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- 頼富 穰
5分で分かるMeta広告|特徴・活用法・始め方を初心者向けに解説

Meta広告は、FacebookやInstagram等、Meta社が提供するプラットフォームに広告配信することが出来るサービスです。
配信面・広告フォーマット・ターゲティングなど、活用できる機能が多いため、はじめてMeta広告を配信する際、以下のような疑問を抱える方もいらっしゃるかと思います。
- Meta広告はどのような広告媒体なのか理解したい
- 自社の目的に応じて適切な機能を活用したいが、選び方が分からない
- パフォーマンスを最大化するためにどんなポイントを意識すべきか知っておきたい
そこで本記事では、「Meta広告とは」「Meta広告を配信するメリット・デメリット」「Meta広告の運用ポイント」など、Meta広告の全体像を理解する上で重要なポイントを解説します。
目次から各見出しに飛べるようになっているので、気になる章からご覧ください。
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目次
要点だけ先に!Meta広告の特徴と使いどころ
Meta広告は、FacebookやInstagramなどMeta社のプラットフォーム上に配信される広告です。
ユーザーの年齢・性別・興味関心・行動履歴などの情報をもとに、「まだ検索していないけれど、関心がありそうな人」へ広告を届けられるのが最大の特徴です。
特におすすめなのは、以下のようなケースです。
- 認知拡大を狙いたい新商品や高関与商材のプロモーション
- サイト訪問者や顧客リストをもとに再アプローチしたいとき
- フォーム送信などのリード獲得を重視したBtoB施策
検索広告が「今まさに探している顕在層」に強いのに対し、Meta広告は「検討初期〜潜在層」にアプローチできる媒体です。
また、ディスプレイ広告よりもターゲティング精度やクリエイティブの表現力が高く、ブランドの世界観や商品の魅力を視覚的に伝えやすい点も魅力です。
項目 | Meta広告 | 検索広告(GSA/YSA) | ディスプレイ広告(GDN/YDN) |
配信先 | Metaおよび提携先プラットフォームに表示 | 検索エンジンの結果上部などに表示 | サイト閲覧時に表示 |
広告フォーマット | 画像・動画・カルーセル・コレクションなど | テキスト広告 | 画像・動画 |
ユーザーの状態 | 潜在層が中心 | 顕在層が中心 | 潜在層が中心 |
配信目的 | 認知向上~CV獲得まで幅広く対応 | CV獲得 | 認知向上、リマーケティング |
特に向いている商材 | 視覚訴求が重要な商材、高関与・中長期商材など | 緊急性の高い商材など | 視覚訴求が重要な商材、高関与・中長期商材など |
Meta広告とは
Meta広告は、FacebookやInstagramなど、Meta社が提供するプラットフォーム上に画像・動画広告を配信することができる広告媒体です。
従来はFacebook広告という名称でしたが、2021年にFacebookがMetaへ社名変更した影響で、現在はMeta広告という名称が一般的になっています。
Meta広告は、世界中で多くのユーザーが利用するSNSプラットフォームであるFacebookとInstagramに広告を配信することができ、豊富なユーザーデータをもとに機械学習を行うことで、見込み顧客に効果的にアプローチすることが可能です。
4種類の配信面
Meta広告の主要な配信面は、「Facebook」「Instagram」「Messenger」「Audience Network」の4種類です。
Audience NetworkはMeta社と提携しているスマホアプリやWebサイトの広告枠の総称で、グノシーや東洋経済 ONLINE、食べログなどの様々な配信面に広告を出稿することが出来ます。
参考:

Facebookは国内でも2,600万人を超える大規模なSNSで、実名利用が基本です。個人やビジネスのページがあり、情報発信や交流が盛んに行われています。
Meta広告では、フィード、ストーリーズ、リールなど、Facebookのあらゆる掲載面に広告を配信することが可能です。
掲載面 | 概要 |
Facebookフィード | Facebookサイト/アプリのホーム画面中央に表示される記事リスト |
Facebook動画フィード | 動画のみが表示されるFacebookフィード |
Facebookストーリーズ | Facebookユーザーが共有したストーリー(写真や動画)に広告を表示 |
Facebookリール | 音楽や音声、ARエフェクトなどを追加できる動画フォーマット |
Facebookリール広告 | リール動画の中でバナーや動画形式の広告を表示 |
Facebook Marketplace | Facebookコミュニティ内で商品売買ができる機能 |
Facebookの検索結果 | Facebook/Market place内の検索結果 |
Facebookの右側広告枠 | Facebookの右側に広告を表示 |
Facebook ビジネス発見 | ユーザーの興味・関心にあわせて関連コンテンツを表示する機能 |
Facebook インストリーム動画 | Facebookのオンデマンド動画と一部のパートナーサイトの動画に広告を表示 |
Facebookは利用者が多いため、様々な属性のユーザーにアプローチすることが可能ですが、他のSNSと比べてビジネス利用のユーザーが多い傾向にあるため、BtoB商材の広告配信にもおすすめです。

Instagramは写真や動画を投稿・共有できるSNSです。
日本で3,300万人を超えるユーザーに利用されており、若年層を中心に人気があります。ユーザーの男女比率は男性が40%、女性が60%ほどで、女性比率が高い傾向です。
Facebookと同様に、Meta広告ではInstagramのあらゆる掲載枠に広告を配信することが可能です。
掲載面 | 概要 |
Instagramフィード | Instagramサイト/アプリのホーム画面中央に表示される記事リスト |
Instagramプロフィールフィード | 18歳以上の公開プロフィールのフィード内に広告を表示 |
Instagramストーリーズ | Instagramユーザーが共有したストーリー(写真・動画)に広告を表示 |
Instagramリール | 音楽や音声、ARエフェクトなどを追加できる動画フォーマット |
Instagram検索結果 | Instagram内の検索結果 |
Instagram 発見タブ | ユーザーの興味・関心にあわせて関連コンテンツを表示する機能 |
Instagram 発見ホーム | 発見グリッド内に広告を表示 |
Instagram広告では画面を大きく用いたビジュアルにより、視覚的にブランドを訴求できます。したがって、ファッションや美容などの視覚的な訴求が重要な商材の広告を配信したい場合におすすめです。
Messenger

