- ナレッジ・ノウハウ
- 漏田 翔秀
インハウス支援に強い広告代理店5社|選定ポイントや成功事例を徹底解説

近年、自社の人材育成やコスト削減などを目的として、広告運用を内製化する企業が増えていますが、体制構築や維持に課題を感じ、インハウス支援を受ける広告主が増加しています。
しかし、インハウス支援会社の選定において、
「インハウス支援を受けたいが、どの会社に頼んだら良いのか分からない」
「どのような点を重視して代理店を選べばよいのか分からない」
「そもそも自社でやるべきなのか、代理店に相談すべきなのか判断に迷っている」
のようなお悩みを抱える広告主も多いです。
そこで今回は、インハウス支援サービスの責任者として様々な顧客のインハウス化を支援してきた私が、「インハウス支援サービスの詳細」「インハウス支援を受けるメリット・デメリット」「インハウス支援に強い広告代理店」など、インハウス支援サービスの選定に役立つ情報をお伝えします。
前半はインハウス支援の概要や、支援を受けるメリット・デメリットを紹介しておりますので、先に具体的なおすすめ企業を知りたいという方は「インハウス支援に強い広告代理店おすすめ5選」からご覧ください。
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- 立ち上げ・育成から体制変動に伴うスポット支援まで柔軟対応
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目次
インハウス化のメリット
そもそもインハウス化することで広告運用にどのようなメリットがあるのでしょうか。
インハウス支援サービスの解説をする前に改めて、インハウス化のメリットを説明します。
PDCAサイクルを早く回せる
広告運用で成果を出すには、PDCAサイクルを早く回すことが何より重要です。
インハウス運用の場合、広告アカウントは自社保有で施策をスピーディーに実施できる状況にあるため、外部委託をするより高速で仮説検証を回すことが出来ます。
一方で、社内に広告担当者が1人しかいない場合や、複数人いるものの兼任者が多い場合などは、リソースの兼ね合いで素早く仮説検証をおこなうのが難しい場合もあります。
そのため、インハウス運用を成功に導く上では、社内リソースの確保が最優先である点は理解しておきましょう。
運用ノウハウの蓄積につながる
マーケティングにおいて、「分かる」と「出来る」には大きな差があります。
広告運用においても、自社でアカウントを保有して実際に仮説検証を回すのと、代理店に運用を任せて定期的に情報を貰っている状態とでは、ノウハウの蓄積スピードや質に大きく差が出ます。
そのため、成功・失敗経験をもとに自社メンバーに学びを得てもらい、運用ノウハウを社内に蓄積したいと考えている場合は、インハウス化をすることで目的を達成しやすくなります。
一方、現場に情報蓄積の仕組みが無かったり、担当者自身に「組織にノウハウを還元したい」というインセンティブが働かなければ、思ったようにノウハウ蓄積が進まない場合もあります。
そのため、インハウス化によってノウハウ蓄積を進めたい場合は、社内の情報蓄積の仕組みや、評価制度なども整備する必要があります。
手数料を削減することができる
代理店に運用委託をする場合、一般的には広告費の20%程度を手数料として支払う必要があります。
そのため、社内に運用経験者がいる場合や、新たに採用できる見込みがある場合は、代理店委託からインハウス運用に切り替えることでコストカットに繋がることがあります。
一方で、広告運用スキルが豊富な即戦力人材を採用するには以下のようなコストがかかります。
- 採用媒体の掲載費用:月10万円~100万円前後+成果報酬
- エージェントに支払う手数料:採用決定につき150万円~200万円前後
- 広告担当者の人件費:1人当たり年間550万円~750万円程度
インハウス化を継続できればこれらのコストはいずれかのタイミングでペイできることがほとんどですが、インハウス運用への切り替えにあたる採用・人件費などのコストは事前に認識しておいたほうが良いです。
また、インハウス運用に切り替えをおこなってすぐにコスト削減を実現できるケースはそう多くはありません。
上述のメンバー採用のための費用や育成コストなどを考慮すると、切り替え初期はコストが膨らむ可能性もあり、地道に運用体制の整備を進めていく中で、徐々にコスト削減が果たせるケースが一般的です。
代理店への手数料削減のみを目的としてインハウス化に切り替える広告主は多いですが、インハウス化は単に運用主体が代理店から自社に切り替わるだけではありません。
- メンバーの広告運用知識・スキルの向上に向けた研修・育成
- クリエイティブ制作体制の構築・整備(自社制作or外部パートナー)
- 広告成果のモニタリング・分析環境基盤の構築・整備(BIツールの導入など)
のような、インハウス体制を維持・強化するためのコストが発生することが多いので、切り替え直後は代理店運用よりもコストが膨らむ可能性がある点は事前に認識しておきましょう。
自社の商品・サービスに基づいた広告戦略・戦術を実現しやすい
広告運用を行う上では、自社の商材特性や顧客特性を踏まえて戦略・戦術を設計することが重要です。
代理店に運用委託をする場合、自社の広告担当者と比べて代理店の担当者の商材理解が低いことが多いため、適切に情報連携を行わないと、自社にマッチした提案がもらえないこともあります。
インハウスで運用する場合は、商材特性や顧客特性を理解している自社メンバーが広告運用を行うので、目的と打ち手のギャップを減らすことが出来ます。
