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- 頼富 穰
【25年最新】Facebookへの広告の出し方|配信方法を解説

Facebookは国内のユーザー数が約2,600万人を超えるSNSで、広告出稿によって、多様なユーザーにリーチする機会が得られます。
一方、広告配信の経験が無い方にとっては、以下のような悩みを抱えるケースが散見されます。
- Facebook広告の設定方法がわからない
- Facebook広告を出す場合の注意点を知りたい
- Facebook広告で成果を出すコツについて知りたい
そこで本記事では、「Facebook広告の出し方」「設定方法」「配信前の確認ポイント」など、Facebookに広告出稿する際の配信手順について解説します。
Facebookへの広告出稿を検討しているものの、細かい設定手順が分からない方はぜひご覧ください。
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目次
Facebookへの広告の出し方2種
Facebookに広告を出稿する方法としては、Meta広告から出す方法と、Facebookの「投稿を宣伝」という機能を使って出す方法の2種類があります。
両者の比較や、配信手順については後ほどの章で説明しますので、まずは「Facebookに広告を出すには2種類の方法がある」とだけご理解ください。
1.Meta広告
Meta広告は、FacebookやInstagramなど、Meta社が運営する複数のプラットフォームに配信できるサービスです。
専用の管理ツール(広告マネージャ)を使って、広告の目的、ターゲット、予算、配信期間などを細かく設定できます。
画像や動画、カルーセルなど多様なフォーマットも利用でき、認知拡大からコンバージョン獲得まで、目的に応じた効果的な訴求が可能です。
また、以前はFacebook広告と呼ばれていましたが、2021年にFacebookがMetaと社名変更した影響もあり、現在はMeta広告と呼ばれるケースが一般的です。
2.投稿を宣伝
「投稿を宣伝」は、Facebookページで既に公開している投稿を、簡単な操作で広告として配信する方法です。
投稿の下にある「投稿を宣伝」ボタンをクリックし、ターゲットや予算、期間を設定するだけで、フォロワー以外のユーザーにも投稿を届けることができます。
既存のオーガニック投稿をそのまま広告にでき、設定が手軽なため初めて広告を試す方にも適しています。
参考:Facebookで投稿を宣伝する方法(Metaビジネスヘルプセンター)
配信方法の選び方
Facebookに広告を出す際、「Meta広告」と「投稿を宣伝」結局どっちを使えばいいの?と迷う方もいらっしゃると思います。
この章では、それぞれの配信方法の特徴と、どう選ぶべきか判断の目安となるポイントを示します。
Meta広告と投稿を宣伝の違いについて、主な違いをまとめたのが以下の表です。
項目 | Meta広告 | 投稿を宣伝 |
---|---|---|
配信先 | ・Facebook ・Messenger ・Audience Network | Facebookのみ |
広告フォーマット | ・画像 ・動画 ・カルーセル ・カタログなど | オーガニック投稿と同じ形式(画像/動画など) |
ターゲティング | コア、カスタム、類似オーディエンスなど詳細な設定が可能 | 地域/年齢/性別など簡易的な設定のみ |
配信結果の分析 | 詳細な分析が可能 | 限定的な分析しか出来ない |
向いているケース | 本格的に成果を狙いたい | まずは少額で配信したい |
成果を上げたいならMeta広告がおすすめ
Meta広告を使えば、「どんな人に・どんな内容を・どんな目的で届けるか」を細かく設定できるため、広告の成果を最大化しやすくなります。
- ターゲティング精度が高い
既存顧客と似た属性を持つ人(類似オーディエンス)や、過去に自社サイトを訪れたユーザー(リターゲティング)など、広告を届けたい対象に絞って配信することができます。 - 広告フォーマットが豊富
画像・動画・カルーセル・リード獲得広告など多様な形式があり、ユーザーの興味に合わせて柔軟にアプローチできます。 - 広告目的に最適化される
クリックや購入など、設定した目的に応じて配信が自動で最適化されるため、限られた予算の中でも効率的に成果を出しやすいのが特徴です。
ブランドの認知拡大や商品の売上増加など、本格的に成果を出したい場合は、Meta広告から配信することをおすすめします。
ただし投稿を宣伝が向いているケースもある
