Google広告のコンサルとは?3つの相談先と課題別の選び方

Google広告のコンサルとは?3つの相談先と課題別の選び方

Google広告はWeb広告のなかでも最も自動化が進んでおり、ユーザー数も多いことから、はじめて広告配信をする際に検討されやすい広告媒体のひとつです。

一方で、Web広告に不慣れな方は、広告の専門家に相談しながら設定・運用を行ないたい場合もあると思いますが、

  • Google広告について相談したいが、誰に相談するのがベストか?
  • Google広告窓口や代理店など、相談先はどのように使い分けるべきか?
  • 実際に相談する際は、どのようなポイントや注意点を押さえるべきか?

など、相談先の選定にあたって迷う方も散見されます。

そこで本記事では、Google広告の相談先を選ぶ際のポイントを、業界経験10年以上の著者の視点で紹介します。

Googleをはじめとした媒体社との協業、自社での新規提案など、数多くの広告アカウントを扱ってきた経験をもとに、「Google広告3つの相談先」「相談先の選び方」「相談時に押さえたい3つのポイント」など、Google広告の相談先を選定するコツを解説しています。

Google広告でサポートが必要と感じたら
スピーディーな対応・検証が強みの「オーリーズ

広告配信のサポートなら、対応スピードが強みのオーリーズへ。
100社以上の支援実績をもとに、顧客の本質的な課題に向き合い、解決に向けて伴走支援をいたします。

 【オーリーズの3つの特徴】

  • 顧客の課題にコミットするため、担当社数は最大4社
  • 運用者=顧客窓口だからスピーディーな仮説検証が可能
  • 顧客の半数以上が「強く」おすすめしたいと評価

先に要点だけ!Google広告、誰に相談するか迷ったら

Google広告を運用していると、設定の仕方や運用方法について、ふと疑問を感じる場面があると思います。

そんなとき、外部の専門家に助言をもらいながら進めていくのは非常に有効な選択肢ですが、
いざ相談しようと思っても「誰に相談するのが最適なのか?」と迷う方も少なくありません。

そこで本記事では、Google広告について相談できる代表的な相談先を3つご紹介します。

読者の方が自社の状況や課題に応じて最適な選択肢を選びやすいよう

  • 課題別のおすすめ相談先
  • 相談までの流れ
  • 相談時に押さえておきたいポイント

などを整理して解説しています。

また、最後の章では「Google広告に関してよくいただく質問」をFAQ形式でまとめていますので、事前に悩みを整理したり、相談前の不安を解消するためにも、ぜひあわせてご覧ください。

Google広告のコンサルティングとは

Google広告のコンサルティングとは、広告の配信や運用に関するアドバイスや改善提案を専門家から受けられるサポートサービスのことを指します。

自社で広告を出していても、「本当に正しく運用できているか分からない」「成果が伸びない理由が分からない」といった悩みを持つ企業は少なくありません。

そうした課題に対し、プロの視点から分析・アドバイスを提供し、成果向上を支援するのがコンサルティングの役割です

コンサルティングの内容は提供者によってさまざまですが、一般的には以下のようなサポートを受けられます。

  • アカウント構成や広告設定の診断
  • キーワードやターゲティングの見直し
  • クリエイティブやLP改善の提案
  • 広告のパフォーマンス分析と改善施策の提示
  • 広告戦略の立案やKPI設計の支援

広告代理店や個人の専門家が提供する場合もあれば、Google公式の無料サポートも存在します。自社の課題や運用体制に応じて、どのような支援スタイルが最適かを見極めて選ぶことが大切です

Google広告3つの相談先

Google広告の設定や運用について相談する際、主な相談先は「Google広告」「広告代理店」「個人事業主」の3種類があります。

Google広告

Google広告の主な相談先としては、「Google広告コンサルタント」「Google広告ヘルプ」の2種類があります。

Google広告コンサルタント

出典:Google広告

Google広告の初期設定に関する質問は、Google広告のサポート窓口から質問することが出来ます。(利用するにはGoogle広告のアカウント登録が必要です

アカウント登録から30日以内であれば、チャットまたは電話でいつでも相談することが可能で、専任のコンサルタントからキャンペーンの設定方法や機能の仕様について教えてもらうことが出来ます。

Googleの担当者に無料で相談することが出来るため、まずは費用をかけずにスモールスタートで広告配信を行いたい場合におすすめの相談先です。

Google広告ヘルプ

すでに配信中のキャンペーンがある場合、管理画面右上の「ヘルプ」>「お問い合わせ」からヘルプに問い合わせをすることが出来ます。

問い合わせは電話またはチャットで行うことが可能で、平日9時~18時の間であればいつでも相談することが出来ます。

また、Googleが承認した一部のアカウントに限定されますが、専任のアカウント担当者がついている場合は、アカウント担当者にメールで直接問い合わせをする方法もあります。

こちらの方法も無料で相談することが出来るため、キャンペーンの運用方法や設定に関する疑問が湧いた場合に気軽に活用しやすい方法と言えます。

広告代理店

Google広告へ相談しても自社の疑問が解決しない場合、広告代理店に相談するのもおすすめです。

相談にあたって費用が発生するケースが一般的ですが、広告運用の専門知見がある人材に相談をすることが出来るため、アカウントの初期設定から高度な運用方法まで、広告のパフォーマンスを向上させる方法を客観的にアドバイスしてもらうことが可能です。

一部の広告代理店では、月数万円ほどの費用で広告運用のアドバイスをするコンサルティング型のサービスを提供しています。

なかには、無償で初期相談に応じてくれる代理店もありますので、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。

一方、具体的な課題や目標が明確でない場合は、代理店側のリソース事情により優先的に対応することが難しいこともあります。

そのため、自社の課題を迅速に解決したい場合は、コンサルティングサービスの活用を検討することをおすすめします。

Google広告の無料相談との違いとしては、広告運用の前提となるターゲティング、予算などの戦略策定について相談したり、リソースをまかなえない場合は業務を代行してもらうことも可能な点です。
一定の費用は発生しますが、自社の課題に応じて柔軟な支援を受けられるので、設定や運用に関する一般的なアドバイスではなく、自社の個別事情を踏まえた最適解を助言してほしい場合はおすすめの相談先です。