インハウス支援の詳細
インハウス支援サービスとは、Web広告やメディア運営など外部パートナーにお願いしている特定業務を、自社で実行できるようサポートするサービスです。
企業によってインハウス支援の内容はさまざまですが、通常は専任のコンサルタントが伴走し、業務の内製化にあたる戦略策定や実行部分のアドバイスを行う方法が一般的です。
主に広告運用やSEOなど、Webマーケティング業務の内製化の際に活用されることが多いです。
4つのサポート内容
広告運用のインハウス支援において、具体的にどのようなサポートを受けられるのか、4つの代表的な支援領域について説明します。
アカウント診断
インハウス支援では、広告アカウントの状態を客観的に分析し、課題抽出やボトルネックの提案をもらうことが出来ます。
- 広告アカウントの構成や設定が適切なものになっているのか
- 想定している施策は目標達成の手段としてどの程度妥当性があるのか
- そもそものターゲティングやクリエイティブに改善余地があるか
など、自社が抱える疑問に対して、外部の専門家から客観的に意見をもらうことが出来るため、不安な場合は相談してみましょう。
なお、アカウント診断の際は、相談先の代理店に広告アカウントの閲覧権限を付与してアカウント状態を確認してもらう流れが一般的です。
広告アカウントが代理店保有の場合は、代理店の担当者に依頼してアカウントの閲覧権限を付与してもらう必要がありますが、一部の代理店では、ノウハウの流出防止などを理由としてアカウント開示に消極的な姿勢を取ることがあります。
アカウント開示が難しい場合は、代理店から共有されている数値レポートや提案資料などを共有することで簡易的な診断を受けることが出来るケースもありますが、実際のアカウント状況を確認できないため汎用的な指摘に留まってしまう可能性があります。
広告戦略の策定
インハウス支援では、メディア戦略やクリエイティブ戦略など、広告運用の成果を最大化するための戦略策定のサポートをしてもらえます。
広告運用の経験が豊富なコンサルタントが伴走し、自社の事業戦略や目標、ターゲットなどの情報を考慮してヒアリングや示唆を行ってくれるので、自社だけで納得のいくプランを描くことが難しい場合は相談してみると良いでしょう。
場合によっては、この段階で「インハウスが最適な選択肢ではない」という結論になる可能性もあるため、その場合は代理店の切り替えなど、他の運用体制を検討する必要性も出てきます。
インハウス化は目的では無く手段であるため、戦略策定の段階であらためてインハウス化の目的やゴールについて、議論を深めておくことをおすすめします。
アカウント構築・運用
広告運用を外注からインハウス化に切り替える際、通常は広告アカウントの新規立ち上げや、代理店からの移管作業が発生します。
アカウントの立ち上げや移管作業は、経験者で無いと複雑な作業も多く、自社のみで遂行することが難しい場面も出てきます。
インハウス支援を受けることで、アカウント立ち上げの関連作業をサポートしてもらえるので、自社で対応するのが難しい場合は専門の会社に相談するのがおすすめです。
■サポートしてもらえる作業例
- 配信媒体のキャンペーン構成案の作成
- レポート環境の構築
- 効果計測環境の整備(媒体/GTMなどのタグ発行・設置作業)
- クリエイティブ制作体制の構築
広告アカウントの立ち上げ(または移管)が完了し、実際に広告配信を開始したら、意図通りに広告配信がされているか、目標の範囲内でCV獲得が出来ているかなどをモニタリングしながら運用調整を行っていきます。
しかし、運用経験が無いとそもそもモニタリングの仕方が分からなかったり、課題選定や打ち手選定を誤ってしまうケースも多く、なかなか成果に繋がらないケースも多いです。
インハウス支援では、専門のコンサルタントが伴走し、一緒に管理画面を見ながら課題特定~打ち手の実行までをサポートしてくれるため、運用ミスを防ぎながら効率的に成果を上げていくことが出来ます。
組織体制の構築
インハウス運用の最適な体制は、自社の目的や課題に応じて変わります。
インハウス支援では、そもそも自社の課題はどこにあって、広告の成果を最大化するにはどのような体制が必要なのか、いつまでに、どのように体制構築を進めていくのか?といった組織戦略に関するコンサルティングを受けることが出来ます。
あくまで大枠の分類ではありますが、インハウス体制には上記のように、完全内製の「ヘビーインハウス」、一部業務を外部委託する「ミドルインハウス」、一部業務を自社で内製する「ライトインハウス」の3種類があります。
当社にインハウス支援を依頼する広告主の多くは、将来的なヘビーインハウス化を念頭に考えている場合がほとんどですが、ヘビーインハウスの場合、代理店からの情報連携やサポートが無くなるため、想定以上に組織に負荷がかかることが多いです。
もしノウハウ蓄積や広告パフォーマンスの向上を狙う場合は、ミドルインハウスやライトインハウスのほうが適している場合もあります。
特に初めてインハウス化を行う場合、Web広告の運用に慣れていないケースが多いため、下記のような悩みが発生します
- どれくらいのスピードで自社運用に切り替えれば、広告経由の売上を下げずにできるのか
- どの業務にどれくらいの工数がかかるかわからないので、人員の確保が難しい
- 現在代理店が行っている運用レベルがわからないので、どういった人材を採用すべきか判断できない
- 慣れない業務を行う社員の相談相手になれず、早期に退職してしまった
