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Google広告とは?仕組みと使い方が学べる入門ガイド

Google広告では、Google検索やYouTubeをはじめとするユーザー数の多い配信面に広告を出すことが可能で、多くの見込み顧客にアプローチできます。
しかし、Google広告は競合も多く、設定や運用方法も多岐にわたるため、Google広告の配信にあたって以下のような疑問を抱える方もいらっしゃると思います。
- Google広告とはどんな広告媒体なのか?
- Google広告を配信するメリットは?
- Google広告を配信する場合の注意点は?
本記事では、「Google広告とは」「Google広告3つのメリット」「配信前に知っておきたい3つの注意点」など、Google広告に関する情報を初心者向けに解説しています。
Google広告を配信するか迷っている方はぜひご覧下さい。
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目次
【30秒で要点理解】Google広告の概要まとめ
Google広告は、Google検索やYouTubeなど、Googleのプラットフォーム内に広告配信できるサービスです。
Google広告は、
- 多様なユーザーにリーチできる
- 広告設定やターゲティングの自由度が高い
- AIによる自動最適化で初心者でも始めやすい
といった特徴があり、他媒体と比べ、初めてWeb広告にチャレンジする方に選ばれやすい媒体です。
項目 | Google広告 | Yahoo!広告 | Microsoft広告 |
---|---|---|---|
主な配信面 | Google検索、YouTube、Googleディスプレイネットワーク(GDN) | Yahoo! JAPAN検索、Yahoo!ディスプレイネットワーク(YDN)、LINE | Bing検索、Microsoftネットワーク(MSN、Outlookなど) |
ユーザー層 | ・幅広い年齢層 ・スマホ、PC、タブレットなど多様なデバイスユーザー | ・日本国内ユーザー ・主にPCとスマホ両方を使うユーザー ・30代以上が中心 | ・主にPCユーザー(特にWindows環境) ・40代以上が中心 ・特にビジネスパーソンやオフィス勤務者 |
配信可能なキャンペーン | 検索/ディスプレイ/動画/アプリ/ショッピング/P-MAX/デマンドジェネレーション | 検索/ディスプレイ | 検索/オーディエンス/ショッピング/アプリ/パフォーマンス最大化 |
特徴 | ・広範なユーザーにリーチ可能 ・他媒体と比べて競合が多い | ・Yahoo!ユーザーにリーチ可能 ・配信できるキャンペーンが少ない | ・BtoB、ミドルシニア向け商材と特に相性が良い ・他媒体と比べると自動化機能でパフォーマンス向上を見込みづらい |
また、Google広告には「検索」「ディスプレイ」「P-MAX」など、広告配信の目的に応じた多様なキャンペーンが用意されているため、ブランドの認知獲得から売上向上まで、広告主のニーズに応じて設定をカスタマイズして配信しやすい点が特徴的です。
この記事では、Google広告を配信すべきか検討中の方に向けて、
などを解説します。
広告初心者が知っておきたい用語集
この記事では、できるだけWeb広告の初心者の方でも理解しやすいように平易な説明をするように心がけていますが、いくつか専門用語が出てくる箇所があるため、先にそれぞれの用語の意味を記載しておきます。
Web広告の頻出用語 | 意味 |
配信面 | 広告が実際に表示される場所。特定のWebサイトやアプリなど |
キーワード | 広告を表示するためにあらかじめ設定する語句。ユーザーの検索語句と一致すると広告が表示されやすくなります |
検索語句 | 実際にユーザーが検索エンジンに入力した言葉。広告が表示されたきっかけとなるワードです |
オークション | 広告の表示順位や表示の有無を決めるために、広告主同士が入札と品質で競う仕組みです |
入札単価 | 広告のクリックや表示に対して支払ってもよい金額。オークションで使われます |
広告ランク | 入札単価や広告の品質などをもとに決まる指標で、広告の掲載順位を決めるために使われます |
機械学習 | 広告の配信データをAIが学習し、配信の最適化やターゲティング精度の向上に活用する仕組みです |
Web広告の指標に関する用語 | 意味 |
COST | 広告配信にかかった費用 |
CPA(コンバージョン単価) | 1件のコンバージョン(成果)を獲得するためにかかった広告費用。COST÷CVで求めることが出来ます |
CV(コンバージョン) | 広告の成果として定義されるユーザーの行動(例:購入、問い合わせ、申込など)が発生した回数 |
IMP(インプレッション/表示回数) | 実際に広告が表示された回数 |
CTs(クリック数) | 広告がクリックされた回数 |
CPC(クリック単価) | 1回のクリックあたりにかかった広告費用。COST÷CTsで算出されます |
CVR(コンバージョン率) | 広告をクリックしたユーザーのうち、コンバージョンに至る割合。CV÷CTs×100で算出できます |
Google広告とは
Google広告とは、Google検索やYouTubeなど、Googleが提供するサービス内に広告を配信することが出来る広告媒体です。
Googleのサービス利用者数は全世界で40億人を超えており、国内のアクティブユーザーは7000万人ほどと言われています。
インターネットユーザーの大部分にアプローチでき、自社の目的に応じて配信方法などをカスタマイズしやすいので、はじめてWeb広告を配信する際に選ばれやすい広告媒体です。
Google広告の仕組み
この記事をご覧いただいている方の多くは、これから広告配信を始める方が多いと思います。