Messengerは、Facebookに登録しているユーザー同士でメッセージのやり取りができるアプリです。
音声通話・ビデオ通話・ビデオオンラインチャットなどに利用できます。
Messenger広告はチャット内に表示され、自社サイト・LP・アプリのインストール画面などに誘導できます。
Messengerスレッドを開く設定もできるため、広告を通じてユーザーとの双方向コミュニケーションが可能です。
Audience Network

Audience Networkとは、Meta社が提携しているウェブサイトやモバイルアプリに広告を配信できるアドネットワークです。
国内での提携先として、「グノシー」「東洋経済オンライン」「食べログ」などが挙げられ、Meta社のプラットフォームを利用していないユーザーにも広告を配信することが出来ます。
オーディエンスネットワークはリーチが広く複数の媒体に広告を配信することが出来るため、配信の手間を省力化しながら広告効果の検証をおこなうことが可能です。
広告配信の仕組み
Meta広告では、主に入札単価や推定アクション率、広告の品質などの要素で掲載する広告を決めています。具体的な要素の概要は以下の通りです。
オークションの要素 | 概要 |
入札価格 | 広告主が広告を表示またはクリックさせるために支払う額 |
推定アクション率 | 広告を見たユーザーがクリックしたり保存したりする可能性や、ページ遷移後にコンバージョンに至る見込み |
広告品質 | 広告を見たユーザーからのフィードバックやその他の要素を考慮して判断される広告の品質指標 |
参考:広告オークションについて(Meta広告ビジネスヘルプセンター)
Meta広告で配信した広告のクリック率が低かったり、ユーザーから否定的なフィードバックを返されたりすると、入札価格が高くても表示されにくくなる可能性があります。
広告を多くのユーザーにリーチさせるためにも、広告がユーザーにとって魅力的なものとなっているか、定期的に広告コンテンツの見直しをしましょう。
課金形態
Meta広告の課金形態は以下の4つです。最適化目標によって選択できる課金形態が変わりますが、多くの場合はインプレッション課金がデフォルトで選択されます。
広告の課金形態 | 概要 |
クリック課金(CPC) | 広告がクリックされたり保存されたりなど、ユーザーにアクションされるごとに広告費用が発生 |
インプレッション課金(CPM) | 広告が1,000回表示されるごとに広告費用が発生 |
ThruPlay | 15秒未満の動画が最後まで再生された場合と、15秒以上の動画が15秒以上再生された場合に費用が発生 |
動画の2秒以上の継続的な再生 | 動画が2秒以上継続的に再生された場合に費用が発生 |
Meta広告3つのメリット
Meta広告を配信する主なメリットは「リーチの最大化」「優れた機械学習の仕組み」「豊富な広告フォーマット」の3点です。
潜在層にアプローチでき、新規顧客の獲得機会を広げられる
Meta広告は国内で利用者が多いFacebookとInstagramなどに広告を配信することが出来るため、潜在層にリーチを広げて認知・コンバージョン獲得をはかる上で有効な媒体です。
詳しくは「ターゲティングの種類」で説明しますが、潜在層にリーチを広げる際に年齢や地域などの属性情報、Webサイトの訪問履歴や顧客リストなどを組み合わせてターゲティングすることが出来るので、CVに繋がる可能性が高いユーザーに絞って広告を出すことも可能です。
ターゲティング精度が高く、効率良くコンバージョンを狙える
あくまで他のSNS広告などと比較した際の相対的な特徴ですが、Meta広告は機械学習アルゴリズムの精度が高い広告媒体と言われています。
背景として、Meta広告ではFacebookやInstagramなどの自社プラットフォームを利用するユーザーのプロフィール情報や行動履歴を学習に活用できる点があります。
なお、Meta広告をはじめとする主要なWeb広告媒体では、近年AIによる自動化が一般化しており、広告のターゲティングやオークションにおける入札、広告の掲載内容の調整など、機械学習が過去の広告配信データを学習し、自動最適してくれる仕組みとなっています。
一方、機械学習もアカウントを立ち上げて間もない状態では学習するデータが少ないため、初期は広告のパフォーマンスが期待水準に満たないケースもあります。
イメージを分かりやすくするためにあえて比喩を用いて説明すると、立ち上げ初期の機械学習は、いわば生まれたての赤ちゃんのようなもので、経験(データ)による学習を繰り返す中で徐々に賢くなっていく仕組みになっています。