こういった悩みはインハウス支援会社に依頼することで軽減できるため、インハウス体制構築をよりスムーズに実現できるようになります。
インハウス化によって広告パフォーマンスを改善している広告主は、その時々の課題に応じて、柔軟に運用体制を変化させています。
人材の流動性が高まりつつある昨今だからこそ、インハウス支援を依頼することで
「今は人員が少なく経験者採用も難しそうだから、ライトインハウスの体制にしよう」
「インハウス支援のトレーニングでだいぶ実力もついてきたので、まずはミドルインハウスに移行して、さらに内製化の比率を高める必要がありそうならヘビーインハウスに切り替えよう」
など、その時々の状況に応じて適切な運用体制を選択するスキルを身に着ける上でも、インハウス支援を受けるメリットはあると言えます。
料金形態
広告運用のインハウス支援サービスの料金形態は、サービスの内容や期間など、支援を受ける企業のニーズによって大きく変動します。
以下は一般的なインハウス支援サービスの費用目安ですが、同じ依頼内容でも各社によって金額が変動する可能性があるため、依頼する際は複数社で見積もりを取って比較検討するのがおすすめです。
・コンサルティング費用
・月額30万円~100万円程度
・トレーニング/ワークショップ
・1講座あたり5万円~20万円程度
・継続的なトレーニングプログラムの場合、月額20万円~50万円程度
・運用サポート
・運用内容に対するアドバイスや方針提示の場合は固定料金や時間給が多く、実際に支援会社が運用する場合は広告配信金額の20%程度が一般的です
・ツールやソフトウェアの導入
・初期設定/運用保守:3万円~10万円程度(ツール代は自社負担の場合が多い)
依頼する内容にもよりますが、通常、インハウス化を実現するには最低でも3か月~半年以上かかることがほとんどです。
そのため、支援範囲にもよりますが、インハウス支援の総額は100~300万円程度が必要になる想定で進めるのが良いでしょう。
インハウス支援4つのメリット
広告運用のインハウス化を行う場合、自社で進める方法もある中で、インハウス支援サービスを提供している会社にサポートしてもらうことにはどんなメリットがあるのでしょうか。
ここからは、インハウス支援を受けることで得られる代表的なメリットをご紹介します。
運用ノウハウの蓄積につながる
インハウス支援を受ける場合、広告運用の経験が豊富なコンサルタントから直接指導を受けることが出来るため、広告運用のノウハウを蓄積しやすいというメリットがあります。
運用実務の壁打ちだけでなく、必要に応じて講座などを受講することで、広告運用の基礎知識やフレームワーク、効果測定、クリエイティブ制作の手法などを体系的に学ぶことが出来、正しい知識を効率的に身に着けることが出来ます。
客観的なアドバイスがもらえる
「4つのサポート内容」で説明した通り、インハウス支援では、アカウント診断や広告戦略の策定、組織体制構築などについて、客観的にアドバイスをもらうことが出来ます。
経験豊富なコンサルタントから示唆をもらうことで、現状の課題や改善点を明確に認識でき、盲点となりがちな非効率な意思決定や戦略的な弱点を発見しやすくなります。
また、インハウス支援の経験が豊富な会社に依頼すれば、過去の支援経験などと照らし合わせて、「こういうケースでは成功/失敗しやすい」といった経験知を共有してもらうことも可能です。
自社のみでインハウス化を実現するのが難しいと感じている場合は、コンサルタントの客観的な意見を参考にすることで、納得のいく意思決定につながりやすくなります。
広告の最新情報をキャッチアップできる
Web広告を取り巻く環境は目まぐるしく変化しており、プラットフォームのアルゴリズム更新や新機能の開発、新たな広告手法などが短期間でアップデートされていきます。
インハウス支援を受けることで、外部の専門家から、最新の広告運用に関する情報をリアルタイムに入手できます。
また、単なる情報提供だけでなく、自社の広告戦略やターゲット、運用方法などの諸条件を踏まえて具体的なポイントまでアドバイスしてくれることが多いので、広告パフォーマンスを効率的に改善しやすいという利点があります。
社員のモチベーション向上につながる
通常、インハウス支援を提供している代理店では、支援を担当するコンサルタントは広告運用経験が10年以上~など、代理店の中でも特に実績に優れた人材が担当することが一般的です。
そのような経験豊富なコンサルタントから直接指導を受ける機会に接することで、新しい知識やマインドセットの習得につながり、社員の学習意欲や成長実感を高める効果が期待できます。
また、インハウス運用では、運用実務の実行主体は自社の社員です。社員が実際に広告アカウントの設定や運用に携わることで、自らの実体験によってスキル・ノウハウを蓄積することが出来、達成感や責任意識を醸成することにも繋がります。
インハウス支援3つのデメリット
結論、インハウス支援を受けるデメリットは、追加の費用が発生する以外に取り立てたデメリットはありませんが、インハウス化にあたって事前に認識しておくべき注意点はいくつかあります。
どれも進め方によっては軽減できる可能性はありますが、インハウス支援を受ける前に必ず押さえておきましょう。
追加の費用がかかる
広告運用のインハウス支援を受ける際のデメリットとして、「追加の費用がかかる」ことが挙げられます。
もちろん、インハウス支援によって自社の期待事項を達成出来る場合は投資費用になるので正確にはデメリットと呼ぶべきではないのかもしれませんが、インハウス体制の構築が完了した移行も適切な意思決定や見直しを行わないと、費用が無駄になってしまうことがあります。