そのため、一般的なWeb広告媒体がどのように広告配信を行い、売上拡大につながっているのかイメージがつかない方もいらっしゃると思います。
そこで、この章では
- 広告アカウントがどういう構造になっていて、どんな設定項目があるのか
- Google広告がどういう仕組みで広告配信をしているのか
- 広告のパフォーマンスを上げるにはどういうことが必要か
について解説します。
広告アカウントとは
まず、Google広告を配信するためには、広告アカウントというものを作成する必要があります。
広告アカウントとは、広告の目標や予算、ターゲットなどの各種設定をおこなうための箱のようなもので、以下のような階層構造となっています。
広告アカウントを作成してアカウント内の各階層(キャンペーン/広告グループ/広告)で設定を行った上、Googleの審査が完了すれば広告が配信されます。
広告を配信する期間・1日の予算・目標・ターゲット・配信面など、さまざまな設定を自社の意図にあわせてカスタマイズして設定することが出来るので、
- 想定していたより成果が上振れor下振れたので予算を変更したい
- 商品属性に応じて広告配信のターゲットや遷移先ページをカスタマイズしたい
- 特定の地域や配信面にのみ広告を出したい
のような、自社の個別事情にあわせた設定が可能です。
なお、広告アカウントの設定と聞くと、初心者の方は「なんだか難しそう…」と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、アカウントの初期設定自体はそこまで難しいものでは無いためご安心ください。
参考:Google広告アカウントの管理画面
アカウントの作成や設定方法については後述する「広告配信4つのステップ」の章で詳細を説明します。
広告配信の仕組み
Google広告では、ユーザーの検索内容や行動履歴をもとに、AIが最適な広告を自動で選び、表示します。
このとき、広告主同士が「どの広告を表示するか」を競い合う“オークション”が裏で行われています。
この仕組みは、商品を競り落とす一般的なオークションと似ています。複数の広告主がそれぞれ「このキーワードには○○円まで出せる」と入札し、より価値のある広告が選ばれる構造です。
ただし、Googleのオークションは「高く入札した人が必ず勝つ」わけではありません。入札金額に加えて、広告の関連性や品質、表示内容なども総合的に評価されます。
なぜ入札単価だけで広告の掲載順位を決めないかと言うと、Googleは自社プラットフォーム内におけるユーザー体験の向上に重きを置いているためです。
たとえば、入札単価は高いものの、ユーザーのニーズと合致しない品質の低い広告を表示する機会が増えると、ユーザーの満足度が悪化し、自社サービスを利用するユーザーが減少する恐れがあります。
Googleをはじめとする広告プラットフォームの提供者は、ユーザーと広告のマッチング精度を高めることで、全員が利益を享受できる仕組みを提供するように努めています。
広告のパフォーマンスを上げるには
Google広告では、広告配信の履歴をAI(機械学習)が学習し、「どのユーザーに・どんな広告を表示すると成果が出やすいか」を自動で最適化していきます。
このAIをうまく働かせるには、一定量のデータが必要です。目安としては1ヶ月に30件~50件以上のコンバージョン(CV)があると最適化が進みやすくなると言われています。(出典:スマート自動入札について)
ただし、AIは常に正しく学ぶとは限りません。AIは人間の赤ちゃんと同様に学習によって徐々に賢くなる仕組みであるため、学習データが少なかったり、誤った情報を与えると効率が悪化します。
そのため、特に学習データが蓄積していないアカウント立ち上げ初期では、機械学習が誤った学習をしてしまった場合に軌道修正をする役割として、人間が機械学習の挙動を制御する必要があります。
たとえば、以下のように「広告運用代行」「Webサイト制作」それぞれのキーワードで検索したユーザーがいるとして、「広告運用代行」で検索しているユーザーにWebサイト制作サービスの広告やLPを表示しても、ニーズがマッチしていないためCVする確率は低いでしょう。
逆に「Webサイト制作」で検索しているユーザーに広告運用代行サービスの広告やLPを表示しても同様のことが言えることは、人間である私達には明白だと思います。
しかし、機械学習はこうした人間が無意識的に過去の経験から学んできた情報は知り得ないので、ユーザーに対して表示する広告やLPが一致しないケースも考えられます。
そのため、ターゲットユーザーのニーズを推察して適切な広告やLPを設定する作業は、人間が確認をしてチューニングをしてあげる必要があります。
まとめると、Google広告のパフォーマンスを上げるためには、
- 機械学習の促進を進めるためにデータ蓄積をおこなう
- 機械学習が誤った方向に進まないように、人間が指示・修正をする
ことが重要であり、人間の経験や知識が有効な場面では積極的に介入していくというバランスの取れた運用が大切です。
配信できる7つのキャンペーン
Google広告では、配信目的に応じた7つのキャンペーンが用意されています。キャンペーンとは広告を管理するための単位で、予算やターゲット、地域などを設定する階層のことです。
Google広告をはじめて配信する場合は、まず検索キャンペーンから配信するのがおすすめです。
検索キャンペーンでは、ユーザーの検索語句をもとに広告配信できるため、顕在層にアプローチしやすく売上への即効性が期待しやすいです。
また、ディスプレイ広告で配信できるリマーケティングもおすすめです。自社サイトを訪問したユーザーなどに広告配信できるため、検索に次いで獲得効果が高い傾向にあります。
1.検索
検索キャンペーン(リスティング広告)は、Googleの検索結果にテキスト広告を配信できるキャンペーンです。
検索キャンペーンでは、ユーザーの検索語句(クエリとも呼ばれます)に対して、関連性が高い広告が表示されます。