機械学習の最適化に必要なCVデータの推奨数についてはアカウントのステータスや商材などの変数によって変動しますが、あくまで一般的な目安としてMetaヘルプでは以下のように記載されています。
コンバージョン数を最大化する際は、1週間に50件以上発生するコンバージョンを選択することをおすすめします。この件数が確保されないと、Facebookのシステムが情報収集を十分に行えません。
引用:コンバージョン最適化のトラブルシューティング
また、Meta広告ではキャンペーン単位だけではなく広告セット単位で学習が行われるため、広告セット単位で週50CV以上を確保することが推奨されています。
多彩な広告フォーマットで、商品の魅力を視覚的に伝えられる
Meta広告は、「画像」「動画」「カルーセル」「コレクション」など、広告フォーマットが豊富に用意されています。
配信面やユーザーの趣味趣向などに応じて適切な広告フォーマットは変わるため、複数のフォーマットを組み合わせて配信することで、広告の反応率を高める効果が期待できます。
広告フォーマットの種類や詳細については「フォーマットの種類」で解説していますので、あわせてご確認ください。
Meta広告2つのデメリット
あくまでGoogle広告など他媒体と比較した際の相対的な特徴ではありますが、Meta広告の2つのデメリットをご紹介します。
配信先が限定されるため他媒体との併用が鍵
Meta広告は、Facebook・Instagram・Messenger・オーディエンスネットワークのユーザーが配信対象です。
一方で、Meta社および提携先の配信面以外には広告を出すことが出来ないため、そもそもMeta社のプラットフォームを利用していないユーザーにはリーチすることが難しいです。
より幅広いターゲットにリーチさせたいなら、Google・Yahoo!ディスプレイ広告や他SNS広告を併用してみましょう。
効果を最大化するには適切な設定と継続運用が必須
Meta広告はターゲティングの条件や配信フォーマットの種類が豊富なので、設定項目が増えがちです。カスタマイズ性が高い反面、アカウントの設定で頭を悩ませるケースもあると思います。
また、リスティング広告と異なり、広告素材として画像や動画を制作する必要もあるため、クリエイティブ制作のリソースも確保する必要があります。
詳しくは後述しますが、Meta広告の成果を最大化する上では、広告を配信した後に配信実績を確認しながら、分析や運用をおこなう必要があります。
Meta広告の成果を効率的に伸ばしていきたいが、自社に運用ノウハウが少ない、リソースを十分に確保できない場合などは、代理店などに運用代行を依頼するのもおすすめです。
代理店の運用代行では、主に以下のような業務を支援してもらうことが出来るため、Meta広告の成果を最短で実現したい場合におすすめの選択肢です。
- KPIや予算の策定
- 広告の配信設定
- 広告アカウントの運用
- クリエイティブ制作(画像/動画/LPなど)
- 効果計測・分析環境の整備(タグ設置やGA4の設定など)
この条件に当てはまったらMeta広告が有効
Meta広告は、FacebookやInstagramを中心としたSNS広告の一種です。
リスティング広告などとは異なり、ユーザーの検索行動をトリガーにするのではなく、ユーザーの属性や行動履歴をもとに広告を届けるため、配信目的や商材によって向き・不向きが分かれます。
ここでは、Meta広告の配信を特におすすめできる代表的なケースを5つご紹介します。
潜在層への認知拡大を狙いたい場合
Meta広告は、ユーザーの年齢・性別・趣味関心などに基づいたターゲティングが得意な広告媒体です。
そのため、検索などの能動的行動を起こしていない潜在層に対して、自社の商品・サービスを知ってもらう「きっかけ作り」に効果を発揮します。
とくに新商品やBtoB商材など、そもそも検索されづらいジャンルや、検討期間が長く情報接触回数が重要な商材においては、Meta広告による継続的なリーチが有効です。
興味関心データをもとにした細かなターゲティングを行いたい場合
Meta広告では、ユーザーのプロフィール情報や行動履歴に基づいて、かなり詳細なターゲティング設定が可能です。
たとえば「東京都在住・30代女性・美容関心層」などのように、複数の属性を掛け合わせたセグメントに広告を配信できます。
また、既存顧客リストやサイト訪問者、動画視聴者に対して再アプローチを行う「カスタムオーディエンス」、それに類似するユーザーに拡張配信できる「類似オーディエンス」など、CRMと連動した配信戦略も実現できます。
クリエイティブで魅力を伝えたい商品・サービスを扱っている場合
Meta広告は画像や動画を活用した視覚的訴求に優れているため、サービスの利用イメージやブランドの世界観を伝えやすい媒体です。
とくにファッション、美容、インテリア、フィットネスなど、ビジュアルが重要な商材と相性が良好です。
さらに、複数商品を見せられる「カルーセル」や、動画と商品情報を組み合わせられる「コレクション」など、表現力の高いフォーマットも揃っているため、テキスト広告では伝えづらい魅力を伝えたい場合におすすめです。
フォーム送信などのリード獲得が目的である場合
Meta広告では、クリック後すぐにフォーム入力へ遷移できる「リード獲得広告」が活用でき、資料請求や問い合わせなどのCV(コンバージョン)を手軽に獲得しやすい仕組みがあります。
BtoB商材や高単価サービスなど、問い合わせを起点に関係構築を進めていくモデルの企業では、リード獲得広告が成果に直結しやすく、CRMとの連携によってスピーディーなフォローアップも可能です。
スモールスタートで広告運用を始めたい場合
Meta広告は、最低出稿金額が100円と非常に低く、少額のテスト配信から始めることができます。
広告の最適化が進めば、少額の投資でも効果的に成果が出せる可能性があるため、予算が限られているスタートアップや中小企業にとっても取り組みやすい広告媒体といえます。
一方で、以下のような目的や状況では、Meta広告は最適ではない可能性があります。
- 購買ニーズが高い顕在層のみを狙いたい場合
→ 検索広告(リスティング)の方が購買意欲の高いユーザーに効率的にリーチできる可能性があります。 - テキスト中心で訴求する商材やLPが中心の場合
→ Meta広告ではクリエイティブの質が成果に大きく影響するため、画像や動画を用意できない場合はパフォーマンスが出にくい傾向があります。 - シニア層などSNSを使わない層がターゲットの場合
→ FacebookやInstagramの利用率が低い層がターゲットの場合、リーチ効率が悪くなる恐れがあります。
Meta広告の配信事例
ここでは、Meta広告の配信イメージをより具体的に掴んでいただく上で、弊社でMeta広告を配信した事例をご紹介します。
クリエイティブ改善のPDCAでCPAを抑えつつ、CV数が約6倍に増加
商材 | 介護士向け人材紹介サービス |
施策 | Meta広告における仮説検証型のクリエイティブ運用 |
結果 | 月間CV数が約6倍に増加、CPAを-11%削減しながら配信金額は約5倍に拡大 |
介護士の転職支援を行う人材紹介会社では、既存の検索広告が成熟しきっており、次なる獲得チャネルとしてMeta広告の導入を決定。
Meta広告はターゲティング精度が高く、運用次第で検索広告と同等のCPAを実現できる可能性がある点に着目しました。
成果の鍵となったのは、クリエイティブの継続的な仮説検証です。毎月複数のパターンを制作・テストし、クリック率やCV効率が高いクリエイティブを見極めながら運用を最適化。
ユーザーのクリエイティブ疲れも防ぎつつ、反応の良い訴求を安定的に提供し続けました。
その結果、配信金額が約5倍に拡大する中でもCPAは11%改善し、月間CV数は80件から480件へと約6倍に増加。
このように、Meta広告では、ただ配信するだけではなく「クリエイティブのPDCAをいかに回し続けられるか」が成果を左右する重要なポイントです。
縦長動画の導入でCV数が1.5倍に増加
商材 | 不動産関連サービス |
施策 | Instagramアカウント由来の縦長動画を広告に活用 |
結果 | CV数が約1.5倍に増加、社内の動画制作体制にも好影響 |
不動産業界のある企業では、Meta広告において静止画が配信の9割を占めており、縦長動画の活用実績がほとんどない状況。
媒体としては静止画と動画の併用が推奨されていたものの、制作リソースの観点から着手できていない課題を抱えていました。
そこで、まずはスモールスタートとして、クライアントが運用していたInstagramアカウントの投稿動画を活用し、縦長フォーマットでの広告配信を新たに開始。
結果として、媒体CVだけでなくオフラインCVも約1.5倍に増加。この成果が社内でも共有され、「動画制作を推進しよう」という空気が生まれ、現在では継続的な動画制作体制が整いつつあります。
Meta広告では成果だけでなく、制作文化や体制にもポジティブな影響を与えるきっかけづくりが重要であることを示す好事例となりました。
代表的な広告フォーマット4種類
Meta広告で配信できる広告フォーマットは「画像」「動画」「カルーセル」「コレクション」などが代表的です。
ここでは主要な広告フォーマットについて取り上げますが、フォーマットによって配信できる配置や設定方法が異なるため注意しましょう。
各配信面における広告フォーマットの表示例は、以下のヘルプページから確認できます。
参考:Meta広告マネージャの目的のアップデート(Meta広告ビジネスヘルプセンター)
画像