多くの広告主は代理店の手数料削減など、中長期的なコスト削減を主要な目的としてインハウス運用に切り替えるケースが多いですが、手数料はなくなるものの運用体制を維持するためには下記一例のようなコストがかかります。
- 採用媒体の掲載費用:月10万円~100万円前後+成果報酬
- エージェントに支払う手数料:採用決定につき150万円~200万円前後
- 広告担当者の人件費:1人当たり年間550万円~750万円程度
そのため、インハウス化を検討する上では
インハウスで得られる広告効果 + インハウスでの人件費や採用費、制度設計費などの間接コストの総額 > 代理店運用で期待できる広告効果 + 支援手数料
のような計算式で、インハウス化のコストパフォーマンスを確認した上で本当にやるべきなのか判断するようにしましょう。
想定以上に人件費がかさむ場合がある
インハウス体制の構築および維持においては、広告運用のスキルを保有する人材の採用・育成が何より重要です。
「Web広告運用人材の年収と採用難易度」に関する実態調査によれば、即戦力と言えるミドル~シニアクラスの運用者の年収相場は平均550~750万円ほどで、決して安い金額とは言えません。
また、目指す目標や予算規模などにもよりますが、安定的な広告パフォーマンスを実現する上では、プロジェクトマネージャー1名と運用者1名を確保したほうが良いです。
また、広告運用ではレポート構築やタグ設置、クリエイティブ制作などの不随業務も定期的に発生するため、可能であれば専任のエンジニアやデザイナーも確保しておいたほうが良いでしょう。
これらのチーム体制を構築・維持するためには、相応の人件費や教育コストがかかることが多いため注意しましょう。
体制維持の難易度が高い
インハウス支援によって広告運用を内製化する体制が構築できたとしても、社内にノウハウを蓄積する仕組みや、適切に人材を育成・評価する仕組みが無いと、インハウス運用の維持が難しくなる場面があります。
たとえば、あくまで一般的な傾向ではありますが、広告業界は人材の流動性が激しく、運用経験が3年~5年程度で転職する人材が多いです。
そのため、普段から運用業務やノウハウを属人化せず、組織の形式知として蓄積しておいたり、担当者の退職時にスムーズに引継ぎできる仕組みを整えておかないと、経験者の退職によってインハウス体制の維持が難しくなるケースは少なくありません。
上述したミドル~シニアクラスの即戦力の運用スキルをもった人材は、母数が少ない一方で採用競合が多く、すぐに条件に合う人材が採用できるケースは少ないため、人材不足によりインハウス体制の維持が難しくなった場合は、ライトインハウスや代理店委託に切り替えるなども選択肢として頭に入れておきましょう。
支援会社5つの選定ポイント
ここからは、インハウス支援会社の選定ポイントをご紹介します。
既にインハウス支援会社への相談を決めており、自社の条件に合う会社を見つけたいと考えている方は、参考としてご覧ください。
サービス範囲
「広告運用のインハウス支援」と一口に言っても、各社で提供しているサービスには大小の違いがあります。
基本的には、自社のニーズに応じてカスタムメイドで支援内容を選択できることが多いのですが、インハウス化の経験が無いと、どの領域でどのような支援を受けるべきか判断に迷うことも多いと思います。
上記は弊社で作成したフローチャートですが、インハウス支援をどの程度まで依頼すべきか判断しかねている場合は参考としてご活用ください。
また、自社の課題はインハウス支援の依頼当初と、支援開始後でも変化する可能性があります。
そのため、状況によってはコンサルタントとのMTG頻度を少なくしたり、一部媒体の運用やダッシュボード構築などの特定業務を代行してもらったりなど、都度適切な関わり方を見直していく必要があります。
そうした柔軟なかかわり方を実現する上では、臨機応変に支援内容を調整してくれる支援会社のほうがおすすめです。
支援終了後のアフターフォロー
サービス範囲とも一部重なりますが、インハウス支援終了後も継続的に相談できる相手かどうかも重要な要素です。
インハウス化は維持する難しさがあり、私たちの経験のなかでも一度インハウス化を行ったものの、途中で体制を変更されたケースを多く見てきました。
例えば、担当者の異動や休職・退職、業績変化による戦略転換、プライバシー保護のトレンドなど予期せぬ内的・外的要因によって、体制に変化が加わります。

このような観点からインハウス化を成功させるには、変化に柔軟に対応できるかが重要な要素となります。
そのため、インハウス支援会社にもインハウス化の始まりだけを支援してもらって関係性を終わらせるのではなく、継続的に伴走してもらえるほうが安心して取り組めると思います。
料金形態
インハウス支援の料金形態は各社によって様々ですが、一般的には以下のような料金形態を取っている会社が多いです。
<インハウス支援の料金形態>
- コンサルティングモデル(月額固定で費用が変わらない)
- タイムチャージベース(時間単価が決まっており、コンサルが稼働した実働時間によって金額が毎月変動する)
- 講座形式(座学研修ごとで単価が決まっており、1講座〇万円のような形で自由に受講するものを選択する形式)
料金形態はどのような支援を受けるかによって変動することが一般的ですが、サービス範囲の選択と同様に、柔軟に料金形態を調整してくれる支援会社がおすすめです。
担当者との相性
インハウス支援は担当者との相性が非常に重要です。