とはいえ、すべての企業や案件でMeta広告が最適というわけではありません。
たとえば以下のような状況では、「投稿を宣伝」を使う選択肢も有効です。
- 広告アカウントの設定に時間をかけられない
- 広告クリエイティブを新たに制作する余裕がない
- そもそも広告予算を大きく確保できない
投稿を宣伝であれば、Facebookページの既存投稿を活用し、数分で配信を開始することも可能です。
ただし、ターゲティングや広告設計の自由度が低く、成果の分析もしにくいため、成果重視の配信には向いていません。
もし「成果を出したいけれど、制作・運用のリソースが足りない」という理由で投稿の宣伝を選ぼうとしている場合は、広告代理店などの外部パートナーに委託することも選択肢のひとつです。
自社の目的やリソース状況を踏まえて、何を重視するかを明確にしたうえで、最適な配信方法を選びましょう。
【キャプチャで説明】Facebookへの広告配信手順
Facebookに広告を出す方法としては、①Facebookアカウントの「投稿の宣伝」から配信する方法と②Meta広告アカウントから配信する方法の2通りがあります。
この章では、それぞれの方法において具体的な配信手順をキャプチャつきでご説明します。
1.Meta広告の配信手順
Meta広告では、広告アカウントと呼ばれる管理ツールを作成して広告を配信します。
投稿を宣伝と比べると設定手続きが複雑なため、はじめて広告配信する方には難しく感じることもあると思いますが、初心者の方でも理解しやすいように、補足説明を入れながら手順を説明します。
詳しい手順については、媒体の仕様変更によってアップデートされる可能性がありますので、媒体の公式ヘルプページもあわせてご参照ください。
⑴事前準備
Google広告やYahoo!広告と異なり、Meta広告を配信するにはFacebookアカウントやビジネスマネージャアカウントの作成などが必要になります。
以下に記載する内容は必須設定となりますので、手順を飛ばすと広告が配信できなかったり意図した効果計測ができない場合があります。
①Facebookアカウントの作成
Facebookアカウントを持っていない場合、Facebook公式サイトにアクセスしアカウントを作成します。アカウント開設に必要な情報は以下の通りです。
- 氏名
- 携帯電話番号またはメールアドレス
- パスワード
- 誕生日
- 性別
Facebookアカウントを作成したら、Facebookページの作成をします。(作成手順はこちらをご覧ください)
②ビジネスマネージャアカウントを作成
Facebookアカウントを開設したら、次にビジネスマネージャのアカウントを開設します。
ビジネスマネージャアカウントの専用ページにアクセスし、先ほど開設したFacebookアカウントでログインしましょう。ログイン後、以下の内容を入力します。
- ビジネスおよびアカウントの名前
- 氏名
- 仕事用メールアドレス
③Metaピクセルの設定
Meta広告でコンバージョン等の特定のアクションを計測するには、Metaピクセルと言われるタグを発行・設定する必要があります。
Meta広告で広告の効果計測をおこなうには、計測したい全ページに設置するベースコードと、CVなど特定アクションを計測したい場合に設置するイベントコードの2種類を設置する必要があります。
また、Metaピクセルは発行しただけではデータ計測をおこなうことは出来ないため、Meta広告のイベントマネージャで発行したコードをWebサイトに設置する必要があります。
Webサイトにピクセルを設置する方法としては、①WebサイトのHTMLに直接埋設する②Googleタグマネージャー経由で設定する2種類の方法がありますが、設置・管理のしやすさから基本的にはGoogleタグマネージャー経由で設定することを推奨します。
さらに、イベントコードには購入、会員登録などMetaがあらかじめ用意しているイベント内容(標準イベント)と、ボタンクリックやページスクロール率100%など、標準イベント以外のWeb行動を計測するイベント(カスタムイベント)があります。
カスタムイベントを計測したい場合、カスタムイベント用のコードを作成してサイトに設置する必要があるため、社内にエンジニアがいない場合は時間がかかる可能性があります。
生成AI等でどのようなカスタムイベントを設置したいのか指示し、コードサンプルを書いてもらうことは可能ですが、サイトの仕様によっては上手く動作せず修正する必要もあるため、不安な場合はMeta広告ヘルプや広告代理店に相談しましょう。
④ドメイン認証
広告主がFacebookページのドメイン所有者であることを確認する手続きです。
