されていれば、広告が表示されていることを意味します。 - 実際の検索結果で確認
実際に設定した検索語句で検索を行い、検索結果に広告が表示されているか目視で確認します。ただし、検索結果の広告をクリックすると、クリック単価(CPC)が発生するので注意が必要です。
5. 配信後のデータ分析と改善
広告配信後は、設定した目標に対して実際にどれだけのコンバージョン(CV)が発生したか、CPA(獲得単価)が目標の範囲内で推移しているかなどを確認します。
管理画面で表示されるデータをチェックし、目標に対する乖離があれば、以下のようなロジックツリーを使いながら、どの指標に原因があるのか分析します。
例えば、広告のクリック率(CTR)が低い場合、広告カスタマイザやキーワード挿入機能などを活用してユーザーニーズに対して広告文を最適化したり、広告アセットを追加してクリック率の向上を狙うなどの対策が考えられます。
Web広告は一度設定して配信したら終わりではなく、配信後のデータを見ながら予算を調整したり、広告文やLPを見直したりなど、運用によって最適化していくことが重要です。
リスティング広告にはどの程度予算をかける?
リスティング広告の適正予算は、自社の目標、商材、ターゲット層などのさまざまな要素によって変動するため、具体的な基準を一律で示すことは非常に難しいです。
そのため、予算を設定する際には、これらの要素をしっかりと考慮した上で、柔軟に調整を行う必要があります。
例えば、Google広告などは最低出稿金額を定めていないため、理論的には1円から配信を開始することが可能です。
しかし、たとえば月数千円~数万円などの少額予算で運用する場合は、期待する成果が得られない可能性もあるため注意しましょう。
リスティング広告では、AIがコンバージョンの傾向を分析し、パフォーマンスを最適化する仕組みがあります。(機械学習と呼ばれます)
人間が経験によって徐々に賢くなっていくのと同様に、AIもデータ蓄積により最適化が進んでいきますが、データが少ない場合は学習が十分に進まず、広告のポテンシャルを最大限に活かすことができません。
Google広告ヘルプによると、30件~50件のCV獲得が機械学習の最適化に必要な推奨CV数とされています。これを目安に、どれくらいの予算を投じるべきかを考えるとよいでしょう。
また、広告予算はCPC(クリック単価)やCVR(コンバージョン率)などの中間指標によっても大きく異なります。
そのため、事前に予算シミュレーションを行うことで、必要な金額や目標達成に必要な予算感を把握することが可能です。
シミュレーションを実施した後、求める成果が得られそうにない場合には、別の施策に投資するか、予算増額を検討しましょう。
あわせて知っておきたいリスティング広告の仕組み
リスティング広告の配信仕組みは、Google広告、Yahoo!広告、Microsoft広告など、どの媒体でも基本的には同じです。
リスティング広告は、掲載する広告や掲載順位は「オークション」と呼ばれる入札システムに基づいて決まります。
オークションは、媒体のAI(機械学習)によって自動的に調整され、最適な広告が表示されるようになっています。
広告掲載順位を決める「広告ランク」
では、リスティング広告のオークションでは、広告ランクという媒体が定める基準によって掲載する広告や順位が決定されます。
広告ランクは、広告が表示されるための評価指標であり、入札単価だけでなく、広告の品質やその他の要素が総合的に考慮されます。
具体的には、広告ランクは次のような要素を元に算出されます。
- 入札単価:広告主が支払う意思のある最大クリック単価
- 広告の品質:広告文やランディングページ(LP)の品質、過去のパフォーマンス、広告の関連性など
- その他要素:広告の表示環境やユーザーの検索意図に対する適合度など
簡単に言うと、検索ユーザーのニーズに合致する広告が上位に表示される仕組みになっています。
一般的には、広告が上位に掲載されるほど、広告のクリック率は高くなる傾向にあるため、より多くのコンバージョン獲得機会を得ることができます。
広告ランクを高める方法
広告ランクを高めるためには、主に次の2つの方法があります。
- 入札単価を上げる:入札単価を上げることで、広告がオークションで優位に立ち、上位に表示されやすくなります。しかし、単純に入札単価を上げるだけではコストが増加するため、広告の品質向上も進めていく必要があります。
- 広告の品質を上げる:広告文やランディングページの関連性を高めるなど、よりユーザーニーズに合致する広告を設定することで広告の品質が上がります。広告の品質が向上すれば、同じ入札単価でもより高い広告ランクを獲得することができ、より少ない予算で広告掲載することができます。
広告ランクが高くなると、少ない予算で効果的に広告を掲載できるため、リスティング広告の費用対効果を最大化するためには、広告の品質を改善することが必須と言えます。
なお、広告の品質とよく似た概念に「品質スコア」というものがありますが、これは広告の品質改善要素を推し量るための参考指標として算定されているスコアのため、品質スコアはオークションでは考慮されていません。