特定の語句で検索している能動的なユーザーに対して広告を表示することが出来るためコンバージョンが期待しやすく、はじめて広告を配信する際におすすめのキャンペーンです。
2.ディスプレイ

ディスプレイキャンペーンは、Googleの提携サイトやアプリなどに画像・動画広告を配信できるキャンペーンです。
ディスプレイキャンペーンの特徴は、検索キャンペーンと比べてより広い層にアプローチできる点にあります。
検索キャンペーンはユーザーの検索行動が発生しなければ広告を表示できませんが、ディスプレイキャンペーンでは、ユーザーの興味関心や閲覧履歴に基づいて広告を表示するため、「まだニーズが顕在化していない潜在層」にリーチできるというメリットがあります。
広告のターゲティング方法には、年齢や性別などの属性、興味関心、ウェブサイトの内容などがあり、目的に応じて柔軟に設定できます。
視覚的に訴求できる画像や動画を使えるため、ブランディングや認知拡大に向いており、新商品やサービスの紹介などにもおすすめのキャンペーンです。
参考:ディスプレイ広告と Google ディスプレイ ネットワークについて
3.ショッピング

ショッピングキャンペーンは、Googleの検索結果やGoogleショッピング、YouTubeなどに商品画像・価格・店舗名などを含む広告を表示できるキャンペーンです。
ユーザーがGoogleで商品名を検索した際に、画像付きの商品カードが表示されている場合、それはショッピングキャンペーンによる広告です。
ショッピングキャンペーンの特徴は、商品情報そのものが広告になる点です。ユーザーは画像・価格・在庫状況をひと目で確認できるため、購入意欲が高い状態でクリックされやすい傾向にあります。
広告配信の仕組みは、キーワードではなく、Google Merchant Centerに登録された商品データ(商品名・説明・価格など)をもとに自動でマッチングされる仕組みです。
ECサイトを運営している場合、商品の売上拡大を図る上で非常に効果的なキャンペーンであり、特に商品ごとの在庫や価格情報が頻繁に変動する商材に適しています。
参考:ショッピング広告について
4.アプリ
アプリキャンペーンは、Googleの検索結果、YouTube、Googleディスプレイネットワーク(GDN)、Google Playストアなどにアプリのインストールを促す広告を配信できるキャンペーンです。
アプリキャンペーンの特徴は、1つのキャンペーン設定で、複数のGoogle媒体に広告が自動配信されるという手軽さにあります。
広告文や画像・動画などの素材をアップロードすると、Googleが自動的に最適な組み合わせ・配置・ターゲティングで広告を配信してくれます。
また、アプリのインストールだけでなく、「アプリ起動後の特定アクション(例:購入・登録など)」を目的としたキャンペーンも設定可能で、獲得効率を重視した広告運用もできます。
アプリのダウンロード数や利用促進を狙いたいときに、特に効果的なキャンペーンです。
5.動画

動画キャンペーンは、YouTubeやGoogleの動画パートナーサイトに対して、動画形式の広告を配信できるキャンペーンです。
YouTubeの動画再生前や、動画の途中、検索結果画面などに「広告」と表示される動画が流れる場合、それは「動画」キャンペーンによる広告です。
動画キャンペーンの特徴は、視覚と音声を活用してユーザーに強く印象づけられる点にあります。
広告フォーマットは複数あり、スキップ可能な動画広告、スキップ不可の短いバンパー広告、動画の上に表示されるオーバーレイ広告など、目的に応じた使い分けが可能です。
認知拡大やブランディングに特に効果を発揮しますが、設定によってはウェブサイト誘導やコンバージョン促進も狙えます。
YouTubeチャンネルと連携させることで、オーガニック動画との相乗効果も期待でき、動画コンテンツを持つ企業にはおすすめのキャンペーンです。
参考:動画キャンペーンについて
6.P-MAX
P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーンは、2021年にリリースされたばかりの比較的新しいキャンペーンです。
従来は個別のキャンペーンで各配信面に広告を出す必要がありましたが、P-MAXでは一つのキャンペーンでGoogleの全ての広告枠(検索、ディスプレイ、YouTube、Gmail、Discoverなど)に広告を出すことが出来ます。
広告主が素材(画像・動画・広告文など)を提供すると、GoogleのAIが最適な組み合わせ・配信先・タイミングを自動で調整し、成果の最大化を図ってくれます。
P-MAXキャンペーンの最大の特徴は、媒体横断で成果を最大化する“全自動型”広告である点です。
検索語句の指定や配信先の細かなコントロールは難しいものの、Googleが持つ膨大なデータと機械学習により、CV獲得や売上最大化といった目標に向けて効率的に配信されます。
「どのキャンペーンを使うか迷う」「広告運用に時間をかけられない」といったケースにおいても効果的で、特に成果重視の運用に向いているキャンペーンです。
7.デマンドジェネレーション
デマンドジェネレーションキャンペーンは、YouTube、Discover、Gmailなどの視覚的でインパクトのある面に広告を表示し、ユーザーの興味・関心を引き出すことを目的としたキャンペーンです。
検索のように「今すぐ欲しい」ユーザーではなく、「まだ検討段階」や「なんとなく情報収集中」の潜在層に向けて広告を配信する点が特徴です。
広告フォーマットには高画質な画像・動画、カルーセル形式が使われ、スワイプやタップでユーザーの行動を促すよう設計されています。
また、Googleが持つオーディエンスデータ(興味・関心、購買意欲など)を活用することで、関心度の高いユーザーに対して効率よくリーチできます。
ブランド認知や、比較検討段階のユーザーとの接点づくりに非常に効果的で、BtoCだけでなくBtoBの広告配信にも活用できるキャンペーンです。
Google広告配信3つのメリット