ドメイン認証をおこなうことで、広告に表示される広告主名を自社名にすることができます。さらに、ドメインが法人であったりビジネスの正式な代表者であることを証明できます。
ドメイン認証の方法は、「HTML ソースコードにメタタグを追加する」と「ルートディレクトリに HTML ファイルをアップロードする」、「ドメインレジストラーで DNS TXT レコードを更新する」の3つがありますが、「HTML ソースコードにメタタグを追加する」が最も簡潔な設定方法です。
詳しくは、以下のヘルプページをご覧ください。
参考:ビジネス認証について(Meta広告ビジネスヘルプセンター)
⑤広告アカウントを作成
Facebookとビジネスマネージャーのアカウントを作成したら、広告アカウントを作成しましょう。
ビジネスマネージャーアカウントのメニューバーを開き、「ビジネス設定」を選択します。
左メニューバーの「広告アカウント」を選択し、「追加」をクリックします。
次に、広告アカウント名・ビジネスを設定します。ご自身で広告を運用される場合「自分のビジネス」を選択すれば問題ありません。
設定の後は広告アカウントにユーザーを追加し、ユーザーごとに権限を付与しましょう。権限として設定できる内容は以下の通りです。
権限の種類 | 内容 |
---|---|
キャンペーンを管理 | 広告の作成・編集に加え、レポートのアクセス、広告の確認ができます。 |
パフォーマンスを確認 | レポートのアクセス、広告の確認ができます。 |
クリエイティブハブのモックアップの管理 | クリエイティブハブでモックアップの閲覧・作成・編集ができます。 |
広告アカウントを管理 | 「キャンペーンを管理」のアカウントに加え、ファイナンスやアクセス許可などの管理ができます。 |
最後に支払い情報を追加し、事前準備は完了です。支払い方法はクレジットカードとPayPalから選択できます。
⑵アカウント設定
広告アカウントが作成できたら、広告の配信設定を行っていきます。
Meta広告のアカウントは「キャンペーン」「広告セット」「広告」のように階層が分かれており、各階層で広告配信の設定をおこなう必要があります。
各階層での設定手順は、媒体のアップデートにより変更となる可能性がありますので、以下のヘルプページをあわせてご参照ください。
参考:Meta広告マネージャで広告キャンペーンを作成する方法(Meta広告ビジネスヘルプセンター)
①キャンペーンの設定
広告を配信するにあたって、まずは広告キャンペーンを作成しましょう。
ビジネスマネージャーから広告マネージャーに進み、広告アカウントの左上にある「作成ボタン」をクリックします。
次に、キャンペーンの「購入タイプ」と「目的」を選択する画面に遷移するため、広告の目的に合わせて項目を選びましょう。

「購入タイプ」は「オークション」と「リーチ&フリークエンシー」から選択でき、それぞれの購入タイプの概要は以下の通りです。
購入タイプ | 概要 |
---|---|
オークション | 目標に対して手動もしくは自動入札により最適化していく購入タイプで、クリック課金(CPC)と、インプレッション課金(CPM)があります。 |
リーチ&フリークエンシー | 1人当たりの広告掲載回数を制御するタイプで、インプレッション課金(CPM)のみです。 |
購入タイプと目的を設定したら、詳細を設定する画面に遷移します。
キャンペーンでの設定項目は以下の通りです。
項目 | 概要 |
---|---|
キャンペーン名 | キャンペーン名を入力します。複数キャンペーンを運用する場合は、識別できるような名前にしましょう |
特別な広告カテゴリ | 金融、人材など特別な広告カテゴリに当てはまる場合は選択 |
Advantageのキャンペーン予算 | キャンペーンの目標や予算に応じて成果が最大化できるように予算配分を最適化してくれる機能です。複数の広告セットを作成する場合に向いています |
A/Bテスト | 広告の画像やテキスト、オーディエンスなどをABテストで比較検証したい場合は設定 |
参考:
・特別な広告カテゴリを選択する(Meta広告ビジネスヘルプセンター)
・Meta Advantageのキャンペーン予算を設定する(Meta広告ビジネスヘルプセンター)
②広告セットの設定
キャンペーンを設定したら、次に広告セットを作成しましょう。
広告セットの設定項目は以下となります。
項目 | 概要 |
---|---|
広告セット名 | キャンペーン名と同様に、複数の広告セットを作成する場合は各広告セットを識別できるような名前にしましょう。 |
ダイナミッククリエイティブ | オンにすることで、画像やテキストがユーザーに合わせて最適化されて表示されます。 |