リスティング広告を効果的に運用する3つのポイント
リスティング広告を効果的に運用するためには、オークションの仕組み以外にも重要なポイントがいくつかあります。
ここでは、特に初心者が最初に意識すべきリスティング広告運用の基本的なポイントを3つ紹介します。
1.適切なキーワードを選定する
リスティング広告で最も重要なのは、適切なキーワードを選定することです。
選定したキーワードによって、広告がどのような検索語句に表示されるかが変わるため、キーワード選定の仕方によって広告配信の成果が大きく左右されます。
特に重要なのは、検索ユーザーのニーズと広告文の一致性を高めることです。ユーザーが求める情報を提供できるキーワードを選ぶことで、クリック率(CTR)が向上し、効果的な広告運用が可能になります。
キーワード選定の基本的な手順としては、主に以下の4ステップで選定します。
- メインキーワードの選定:広告の核となるキーワードを決定します。
- 掛け合わせキーワードの設定:関連する語句を組み合わせて、より具体的なユーザーのニーズをターゲットにします。
- マッチタイプの設定:ユーザーの検索意図に合わせて、キーワードの一致範囲を指定します。
- 除外キーワードの設定:意図しない検索語句には広告が表示されないように除外設定を行います。
キーワード選定を行う際は、キーワードプランナーやラッコキーワードなどを活用しながらまずは候補となるキーワードをピックアップし、予算に応じて優先順位を決めていくと良いでしょう。
2.ユーザーが求める情報を広告文に含める
次に重要なのは、広告文の作成です。広告文は、ユーザーの検索背景や動機を踏まえて「ユーザーにとって魅力的な内容となっているか?」が重要です。
具体的には、広告カスタマイザやキーワード挿入機能などを活用し、ユーザーが検索した語句を広告文に組み込み、求めている情報を提供することが重要です。
また、広告文の設定とあわせて、広告表示オプションも設定しましょう。広告表示オプションとは、広告文に追加情報を設定できる機能です。
Google広告で設定できる広告表示オプションには以下のようなものがあります。
広告表示オプション(アセット) | 機能 | 詳細 | 主な対象ビジネス |
住所アセット | 広告に住所を表示 | 地図へのリンクや営業時間なども表示できる | エリアが限定されたビジネス |
サイトリンクアセット | 広告の下に同じドメインのリンクを表示 | 複数の商品・サービスを取り扱う場合に効果的 常に最新の情報を表示できる | 全て |
コールアウトアセット | 広告に短い追加情報を表示 | USPやキャンペーン情報などを訴求できる 広告の訴求内容を常に最新の状態に保てる | 全て |
構造化スニペットアセット | 商品やサービスの詳細情報を表示 | サービスや設備、コースなどの詳細情報を表示できる | 商品・サービス販売 |
電話番号アセット | 広告に電話番号を表示 | 電話番号をタップで電話発信できる | 電話での問い合わせを重視するビジネス |
価格アセット | 広告に商品・サービスの価格を表示 | 価格訴求に効果的 | 価格が固定のビジネス |
プロモーションアセット | 広告に割引クーポンやセール情報などを表示 | 期間限定の割引情報などを訴求できる | キャンペーンを実施するビジネス |
画像アセット | 広告に画像を表示 | 視覚的に訴求し、クリック率向上に貢献 | 全て |
リードフォームアセット | 広告内にフォームを表示し、ユーザー情報を取得 | 電話やメールでの問い合わせよりもスムーズに情報収集できる | BtoBビジネス |
アプリアセット | アプリのリンクを表示 | アプリのダウンロードを促進できる | アプリ運営サービス |
広告表示オプションを設定することで、広告ランクの向上が期待できるだけでなく、検索結果での専有面積が増加し、クリック率の向上が見込めます。
そのため、自社のビジネスモデルとの相性が合わない場合を除き、基本は網羅的に設定することをおすすめします。
3.ランディングページ(LP)を見直す
広告が魅力的であっても、その後のランディングページ(LP)がユーザーの期待に応えられない場合、広告の効果は十分に発揮されません。
LPは、広告と同じくユーザーのニーズに合わせた内容を提供する必要があります。特に、ユーザーが求める情報や解決策を明確に示し、ページのUIが操作性の高いものとなっていることが重要です。
すでに自社で広告用のLPを用意している場合は、以下のチェック項目に沿って、配信前に見直しをすることをおすすめします。
- ファーストビューにサービスが提供できる価値が明確に表示されているか
- ユーザーが悩みや課題を解決できる内容が提示されているか
- 料金など、ユーザーに必要な情報が全て掲載されているか
- 不安要素を取り除き、ユーザーが信頼できる内容か
- コンバージョンへの動線がわかりやすいか
これらのポイントをチェックし、LPの改善を行うことで、コンバージョン率(CVR)の向上が期待できます。
よくある質問
最後に、リスティング広告に関してよくある質問とその回答をまとめました。
リスティング広告を配信するメリットは?