「画像」は、静止画を使用する広告フォーマットです。
画像を用いて視覚的にブランドを訴求できるため、商品の認知度向上やブランドの理解促進につなげやすい点が強みです。
また、「画像」は他のフォーマットと比べて素材の準備や設定が容易なため、どのフォーマットで配信するか迷う場合はまず画像から配信してみましょう。
入稿規定
設定項目 | 設定内容 |
ファイルタイプ | JPG・PNG |
アスペクト比 | 1.91~1:1 |
解像度 | 1,080×1,080ピクセル以上 |
メインテキストの文字数 | 125文字以内 |
見出し文字数 | 27文字以内 |
説明文の文字数 | 27文字以内 |
最大ファイルサイズ | 30MB |
最小幅 | 600ピクセル |
最小高さ | 600ピクセル |
配信面
フォーマット | プラットフォーム | 配信面 |
画像 | ・フィード ・インストリーム動画 ・動画フィード ・Marketplace ・ストーリーズ ・リール広告 ・検索結果 ・ビジネス発見 ・リール ・右側広告枠 | |
・Profile Feed ・フィード ・ストーリーズ ・リール ・発見タブ ・発見ホーム | ||
Messenger | ・ストーリーズ | |
Audience Network | ・ネイティブ、バナー、インタースティシャル ・動画リワード |
動画

「動画」フォーマットでは、動画を用いた広告の配信が可能です。「動画」は「画像」と異なり、動きや音声によって視覚的・聴覚的に製品やサービスの魅力を訴求できます。
したがって、「動画」フォーマットはストーリーを交えた製品紹介や、デモンストレーション販売に向いています。
動画の長さは設定次第で最長241分まで設定可能ですが、スマートフォンでは短い動画のほうが好まれやすい傾向にあります。
配置ごとの動画の長さの要件は、以下の記事を参考としてください。
参考:配置ごとの動画の長さの要件(Meta広告ビジネスヘルプセンター)
入稿規定
設定項目 | 設定内容 |
ファイルタイプ | MP4・MOV・GIF |
アスペクト比 | 1:1 または 4:5(モバイルのみ) |
解像度 | 1,080×1,080ピクセル以上 |
メインテキストの文字数 | 125文字以内 |
見出し文字数 | 27文字以内 |
説明文の文字数 | 27文字以内 |
最大ファイルサイズ | 4GB |
動画の長さ | 1秒~241分 |
最小幅 | 120ピクセル |
最小高さ | 120ピクセル |
配信面
フォーマット | プラットフォーム | 配信面 |
動画 | ・フィード ・インストリーム動画 ・動画フィード ・ストーリーズ ・検索結果 ・ビジネス発見 ・リール ・リール広告 ・右側広告枠 ・グループのフィード | |
・Profile Feed ・フィード ・ストーリーズ ・発見タブ ・リール ・ショップ | ||
Messenger | ・ストーリーズ | |
Audience Network | ・ネイティブ、バナー、インタースティシャル ・動画リワード |
カルーセル

「カルーセル」は、複数の画像や動画をスライド形式で表示させる広告です。表示項目には各見出し・説明・リンク・などが含まれます。
カルーセルは一つの広告に入れられる情報量が多いため、商品カタログのように複数の商品を列挙したり、一つの商品を多面的な角度から紹介したりなど、充実した情報を伝えられる点が強みです。
入稿規定
設定項目 | 設定内容 |
画像ファイルタイプ | JPG・PNG |
動画ファイルタイプ | MP4・MOV・GIF |
アスペクト比 | 1:1または4:5 |
解像度 | 1,080×1,080ピクセル以上 |
メインテキストの文字数 | 125文字以内 |
見出しの文字数 | 32文字以内 |
説明の文字数 | 18文字以内 |
画像の最大ファイルサイズ | 30MB |
動画の最大ファイルサイズ | 4GB |
動画の再生時間 | 1秒~240分 |
カルーセルカード数 | 2~10枚 |
その他 | ランディングページのURLが必須 |
配信面
フォーマット | プラットフォーム | 配信面 |
カルーセル | ・インストリーム動画 ・動画フィード ・ストーリーズ ・Marketplace ・検索結果 ・ビジネス発見 ・リール ・リール広告 ・右側広告枠 ・グループのフィード | |
・Profile Feed ・フィード ・ストーリーズ ・リール ・発見タブ ・ショップ | ||
Messenger | ・ストーリーズ | |
Audience Network | ・ネイティブ、バナー、インタースティシャル ・動画リワード |
コレクション

「コレクション」はメインの画像または動画とサブの画像が一度に目に入る、没入感の高いフォーマットです。
商品画像と商品を利用している動画を組み合わせるなどして、ユーザーに商品の利用イメージを伝えられるため、主にEC事業者で配信されることが多いフォーマットです。
また、「コレクション」では、広告をタップした後、アプリ内でインスタントエクスペリエンスと呼ばれる、モバイル専用に最適化されたランディングページに遷移します。