個人事業主

Google広告や代理店に相談する以外の方法として、ココナラクラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトで、個人事業主に相談する方法もあります。

相談できる内容は依頼先によって様々ですが、代理店より安価に相談できるケースが多く、過去の運用経験をもとにした客観的なアドバイスを貰うことが可能です。

一方で、代理店のコンサルティングサービスと比べて支援品質にムラが出やすい点は注意が必要です。

期待していた関わり方が実現できない場合、代理店の場合は担当者を変更するなどの対処もできますが、個人事業主の場合は別の相談先を1から探す必要が出てくるため、最初の選定の段階で自社との相性を慎重に見極めるべきです。

課題別の相談先の選び方

アカウントの初期設定や機能の使い方など、Google広告に関する基本的な質問については、上記でご紹介したどの相談先を選んでも回答結果が大きく変わることは少ないです。

一方で、予算やターゲティングといった戦略に関わる内容や、アカウントの運用方法に関する相談は、自社の事業や戦略などの個別事情を踏まえて最適解を選ぶ必要が出てくるため、代理店や個人事業主に相談したほうが期待する回答をもらえる可能性は高いです。

また、基本的にはGoogleのほうで作業代行するサービスは提供していないため、Google広告の設定・運用を代行してもらいたい場合も代理店や個人事業主に相談するほうが良いでしょう。

あくまで目安となりますが、Google広告の相談先を選ぶ際は以下の比較表を参考にしてみてください。

ご参考までに、以下にGoogle広告でよくある課題別の相談先の判断目安を示します。

相談先の選定で大切なのは、「自社の課題を正確に把握し、課題に応じて適切な相談先を選ぶこと」です。

相談先ごとの特徴を踏まえたうえで、自社にとって最も効果的なサポートが得られる選択をしていきましょう。

Google広告を始めたいが、設定方法がわからない

Google広告をこれから始めたいけれど、「アカウントの作り方がわからない」「どうやって広告を出すの?」と不安に感じている場合は、Google広告の無料相談を活用するのがおすすめです。

Googleが提供する無料のサポート窓口では、広告出稿の基本的な流れや初期設定について、専門のサポート担当者が直接教えてくれます

アカウント作成から最初のキャンペーンの設定まで、手取り足取り教えてもらえるため、初心者でも安心して始められます。

特に、「まだ外部に費用を払ってまでお願いするか決めきれていない」という段階では、まず無料で相談できるGoogle公式の窓口がおすすめです。

広告を出しているが、思ったような成果が出ていない

すでに広告を出稿しているにもかかわらず、「コンバージョンが増えない」「CPAが高すぎる」といった成果の悩みを抱えているなら、広告代理店に相談するのが効果的です。

代理店は多くの広告アカウントを運用してきた実績があるため、配信データをもとに改善点を見抜く力があります

キーワードの選定ミスやターゲティングのズレ、広告文やLPの改善余地など、専門的な視点で成果が伸びない原因を分析し、具体的な対策を提案してくれます

また、自社で対応できない部分(例えばバナー制作やLPの改善など)もまとめて依頼できることが多く、スピーディに改善を進めたい方には特に向いています

社内運用に限界を感じており、外部からの改善提案がほしい

社内で広告運用を続けているものの、「これ以上は自分たちだけでは改善しづらい」「定期的に専門家からアドバイスがほしい」と感じている場合には、個人の広告コンサルタントがおすすめです。

個人コンサルタントは、企業の課題に応じて柔軟に関わり方を調整してくれるため、“自社の担当者+外部のプロ”という形で継続的に伴走してもらうことが可能です

週次や月次で運用データをレビューしてもらい、改善提案をもらうスタイルが一般的です。

また、代理店に比べて比較的費用も抑えやすく、「自社で運用を続けたいが、プロの視点もほしい」という中間ニーズにフィットします

広告以外の施策も含めて、効果的なマーケ戦略を考えたい

Google広告の施策だけでなく、「SNS広告やSEO、メルマガなど他の施策もあわせて全体最適を図りたい」と考えている場合は、幅広いチャネルを扱える広告代理店や、マーケティング全体に精通した個人コンサルタントが適しています。

このようなケースでは単発の広告改善だけでは不十分であり、マーケティングプロセスの全体設計が必要になります。

代理店であれば複数のチャネル運用実績をもとに、全体設計から実行支援まで対応してくれるところも多く、戦略フェーズからの相談が可能です。

一方で、マーケティングの上流から関われる個人コンサルも少数ながら存在します。事業フェーズや予算感に応じて、相性の良いパートナーを見つけることが重要です。

プロに相談する意味は?期待できる3つの効果

この記事の読者のなかには、そもそも外部パートナーにGoogle広告の相談をする意味は?と疑問に思っている方もいらっしゃるかと思います。

そこでこの章では、プロにGoogle広告について相談することで得られる効果をご紹介します。

1.成果に直結する“見落とし”を早期に発見できる

広告運用では、設定ミスやターゲティングのズレ、LPや訴求文の改善余地など、パフォーマンス低下の原因となる要素が複数絡み合っていることがよくあります。

プロに相談することで、これらの要素を短時間で洗い出し、成果につながる改善点に優先順位をつけて対応できるのが大きなメリットです。

特に初期段階では、「成果が出ない原因がそもそもわからない」という状況も多く、的確な第三者の視点が有効です。

そのため、早期に結果につなげたい、目標達成のスピードを上げたいと考えている場合は、Google広告サポートや代理店など、専門スキルを持った人材に相談するのがおすすめです。