予算と掲載期間 | 広告が配信される期間と予算を設定します。 |
オーディエンス | 年齢・性別・地域などのターゲティングを行います。「詳細ターゲット設定」から、興味関心やつながりも設定可能です。 |
配置 | 広告の配信面について選択します。デフォルトは「自動配置」になっており、Facebook以外にもInstagramやMessengerが設定されています。配信面を絞りたい場合、手動で設定しましょう。 |
③広告の設定
次に、広告を作成します。広告の主な設定は以下となります。
項目 | 概要 |
---|---|
広告名 | 広告単位での名前です。わかりやすいものにしましょう。 |
名義 | 広告が関連付けられるFacebookページを設定します。Instagramアカウントの紐づけは任意項目です。 |
広告フォーマット | 広告のフォーマットを指定します。フォーマットは後述しますが、「画像」「動画」「カルーセル」「コレクション」などがあります。 |
クリエイティブ | 画像・動画・メインテキスト・見出し・リンク先などを設定します。配信面に合わせた適切なクリエイティブを用意しましょう。 |
リンク先 | ユーザーが広告をクリックした後に遷移させるリンク先を選択します。 |
トラッキング | サイト訪問者へのリマーケティングをしたい場合や、コンバージョンを設定したい場合設定しましょう。 |
また、Webサイトに訪問したユーザーがどのような流入元(キャンペーン・広告セット・広告など)から流入したのかGA4で計測したい場合はパラメータを設定する必要があります。
Google広告やYahoo!広告と異なり、Meta広告ではパラメータをキャンペーン単位や広告セット単位で設定することは出来ず、広告単位で設定する必要があるため、すべて手動で設定するとアカウントによっては膨大な工数がかかる可能性があります。
そのため、Meta広告でパラメータを設定したい場合は、パラメータを自動付与してくれるURLダイナミックパラメーターを活用しましょう。
Meta広告のURLダイナミックパラメーターとは、広告設定時にキャンペーン名や広告セット名などの情報をもとにURLパラメータを自動で設定できる機能です。
広告ごとの煩雑なパラメータ設定の手間が省け、設定ミスも防ぎやすくなります。
設定は、Facebook広告マネージャの広告作成画面の「トラッキング」から「URLパラメータを作成」をクリックし、追加したい要素を選ぶだけです。
例えば、キャンペーン名や広告名を自動的にパラメータとしてURLに付与できます。ただし、パラメータは広告公開時に保存されるため、変更したい場合は再作成が必要です。
それぞれの設定が完了したら「公開する」をクリックしましょう。審査がはじまり、問題なければそのまま広告が配信されます。
2.投稿を宣伝の配信手順
Facebookの「投稿を宣伝」では、Facebookのオーガニック投稿を活用して広告を配信することが可能です。
Facebookの投稿を宣伝から広告を配信するには、以下の手順で設定をおこないます。
詳しい手順については、媒体の仕様変更によってアップデートされる可能性がありますので、媒体の公式ヘルプページもあわせてご参照ください。
参考:Facebookページから投稿を宣伝する方法(Meta広告ビジネスヘルプセンター)
なお、既存の投稿内容によっては投稿を宣伝が活用できないケースも散見されています。
以下は弊社で確認できている「投稿を宣伝が使えないケース」となります。
- 広告の目的を「エンゲージメント」に設定している場合
- 「質問、リンクスタンプ、音楽」などの要素が含まれているストーリーズ
- ポリシー違反などの問題があった商品タグが含まれている投稿
- 商品タグが含まれているリール
- 著作権で保護された動画を使用したリール
- GIFスタンプが含まれているリール
- キャプションで商品へのリンクがある投稿
- 2021年10月15日以前に公開されたリール動画
⑴Facebookページの作成
まずはFacebookページを作成します。作成ページにアクセスして、プロフィール情報を入力します。
ページ作成にあたり入力する必要がある情報は以下となります。必須設定は多くありませんので、任意の項目はスキップしても問題ありません。
・ページ名(必須)
会社名や商品名を記入
・カテゴリ(必須)
自社の業界や商品カテゴリを入力(特定の単語で検索すると候補が表示される)
・自己紹介(任意)
自社の活動や商品説明を入力
・連絡先(任意)
ウェブサイト/電話番号/メールアドレスを入力
・場所(任意)
オフィスや店舗など、事業拠点の住所を記入