ユーザーはアプリ内で商品閲覧から購入まで完結できるため、スムーズな購入体験を踏める点も「コレクション」の強みです。
参考:コレクション広告について(Meta広告ビジネスヘルプセンター)
入稿規定
設定項目 | 値・設定内容 |
画像のファイルタイプ | JPG・PNG |
動画のファイルタイプ | MP4・MOV・GIF |
アスペクト比 | 1:1 |
解像度 | 1,080×1,080ピクセル以上 |
メインテキストの文字数 | 125文字以内 |
見出しの文字数 | 40文字以内 |
画像の最大ファイルサイズ | 30MB |
動画の最大ファイルサイズ | 4GB |
その他 | ランディングページのURLが必須 インスタントエクスペリエンスが必須 |
配信面
フォーマット | プラットフォーム | 配信面 |
コレクション | ・フィード ・動画フィード ・リール | |
・フィード ・ストーリーズ ・リール |
なお、コレクション広告の入稿方法は、カタログと呼ばれる商品データを一元管理する機能を使って設定する方法と、使用しない方法があります。
また、メイン画像(動画)のアスペクト比は1:1がおすすめです。横長の画像なども入稿自体はできますが、画面の占有率が少なくなりクリック率が低下する可能性があるためです。
コレクション広告はPCユーザーには配信されないため、PCからの商品購入が多い商材の場合は相性が良くありません。(例えばBtoB向けの備品販売サイトなど)
また、Meta広告には主要なフォーマット以外にも、以下の広告フォーマットが存在します。
広告効果を最大限に発揮するためにも、商品やサービスに適した広告フォーマットを選択しましょう。
広告フォーマット | 特徴 |
スライドショー | 静止画像を連続して表示し、短い動画のように見せるフォーマットです。 動画広告より軽量で、電波状況が悪い場所でもスムーズに表示されます。 |
プレイアブル | ユーザーがアプリをインストールする前に、操作できるプレビュー画面を表示するフォーマットです。 特にゲームアプリに向いており、製品の魅力を体験してもらうことでインストールにつなげやすくなります。 |
リード獲得 | 定型の質問を設置し、自社の商品やサービスに興味がある見込み顧客の情報を獲得するフォーマットです。 「HubSpot」や「Salesforce」などのCRMと連携し、顧客データの分析も容易に行えます。 |
アンケート | アンケートを通じ、ユーザーのニーズや嗜好性を把握できるフォーマットです。 統計を取るだけでなく、ブランドや企業広告にアンケートを追加することで、印象を残す効果も期待できます。 |
クーポン | ユーザーのニュースフィードに、クーポンを表示できるフォーマットです。 製品への購入ハードルが低くなるため、プロモーションの一環として効果が出やすくなります。 |
なお、BtoB企業でリード獲得数をKPIとしている場合は、リード獲得広告の配信がおすすめです。
リード獲得広告は、名前の通り見込み顧客のリード情報を収集するのに適した配信メニューで、広告をクリックするとLPを経由せず、そのままフォーム入力画面に遷移するため、CVハードルが低く手軽にリード情報を収集することが出来ます。

また、獲得したリード情報は管理画面からダウンロードすることも出来ますが、CRMと直接連携して自動インポートすることも出来るので、リード発生後に即時に顧客に接触することも可能です。
一方、CVハードルが低いぶん、獲得したリードには一定数無効リードが含まれる点や、リードナーチャリングの仕組みが無いと売上に繋がりづらい点などもあるため注意が必要です。
- リード獲得数が最重要KPIになっている
- リードの質より数重視
- ナーチャリング前提で商談/売上を増やしたい
と考えている場合などはおすすめできる配信メニューですので、Meta広告でリード獲得を行いたい場合はまずは少額からテスト配信してみましょう。
3種類のターゲティング
Meta広告のターゲティングは主に「コアオーディエンス」「カスタムオーディエンス」「類似オーディエンス」の3種類があります。