2.実行スピードが上がり、PDCAを回しやすくなる

広告運用には、設定、運用、検証、改善…と複数の作業が必要ですが、すべてを自力で対応するのは時間も労力もかかります。

プロに相談することで、

  • 自社に必要な改善策の取捨選択
  • 優先順位の整理
  • 実行のサポート(場合によっては代行)

が行えるため、判断スピードと実行スピードが大きく向上します。

また、状況に応じた柔軟な対応がしやすくなり、PDCAを効率的に回す体制を整えやすくなるのも利点です。

そのため、「設定や運用に関する疑問を素早く解消して実行スピードを早めたい」「運用業務をプロに代行してもらいたい」といったニーズがある場合は、外部のパートナーに相談するのがおすすめです。

3.情報収集の手間を減らし、運用に集中できる

Google広告はアップデート頻度が高く、仕様変更や新機能への対応が日常的に求められます。

そのたびに自力で情報収集をして判断するのは負担も大きく、対応の遅れが成果に直結することもあります。

プロとつながっていれば、

  • 必要な情報だけを効率的にキャッチアップできる
  • 判断に迷った際の相談先があることで、運用や改善に集中しやすくなる

といった恩恵を受けることが出来ます。

専門知見をもった人材と繋がっておくことで、広告に関する情報収集や取捨選択がしやすくなるため、常に最新の情報を参考にしながら広告運用に活かすことが出来るようになります。

相談までの流れ

ここからは、各相談先ごとの相談の流れをご説明します。

Google広告コンサルタント

Google広告コンサルタントに相談するには、以下の手順で相談予約をします。

なお、Google広告コンサルタントの相談対象はこれから広告を配信する方が対象であり、広告アカウントの開設から30日以上が経過すると利用できません。(問い合わせをしてもヘルプセンターへの連絡を推奨されます)

Google広告コンサルタントの公式ページにアクセスする

まずは、Google広告コンサルタントの公式ページにアクセスします。

出典:Google広告

相談形式を選択する

Google広告コンサルタントでは、①電話②LINEチャットのいずれかの形式を選択して相談することが可能です。

先ほどアクセスした公式ページを下にスクロールすると、画面下部にリンクがありますので、相談しやすい形式を選択しましょう。

「個別相談を予約」「今すぐ電話で個別相談」の違いは、日時を指定できるか否かだけであり、どちらも電話相談となります。(平日9時~18時が対応時間)

「今すぐ電話で個別相談」の場合は、回線が込み合っている時間帯は繋がらないこともありますので、優先的に質問したい場合は個別相談を予約して日時を指定するのがおすすめです。

Google広告ヘルプ

すでに広告を配信している場合や、広告アカウントの作成から30日以上経過した場合は、管理画面右上の「ヘルプ」>「お問い合わせ」から問い合わせすることが出来ます。

「お困りの内容をお聞かせください」の箇所に、相談概要を100文字以内で記載し「次のステップ」を選択します。

入力内容に応じて関連するヘルプページの情報が表示されますが、ヘルプページを読んでも疑問が解消しない場合は「その他」を選択して「次のステップ」をクリックします。

Google広告のアカウントを選択の上、①チャットまたは②電話で問い合わせをします。

相談内容が複雑な場合などは電話のほうがおすすめですが、媒体の機能の使い方や仕様の質問など、簡易的なものであればチャットのほうがおすすめです。

広告代理店

Google広告のコンサルティングサービスを提供している代理店は候補が無数にあるため、各社によって支援範囲や強み・弱み、費用感などは様々です。

相談先の代理店を選ぶ際は、以下のような選定ポイントを参考に、3~5社程度の候補から最終的に依頼する会社を選定するのがおすすめです。

  • 類似業界や予算帯の広告運用実績がどれぐらいあるか
  • 自社の課題や商材など、個別事情に対する解像度が高いか
  • 担当者は自社の事業成長に寄り添ってくれるか、コミュニケーションに問題が無いか
  • 1人あたりの担当社数が極端に多すぎないか
  • 広告アカウントは自社保有にできるか

代理店への相談から依頼までの流れは、以下のような進め方が一般的です。

1.与件の整理

広告代理店に相談する前に、まずは自社の課題代理店への期待事項を整理しましょう。

  • 自社が疑問を抱えている項目について客観的な助言を求めているのか
  • 設定や運用方法について、具体的なレクチャーをしてほしいのか
  • 広告運用で発生する諸々の作業を代行してもらいたいのか

など、自社のニーズに応じて代理店への期待事項を明確にします。

あまり代理店情報に詳しくない場合は、複数の代理店から話を聞いたほうが良いです。

ただ、5社以上になると比較検討やディレクションが難しくなるので、問い合わせの段階である程度絞りをかけて3社~5社に問い合わせするのがおすすめです。

既に特定代理店の支援内容にイメージが湧いているなら特定企業のみの問い合わせでも問題ありません。

2.代理店への相談

与件の整理が完了したら、候補となる代理店のHPから問い合わせ→打ち合わせをします。

代理店に具体的な提案を求める場合は、代理店に自社の事業や戦略、アカウント状況について理解を深めてもらう必要が出てくるため、提案の前にNDA(機密保持契約)の締結や、広告アカウントの閲覧権限の付与を求められることがあります。

代理店に正しく現状把握・課題認識をしてもらうためには、現在運用しているアカウントがどのような設計・運用をされているのか、詳細まで把握してもらったほうが効果的な提案をもらいやすくなります。

機密情報などの関係ですべて開示するのは難しい場合もありますが、基本的には、NDAを締結した上、出来る範囲で情報開示したほうが良いでしょう。

3.比較・検討

代理店からの提案が出そろったら、比較検討をしてコンサルティングを受ける会社を選定します。

時間の制約上、いつまでに決めないといけないといった事情もあるかもしれませんが、関係者全員が納得する意思決定をするために、不足する情報があれば追加提案の相談をしてもよいでしょう。