なぜなら、インハウス支援は無形のコンサルティングサービスであり、担当するコンサルタントの経験や技量によって、サービス品質が大きく変わるからです。
上述のように、多くのインハウス支援会社では、広告運用歴の長いエース級人材が支援を担当するケースが一般的であるため、広告運用の実績やノウハウによって大きく差が出ることは少ないです。
むしろ、
- 担当者のリテラシーに合わせて伝え方を調整してくれそうか
- 自社の事業や戦略に対して深く理解をしてくれそうか
- 一緒にプロジェクトを進める仲間として信頼できそうか
など、定性面での相性の見極めが必要不可欠です。
多くの場合、インハウス支援は最低でも数か月~年間単位の長期プロジェクトになることが多いので、一緒に事業を成長させるパートナーとして、長期的な信頼関係を築けるか?という観点で担当者を見極めましょう。
事業理解の深さ
納得度の高い組織戦略や運用プランを策定する上では、自社の中長期ビジョンや事業戦略、商材、ターゲットなどの個別事情について解像度を上げる必要があります。
可能であれば支援開始時点で業界経験のあるコンサルタントに依頼するのが理想パターンですが、自社と類似した業種や規模感での支援経験を持つ人材にピンポイントに依頼できるケースはそう多くはありません。
そのため、支援会社を見極める際は、
- 課題や商材特性など、提案の前提理解がズレていないか
- 自社の事業戦略や商材特性など、個別事情について積極的にキャッチアップしようとする姿勢があるか
- 自社の予算や人員など社内事情を踏まえた上で実現可能なプランとなっているか
など、業界経験とは別軸で、自社の事業理解を深められる人材なのか見極めることが重要です。
解像度が浅いコンサルタントに依頼をしてしまうと、「一般的には正しい情報だけど腹落ちしない」のような絵餅のプランを描いてしまうケースも多く、関係者全員が納得してインハウス化を進める上では重要な判断基準と言えます。
インハウス支援に強い広告代理店おすすめ5選
ここまでの話を踏まえつつ、弊社がおすすめするインハウス支援に強い代理店を紹介します。
プロの目から見ておすすめしたい会社となっていますので、気になる会社があればまずは問い合わせてみましょう。(問い合わせFMTはこちら)
紹介先をあげる前に恐縮ながら、まずは弊社からご紹介させてください。
弊社は運用型広告が強みのマーケティング支援会社です。顧客志向を重んじる「NPS経営」によって、多くのクライアントから高い評価をいただいています。
本記事をご覧の皆さまにも、弊社を一つの選択肢としてご検討いただければと思い、手前味噌ながらおすすめ企業に加えさせていただきました。
オーリーズ
出典:株式会社オーリーズ
株式会社オーリーズは、運用型広告の戦略設計・運用・効果計測に強みを持つWeb広告代理店です。
オーリーズのインハウス支援は「変化に適応する持続可能なインハウス体制」をコンセプトとしており、顧客の事業戦略や商材に応じたカスタマイズ型のインハウス支援を提供しています。
業界や予算規模に関わらず、累計100社以上のインハウス支援の実績があり、月額固定のコンサルティング以外にも、
- 1時間2万円~のスポットの実務支援
- 広告運用や周辺領域の業務代行(運用する広告費の20%程度)
- 広告運用の基礎理解講座(1講座10万円~)
など、幅広い料金形態を取っています。
インハウス支援に加えて、運用代行・クリエイティブ制作・分析環境基盤の構築など、自社のニーズに応じて柔軟に支援内容を選択できるので、課題や体制に応じて必要なサポートを受けたいと考えている方にはおすすめの代理店です。
<著者の推しポイント>
導入だけでなくインハウスの維持までを見据えたサービスが顧客の安心感に繋がり、喜ばれています。インハウス支援の豊富な実績と顧客志向の支援体制により、インハウス化を状況に応じて柔軟に実現できる点が特におすすめです。
支援メニュー | インハウス体制構築/広告戦略コンサルティング/座学研修/OJT etc. |
費用目安 | 月30万円~(コンサルティングの場合) |
最低契約期間 | 3か月(コンサルティングの場合) |
THE MOLTS
株式会社THE MOLTSは、デジタルマーケティング領域の戦略コンサルティングやプロジェクトマネジメント、実行支援を行う専門家集団です。
「Result Driven.」という支援コンセプトをもとに、クライアントの事業成長を徹底的に追求しており、インハウス支援では、レクチャー・実践・フィードバックを繰り返すことで、単なる運用担当ではない「成果を出して自走できる本物のチーム」を創出します。
マーケティング戦略の専門家、広告運用の専門家、効果計測・分析の専門家など、業界経験10年以上のプロフェッショナルが在籍しており、自社の状況に応じて、各分野の専門家がアサインされます。
「事業成長につながる広告運用を実現したい」「経験の深い専門家から直接指南を受けたい」と考えている方には、おすすめの支援会社です。
著者の推しポイント
独立経験者や高い専門性を持つプロフェッショナルが多く集まる組織のため、広告だけではなく事業成長を一緒に目指すパートナーとして支援してくれます。広告を含めたマーケティング課題への支援を求める広告主に特におすすめです。
支援メニュー | インハウス化支援/マーケティング組織開発/リスキリング支援etc. |
費用目安 | 月50万円~ |
最低契約期間 | 要問い合わせ |
アナグラム
出典:アナグラム株式会社