コアオーディエンス
コアオーディエンスは、各広告セットに登録できるターゲティングの基本設定です。
年齢・性別・地域など、ユーザーがFacebookに登録したプロフィール情報と行動履歴をもとにターゲットを絞りこむことが出来ます。
コアオーディエンスでは、「年齢は〇才で地域は〇〇のユーザーに広告を配信する」のようにターゲティングを掛け合わせて設定することが可能なため、自社の商材や予算にあわせて広告配信の対象を自由度高く設定できます。
たとえば、詳細ターゲット設定を活用すると、「社員500名以上のBtoB企業に勤務しているユーザー」のように配信対象を設定することが出来るため、Meta広告はBtoB事業者のリード獲得にもおすすめの媒体です。
カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスは、Webサイトの訪問や顧客リストなど、自社とつながりのあるユーザーに対してターゲティングをする機能です。
主な設定項目は以下となります。
設定項目 | 概要 |
ウェブサイト | Webサイトや特定ページに流入したユーザーに対してターゲティングが可能。(※実施する際はMetaピクセルの設置が必要) |
カスタマーリスト | メールアドレスや電話番号などの顧客データを活用し、Metaユーザーと照合してターゲティングする |
アプリアクティビティ | アプリ内で特定の行動をしたユーザーにターゲティングする(ex.カートに追加、チュートリアル完了など) |
エンゲージメント | FacebookやInstagramで投稿・いいねなどのアクションを取ったユーザーにターゲティングする |
類似オーディエンス
類似オーディエンスは、作成済のカスタムオーディエンスに含まれるユーザーと類似する特徴をもつユーザーにターゲティングすることが出来ます。
ユーザーの類似度は1%~10%の間で設定することが可能です。パーセンテージが低いほど類似度が高く、パーセンテージが高いほど類似度が低くなる仕様です。
類似度が低いほど関連性の高いユーザーに広告配信することが出来ますが、そのぶんリーチできるユーザー数は少なくなります。
また、Meta広告のようなインプレッション課金が中心の広告媒体では、CPC(クリック単価)の上下にはCPM(インプレッション単価)が影響します。
一般的には、ターゲティング設定を狭めるほどCPMは上昇しやすく、緩めるほどCPMは低下しやすいです。
厳密に言えば、CPCの上下にはCTR(広告のクリック率)も影響しますが、一般的にはCPMが上昇するほどCPCも上昇しやすい傾向にあるため、CPCの上昇によってCPAが上昇している場合などは、ターゲティング設定を見直すことも重要です。
Meta広告の費用相場
Meta広告は、最低出稿金額100円からスモールスタートが可能なため、少額でテスト配信を行うこともできます。
ただし、極端に予算が少ないと広告の表示機会が得づらく、期待するパフォーマンスを得られない可能性もあるため注意が必要です。
広告予算の決め方そのものはGoogle広告と同様で、目標CPAやCV数、想定CPC・CVRをもとに逆算して設定するのが基本です。
たとえば、目標CPAが7,000円、CV目標が50件であれば、単純計算で必要な広告費は7000×50=350,000円です。
ただし、広告予算はCPCやCVRなどの中間指標によって左右されるため、可能であればそれらの数値も考慮して予算シミュレーションを行うことをおすすめします。
広告予算は以下の数式で計算できるので、
広告予算 = 目標CV数 ÷ 想定CVR × 平均CPC
仮にCPCが80円、CVRが5%と仮定すると、50件のCVを得るには50 ÷ 0.05 × 80 = 80,000円の広告費が必要という計算になります。
Meta広告の始め方
ここからは、Meta広告の配信の流れを説明します。Meta広告の配信の流れは大別すると以下の5つのステップに分けられます。
- 事前準備
- アカウント設定
- 広告審査
- 配信開始
Meta広告の詳しい手順については、媒体の仕様変更によってアップデートされる可能性がありますので、媒体の公式ヘルプページもあわせてご参照ください。
なお、FacebookとInstagramに広告配信をするには、投稿を宣伝という既存のオーガニック投稿を広告化して配信する方法もありますが、配信先や広告フォーマットが限定されるため、基本的にはMeta広告から配信することをおすすめします。
各設定手順の詳細については以下の記事の「Meta広告から配信する方法」で解説していますのであわせてご覧ください。
事前準備
GoolgeやYahoo!広告とは異なり、Meta広告では広告アカウントを作成すればアカウント設定に進めるわけではありません。
広告配信の事前準備としては、ビジネスマネージャやFacebookページの作成などが必須となるため注意が必要です。
ビジネスマネージャから広告アカウントを作成したら、支払い設定など必要な手続きを行っていきます。
また、Meta広告でコンバージョン等の特定のアクションを計測するには、Metaピクセルと言われるタグを発行・設定する必要があります。
Metaピクセルは発行しただけではデータ計測をおこなうことは出来ないため、Meta広告のイベントマネージャで発行したコードをWebサイトに設置する必要があります。
Webサイトにピクセルを設置する方法としては、①WebサイトのHTMLに直接埋設する②Googleタグマネージャー経由で設定する2種類の方法がありますが、設置・管理のしやすさから基本的にはGoogleタグマネージャー経由で設置することを推奨します。
アカウント設定
広告アカウントが作成できたら、アカウント設定を行っていきます。
Meta広告では「キャンペーン」「広告セット」「広告」のように、アカウント内の各階層で広告配信の設定をすることが出来ます。