ただし、人気のある代理店は案件が埋まって支援できなくなる可能性も考えられるので、追加提案を希望する場合は、できるだけ情報をまとめて少ない回数で判断できるようにしましょう。

4.契約開始

支援をお願いする代理店が決まったら、契約書を締結して初回MTGを行い、今後の進め方について認識合わせを行います。

コンサルティングサービスを受ける際の注意点として、月数万円の範囲では、Google広告の設定や運用に関するアドバイスが中心となることが多く、打ち合わせや事前準備などの工数を含めて、月数時間程度が上限となることが一般的です。

そのため、迅速に課題を解決したい場合や、一部作業を代行してもらいたい場合などは、追加の料金が発生する場合があります。

個人事業主

知人にGoogle広告の設定や運用に詳しい人材がいる場合はそのまま連絡すれば問題ないですが、適任者が身近にいない場合は、ココナラクラウドワークスなどのクラウドソーシングサイト経由で個人事業主に相談します。

相談から契約までの流れはおおむね代理店と同様で、相談内容によっては、NDAの締結やアカウント開示を求められる可能性があります。

外部パートナーに相談する際のポイント3つ

はじめてGoogle広告の相談をする場合は、何をどう相談して良いか判断に迷うケースもあると思います。

ご参考までに、Google広告について外部のプロフェッショナルに相談する際に意識すべきポイントを3つご紹介します。

1.相談内容を事前に整理しておく

相談をより有意義なものにするためには、「何について相談したいのか」を明確にしておくことが大切です。

漠然と「広告の成果を上げたい」とだけ伝えても、相談相手も状況の把握や課題の特定が難しくなります。

具体的には、以下のような項目をあらかじめ整理しておくとスムーズです。

  • 現在の広告配信状況(運用の有無、期間、配信している商品・サービスなど)
  • 現在抱えている課題や悩み(例:CVが増えない、費用対効果が悪いなど)
  • 目標とする数値(例:月間CV数、目標CPA など)
  • 社内の体制やリソース(広告運用の経験者がいるか、何を外部に任せたいか)

これらを相談前にまとめておくだけでも、相手からの提案の具体性や精度が大きく向上し、短時間でも有意義な相談が可能になります。

2.事業・戦略理解の深いパートナーに相談する

Google広告のパフォーマンスを最大化するためには、自社の事業や戦略、予算などの個別事情を踏まえた設定・運用のカスタマイズが必要不可欠です。

そのため、Google広告の成果を効率的に改善していきたい場合は、自社の事業や戦略に対する解像度の高いパートナーに相談するのがおすすめです。

Google広告の担当者や代理店・個人のコンサルティングサービスは安価で気軽に利用しやすい選択肢ではあるものの、関わり方がスポット的であることが多いがゆえに、上記のような深い事業・戦略理解を期待することは難しいです。

自社に広告運用の経験者がいる場合や、身近に広告運用に詳しいパートナーがいる場合は例外ですが、中長期の成果拡大を想定している場合は、事業パートナーとして信頼のおける代理店を探すことも選択肢に入れましょう。

一方、詳しくは「自社運用と運用代行どっちがおすすめ?で説明しますが、予算が少額の場合は代理店に依頼しても必要最低限のサポートしか受けられない可能性もあります。

そのため、自社の課題や予算に応じて、自社運用(インハウス運用)が良いのか、代理店に委託するほうが良いのか、慎重に検討した上で運用体制を検討することを推奨します。

3.複数人に相談する

広告アカウントの設定方法や管理画面の使い方など、答えが明確に決まっているものであれば誰に相談しても大きく回答が変わることは少ないですが、

  • そもそも広告を配信すべきか?
  • 予算はどれぐらいかけるべきか?
  • 自社の目的を実現する運用方法は?

のような、明確に答えが決まっているわけではない質問については、可能な限り複数人に相談することをおすすめします。

複数人に相談するメリットとしては、

  • 異なる角度の意見に触れることで、多角的な視点の獲得につながりやすい
  • 各人の知識や経験をもとにした助言が得られるので、より豊富な情報収集が可能
  • 1人の意見に偏らないため、客観的な判断をすることが出来、総合的な判断が可能

といったメリットがあります。

とはいえ、相談先が多すぎると意見の集約や判断が難しくなるため、あくまで目安ですが、3名~5名程度に意見を聞くのがおすすめです。

実行スピードを早めたい場合は運用代行も活用する

Google広告の相談先を探す目的には、「自社が抱える課題を解消し、広告の効果を最大化したい」という背景があると思います。

Google広告のサポート窓口やヘルプは無料で相談ができるため、基本的な疑問解消や相談では使い勝手が良いものの、自社の個別事情を踏まえた設定・運用方法のアドバイスや、運用業務の代行を期待するのは難しいです。

そのため、

  • できるだけ早く広告の成果を出したい
  • 配信中の広告の成果を効率的に改善したい
  • 複雑な設定や運用をプロの運用者に代行してもらいたい

のように考えている場合は、代理店に支払う費用を考慮した上で、期待するパフォーマンスが得られそうであれば運用代行の活用も検討することを推奨します。

ご参考までに、弊社に広告運用のご相談をいただき、広告のパフォーマンスが向上した事例をご紹介します。

新規で広告配信して早期に目標達成した事例

月間売上が1年で約20倍に増加

商材自動車の修理・整備出張サービス
施策Google広告の配信
結果月間売上が1年で20倍に増加

自動車の整備・出張サービスを提供する株式会社Seibii様では、自動車の修理・整備出張サービス「Seibii」のサービスローンチのタイミングから、オーリーズで広告運用支援を行っています。

売上を伸ばしてプロダクトの仮説検証を進める必要があった中で、社内に専任のマーケティング担当者はおらず、代表がマーケティング施策を直接見ている状態。

マーケティングの実行部分に強く、一緒に事業を成長させてくれるパートナーを探していた中で、オーリーズと出会い、Web広告の運用代行を含めたマーケティング支援をご相談いただきました。