・営業時間(任意)
営業時間を入力
・プロフィール/カバー写真(任意)
プロフィール写真とカバー写真を追加
・WhatsAppをページにリンク(任意)
WhatsAppアカウントをリンク
また、写真設定をする画面で表示される「アクションボタンを追加」を押すと、Facebookページにユーザー行動を促すボタンを表示できます。必須設定ではありませんが、必要に応じて設定しましょう。
⑵Facebookページの「広告を掲載」をクリック
Facebookページの設定が完了すると、管理ページに遷移します。
画面左下の「広告を作成」をクリックして、広告タイプで「Facebookコンテンツを宣伝」を選択しましょう。
広告タイプを選択する画面で「Facebookコンテンツを宣伝」をクリックします。
⑶広告の配信設定
投稿を宣伝の画面で広告の配信設定を行っていきます。
・オーディエンス
地域/年齢/性別など、広告を配信する対象を設定します
・期間
広告配信のスケジュールを設定します
・予算
広告宣伝に利用する予算を設定します
・Metaピクセル
デフォルトではオフになっていますが、継続的に広告配信する場合はWebサイトに設置しておきましょう
・支払い方法
クレジットカード情報を入力して登録します
すべての設定を確認したら、ページ右下の「公開」ボタンをクリックすれば完了です。
配信前に確認したい4つのポイント
Facebook広告をスムーズに運用するために、配信前に押さえておきたい3つの注意点を紹介します。
1.目的に合ったフォーマットを選ぶ
上述の通り、Facebookに広告を配信するには「投稿の宣伝」機能を使うか、「Meta広告」から配信する方法があります。
投稿の宣伝はFacebookのオーガニック投稿を活用でき、設定が容易なため手軽に利用しやすい広告配信方法ですが、Meta広告と比較すると広告設定の選択肢が多くありません。
そのため、継続的に広告を配信していきたい場合はMeta広告から広告を配信する方法がおすすめです。
また、Meta広告には「画像」「動画」「カルーセル」など、複数の広告フォーマットがあります。
各フォーマットごとに商材による向き不向き、メリット・デメリットもありますので、自社の目的やターゲットなどに応じて適切なフォーマットを選択しましょう。
Meta広告で利用できる代表的な広告フォーマットは以下の通りです。
広告フォーマット | 特徴 |
---|---|
画像 | 写真や画像など静止画を用いて視覚的なブランド訴求ができるフォーマットです。他のフォーマットと比較して、比較的クリエイティブ制作の負担が小さい傾向です。 |
動画 | 動きと音声を用いた動画で商品やサービスを伝えるフォーマットです。ストーリーを交えた製品紹介や、実際の商品をデモンストレーションして訴求したい場合に向いています。 |
カルーセル | 複数の画像や動画をスライド形式で表示させるフォーマットです。一つの広告フォーマットに入れられる情報が多いため、複数商品のラインアップをまとめて伝えたり、一つの商品を多面的な角度で紹介したりしたい場合に向いています。 |
コレクション | ユーザーの興味や関心に合わせて、カタログ形式で商品やサービスを紹介する広告フォーマットです。ユーザーは商品を見てから購入するまで同じ媒体で完結するため、コンバージョンまで短い点も強みです。 |
2.クリエイティブポリシーに準拠する
Facebook広告を配信する場合、Meta社によるクリエイティブポリシーに準拠する必要があります。
Facebookで制限されているコンテンツおよび、禁止されているコンテンツを事前に確認しておきましょう。
概要 | コンテンツの例 |
---|---|
禁止されているコンテンツ | ・危害を加えるための計画および犯罪の助長 ・危険な団体および人物 ・差別的な行為 ・悪意のある行為 ・人的搾取 ・現地の法律に違反するコンテンツ、商品またはサービス ・偽情報 |
制限されているコンテンツ | ・アルコール ・危機および問題性の高い出来事の商業利用 ・デート ・出会い関連の広告 ・危険物および有害物質 ・歴史的遺物 ・絶滅危惧種以外の生きている動物および絶滅危惧種の販売 ・タバコおよび関連製品 など |
センシティブな商材の場合、広告の配信対象に年齢制限が設けられていたり、そもそも広告を配信することが出来ない場合があります。
また、センシティブな商材に当てはまらない場合でも、ポリシー違反のある広告は審査で不承認となったり、配信後に広告が停止されることもあるので注意しましょう。
3.後から変更できない設定項目もある
Meta広告では、一部の設定項目は広告配信開始後に変更できない仕様となっているため、事前に慎重に設定する必要があります。