Google広告には、他媒体が持たない強みやメリットがあります。具体的な強みやメリットについて、確認しましょう。
1.多様なユーザーにリーチできる
Google広告は、Google検索・ディスプレイ枠・YouTube・Gmail・Discoveryなど、多様な配信面に広告を表示することが出来ます。
検索エンジン以外にもYouTubeやGmailなど、ユーザー数が多いサービス内に広告配信することができるため、他の広告媒体と比べて多様なユーザーにアプローチする機会が得やすい点が特徴的です。
また、現在でもGoogleは日本国内の検索エンジン市場で80%以上のシェアを持っており、YouTubeやGmailなどのサービスも含めると、他の広告媒体に比べて非常に多くのユーザーにリーチできます。
参照元:statcounter|Search Engine Market Share Japan
2.機能が豊富なためカスタマイズしやすい
Google広告の大きなメリットのひとつは、配信目的やビジネスの特性に合わせて柔軟にカスタマイズできる点です。
検索広告やディスプレイ広告、動画広告、ショッピング広告、P-MAXなど、多彩なキャンペーン形式が用意されており、目的に応じた選択が可能です。
また、ターゲティングの設定も非常に充実しており、ユーザーの検索語句、年齢や性別、興味関心、閲覧履歴、購買行動など、細かく条件を指定できます。
地域や時間帯、デバイス別の配信調整もできるため、「届けたい相手に、届けたいタイミングで、最適な広告を配信する」ことが可能になります。
このようにGoogle広告は、あらゆるビジネスや目的に合わせて設定・運用しやすく、初心者にも扱いやすい一方で、上級者には高度な最適化も可能な、非常に柔軟性の高い広告プラットフォームです。
3.AIによる自動化でパフォーマンス向上が期待しやすい
Google広告は、広告配信の多くの部分をAIによって自動化できる点も大きな強みです。
Googleはインターネット広告の初期からサービスを提供しており、長年にわたって膨大なユーザーデータと広告配信実績を蓄積してきました。
この豊富なデータを活用し、広告配信に使われる機械学習のアルゴリズムは、日々アップデートされ続けています。
結果として、Google広告では広告主が細かく手動で調整しなくても、GoogleのAIが自動で成果を最大化するように広告を最適化してくれるようになっています。
従来は運用者が管理画面で細かく入札単価をコントロールする手動入札が主流でしたが、自動化が進んだ近年のGoogle広告ではAIで入札を最適化する自動入札が主流となっており、運用負荷を低減しながら高い費用対効果を期待しやすい点が特徴的です。
選べる3種のターゲティング
Google広告では、広告配信の対象を決めるターゲティング機能が用意されています。
ここでは、Google広告で設定できる3つのターゲティングについて紹介します。
なお、Google広告ではAIによる自動最適化が進んでいるため、よほどビジネスモデルと明確に相性が悪いと分かっているターゲティング以外は、最初から絞り込みすぎない方が成果につながりやすい傾向があります。
AIが配信データをもとに最適なターゲットを見つけてくれるため、ある程度広めに配信して学習を進める設計が推奨されます。
1. 配信条件ターゲティング
広告の配信対象を「地域・デバイス・時間帯」などの条件で絞る方法です。たとえば、特定の地域や時間帯に限定して広告を表示することで、無駄な配信を避け、効率的な広告運用が可能になります。
ターゲティング | 概要 |
---|---|
地域 | 国、都道府県、市区町村、半径指定などで配信対象エリアを限定/除外 |
デバイス | PC、スマートフォン、タブレットなど、デバイス別に配信を調整 |
曜日・時間帯 | 曜日や時間帯を指定して広告配信 |
言語 | ユーザーが使用しているGoogleのインターフェース言語に基づく設定 |
2. オーディエンスターゲティング
ユーザーの属性や興味・関心に基づいて広告を配信する方法です。年齢、性別、趣味、購買意欲などの情報を活用し、関心度の高いユーザーにアプローチできます。
ターゲティング | 概要 |
---|---|
ユーザー属性 | 年齢・性別・子どもの有無・世帯収入などに基づくターゲティング |
アフィニティ | ユーザーの習慣や興味関心に基づくターゲティング |
ライフイベント | 結婚・引越し・大学卒業など、特定の人生イベントに基づくターゲティング |
データセグメント | リマケ、カスタマーマッチなど |
カスタムセグメント | 任意の検索語句・興味関心・閲覧サイトをもとに独自にオーディエンスを構成 |
購買意向の強いセグメント | 特定のカテゴリで購買を検討している可能性が高いユーザー層への配信 |
3. コンテンツターゲティング
広告を表示する場所やコンテンツの内容に基づいて配信先を決定する方法です。特定のトピックやキーワード、ウェブサイトを指定して、関連性の高いコンテンツに広告を表示できます。
ターゲティング | 概要 |
---|---|
トピック | 予め定義されたコンテンツのテーマカテゴリ(例:旅行、ビジネスなど)に配信 |
プレースメント | 特定のウェブサイト・YouTubeチャンネル・動画などを個別に指定して配信 |
キーワード | 広告と関連性の高い語句が含まれるページに配信 |
Google広告の費用相場
はじめてGoogle広告を配信する場合、まずどの程度の予算をかけるべきか判断に迷う方もいらっしゃるかと思います。
まず前提として、広告の適正費用は自社の事業や目標、ターゲットなどの個別事情によって可変するため、一概に「これぐらいの予算が適正」と基準を示すことは難しいです。
N数も少ないためあくまで参考程度にご覧いただければと思いますが、弊社の独自調査の結果では、Web広告を配信している広告主のうち、約7割は月間広告予算が100万円以下というデータが出ています。