代表から、月次の損益やオペレーション情報、プロダクトのイシュー、資金調達のスケジュールまで、事業状況についてリアルタイムに連携を受けながら、Seibiiの事業を成長させるための広告運用支援をカスタマイズで構築。

深い事業理解をもとにした広告運用支援によって、月間の売上を1年で約20倍まで伸長させることが出来ました。

配信中の広告パフォーマンスを改善した事例

前年比で140.2%のCVを獲得

商材ビジネスコミュニケーションツール
施策・検索/ディスプレイ広告の配信
・広告訴求開発のワークショップによるクリエイティブの品質改善
・BIでリード獲得以降のROIを可視化し、予算配分を最適化
結果・前年比140.2%のCVを獲得
・CVの増加に伴い有効リード/商談数も増加

ビジネスコミュニケーションツールを提供している株式会社ネオジャパン様では、主力製品であるdesknet’s NEO(デスクネッツ ネオ)をはじめとして、自社製品の認知向上・ホットリード獲得のため広告運用を代理店に委託していました。

長く付き合いのある代理店でしたが、

  • 営業担当と運用担当が分かれており、依頼事項の反映スピードが期待通りでなかった
  • 担当者の異動が多いことから自社商材への理解も低く、自社にマッチした提案が少ない
  • 毎年売上目標が高まっていく中で、リード獲得数が目標を割っており改善提案も少ない

といったお悩みを抱えており、オーリーズへ運用委託を切り替えることを決定。

代理店の切り替え後は、NotionやSlackを活用して高頻度でコミュニケーションを行いながら、広告訴求開発のワークショップや、BIを活用して広告成果を可視化するなど、お互いの目線を合わせるための取り組みを積極的に実施。

結果として、広告品質が大幅に改善し、対前年比で140.2%のCVを獲得することに成功。広告のリード件数が大幅増加しただけでなく、有効リードも増加したことで商談件数も増加させることが出来ました。

広告経由の売上が大きく伸長

商材化粧品EC
施策・検索/ディスプレイ/ショッピング/動画広告の配信
・事業理解の深いEC専任チームが広告運用を支援
結果広告経由の売上が大きく伸長し、毎月の売上目標を達成できるように

株式会社三越伊勢丹HD様では、化粧品ECサイト「ISETAN BEAUTY online」を運営しており、Web広告やTVCM、アフィリエイトなど様々なマーケティング施策を組み合わせて売上拡大を行っていました。

Web広告の運用は当初別の代理店に任せていましたが、社内の広告運用の知見が少ない中で始まった新規事業だったこともあり、よりフレキシブルかつスピーディーにPDCAを回せる代理店を探していました。

Web広告の勉強会がきっかけでオーリーズを信頼いただき、広告運用の代理店をオーリーズに切り替え。

EC事業に特化した専任チームが運用支援をおこなった結果、広告経由の売上が大きく伸長。不安定だった広告運用がマーケティング施策の柱となり、毎月目標を達成できる状態になりました。

広告成果を改善しながらインハウス化も実現

商材高速バス
施策・検索/ディスプレイ広告の配信
・インハウスと運用代行のハイブリッド体制
結果・CPA10%減少、CV数は1.3倍に増加
・広告運用業務のインハウス化を実現

WILLERグループ内で高速バス事業を営むWILLER EXPRESS株式会社様では、広告運用の内製化を目指し、オーリーズでインハウス支援をさせていただきました。

広告運用のスペシャリストによる座学研修とOJT支援によって、社内のマーケティング体制の構築と運用ノウハウの蓄積をサポート。

自社のみで広告運用を自走できる状態にはなったものの、その後、事業拡大に伴い社内リソースが不足し、オーリーズに広告運用代行を依頼。

Web広告の運用代行支援によって主力商品の成果改善を実現しつつ、再度インハウス化を見据え、成約率を加味した広告レポートの構築、社内メンバー向けのGA4勉強会などを実施。

社内リソースの調達や組織体制の整備完了にあわせて再度インハウス運用に切り替え、現在は自社のみで広告運用業務を内製することが出来ています。

Google広告に関してよくある質問

最後に、Google広告に関してよくある質問をまとめました。

以下はGoogle広告の配信をしている広告主の方からよくいただく質問ですが、その他お困りごとがありましたらお気軽にオーリーズにご相談ください。(オーリーズへの問い合わせはこちら

予算やターゲティングに関する質問

Google広告にはどれぐらい予算をかければ良い?

前提として、Web広告の適正予算は自社の商材や目標、ターゲットなどの個別事情によって変動するため、一概に「これぐらい予算をかけるべき」という目安を示すのは難しいです。

一方で、Google広告は最低出稿金額をもうけていないため、まずは少額予算でテスト配信を行いながら、効果検証した上で予算の増額・減額を判断するやり方もおすすめです。

Web広告の予算を決める際の代表的な考え方としては、以下の4つがあります。

  1. 目標/タスク設定法
    1. 特定のマーケティング目標を達成するために必要なタスクを設定し、それらを遂行する上で必要な予算を策定する考え方
  2. 売上高百分率法
    1. 売上の一定割合(%)を広告予算とする考え方
  3. 競合同率法
    1. 競合の広告予算額と同程度の金額を予算とする考え方
  4. 可能額配分法
    1. 売上から固定費などの支出を引いた上で、使用可能な金額を広告予算とする考え方

広告予算をどれぐらい確保すべきか検討がつかない場合は、広告予算のシミュレーションをおこなってどの程度の予算が妥当なのかあたりをつけるのがおすすめです。

広告予算のシミュレーション方法については、おおよそ以下のような手順で算出していきます。

  1. 売上目標や販売単価、LTVなどから目標CV数を決める
  2. クリック単価(CPC)を仮置きで設定する
  3. コンバージョン率(CVR)も仮置きで設定する
  4. 目標CV数÷CPC×CVRで目標CV数を獲得するために必要な予算を算出

なお、上記の予算シミュレーションはあくまで「シミュレーション(予測)」であって、Web広告の効果は実際に配信してみないと分からないことがほとんどです。

そのため、はじめてWeb広告を配信する場合などは、まずは少額で効果が出るかテスト配信しながら、効果が見込めそうであれば予算を追加投資するなどして、徐々に配信を拡大していくのがおすすめです。

キャンペーンはまず何から配信すべき?