アナグラム株式会社は、Shopify構築や運用支援をおこなうフィードフォースグループ株式会社の子会社であるWeb広告代理店です。
アナグラムのインハウス支援では、現役の運用者による広告アカウントの改善提案に加え、月1回〜隔週ペースで広告運用のスキル・マインドを醸成する教育コンテンツを提供します。
MTG外でも疑問に感じたことはSlackを通して質問することができ、原則1営業日以内に回答をもらうことができます。
また、同社は「いちばんやさしいリスティング広告の教本」などの書籍出版や、「アナグラムのブログ」を通じた運用型広告に関する最新情報のリリースなど、社内外の情報発信を盛んにおこなっている代理店です。
運用型広告の最新動向をキャッチアップしたい、自社に積極的に知見を落としてくれる代理店にインハウス支援を依頼したいと考えている場合はおすすめの代理店です。
著者の推しポイント
アナグラムさんのクライアントと対等な立場で、誠実かつ前向きに挑戦し続ける姿勢は、インハウス支援においても大きな魅力となっています。広告運用の技術的なサポートだけでなく、事業の本質的な課題解決を目指す広告主に特におすすめです。
支援メニュー | インハウス支援/広告運用代行/クリエイティブ制作etc. |
費用目安 | 月70万円〜 |
最低契約期間 | 要問い合わせ |
キーワードマーケティング
株式会社キーワードマーケティングは、PR代理店の株式会社ベクトルを親会社に持つWeb広告代理店です。
同社のインハウス支援では、Google・Yahoo!広告を中心とした広告運用の基礎〜応用を学べる体系的な座学研修、LP制作&改善の基礎を学べるオンライン講座など、研修型のサービスを提供しています。
また、キーワードマーケティング研究会という会員制コミュニティも運営しており、コンサルタントとの電話やZoom面談、オンライン学習講座などでマーケティングや広告運用の相談ができます。
「広告のインハウス化に関してわからないことが多いので、そういった悩み含めカジュアルに相談したい」と考えている方におすすめの代理店です。
著者の推しポイント
先述した「キーワードマーケティング研究会」や「養成講座」など内製化支援カリキュラムが充実しており、0からのインハウスでも開始しやすくなっています。学習しやすい環境が整備されているため、自社でインハウスを進めたい広告主に特におすすめです。
支援メニュー | 広告プロフェッショナル養成講座/育成研修etc. |
費用目安 | 要問い合わせ |
最低契約期間 | 要問い合わせ |
ATARA
出典:アタラ株式会社
アタラ株式会社は、広告運用支援をおこなうWeb広告代理店です。
同社は2009年の創業以来、業種や規模を問わず、累計100社以上のインハウス化支援をおこなってきた老舗の支援会社です。
戦略策定やアカウント構築、運用のサポートにとどまらず、BI/ダッシュボード構築の支援など、広告運用に関する多様な課題に応じて柔軟に伴走支援を行ってくれます。
また、自社で運用型広告のレポート作成システム「glu」を開発・提供しているため、分析環境整備もあわせて行い、分析の工数削減や質向上を図りたい場合もおすすめです。
自社の課題にあわせてカスタムメイドでインハウス支援を受けたい方におすすめの代理店です。
著者の推しポイント
Unyoo.jpや運用型広告プロの思考回路などATARA社の情報を通じて、広告運用スキルを培った運用者は多いと思います。業界最先端の情報や豊富な実績を活かし、個別企業の成長にあわせたカスタマイズされたインハウス支援を受けたい広告主に特におすすめです。
支援メニュー | 広告インハウス支援/コンテンツインハウス支援etc. |
費用目安 | 要問い合わせ |
最低契約期間 | 要問い合わせ |
支援開始までの流れ
ここからは、代理店にインハウス支援を依頼する場合に、問い合わせから支援開始までの具体的な流れを説明します。
与件の整理
まずは、代理店に問い合わせをする前に与件を整理しましょう。
どんな情報を整理しておけばよいのか判断が難しい場合は、以下の問い合わせテンプレートをご活用ください。
<問い合わせテンプレート>
○○株式会社
インハウス支援サービスの詳細について伺いたく、一度お打ち合わせの時間を頂戴できますでしょうか。
以下に当社の状況をまとめております。
■対象サービス
・対象サービスのURL、広告のLPを添付
■配信媒体
・Google/Yahoo!/Metaなど配信中の媒体名を記載
■広告予算
・月間〇万円~〇万円ほど配信中
■CVポイント
・例:対象LPにおける商品購入
■目標
・CPA:〇万円以内
・CV:月間〇件以上
■現在の運用体制
・インハウス/代理店/フリーランス
■開始時期(希望)
・〇年〇月までにインハウスで広告運用を行っている状態を実現したいので、□年□月にはインハウス支援を依頼する会社を最終決定しておきたい
■課題感と期待事項
・現在広告代理店に運用を委託しており継続的に目標達成できていますが、PDCAサイクルの高速化やコスト削減の目的から、インハウス運用への切り替えを検討しています
・自社に広告運用の経験者が少なく、インハウス化にあたって体制強化していく必要もあるため、①運用未経験のメンバー育成②代理店からの切り替え手続き③今後の運用ロードマップの作成をサポートしていただきたいです
代理店に相談する
代理店への問い合わせが完了したら、初回面談をして与件の伝達や今後の進め方のすり合わせを行ったのち、代理店から提案を受けます。
代理店の提案の際は、広告アカウントやレポートの共有を求められることがありますが、自社の希望に沿う提案を受けたい場合は、可能な範囲で協力しましょう。