Google広告は、はじめてWeb広告を配信する際に選ばれやすい媒体であることから、まずは少額でテスト配信をおこない、費用対効果がどの程度期待できるか見た上で本格的に配信していくケースが一般的です。
しかし、予算が少額すぎると機械学習の促進に必要なCVデータが蓄積できず、かえって費用対効果を低下させてしまう恐れもあります。
目標CV数やCPA、CPC、CVRによっては、期待値以上のパフォーマンスを上げるには予算を増額したほうが良いケースもあるため、Google広告の予算策定をする際は、シミュレーションを参考に予算が本当に妥当なのか慎重に検討することが重要です。
課金方式
Google広告の課金方式は以下の通りです。
課金方式 | 概要 | |
インプレッション課金 | 広告が1,000回表示されるごとに課金される方式で、ブランドの認知度を高めたり、特定のターゲット層に広告を大量に配信したりしたい場合に向いています。 | |
クリック課金 | ユーザーが広告をクリックする度に課金される方式で、入札単価によって表示されやすさが決まります。入札単価を自身で設定できる個別単価設定と、予算内でクリック数が最大となるよう、入札単価を自動的に調整できる自動入札から選択できます。 | |
コンバージョン課金 | ユーザーの問い合わせ・購入・サイトへの流入など、特定のコンバージョン行動が発生するたびに課金される方式です。どのアクションをコンバージョンにするかは広告主が自由に設定可能で、成果が出た場合のみに費用が発生するため、効率的に運用できます。 |
目的にあった課金方式を選ぶことで費用を抑え、広告の費用対効果を上げられます。あくまで一例ですが、以下のように目的に応じた課金方式を選びましょう。
- ターゲット層に広告を広く届けたい場合・・・インプレッション課金
- 検索広告やディスプレイ広告など、誘導したいページがある場合・・・クリック課金
- 一定数のCV実績があり、パフォーマンス最適化を目指す段階・・・コンバージョン課金
Google広告3つの配信事例
ここでは、Google広告の配信で成果実現した事例を3つご紹介します。
ケース1|検索広告「マッチタイプ調整でCPAが改善」
自社サービスの購買促進を目的に、検索広告の配信を始めたクライアント事例です。
当初はクリック単価(CPC)が高く、思うように成果が出ていませんでしたが、広告が表示されるキーワードの設定方法(マッチタイプ)を見直したところ改善が見られました。
「インテントマッチ(旧:部分一致)」という方式に切り替えることで、より幅広い検索語句に広告が表示されるようになり、表示回数が増加。
結果として、クリック単価が下がり、コンバージョンあたりの費用(CPA)も改善されました。
GoogleのAIがユーザーの検索意図をくみ取り、最適なタイミングで広告を表示してくれたことで、広告効率が大きく向上した事例です。
ケース2|P-MAX「顧客データを活用して予約率アップ」
新規の予約獲得を目的にP-MAXキャンペーンを運用していたある企業では、広告配信の効率が伸び悩んでいました。
そこで、既にサービスを利用したことのあるユーザーの情報(顧客リスト)を活用し、広告のAIに「こういう人に広告を届けたい」というヒント(=オーディエンスシグナル)を与えました。
この改善により、より興味・関心の高いユーザーに広告が表示されるようになり、予約完了率が向上。広告配信全体の効率が大きく改善されました。
P-MAXは全自動型のキャンペーンですが、配信対象のヒントを与えることで成果が高まる好例となりました。
ケース3|動画広告「ブランド認知から売上につなげた配信設計」
ブランドの認知拡大を目的に動画広告を配信した企業の事例です。
動画広告は成果が見えにくいと思われがちですが、この事例では「視聴後に一定期間内に購入・問い合わせがあったか」などの間接的な効果も評価することで、動画広告の貢献度を適切に判断できました。
また、配信頻度(フリークエンシー)や広告の評価期間を調整することで、無駄な配信を避けつつ効率的な露出ができました。
結果として、動画広告のシェアが増加し、売上や問い合わせ数も伸長。動画広告が認知だけでなく、成果にもつながることを示した好例です。
Google広告配信4つのステップ
Google広告で配信する流れについて、概要を確認しましょう。詳細な配信の流れは「Google広告の設定方法」の記事をご覧ください。
1.広告アカウントの作成
Google広告を始めるには、まず広告アカウントの作成が必要です。
広告アカウントは、広告の配信・管理・成果測定を行うための土台となるもので、すべての広告運用のスタート地点になります。
アカウントは、Google広告の公式ページにアクセスし、画面下部に表示されている「今すぐ開始」ボタンをクリックすることで作成を始めることができます。
その後、Googleアカウント(メールアドレス)を入力することで、広告アカウントが作成されます。
この時点ではまだ広告配信は始まらないため、安心して登録を進めてください。
2.アカウント設定
Google広告でアカウントを作成したら、次は広告配信のためのアカウント設定を行いましょう。
Google広告は以下の3つの階層構造で成り立っており、それぞれの役割を理解しておくとスムーズに運用が進みます。
階層 | 主な設定内容 |
キャンペーン | 広告の配信目的を設定します(例:販売促進・見込み顧客の獲得など)。目的に応じて、適切なキャンペーンタイプ(検索・動画・P-MAXなど)を選びます。 |
広告グループ | キャンペーン内に広告グループを作成し、配信対象(ユーザー属性やキーワードなど)を設定します。 ※P-MAXなど自動化型では省略される場合もあります。 |
広告 | ユーザーに表示される広告を作成します。表示されるテキスト、画像、動画、リンク先URLなどはキャンペーンの種類によって異なります。 |
なお、アカウントや各キャンペーンの設定手順の詳細については、以下の記事で解説しています。
設定画面のキャプチャつきで、記事の内容に沿って設定を進めていけば広告配信ができるように記載しています。