特に以下のような項目は、配信後に編集できず、変更したい場合はキャンペーンや広告セットの再作成が必要となるため注意しましょう。
階層 | 設定項目 | 変更可否 | 補足 |
---|---|---|---|
キャンペーン | キャンペーン目的 | × | 目的(例:トラフィック → コンバージョン)は変更できず、新たに作り直す必要あり |
特別な広告カテゴリ | × | 審査上重要なため、後からの変更はできません。初回設定が必須。 | |
広告セット | 最適化イベント | × | イベントを変更するには、新しい広告セットの作成が必要 |
ピクセル | × | 広告セットに設定したピクセルIDは変更できず、変更したい場合は広告セットを再作成する必要あり | |
アトリビューション設定 | × | 配信後に計測期間を変更する場合は広告セットを再作成 | |
配信スケジュールの開始日 | × | 開始日は変更不可。終了日は変更可能 | |
広告 | URLパラメータ | △ | 変更可能だがトラッキングに影響 |
投稿ID | △ | 投稿IDが異なると新しい広告として扱われ、既存の配信結果は引き継がれない |
4.ランディングページを用意する
Facebookに広告を配信する際は、ランディングページを用意しましょう。
ランディングページとは、ユーザーが広告をクリックした後に遷移するWebページのことで、通常は自社の商品やサービス別で専用のページを設定します。
予算や制作リソースが捻出できない場合は自社のHP内の問い合わせページなどを設定することも可能ですが、主要な商品・サービスに関してはランディングページを制作するのがおすすめです。
広告用にLPを用意する意図としては、同じ商材でも、ユーザーによってニーズは多様であることが多いため、ユーザーニーズに応じて訴求やデザインを個別カスタマイズすることで、コンバージョン率の向上が期待できるためです。
すでにLPを用意している場合は、以下のような流れでLPO(ランディングページ最適化)を行い、コンバージョン率を改善していきましょう。

LPO(ランディングページ最適化)は、現状把握、課題抽出、改善案の検討、効果検証の4つのステップで進行します。
まず、GA4などのツールを使ってLP上のユーザー行動を分析し、離脱ポイントを特定します。
次に、フォーム到達前後で離脱率が高い箇所があれば、フォームの視認性や入力の手間を改善します。
改善案の検討では、ユーザー体験を重視し、改善策の優先順位を決定します。その際、効果検証を忘れず、ABテストなどで施策の効果を確かめることが重要です。
以下はLPのコンバージョン率を向上させるためのチェックリストです。自社のLPに改善余地があるか確認する際にご活用ください。
- ユーザーに「もっと知りたい」と思わせるコンテンツかどうか
- 広告文、バナー、動画をみて、LPに訪問したユーザーが期待した情報がLP内に存在し、さらに読み進めたくなるか
- LPを読み込んだうえで、商品に興味を持ち、「もっと商品を知りたい」と思ってもらえるか
- ユーザーが理解しやすいコンテンツかどうか
- LP内の動画を視聴したうえで、商品に興味を持ち、「申し込んでみよう」と思ってもらえるか
- ユーザーが読みやすいと感じるUIかどうか
- 「申し込んでみよう」と思ったユーザーが、実際に行動に移しやすいか
- フォームまで到達後、離脱の要素はないか
Facebook広告で成果を出す4つのポイント
ここからは、Facebookの広告パフォーマンスを最大化するためにまず前提として認識しておきたい4つのポイントをご紹介します。
1.ターゲティングを過度に限定しない
商材の性質上、CVしても売上に繋がらない対象外のユーザーなどがいる場合は年齢や性別などでターゲティングを限定することも有効ですが、Facebookに広告配信する際は、最初からターゲティングを絞りすぎないことが重要です。
自社の商材やターゲットにもよりますが、たとえば「赤坂に住んでいる20歳~25歳の男性にのみ広告配信する」など、最初からターゲティングを過度に限定してしまうと、ターゲティングの最適化に必要な学習データが溜まらず、広告パフォーマンスが伸び悩む可能性があります。
ではターゲティングはどの程度広げて配信すれば良いのか疑問に思う方もいらっしゃるかと思いますが、最適解は商材や予算などの個別事情により左右されるため、一律の基準を示すことは難しいです。
一方で、あくまで参考程度の情報ではありますが、Meta広告のヘルプページでは、機械学習の学習を促進するための推奨CV数が記載されています。