広告審査
アカウントの設定が完了したらすぐに広告が配信されるわけではなく、Meta広告規定に沿って広告審査が行われます。
通常広告審査は1~3営業日ほどで完了しますが、Meta広告によって不適切な広告とみなされた場合は対象の広告を修正するか削除する必要があります。
参考:
また、広告審査以外にも、アカウント設定で不備がある場合にも広告は配信されないため、広告配信前に必ず最終チェックをおこないましょう。
以下はMeta広告が配信されない場合によくある原因をまとめたものです。広告配信を開始する前に、設定に不備が無いか最終確認する際にご活用ください。
原因 | 確認箇所 | 対策 |
配信ステータスがオフになっている | キャンペーン/広告セット/広告それぞれのステータスを確認 | 配信ステータスをオンにする |
広告の配信スケジュールが誤っている | 広告セットの配信スケジュールを確認 | 配信スケジュールを正しい期間に設定し直す |
目標金額設定が厳しすぎる | ・広告セットの「最大・最小消化金額」 ・「結果の単価目標」または「入札コントロール」 | ・適切な金額設定に変更する ・最大・最小消化金額の設定を削除する ・入札価格上限または結果の単価目標の上限を引き上げるor設定を削除する |
オーディエンスサイズが小さすぎる | 広告セットの「オーディエンスの広さ」 | ・配信対象のオーディエンスを追加する ・カスタム/類似オーディエンスを拡大する |
広告審査も問題なく通過しており、上記のような設定項目に不備が無いのに広告が配信されない場合は、媒体側のエラーの可能性も考えられるため、Metaのヘルプサポートに問い合わせてみましょう。
配信開始
広告は配信して終わりではなく、管理画面のレポートデータを参照しながら分析・改善をおこなうことが重要です。
- 広告のインプレッションやクリック、コンバージョンがついているか
- 配信金額が日予算上限にあたっているキャンペーンは無いか
- 極端に数値が変動しているキャンペーンや広告セットは無いか
など、アカウントが目標に対して問題なく進捗しているか、日次/週次/月次でモニタリングをします。
なお、Meta広告は配信して終わりではなく、毎日アカウントの管理画面を確認して配信実績をモニタリングしながら、課題を分析し、改善を繰り返すことが重要です。
1人前の運用者になるまでには、大きく分けて以下の3つのステージをクリアすることが必要です。
- ステージ1:広告配信の仕組みやアカウント構造、入稿方法などを理解している
- ステージ2:不具合と無駄のない広告配信を維持できる
- ステージ3:広告運用の課題に対して適切な施策を立案・実行できる
広告運用に不慣れな方にとっての一番の壁はステージ2です。不具合で無駄のない広告配信とは、①やるだけで効果の出る作業を漏れなく実施できている②配信事故やトラブルを起こさない状態を意味します。
ステージ2の状態を実現するためには、日次・週次・月次で以下のようなチェックリストをもとにモニタリングを行い、改善プランについて検討を行います。
- 日次で確認すべきこと(例)
- 日予算上限に当たっているキャンペーンは無いか
- 7日以上の残高は残っているか
- 検索キーワードのメンテナンスをしているか
- 審査に落ちているキーワードや広告は無いか
- CVが極端に減少していないか
- 週次で確認すべきこと(例)
- 予算進捗は問題ないか
- ユーザー属性ごとの成果把握・調整ができているか
- 地域/デバイス/時間・曜日などの単位で成果把握・調整ができているか
- 休日前に大きな変更を加える予定がないか
- 配信期間の決まっている広告を配信し続けていないか
- 月次で確認すべきこと(例)
- 1か月以上のアカウント残高はあるか
- 予算のグロス・ネットの認識に相違はないか
- 各種レポートの日付を新しい月に変更しているか
- 各種レポートの予算や目標を更新できているか
- 予算の上振れ・下振れの許容範囲について合意が取れているか
Meta広告4つの運用ポイント
Meta広告のパフォーマンスを最大化するには、自社の商材や予算、ターゲットなどの個別事情を考慮した上で最適な設定・運用をおこなうことが重要です。
一方で、Meta広告の運用経験がないと、広告の設定や運用で判断に迷う場面もあるかと思います。
そこで本記事ではMeta広告の初心者の方向けに、「Meta広告において優先的に押さえたい運用ポイント」をご紹介します。
1.ターゲティングを絞りこみすぎない
上述のように、Meta広告には「コアオーディエンス」「カスタムオーディエンス」「類似オーディエンス」などのターゲティングが用意されており、各ターゲティングのなかでも細かく設定をすることが可能です。
あくまで弊社の運用経験をもとにした経験則となりますが、コンバージョン獲得を目的としている場合は、まずはウェブサイト(リターゲティング)でサイト訪問ユーザーをターゲットに配信しながら、さらにリーチを広げたい場合は類似を徐々に拡張していくことをおすすめします。
一方で、極端にオーディエンスサイズが小さい場合は広告のインプレッションが確保できず、期待する成果が得られない可能性もありますので、最初からターゲティングを極端に絞りこみすぎないようにしましょう。
2.フォーマット・サイズ網羅
Meta広告には「画像」「動画」「カルーセル」「コレクション」など、豊富な広告フォーマットが用意されています。
ターゲティングと同様に、配信する広告フォーマットも自社の個別事情を踏まえて配信するものを選択する視点が重要ではありますが、商材によって明らかに不向きなフォーマットで無い限りは、基本は複数の広告フォーマットを組み合わせて配信することを推奨します。
理由として、たとえば「画像に反応しやすいユーザー」「動画に反応しやすいユーザー」のように、各配信面にはフォーマットによる反応率の違いがあり、特定のフォーマットしか配信していない場合は他のフォーマットに反応しやすいユーザーのオークションに勝ちづらくなるためです。
同様に、広告素材(バナーや動画など)も配信面にあわせて複数サイズを網羅することが推奨とされているため、Meta広告のパフォーマンスを最大化したい場合は、複数素材を用意しましょう。
3.クリエイティブの検証
Meta広告は、主に画像や動画を活用して広告配信する広告媒体であるため、広告クリエイティブの良し悪しによって広告パフォーマンスが左右されます。
そのため、広告の配信データを見ながらABテスト等の検証手法によって効果の高い要素を特定し、改善を繰り返してクリエイティブの質を向上させていくことが重要です。
一方、社内の制作リソースなどの要因で、定期的に新しいクリエイティブを用意することが難しいこともあると思います。
予算に余裕がある場合は、広告代理店に制作依頼をしたり、業務委託のデザイナーを雇用するなど検討するのも有効です。
なお、自社で画像や動画などのクリエイティブを制作する場合は、フィード・ストーリーズ・リールなど、広告の配信先を考慮してクリエイティブを制作することが重要です。
たとえば、Instagramのストーリーズに配信する動画であれば、
- モバイルファーストなデザインにする
- 動画の長さは最大でも15秒以内におさめる
- 最初の数秒程度でユーザーの興味を惹きつける工夫をする
- メッセージは端的にまとめ、重要なテキストはサイズを大きくする
- ユーザーに期待する行動を示し、CTAへの導線を明確にする
など、ストーリーズに配信を最適化する上で押さえるべきポイントが存在します。
4.適切なCVポイントの設定
Meta広告を配信する上では、ユーザーの状態に応じて適切なCVポイントを設定することが重要です。
CVポイントとは、広告の最適化地点に設定しているポイントのことで、以下のように広告の最終成果としてアカウントに設定するユーザー行動を指します。
- 商品購入
- 会員登録
- 資料請求
- メルマガ登録
- ウェビナー登録
- お問い合わせ…etc
弊社でご支援していた不動産のクライアントでは、Meta広告と並行で配信していたGoogle検索広告の検索語句を分析し、ユーザーの状態に合わせて適切なCVポイントを設定することでCV数の増加につながった事例があります。
検索語句の傾向から、Meta広告で流入するユーザーニーズと、従来の訴求軸や最適化地点が本当に適しているのかを見直したところ、以下のような傾向が見て取れました。