3.タグ設置
広告の費用対効果を正しく評価するには、ユーザーがWebサイトを訪れた後にコンバージョン(問い合わせや商品購入など)に至ったかどうかを計測する必要があります。
そのためには、「タグ」と呼ばれるコードをWebサイトに設置する必要があります。タグは広告媒体の管理画面から発行でき、Webサイトへの設置方法は以下の2通りです。
- WebサイトのHTMLコードに直接埋め込む
- Googleタグマネージャーというツールを使って設置する
どちらの方法でも広告の配信結果に影響はありません。ただし、設置や管理のしやすさを考えると、Googleタグマネージャーを使う方法がよりおすすめです。
4.広告配信
広告の設定が完了したら、いよいよ配信準備の最終ステップです。「配信を開始」すると、まずGoogleによる広告審査が行われます。
広告審査は通常1営業日以内に完了し、広告内容やリンク先に問題がなければそのまま配信が開始されます。
広告が配信された後は、実際に広告がきちんと表示・計測されているかを必ず確認しましょう。
具体的には、以下のようなポイントをチェックします。
- 自分で設定したキーワードに関連する語句で検索した際に、広告が表示されるか
- 管理画面のレポート上で、インプレッションやクリック数が計上されているか
数日~1週間ほど経過してもIMPやクリック数もゼロの場合は、管理画面の「ステータス」や「エラー内容」を確認し、必要に応じて設定を見直しましょう。
また、新規に広告を開始した直後は、2~3週間程度の学習期間(機械学習が最適化されるまでの期間)が設けられています。
学習期間中は、広告の表示回数やコンバージョンの数が安定しないこともあります。
そのため、配信直後に焦って設定を変更するのではなく、少なくとも1〜2週間は様子を見るのがベストです。
GoogleのAIがデータを蓄積・最適化していく過程を信じて、まずは冷静に初期の結果を観察しましょう。
配信時の注意点4つ
Google広告の配信にあたって滞りなく配信し成果を出すため、以下の点に注意しましょう。
日予算の仕様を理解しておく
Google広告では、キャンペーンごとに「日予算」を設定して広告費を管理します。
これは1日あたりに使う広告費の目安であり、広告の費用対効果を最大化する上で重要な設定項目です。
日予算は、キャンペーン単位で設定します。キャンペーン作成時や、作成後の編集画面からいつでも変更が可能です。
初心者の方に事前に認識していただきたい点としては、以下の3点です。
- あくまで「1日あたりの平均予算」であり、必ずしも毎日ぴったり同じ金額で消化されるわけではありません。
- 需要が高い日には、日予算の最大2倍まで自動で使われることがあります。(ただし、1か月の合計額は「日予算 × 月の日数」を超えないように自動調整されます)
- ただし、月途中で日予算を大きく変更すると、その後の配信量に影響することがあるため、変更のタイミングは慎重に行いましょう。

また、Google広告を配信していると、管理画面のレポートに「予算による制限」というアラートが表示されることがあります。
予算による制限とは、設定されている日予算がGoogleの推奨金額よりも少ないために広告の配信機会に制限がかかっている状態です。
予算が少ない状態では、予算不足が原因で本来参加できるはずであったオークションに参加できなくなり、コンバージョンの獲得機会を逸してしまいます。
たとえば、広告運用の現場でよく見られる現象としては、以下のように日中で日予算を消化しきってしまい、夕方や夜間に配信抑制がかかってしまうケースがあります。

予算による制限は機械学習の効率阻害につながる恐れも考えられるため、できるだけ発生させないように運用することが重要です。
予算による制限のアラートが表示された際の対処法としては、シンプルに設定している日予算額を引き上げるのも一つの手ですが、予算を増額したからといって必ずしもパフォーマンスが改善するわけではないため注意しましょう。

予算増額以外にも、入札単価の引き下げや配信対象の絞り込みなどの対処法が存在するため、本当に予算を増額するべきか検討したうえで対処するようにしましょう。

キーワードや検索語句、配信面を確認する
Google広告を配信した後は、広告の成果に影響を与えているキーワードや検索語句、配信面を定期的にチェックすることが大切です。
費用対効果を高めるためにも、成果が出にくい要素を早めに見つけて除外していくことがポイントです。
たとえば検索広告では、クリック単価が高いのにコンバージョン率が低いキーワードや検索語句が紛れ込んでいるケースがあります。
そのまま放置しておくと、無駄な広告費がかかってしまうため、定期的にレポートを見て判断・除外を行いましょう。
検索パートナーは相性の悪い面に配信されることもある
Google広告には検索パートナーというGoogleが提携しているサイトに広告配信できる機能があります。
検索パートナーを配信することで、Googleの検索結果でアプローチできないユーザーにも低単価でリーチを広げていける一方で、費用対効果の合わない配信面にも広告が出る場合があるため注意しましょう。
過去に弊社で運用していたアカウントでは、あるときを境に検索パートナーの配信比率が急増する事象が発生しました。

CPA自体は低い水準で維持していたものの、売上につながりづらいユーザーの流入が急増し、結果としてGoogle広告経由の売上が低下していました。
原因について調査した結果、対象期間で特定のWebサイトからの流入が急増していることが判明。
対象サイトでは配信初期は低単価でコンバージョン獲得につながっていたことから、媒体の機械学習が「このサイトに配信すれば費用対効果が高くなる」と学習して配信が急増した可能性が考えられます。
Google広告ではAI(機械学習)が自動で最適化を進めてくれますが、すべてを任せきりにすると精度の低い配信が続いてしまうこともあります。