コンバージョン数を最大化する際は、1週間に50件以上発生するコンバージョンを選択することをおすすめします。この件数が確保されないと、Facebookのシステムが情報収集を十分に行えません。
引用:コンバージョン最適化のトラブルシューティング
また、Meta広告ではキャンペーン単位だけではなく広告セット単位で学習が行われるため、広告セット単位で週50CV以上を確保することが推奨されています。
2.複数のクリエイティブを組み合わせる
「投稿を宣伝」で配信する場合は既存のオーガニック投稿を活用することが出来ますが、Meta広告から配信する場合は、複数の広告フォーマットを組み合わせて配信することをおすすめします。
理由として、たとえば「画像に反応しやすいユーザー」「動画に反応しやすいユーザー」のように、各配信面にはフォーマットによる反応率の違いがあり、特定のフォーマットしか配信していない場合は他のフォーマットに反応しやすいユーザーのオークションに勝ちづらくなるためです。
同様に、広告素材(バナーや動画など)も配信面にあわせて複数サイズを網羅することが推奨とされているため、広告のパフォーマンスを最大化したい場合は、複数素材を用意しましょう。
3.CPCの上下が起きた際はCPMも分析する
Facebook広告(Meta広告)のようなディスプレイ媒体では、CPC(クリック単価)の上下には、CPMが関係しています。
CPMとは、広告が1000回表示されるのにかかるコストのことで、CPMの変動は、主に広告を見ているユーザーの「希少性」によって起こります。
一般的に、希少性が高いユーザーに対して広告を表示しようとすると、競争が激しくなるためCPMは上昇し、逆に希少性が低いユーザーに対してはCPMが低下する傾向があります。
Facebook広告(Meta広告)でCPMが上下する要因としては、主に以下のような要素が影響します。
- 年齢
- 若年層はユーザー数が多いためCPMが低く、中高年層はユーザー数が少ないためCPMが高くなる傾向があります。
- 配信面
- 例えば、若年層の利用が多いInstagramストーリーズは、FacebookよりもCPMが低くなる傾向があります。
- 最適化地点
- コンバージョンに至りにくい手前の段階(マイクロCV)を最適化地点にするとCPMは低下し、逆にコンバージョンしやすい質の高いユーザーを最適化対象にするとCPMは上昇する傾向があります。
- オーディエンスサイズ
- 類似オーディエンスの拡張度を狭めたり、リターゲティング期間を短くしたりしてオーディエンスサイズを小さくすると、希少性が高まりCPMが上昇します。
CPMが上昇した場合の対策としては、以下のようなものが考えられます。
- 年齢
- CPMの高い年齢層への配信を除外したり、CPMの低い年齢層に響くクリエイティブを試したりする。
- 配信面
- CPMの高い配信面を除外する。
- 最適化地点
- ターゲティングを広げてオーディエンスサイズを大きくする。
- オーディエンス設定
- 類似オーディエンスの拡張度を広げたり、リターゲティング期間を長くしたりする。興味関心ターゲティングの場合は、他のセグメントを追加することも検討できます。
このように、Meta広告のCPMは様々な要因で変動し、それがCPCにも影響を与えます。CPCの分析を行う際には、CPMの動きも合わせて確認することが重要です。
4.設定に不安がある場合は「無料相談」か「運用代行」を活用
Facebook広告の設定や配信に不安がある場合、Meta社が提供している無料の電話相談を活用するのも一つの手です。
媒体の仕様や操作方法で分からない点があれば、公式のサポートから案内を受けられるため、初心者の方でも安心です。
ただし、予算の考え方やターゲティングの設計など、自社の個別事情に応じた柔軟な提案を受けたり、実際の作業代行を依頼したい場合は、広告代理店や個人の運用代行サービスを利用するのがおすすめです。
運用代行では、広告アカウントの作成〜初期設定だけでなく、配信後のデータ分析やクリエイティブ改善といった継続的な運用業務まで一括サポートしてもらえます。
✅運用代行がおすすめのケース
・社内に広告運用の知見や人材がいない
・限られたリソースで成果を最大化したい
・Meta広告の複雑な機能をフルに活用したい
代理店を選ぶ際は、「同業界での実績」「課題理解の深さ」「運用担当の体制」などを基準に、3〜5社を比較検討することがポイントです。
よくある質問
Facebook広告に関するよくある質問をまとめました。スムーズに広告配信を実現するためにも、運用開始前に確認しておきましょう。
ちゃんと設定したのに広告が配信されない