なお、広告運用を他の代理店に委託しており、広告アカウントが代理店保有の場合は、アカウント共有をすることが難しい場合もありますので注意しましょう。
比較検討
代理店コンペが完了したら、支援会社の選定ポイントで示したような検討基準を参考に、インハウス支援を依頼する会社を決定します。
提案時の情報だけでは判断が難しい場合は、どのようなポイントで判断しかねているのか整理した上で、追加提案を相談するのも良いでしょう。
一方、人気のある代理店はコンサルタントのスケジュールが埋まってしまい、支援を受けられなくなる可能性もありますので、追加提案を相談するとしても、出来る限り少ない回数で判断できるようにしましょう。
支援開始
契約書の取り交わしを行い、インハウス支援がスタートします。
詳しくは「相談時に押さえる3つのポイント」で説明しますが、インハウス支援を受ける上では、代理店に丸投げせずに、積極的に情報共有をしたり、質問をすることが重要です。
コンサルタントの力量も勿論重要ですが、「絶対に広告の成果を向上させる」のような強い覚悟があるかどうかで、プロジェクトの成否が決まるといっても過言ではありません。
外部の専門家に直接広告運用のことを聞ける機会も貴重なので、コンサルタントから吸収できるものは全て吸収するぐらいの腹積もりで臨みましょう。
相談時に押さえる3つのポイント
インハウス支援を成功させる上で、優先的に押さえておきたいポイントをまとめました。
目的を明確にする
インハウス支援はコンサルティングや座学研修の形式を取ることが多く、具体的な成果を数字で表すことが難しい傾向にあります。
そのため、盲目的にインハウス支援を受けると、自社の課題を解決できないどころか、プロジェクトメンバーの疲弊や離脱につながる可能性も考えられます。
また、そもそもインハウスとは広告運用の体制の一つでしかなく、自社に最適な運用体制はその時々の課題や人員状況などにより変化していくものです。
インハウスは目的ではなく広告パフォーマンスを高める手段として捉え、本当に自社にインハウス支援が必要なのかどうか、目的を明確化したうえで支援会社に相談するようにしましょう。
代理店に丸投げしない
インハウス支援では、広告運用に関する疑問についてコンサルタントに相談・質問ができますが、施策を実行して成果につなげるのは自社の担当者です。
そのため、運用代行のような形を期待すると思うように成果が伸びず、せっかくの投資が無駄になってしまう可能性があります。
結果責任を持つのは自社であり、主体的に行動できるかどうかでインハウス支援の成否が左右されます。
インハウス支援を受ける際は、「なぜインハウス支援を受けるのか」「プロジェクトゴールをどこに置くか」「インハウス支援にどれぐらいの費用を投資する予定なのか」などをプロジェクトメンバーに説明し、メンバー全員が能動的に課題に取り組める状態を作り上げる必要があります。
とはいえメンバーのモチベーションや責任意識を向上させることは一筋縄ではいかないことが多いです。
インハウス支援ではそのようなメンバーマネジメントの部分でもサポートしてくれる場合が多いので、依頼する際にあわせて相談するのがおすすめです。
インハウスが正解とは限らない
意外と忘れがちな視点ですが、インハウス支援を検討する際に必ず押さえておきたいのが「インハウスが正解とは限らない」という点です。
運用を委託している代理店のパフォーマンスに不満がある場合などは、代理店を切り替えることで成果改善につながるケースも多いです。
また、後述する株式会社ウエディングパーク様の事例のように、インハウス+運用代行のハイブリッド型の体制で安定した広告パフォーマンスを実現できているケースもあります。
必ずしもインハウス化をすることが正解とは限らないため、現在の自社の状況を考慮したときにインハウス運用が最適な選択肢なのか、慎重に検討するようにしましょう。
インハウス支援で成果改善した事例
担当者育成に伴走し、広告運用のインハウス化を実現
商材 | 高速バス |
施策 | 座学研修、コンサルタントによるOJT、運用代行のハイブリッド活用 |
結果 | ・広告未経験メンバーの1人立ちを実現 ・CPA10%減少、CV数は1.3倍に増加 |
WILLERグループ内で高速バス事業を営むWILLER EXPRESS株式会社様では、当初代理店に広告運用を委託していました。
一方、事業特性上、商品の利益率を踏まえた細かな入札コントロールが重要である中で、代理店に依頼する形式ではスピーディーな運用調整が難しいと感じ、インハウス運用に切り替え。
社内に広告運用の経験者も在籍していたため、切り替え当初はうまくPDCAサイクルを回せていましたが、該当社員の退職に伴い後任者の育成が急務に。
広告運用のインハウス支援サービスを提供しているオーリーズにご相談いただき、後任担当の1人立ちに向けた伴走支援(座学研修+OJT)を実施させていただきました。
その後、状況に応じて代理店委託を組み合わせるなどして運用の効率化を図りながら、インハウス運用は継続。
完全なインハウス化に戻すまでは2年ほどかかったものの、最終的には自社だけで広告運用業務を内製できる体制を実現しました。
インハウス支援当初、後任担当者は広告経験が少なく自走が難しい状況でしたが、現在は広告チームのチームリーダーとして、広告未経験社員の教育やOJTを行っています。
広告運用の解像度が向上し、より高いレベルで議論できるように
商材 | 自動車買取 |
施策 | 将来的なインハウス化に向けた組織力の向上・広告運用の知見蓄積のサポート |