配信面によっては自社の商材と相性の合わない場所に広告が掲載されたり、アドフラウドと呼ばれるbotを悪用した広告被害に合うリスクも考えられます。
デフォルトの設定では検索パートナーへの配信がONになっているため、検索パートナーへの配信を希望しない場合はチェックを外しておきましょう。
運用に不安がある場合は「運用代行」も活用
Google広告は、初心者でも始められる仕組みが整っている一方で、成果を出し続けるためには定期的な分析と改善が欠かせません。
キーワードや配信面の見直し、予算配分の調整、コンバージョン率の改善など、広告運用には意外と手間や専門知識が必要になる場面もあります。
「始めてみたいけど本当に効果が出るか不安」「運用に時間を割く余裕がない」という場合は、広告運用の専門パートナーに依頼する「運用代行」もひとつの選択肢です。
運用代行を活用することで、
- 広告設定から配信後の分析・改善まで一貫して任せられる
- 最新の運用ノウハウや媒体の仕様変化にも柔軟に対応できる
- 社内の工数を減らし、本業に集中できる
といったメリットが得られるため、自社のみでは期待するパフォーマンスが得られそうにない場合はおすすめの選択肢です。
なお、広告代理店などに運用代行を依頼する場合、月間の広告予算が100万円以下を下回る場合は自社で運用したほうが良いケースもあります。
背景として、多くの代理店は広告費×20%を手数料としている報酬形態の会社が多いため、手数料が少ない場合は支援にかけられる工数が少なく、必要最低限の支援しか受けられないこともあるためです。
上記は全ての代理店がそうであるとは断定できませんが、代理店のビジネスモデルの構造上、多くの代理店に共通してみられる傾向です。
そのため、予算が少額の場合は、自社運用(インハウス運用)をベースとするのがおすすめです。
広告の設定や運用で相談したいトピックが出てきた場合は、Google広告のコンサルティングサービスに依頼してアドバイスを受けながらノウハウを蓄積していくか、Googleが提供している無料の電話相談に申し込むのもおすすめです。
代表的な4つの運用体制
Web広告の運用体制は、主に以下の4つの形態に分類されます。
- インハウス運用
- 代理店委託
- 個人委託
- ハイブリッド運用
それぞれの運用体制にメリット・デメリットがあるため、その時々の自社のリソースやノウハウを考慮して、自社に合った運用体制を選択しましょう。
1.インハウス運用
インハウス運用とは、自社の社員のみでWeb広告の運用を実施する体制を指します。外部の企業や個人に委託せず、内製化して運用を行うことが特徴です。
- メリット
- 意思決定から実行までの迅速な対応が可能となり、市場の変化や状況に合わせた柔軟なPDCAサイクルを回しやすくなります
- 運用を通じて社内にWeb広告に関する知識やノウハウが蓄積され、自社のマーケティング力向上に寄与します
- 外部への手数料が発生しないため、コスト効率の良い運用が期待できます
- デメリット
- 専門的な知識や経験を持つ人材が社内にいない場合、効果的な運用が困難となる可能性があります
- 担当者の採用や育成、評価体制の構築には相応の時間と労力を要します
- Web広告の最新動向や技術の習得を継続的に行う必要があり、担当者の負担が増大する可能性があります
2.代理店に運用委託
代理店委託とは、Web広告の運用業務を専門の広告代理店に委託する形態です。広告戦略の策定から実行、効果測定、改善提案まで、幅広い業務を代行してもらうことが出来ます。
- メリット
- 高度な専門知識と豊富な実績を有するプロフェッショナルに運用を任せることで、広告効果の最大化が期待できます
- 社内に専門人材がいない場合でも、質の高い広告運用が可能となります
- 最新の情報やノウハウを活用した効率的かつ効果的な広告戦略が期待できます
- 自社のリソースをコア業務に集中させることができます
- デメリット
- 運用代行手数料が発生し、広告費の一定割合(一般的に20%程度)がコストとして加算されます
- 代理店によって得意な分野や運用スキルに差異があるため、慎重な選定が必要です
- 自社の意図や要望が十分に伝わらない場合、期待通りの成果が得られない可能性があります
3.個人に運用委託
個人委託とは、Web広告の知識やスキルを持つ個人(フリーランスや業務委託)に広告運用を依頼する形態です。代理店と比較して、より柔軟な契約や安価な費用で依頼できる場合があります。
- メリット
- 代理店に委託するよりも費用を抑えられる傾向があります
- 特定のスキルや専門性を持つ人材に直接依頼できる可能性があります
- 柔軟なコミュニケーションや迅速な対応が期待できる場合があります
- デメリット
- 個人のスキルや経験によって運用効果にばらつきが生じる可能性があります
- 代理店のような組織的なサポート体制や担当者変更の保証がない場合があります
- 依頼先の選定や管理を自社で行う必要があります
4.ハイブリッド運用
ハイブリッド運用とは、上記のインハウス運用、代理店委託、個人委託といった複数の運用体制を組み合わせる形態です。
例えば、戦略立案は自社で行い、広告運用は代理店に委託する、特定の媒体の運用はインハウスで行い、他の媒体は代理店に委託するなど、各々の強みを活かした運用が可能です。
- メリット
- 各運用体制の利点を組み合わせることで、より効果的かつ効率的な広告運用が期待できます
- 社内のノウハウを活用しつつ、外部の専門家の知見を導入することが可能です
- デメリット
- 異なる担当者や組織間の連携が不可欠であり、円滑なコミュニケーションと情報共有が重要となります
- 全体を統括し、戦略の整合性を保つための社内体制が求められます
よくある質問
最後に、Google広告に関してよくある質問とその回答をまとめました。
この記事をご覧いただいても解消できない疑問がある際は、お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。
Q1.他媒体と比べたときの特徴は?