リスティング広告のメリットは大きく分けると4点あります。
まず1点目は、顕在層にピンポイントで訴求できる点です。リスティング広告は、ユーザーが自分のニーズに基づいて検索した際に表示されるため、購買意欲の高いユーザーに直接アプローチできます。
2点目は、準備の手間が少ない点です。リスティング広告はテキストのみで広告を配信でき、画像や動画素材を用意する必要がありません。
そのため、広告の作成から配信開始までの時間が短縮され、PDCAを回しやすくなります。
また3点目として、配信実績からニーズを分析し、商品企画や施策改善に活用できる点も大きなメリットです。
検索語句ごとのクリック数や表示回数をリアルタイムで把握できるので、自社の見込み顧客がどのようなニーズを抱えているのか推測する手がかりとなります。
最後に4点目は、少額から配信でき、予算調整がしやすいため、リスクを最小化できる点も魅力です。
リスティング広告は最低1円から出稿でき、予算は柔軟に設定・変更できるため、少ない予算からでも始めやすいのが特徴です。
ディスプレイ広告やSEOとの違いは?
リスティング広告は、SEOやディスプレイ広告と比較されることが多いため、それぞれの違いを簡潔に説明します。
SEOとの違い
リスティング広告とSEOの主な違いは「即効性」「表示内容のコントロール」「順位のコントロール」の3つです。
- 即効性:SEOは検索結果に上位表示されるまで時間がかかることが多い一方、リスティング広告は広告配信後すぐに検索結果に表示されるため、即効性が高い施策です。
- 表示内容のコントロール:SEOでは検索結果に表示されるテキストを完全にコントロールすることは難しいのに対し、リスティング広告では管理画面で広告文を自由に設定でき、表示内容をより細かくコントロールできます。
- 順位のコントロール: SEOでは検索エンジンの評価に基づき順位が決まりますが、リスティング広告は入札単価や広告の品質をコントロールすることで、掲載順位や費用をある程度調整できます。
ディスプレイ広告との違い
リスティング広告とディスプレイ広告の主な違いは「広告の掲載面」「表示タイミング」「広告フォーマット」の3つです。
- 広告の掲載面:リスティング広告はユーザーが検索した際に検索結果に表示されますが、ディスプレイ広告は各媒体のポータルサイトやアプリに表示されるバナー広告です。
- 表示タイミング:リスティング広告はユーザーが商品やサービスを検索する際に表示され、購入意向が高いユーザーにアプローチできます。ディスプレイ広告は検索行動に関係なく表示され、認知や購買行動のきっかけを作ることができます。
- 広告フォーマット:リスティング広告はテキストのみで構成され、広告作成の手間が少ないですが、ディスプレイ広告は画像や動画を使用でき、視覚的に強い訴求力を持つことができます。
なお、重要なのは自社の目的に応じて適切な施策を選択することです。たとえば、すでにSEOで主要なキーワードは網羅的に上位掲載できている場合などは、リスティング広告を配信する意義はうすいです。
またディスプレイ広告は、自社サイトを訪問したユーザーなどに広告配信できるリマーケティングを除き、コンバージョン獲得を期待しづらい施策であるため、潜在層に認知を広げていきたい場合にチャレンジすべき施策と言えるでしょう。
まとめ:目的に応じた媒体選択でパフォーマンスを向上させよう
リスティング広告は、検索ユーザーのニーズにピンポイントで訴求できる非常に効果的な広告手法です。
Google、Yahoo!、Microsoftの各媒体にはそれぞれ特徴があり、自社の商材やターゲットに合った媒体を選ぶことが重要です。
また、適切なキーワード選定や広告文の作成、LPの最適化を行うことで、より効果的に広告運用が可能になります。
もし自社で最適な媒体選択が難しい場合は、広告運用の専門家である代理店に相談するのもおすすめです。
リスティング広告の配信・成果で迷ったら
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