「マンション 都内」や「戸建て 中央区」のような「物件種別×地名」の組み合わせで検索するユーザーは、物件情報への関心が高い一方で、資料請求やお問い合わせといった従来のCVポイントではCVR(コンバージョン率)が低いことが判明。
分析に基づき、地名掛け合わせで検索するユーザーは、サービス資料よりも販売している物件そのものの情報を求めているという仮説を立て、従来の資料請求やお問い合わせといったCVポイントから、物件見学や物件への問い合わせをCVポイントに変更。
施策の結果、開始月に獲得したCV数のうち約14%が新たなCVポイントが占めるようになり、CV数を増やすという当初の目的は達成しました。
CPAは従来のリード獲得経路と比較して3倍高いという結果になりましたが、物件見学や物件への問い合わせを経由したユーザーは、資料請求などに比べて温度感が高く、歩留まりが改善するというポジティブなラーニングが得られました。
また、物件情報を掲載することで、より具体的な予算帯の顧客流入が見込めるため、顧客単価向上の可能性も示唆されました。
よくある質問
Meta広告に関するよくある質問をまとめました。Meta広告を配信してから困らないよう、事前に確認しておきましょう。
他のSNS広告と比べたときの特徴は?
Meta広告以外の主要なSNS広告としては「LINE広告」「TikTok広告」「X広告」などがあります。
各媒体でそれぞれ特色があるため、媒体選定は自社の目的や商材、予算などを考慮して選ぶことをおすすめしますが、Meta広告は他媒体と比べて機械学習精度が高く、配信面や広告フォーマットも豊富に用意されているので、SNS広告で迷ったらまずはMeta広告から配信すると良いでしょう。
LINE広告
LINE広告は、LINEのプラットフォーム上に広告を配信することが出来るサービスです。
LINEは家族や友人との日常的なコミュニケーションツールとして利用されることが多く、SNSのなかでも特に利用頻度の高いプラットフォームです。
また、媒体の公式発表によれば、LINEの国内ユーザー数は約1億人ほどとされており、多様なユーザーにリーチすることが可能です。
TikTok広告
TikTok広告は、Tiktokのプラットフォーム上に広告を配信することが出来るサービスです。
TikTokはショート動画を共有できるスマートフォン向けのSNSで、主な利用者は10代・20代と若年層が中心となっています。
短尺の動画が中心でエンタメ性の高いコンテンツが多いことから、若者を中心に気軽に利用しやすいSNSアプリであり、隙間時間に日常的に利用するユーザーも多いことから、高いリーチ率が期待できる広告媒体です。
X広告
X広告は、X(旧Twitter)に広告配信することが出来るサービスです。
Xは、リアルタイムで情報が拡散しやすく、ターゲティング精度が高い広告媒体です。テキストや画像、動画を活用でき、ユーザーの興味関心に基づいた細かな広告配信が可能です。
あくまで他の主要なSNSと比較した場合の傾向ですが、Xはビジネスアイデアの収集や交流を目的として利用されることも多く、近年はBtoB事業者の広告配信も増加しています。
自社運用と運用代行はどちらがおすすめ?
以下はおおよその目安ですが、
- 社内に運用経験者がおり、広告運用の体制が整備されている場合
- 自社内に広告運用のノウハウを蓄積したい場合
- 月の広告予算が少額(100万円以下)である場合
などはインハウス運用を推奨します。
一方、運用代行を活用すると、広告運用の専門スキルを保有する人材にサポートしてもらうことが出来るため、インハウス運用よりも早期に成果に結びつく可能性があります。
運用業務をパートナーに委託することで、工数を確保することも出来るので、マーケティング戦略の立案や、他施策の遂行などに時間を充てることも可能になります。
インハウスか運用代行か迷っている方は、以下の比較表も参考にしてください。
インハウス運用 | 運用代行 | |
体制 | 自社で広告運用を内製する | 代理店や個人に運用を委託する |
メリット | ・意思決定と実行を社内でおこなうためPDCAを高速化しやすい ・自社の運用経験をもとにナレッジを蓄積しやすい | ・プロが運用するため無駄なく最短距離で成果を実現しやすい ・外部リソースの活用によって施策の実行スピードを早めることが出来る |
デメリット | ・体制構築と維持の難易度が高い ・運用経験者がいないと誤った設定・運用により成果が停滞する可能性がある | ・担当者によってパフォーマンスにムラがある ・広告費と別で初期費用や手数料が発生する |
コスト | 体制構築や維持が出来れば、中長期的には運用代行よりコストメリットが生まれるケースが多い | 支援が継続する場合は、手数料が発生し続ける |
なお、広告予算が月100万円以下など少額でテスト配信したい場合などは、まずはインハウス運用で効果検証しながら、さらに成果を伸ばしていきたい場合に運用代行に依頼することをおすすめします。
理由としては、
- 自社で運用するため、戦略と戦術の整合性を取りやすく、仮説検証サイクルを回しやすい
- 様々な成功・失敗体験を繰り返すことで、自社に広告運用のノウハウを蓄積させやすい
- 広告運用の経験があることで、運用代行を依頼する際に代理店の担当者と議論が進めやすい
が挙げられます。
BtoBの広告配信でもMeta広告は有効?
Meta広告はBtoB事業者においても有効なマーケティング施策です。
まず、Facebookは多くのビジネスパーソンが業務中や通勤中にも利用しており、勤務先企業名や業界、職種、役職などの詳細な属性に基づいたターゲティングが可能です。
意思決定者層や導入検討に関与するキーパーソンに対し、ピンポイントで広告を届けることができるため、広告の費用対効果を高めやすい点が特徴的です。
また、Meta広告には「リード獲得広告」という機能があり、ホワイトペーパーやウェビナー登録などのリード獲得施策と非常に相性が良く、コンバージョン率の高いリードジェネレーションを実現できます。
さらに、サイト訪問者や動画視聴者などに対してリターゲティング配信を行うことが出来るため、検討期間が長期化しやすいBtoB商材でも効率的にCV獲得を期待しやすいです。
こうした点から、Meta広告はBtoB領域においても、見込み顧客の獲得や商談化の促進において有効に機能するプラットフォームといえるでしょう。
Meta広告の設定や運用知識を習得するおすすめの方法は?
Meta広告の設定や運用に詳しくなりたい場合は、自社で運用して実際に管理画面を触りながら試行錯誤する経験が重要です。
一方、広告運用自体が初めての場合は、意図しない設定や誤った運用によって広告のパフォーマンスが低下してしまうケースも散見されます。
そのため、より早いスピードで広告のパフォーマンスを向上させたい、外部の専門家からアドバイスをもらいながらMeta広告の知見を深めていきたい場合などは、広告代理店に相談するのもおすすめです。
また、Meta広告のアカウント構造や機能、それらの活用方法などについて体系的な知識習得をしたい場合は、Metaが無料で提供している学習ガイドを活用したり、認定資格を取得するのもおすすめです。
まとめ:Meta広告で広告パフォーマンスを向上させよう
Meta広告は、豊富な広告フォーマットと配信面により高い費用対効果が期待しやすいSNS広告です。
本記事の内容を参考材料として、自社で配信すべきか検討にお役立ていただけますと幸いです。
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