はじめてWeb広告を配信する場合、まずどのキャンペーンから配信すべきか判断に迷うこともあると思います。

配信すべきキャンペーンは、広告配信の目的や商材、ターゲットなどの諸条件によって変わるため一律の判断基準を示すことは難しいですが、あくまで一般的な目安として、以下の判断基準を参考にキャンペーンを選択してみてください。

  • 検索
    • コンバージョンや売上を増やしたい場合におすすめ
  • ディスプレイ
    • 潜在層へリーチし、認知拡大をしたい場合におすすめ
  • ショッピング
    • オンラインで小売販売をしている場合におすすめ
  • アプリ
    • アプリのインストールを促したい場合におすすめ
  • 動画
    • 認知拡大や、ブランドのエンゲージメントを高めたい場合におすすめ
  • P-MAX
    • コンバージョン獲得をしながら、潜在層へリーチを広げたい場合におすすめ
  • デマンドジェネレーション
    • ミドルファネル(興味・関心層)へリーチを広げたい場合におすすめ

なお、はじめて広告配信をする場合は、検索キャンペーン(リスティング広告)がおすすめです。

リスティング広告をおすすめする理由としては、以下のようなものがあります。

①コンバージョン獲得に効果的

リスティング広告は、商品やサービスのキーワードで検索しているユーザーに広告を配信できるため、購買意欲の高いユーザーに直接アプローチできます。

リスティング広告はユーザーの主体的なアクションをトリガーにする施策のため、「サービスに興味がありそうな人」や「自社の顧客属性と似ている人」などをターゲットとするディスプレイ広告やSNS広告と比較しても、コンバージョンにつながりやすいです。

②準備物が少なく、配信開始しやすい

リスティング広告は配信にあたって広告テキストを作成するのみで配信できます。

ディスプレイ広告やSNS広告などは画像や動画素材が配信にあたって必要となりますし、これら素材は制作費用がかかることも多いです。

広告テキストは変更も容易であり、配信後の改善も容易なため、始めやすいだけでなく、効果改善にも向き合いやすい施策です。

③データに基づいた分析と改善がしやすい

リスティング広告はユーザーの検索語句に対して配信実績が紐づくため、検索語句ごとの表示回数やクリック数を確認できます。

そのため成果の良し悪しをそれぞれの検索語句単位で確認できるのが強みです。

一方で他の広告施策では、そこまで細かく確認することが難しく、広告クリエイティブや配信ターゲット単位での配信結果になります。

そのため、検索語句ほどニーズが明確でないため、分析を行う難易度が少し高くなってしまいます。

実際のユーザーニーズに近い検索語句の配信結果が確認できるのは、リスティング広告の大きな強みになっています。

④低予算から始められ、無駄になりにくい

リスティング広告は少額から始められ、予算はいつでも変更可能です。

クリック課金制のため、広告がクリックされた場合のみ費用が発生し、予算を効率的に活用できます。

また、先述したように検索語句によってユーザーニーズに応じて配信するキーワードを選べるため、広告の費用対効果を高めやすいのが特徴的です。

少額で配信すると良かったか悪かったかわからなかったという悩みもよく聞くのですが、そういった状態を避けやすいのもおすすめしやすい理由の1つです。

機械学習って重要なの?

Web広告において機械学習が重要なのは、広告運用の自動化と最適化に不可欠な技術だからです。

広告アカウントの裏側では機械学習が広く活用されており、人間では分析しきれない膨大なデータを基に、より効果的な広告配信を実現しています。

機械学習の仕組みを簡単に説明すると、コンピュータがデータに基づき学習を繰り返し、徐々に賢くなっていく技術です。

生まれたばかりの赤ちゃんが言葉を学習するのに似ており、最初は何も知らない状態から、与えられた情報(広告の表示データ、クリックデータ、コンバージョンデータなど)を分析し、コンバージョンしやすいユーザーの傾向や、広告の最適な表示タイミングなどを学習していきます。

具体的には、Web広告の配信の中で以下のような領域を自動で最適化してくれます。

  • 自動入札:目標とする成果に合わせて、リアルタイムに入札価格を調整し、効率的な広告配信を行います。
  • ターゲティングの最適化:過去のデータから、広告に興味を持つ可能性の高いユーザーを自動的に見つけ出し、より適切なユーザーに広告を表示します。
  • 広告クリエイティブの最適化:効果の高い広告文やクリエイティブの組み合わせを学習し、広告のパフォーマンス向上を図ります。
  • 予算配分の最適化:キャンペーンや広告グループ間で予算を自動的に調整し、全体的な成果の最大化を目指します。

ただし、機械学習は学習データに依存するため、初期設定や学習データが少ない段階では精度が低いことや、偏った情報を学習すると誤った判断をする可能性がある点には注意が必要です。

そのため、広告運用の担当者は機械学習の特性を理解し、適切な初期設定や運用を行うことが重要になります。

設定に関する質問

Google広告の設定がよく分からない

Google広告は多様な機能が用意されており、ターゲティングや入札戦略、予算設定などを自社の配信目的にあわせて自由度高く設定することが可能です。

選べる選択肢が多い一方で、Web広告を配信した経験が無い方にとっては、アカウントの初期設定でどのような設定をすべきか判断に迷うケースもあると思います。

広告の配信前であればGoogle広告コンサルタント配信中であればGoogle広告ヘルプに相談することで、基本的な設定についてはアドバイスをもらうことが可能です。

Google広告を配信するためには、大きく分けて以下のような流れで設定を進めていきます。

  1. 広告アカウントの開設
  2. 配信設定(キャンペーン/広告グループ/広告)
  3. タグ設置(CVタグ/リタゲタグ)