ご参考までに、以下に主要な広告媒体であるGoogle広告・Yahoo!広告・Microsoft広告の特徴をまとめた比較表を記載します。
項目 | Google広告 | Yahoo!広告 | Microsoft広告 |
主な配信面 | Google検索、YouTube、Googleディスプレイネットワーク(GDN) | Yahoo! JAPAN検索、Yahoo!ディスプレイネットワーク(YDN)、LINE | Bing検索、Microsoftネットワーク(MSN、Outlookなど) |
ユーザー層 | ・幅広い年齢層 ・スマホ、PC、タブレットなど多様なデバイスユーザー | ・日本国内ユーザー ・主にPCとスマホ両方を使うユーザー ・30代以上が中心 | ・主にPCユーザー(特にWindows環境) ・40代以上が中心 ・特にビジネスパーソンやオフィス勤務者 |
配信可能なキャンペーン | 検索/ディスプレイ/動画/アプリ/ショッピング/P-MAX/デマンドジェネレーション | 検索/ディスプレイ | 検索/オーディエンス/ショッピング/アプリ/パフォーマンス最大化 |
特徴 | ・広範なユーザーにリーチ可能 ・他媒体と比べて競合が多い | ・Yahoo!ユーザーにリーチ可能 ・配信できるキャンペーンが少ない | ・BtoB、ミドルシニア向け商材と特に相性が良い ・他媒体と比べると自動化機能でパフォーマンス向上を見込みづらい |
Q2.予算はどれぐらい確保すべき?
Google広告は最低出稿金額を定めていませんが、極端に少ない予算では機械学習に必要なデータが蓄積されず、広告の成果が出にくい可能性があります。
理想的な予算は、自社の商材、目標、ターゲットによって大きく異なるため、一概に相場を示すことは困難です。
しかし、月間30~50件程度のコンバージョン獲得を目安に予算を検討すると、機械学習を促進しやすくなります。
予算策定の考え方としては、目標/タスク設定法がおすすめです。これは、達成したい目標から逆算して必要な広告費用を算出する方法です。
具体的な予算をシミュレーションする手順としては、まず目標獲得単価(CPA)を算出し、次にクリック単価(CPC)とコンバージョン率(CVR)を仮置きします。
これらの数値を以下の式に代入し、どの程度の予算が必要になるのかシミュレーションをします。
必要予算 = 目標CV数 ÷ 想定CVR × 平均CPC
シミュレーションを行った上で期待する成果が得られなそうな場合は、SEOやSNSなど他のマーケティング施策に投資したほうが良いケースもあります。
また、予算が少ない場合は、他のマーケティング施策や事業部から予算をアロケーションできないか検討することも有効です。
広告の予算は一度決めたら固定ではなく、「ここまでに成果が得られなければ赤字になる」といった損益分岐点を決めておき、広告の配信実績に応じて柔軟に増額・減額して調整することが重要です。
Q3.キャンペーンはどれがおすすめ?
はじめてGoogle広告を配信する場合、まずどのキャンペーンから配信すべきか判断に迷うこともあると思います。
Web広告の初心者の方におすすめなのは、検索キャンペーン(リスティング広告)です。
検索キャンペーンをおすすめする理由としては、マーケティングファネルの顕在層にアプローチしやすく、他のキャンペーンに比べて即効性を期待しやすい点が大きいです。
検索キャンペーンを配信するメリットとしては、主に以下の4点を挙げることができます。
- ニーズが顕在化しているユーザーにアプローチできる
検索キーワードに基づいて広告が表示されるため、すでに商品やサービスを探している人に効率よく訴求できます。特に自社名やサービス名での「指名検索」は、高い成果が期待できます。 - 始めやすく、すぐに調整しやすい
画像や動画の制作は不要で、テキストを用意するだけで配信可能。配信後も広告文の修正が簡単で、スピーディに改善できます。 - ユーザーの検索行動から示唆が得られる
広告管理画面で実際に検索された語句やクリック状況を確認できるため、ユーザーの関心やニーズを分析しやすく、他の広告やマーケティング施策にも活用できます。 - 少額から始められて予算管理がしやすい
1円から広告配信が可能で、クリックがあった場合にのみ費用が発生します。日予算は自由に設定・変更でき、月全体での上限も自動で調整されるため安心です。
まとめ|Google広告を配信して認知・売上拡大を図ろう
Google広告は、国内で80%以上のシェアを占めるGoogle検索や、月間ユーザー数が7,000万人を超えるYouTubeなどの媒体で配信可能な広告です。したがって、Google広告を活用すれば多くのユーザーへの認知度向上や、売上拡大が期待できます。
また、「P-MAX」のように機械学習による自動化に対応しているキャンペーンもあるため、設定への負担を最低限に抑えつつ広告運用が可能です。
それでも広告運用に不安がある場合、広告代理店やフリーランスへ相談すれば、最適化のための運用方法をアドバイスしてもらったり、運用代行をしてもらったりも可能です。
新しい商品や、多くの人に伝えたいサービスがある場合、認知度向上や売上拡大のために、Google広告を検討してみましょう。
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