結果 | 広告運用に関する解像度が深まったことで、代理店とより高いレベルで議論できるように |
自動車買取事業を運営する株式会社はなまる様では、広告運用を代理店委託していたものの、事業理解の深い運用者に運用してもらいたい、対応スピードを早めたいとの思いから、将来的なインハウス化に向けて計画を立てていました。
当初は運用経験者を採用してインハウス運用に切り替える流れを想定していましたが、結果的に採用がうまくいかず、まずは代理店を切り替えて、代理店と協業する形で徐々にインハウス化を目指していく形に方針変更。
インハウス化に向けた準備を進めるにあたってオーリーズにご相談いただき、広告担当者向けのWeb広告勉強会を複数回実施。
従来は知識不足がゆえに代理店とのコミュニケーションに難を抱えていた状況でしたが、広告運用について体系的な理解を深めることが出来たことで、代理店の意図や動き方についても適切な評価・判断をすることが出来るようになり、より高いレベルで議論・意思決定をすることが出来るようになりました。
インハウスと運用代行の二刀流で広告パフォーマンスを改善
商材 | 結婚情報サイト |
施策 | ・インハウス支援と運用代行のハイブリッド活用 ・Biツール「Domo」を活用したダッシュボード構築 |
結果 | 迅速な意思決定とアジャイルな広告改善によりCPA・CV数ともに大きく改善 |
結婚情報サイトを運営する株式会社ウエディングパーク様では、広告運用を代理店委託していたものの、社内に代理店出身のメンバーが複数名在籍していたこともあり、従来から戦略立案やクリエイティブ制作などは自社主導で進めていました。
広告成果の拡大を狙っていく中で、パートナー企業の巻き込み方含めてより事業にフィットした体制を強化する方針となり、インハウス支援と広告運用代行の両方のサービスを提供しているオーリーズに代理店を切り替え。
サービスの性質上、媒体のベストプラクティスとは異なる特殊な運用が求められる中で、KPIの進捗状況・チャネル別の広告効果を可視化し、スピーディーな意思決定に繋がるように、Domoを活用したダッシュボード構築を実施。
定例の場でDomoのデータを見ながら丁寧にすり合わせを行い、迅速に打ち手を導入出来る体制を構築したことで広告成果の改善につながりました。
よくある質問
最後に、インハウス支援に関してよくある質問をまとめました。
インハウス支援を受けるべきか判断する際の参考としてご覧ください。
インハウス支援の効果はどれぐらいで実感できる?
目的や課題によりますが、たとえば広告や組織戦略策定のコンサルティングであれば、3ヶ月程度で効果を実感できることもあります。
一方、体制構築や人材育成など中長期的な伴走支援が必要な場合は、最低でも6ヶ月は支援を継続しないと効果を実感できないことも多いです。
広告運用を代理店に委託している状態からヘビーインハウス(完全内製)を実現する場合は、数年以上の期間が必要な場合もあります。
そもそも現状課題の解決にインハウス化が適切か知りたい
インハウスを検討される方の中には、インハウスを進めたいというより「現状の代理店支援にもやもやしており、新しい打ち手を考えたい」という方もいらっしゃいます。
近年の広告プラットフォームの自動化の推進に伴い、広告代理店の提供価値と広告主の期待との間でギャップも増えています。
具体的には「顧客の声を活かしたクリエイティブ開発を行いたい」「広告とCRMを連携して、配信効率を高めたい」など自社のビジネスモデルを理解して、より広告主に踏み込んだサービスを期待するような場面が増えています。
インハウス支援を提供している企業は運用代行支援も同時に行っていることが多いため、「インハウスが正解とは限らない」で紹介した通り、どのような体制とすべきか悩んでいる旨も伝えるのが良いと思います。
そのような課題もあわせてお伝えすることで、インハウスを全体とせず、抱えている課題をどのように解決すべきかという視点でより深い議論を商談で出来ると思います。
参考記事:流動的な環境下で広告運用のインハウス化を進めるには 広告主と広告代理店が目指すべき理想の関係性を提案
まとめ:インハウス体制の構築が難しい場合は代理店に相談しよう
インハウス自社のみで進めるのが難しい場合は、ぜひ本記事で紹介した内容を参考にしながら、インハウス支援会社への相談を検討してみてください。
また、インハウス化は目的では無く手段であり、状況によっては当初の想定よりもコストパフォーマンスが良くないケースも散見されます。
人材採用や育成などのハードルもある運用体制なので、必ずしもインハウス化にとらわれず、広告の成果を最大化できる体制を柔軟に検討しましょう。
なお、当社オーリーズではこれまでスタートアップから大手企業まで、100社以上のインハウス支援に携わってきました。
広告運用の体制構築のコンサルティングや担当者育成など、インハウス化にあたるトータルサポートを得意としているので、本記事を読んでもお悩みが解決しない場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
インハウス運用に迷ったら、
100社以上を支援した「オーリーズ」にご相談ください
「インハウス運用をしたいけど不安」「メンバー育成が課題」
オーリーズではそのようなお声を多くいただいています
【オーリーズのインハウス支援の特徴】
- 多様な業界で100社以上のインハウス支援の実績
- 立ち上げ・育成から体制変動に伴うスポット支援まで柔軟対応
- 顧客の半数以上が「強く」おすすめしたいと評価