なお、以下はリスティング広告(検索キャンペーン)の例ですが、Google広告は以下のように広告アカウントの各階層で設定項目が分かれています。

なかには任意の設定項目もありますが、広告を配信するためにはアカウントの各階層で必要な設定をおこなう必要があります。

また、Google広告の効果計測をおこなうためには、タグと呼ばれるコードをWebサイト内に設置する必要があります。

タグはGoogle広告アカウントの管理画面で発行することが出来、自社のウェブサイトのHTMLコード内に直接埋め込むか、Googleタグマネージャーと呼ばれるタグ管理ツール経由で設定する2通りの方法があります。

基本的にはどちらの方法で設置しても問題ありませんが、設置・メンテナンスのしやすさから、広告配信が初めての方はGoogleタグマネージャーを使って設定することをおすすめします。

設定したのに広告が配信されない

キャンペーンや広告グループの設定をしたのに広告が配信されない場合は、以下のような原因で広告が配信できない状態になっている可能性があります。

原因対策
支払い残高が0になっている・残高を手動で追加する
・自動入金設定に変更する
・請求書などで後払いにする
予算上限に達している・日予算を増額する
ターゲティングが狭すぎる・年齢や性別などのターゲティング設定を見直す
終了日を過ぎている・配信スケジュールを更新する
審査落ちしている・審査ステータスが不承認になっているキーワードや広告を削除/変更する
品質が低すぎる・広告アセットやLPの品質を高める
キーワードの検索量が少ない・マッチタイプを拡張する
・検索量の多いキーワードを入稿する
キャンペーン/広告グループなどのステータスが一時停止になっている・管理画面からステータスを「有効」に変更する

実際に広告が表示されているかどうか確認するには、①該当のキーワードで検索して広告が表示されるか確認する②管理画面で広告のIMPがついているか確認するなどの方法があります。

上記のような設定項目の見直しを行ったうえで広告が配信されない場合、媒体側のエラーである可能性も考えられるため、Google広告のサポートから問い合わせをしてみましょう。

広告アカウントの移管をする手順は?

インハウス運用から代理店委託に切り替える場合や、運用委託先の代理店を変更する場合など、広告アカウントの管理権限・請求先を他社に移すことを「アカウント移管」と呼ぶことがあります。

広告アカウントの移管とは、現在広告アカウントを管理している事業者(移管元)が、別の事業者(移管先)に対して、広告アカウントの管理権限や請求管理権限を譲渡することで、移管先がそのアカウントを管理・運用できるようにする作業を指します。

広告アカウントの移管をするケースとしては、以下の3パターンがあります。

  • インハウス運用から代理店委託に切り替える場合
  • 代理店委託からインハウス運用に切り替える場合
  • 委託先の代理店を変更する場合

なお、2つ目・3つ目のケースでは、ノウハウ流出を防ぐ目的で、現行の代理店がアカウントの移管(特にアクセス権限や請求設定の引き継ぎ)を拒否することもあります。

したがって、必ずしもアカウントの移管が実現できるとは限らない点には注意が必要です。

1.事前準備

まず、広告アカウントへのアクセス権限を移管先に付与する必要があります。

  • 自社から代理店へ移管する場合:自社の広告アカウントに代理店のユーザーを「管理者」として追加
  • 代理店から自社へ移管する場合:代理店の広告アカウントに自社のユーザーを「管理者」として追加してもらう
  • 代理店を変更する場合:現行代理店のアカウントに、自社と新代理店の両方のユーザーを「管理者」として追加してもらう

なお、アクセス権限のレベルは「管理者」で設定してください。管理者権限があると、キャンペーン編集や請求設定の変更などが可能になります。

2.移管申請

次に、請求先を変更するための手続きを行います。

現在は、Google広告の管理画面上から「お支払い設定の移行」が可能です。以下の手順で進めます。

  1. 管理画面の「料金」>「お支払い設定の移行」を選択
  2. 鉛筆マークをクリックして「請求先の変更」を選択
  3. 移行先の情報を入力し、送信
  4. Googleから承認依頼のメールが届くので承認

※従来は専用の申請フォームから手続きを行う必要がありましたが、現在は管理画面からの対応が主流です。

3.移管先と移管元で承認作業をおこなう

Googleによって請求先の移行リクエストが処理されると、移管元および移管先の請求管理者に確認メールが届きます。両者が承認を行うことで、移行が完了します。

4.移管元アカウントのリンク解除

代理店から自社に切り替える場合や代理店を変更する場合は、旧代理店のMCCアカウントとのリンクを解除する必要があります。

MCCアカウントとは複数の広告アカウントを管理するための親アカウントのことです。リンクを解除することで、旧代理店は該当アカウントにアクセスできなくなります。

なお、MCCリンクを解除しても、ユーザー単位でアクセス権限を持っている場合は、別途そのユーザーの削除も必要です。

運用に関する質問

自社運用と運用代行どっちがおすすめ?

広告運用の方法は、大別すると自社で運用する①インハウス運用と、代理店や個人に委託する②運用代行の2通りがあります。

運用代行の場合、広告運用の専門スキルを保有する人材に運用を任せることができるため、自社に広告運用の経験者がいない場合や、より効率的に広告のパフォーマンスを改善していきたい場合などはおすすめです。

一方、おおよその目安ですが、広告予算が100万円/月を下回る場合など、少額予算の場合は必要最低限のサポートしか受けられない可能性があるため、運用代行に依頼しても期待水準のパフォーマンスを得られない場合もあります。

インハウスか運用代行か迷っている方は、以下の比較表も参考にしてください。

インハウス運用運用代行
体制自社で広告運用を内製する代理店や個人に運用を委託する
メリット・意思決定と実行を社内でおこなうためPDCAを高速化しやすい
・自社の運用経験をもとにナレッジを蓄積しやすい
・プロが運用するため無駄なく最短距離で成果を実現しやすい
・外部リソースの活用によって施策の実行スピードを早めることが出来る
デメリット・体制構築と維持の難易度が高い
・運用経験者がいないと誤った設定
・運用により成果が停滞する可能性がある
・担当者によってパフォーマンスにムラがある
・広告費と別で初期費用や手数料が発生する
コスト体制構築や維持が出来れば、中長期的には運用代行よりコストメリットが生まれるケースが多い支援が継続する場合は、手数料が発生し続ける

なお、Web広告をはじめて配信するケースで、まずは少額予算でGoogle広告を運用したい場合は、初期設定についてGoogle広告サポートに相談しながら、まずはインハウスで運用することをおすすめします。

Yahoo!広告やMicrosoft広告などは、アカウント構造がGoogle広告と類似しているため、Google広告の設定・運用経験があることで、

  • 他媒体の配信をする際にGoogle広告の経験を転用できる
  • 運用代行に切り替える際も、広告運用の知識があることで代理店の担当者との議論を円滑に進めることができる

といったメリットを享受できるため、広告費が月100万円を下回る場合などはまずインハウスで運用してみましょう。

広告予算が少ない場合の体制はどうしたらいい?

記事をご覧になっている方の中には、月間広告費が数万~数十万の事業者の方もいらっしゃるかと思いますが、こちらの予算の場合は代理店だけではなく、インハウス運用か個人支援も選択肢に含めて決定することをおすすめします。

当該予算の場合、代理店の担当者が支援に使える工数が少ないことから、本質的な成果改善が期待しづらく、広告主にとっても代理店にとっても良い支援にならないことが多いです。

そのため、月間の広告費が数十万円規模の場合は、代理店だけではなくインハウスや個人支援など複数の選択肢から判断するのを推奨します。

Google広告の基礎知識を身につける良い方法は?

Google広告は多様なキャンペーンメニューがあり、アカウント階層ごとで様々な設定項目があるため、広告に不慣れな方だと複雑に感じることも多いと思います。

上記でご紹介した相談先のいずれに相談する場合でも、基本的な専門用語や広告知識は事前に理解した上で相談をしたほうが有意義な相談につながりやすいです。

Google広告の設定や運用知識を身に着けるには、やはり自分で管理画面を触って、分からないことを都度調べながらPDCAを回すのが一番です。

広告運用に関する基礎知識や、設定・運用に関するノウハウは各代理店がブログで情報発信していることも多いので、必要に応じて参考にしましょう。

ただし、代理店によって内容の正確性に差があるため、用語の定義や機能の仕様についてはGoogle広告のヘルプ記事を参照するのが良いでしょう。

以下はGoogle広告で頻繁に使用される基本用語の意味をまとめたものですが、理解が曖昧になっている部分があれば相談前に再確認しておきましょう。

用語意味
IMP広告の表示回数
CPC広告の1クリックあたりの平均費用
CTs広告のクリック数
CTRクリック率(CTs÷IMP×100)
COST広告費用(CTs×CPC)
CVコンバージョン数
CVRコンバージョン率(CV÷CTs×100)
CPACVの獲得単価(COST÷CV)
ROAS広告の費用対効果(広告経由の売上÷広告費×100)
オークション広告の掲載可否や掲載順位を決める仕組み
広告ランクオークションで広告の掲載可否や順位を決めるために使われる指標
キーワードユーザーの検索語句と広告を一致させるために使う単語やフレーズ
ランディングページ広告をクリックした後に遷移するWebページ
オーディエンスユーザーの属性や興味など、ターゲティングに使用する情報

また、Google広告の設定や運用改善について相談する上で押さえておきたい知識としては、Google広告のアカウント構造の理解です。

以下は検索キャンペーン(リスティング広告)の場合を例としていますが、Google広告は以下のように広告アカウント>キャンペーン>広告グループ>広告・キーワードという階層構造になっています。

各階層ごとで役割や設定項目も異なるため、Google広告の相談をおこなう際には、各階層に対する基本理解と、管理画面の操作については最低限覚えておきましょう。

まとめ:自社の課題に応じて適切な相談先を選定しよう

Google広告の配信や運用で悩んだ際は、プロに相談することで迅速に問題解決をはかることが出来ますが、適切な相談先を選ばないと、課題が思ったように解決しないケースも散見されます。

本記事でご紹介した相談先の選定方法や相談のコツを参考に、自社の課題に合致する相談先を選定してみてください。

なお、弊社オーリーズではWeb広告の運用代行支援を行っており、業種や予算を問わず、これまで数多くの事業者の広告成果を改善してきました。

この記事をご一読いただいた上でWeb広告運用に関するお悩みがある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

Google広告の成果改善に悩んだら
スピーディーな対応・検証が強みの「オーリーズ

広告配信でのトラブルなら、対応スピードが強みのオーリーズへ。
100社以上の支援実績をもとに、顧客の本質的な課題に向き合い、解決に向けて伴走支援をいたします。

 【オーリーズの3つの特徴】

  • 顧客の課題にコミットするため、担当社数は最大4社
  • 運用者=顧客窓口だからスピーディーな仮説検証が可能
  • 顧客の半数以上が「強く」おすすめしたいと評価

この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

マネージャー

肥田 悟志

新卒にて株式会社ネットマイルに入社。 営業経験を経て、新規事業であるDSP事業の立ち上げや代理販売商材の発掘・販売戦略策定を行い、入社2年目からチームリーダーとして従事。一方で日々広告主に接する中で、マーケターとして中立的な視点のもと、戦略策定から施策の実行まで価値提供を行いたいと思い、オーリーズヘの参画を決意。 マーケターとして、広告主とユーザーに本質的な価値を届けるために、そして広告主の運命共同体となるために、日々邁進している。

最近書いた記事