広告が配信されない場合の主な原因としては、①広告審査に落ちている②設定に不備がある③媒体側の不具合のいずれかであることがほとんどです。
以下はMeta広告が配信されない場合によくある原因をまとめたものです。広告配信を開始する前に、設定に不備が無いか最終確認する際にご活用ください。
原因 | 確認箇所 | 対策 |
---|---|---|
配信ステータスがオフになっている | キャンペーン/広告セット/広告それぞれのステータスを確認 | 配信ステータスをオンにする |
広告の配信スケジュールが誤っている | 広告セットの配信スケジュールを確認 | 配信スケジュールを正しい期間に設定し直す |
目標金額設定が厳しすぎる | ・広告セットの「最大・最小消化金額」 ・「結果の単価目標」または「入札コントロール」 | ・適切な金額設定に変更する ・最大・最小消化金額の設定を削除する ・入札価格上限または結果の単価目標の上限を引き上げるor設定を削除する |
オーディエンスサイズが小さすぎる | 広告セットの「オーディエンスの広さ」 | ・配信対象のオーディエンスを追加する ・カスタム/類似オーディエンスを拡大する |
広告審査も問題なく通過しており、上記のような設定項目に不備が無いのに広告が配信されない場合は、媒体側のエラーの可能性も考えられるため、Metaのヘルプサポートに問い合わせてみましょう。
予算はどれぐらいかけたら良い?
広告の適正予算は、自社の目標や商材、ターゲットなどの変数によって変化するため、一概に「これぐらい予算をかけるべき」といった相場を示すことは難しいです。
一方、Metaは最低出稿金額が100円となっているため、まずはスモールスタートで成果を検証しながら、更なる効果が期待できそうであれば徐々に予算を増やしていくやり方もおすすめです。
なお、広告予算の代表的な考え方は主に4種類あり、売上や利益などのマーケティング目標から逆算して予算を決定する「目標/タスク設定法」、売上の一定割合(%)を広告予算とする「売上百分率法」、競合他社の予算を参考にする「競合同率法」、売上から固定費などを引いたうえで使用可能な金額を広告予算にあてる「可能額配分法」などがあります。
これらの考え方はあくまで代表的な例であり、実際に広告予算を決める際には、複数の考え方を組み合わせたり、広告予算の妥当性を検証するために予算シミュレーションを行うこともあります。
いずれにせよ、はじめて広告配信をする場合はどの程度の予算をかけるべきか検討をつけることが難しく感じることもあると思いますが、まずは少額予算からテスト配信をおこないながら、広告の費用対効果を見て予算を追加投資すべきか、減額すべきか判断することをおすすめします。
Instagramにも広告を出すにはどうしたら良い?
Facebookへの広告配信と同様に、Instagramにも広告を配信したいケースもあると思います。
結論からお伝えすると、Instagramへ広告配信を行うには、Facebookへの広告配信と同様に、①Instagramの「投稿を宣伝」から配信する方法②Meta広告から配信する方法の2通りの配信方法があります。
「投稿を宣伝」から配信する手順
まず、Instagramアカウントを作成してプロアカウント(企業の場合はビジネスアカウント)に切り替えを行います。Instagramのホーム画面にアクセスし、「その他」>「設定」>「プロフェッショナル向け」>「アカウントの種類とツール」>「アカウントタイプ」から切り替えを出来ます。

宣伝する商品や連絡先など、必要情報を入力して「完了」を押せばプロアカウントへの切り替えは完了です。(以下の画面が表示されればOK)

次に、Instagramアプリ内で広告の設定をします。既存の投稿にカーソルを合わせると「投稿を宣伝」ボタンが表示されるためクリックします。

なお、Facebook広告アカウントを持っていれば、事前に設定した支払い情報や広告の設定を流用することができます。
すべての設定を確認したら、画面右下の「公開」ボタンをクリックすれば完了です。
Meta広告から配信する手順
Meta広告からInstagramへ広告配信をするには、広告セットの設定画面の「配置」で「手動配置」を選択の上、「プラットフォーム」でInstagramを選択すれば配信できます。

各配信面のトグル(▼)を開くと、配信先の詳細設定をおこなうことが出来ます。

BtoBの広告配信でもFacebook広告は有効?
Facebook広告(Meta広告)はBtoB事業者においても有効なマーケティング施策です。
まず、Facebookは多くのビジネスパーソンが業務中や通勤中にも利用しており、勤務先企業名や業界、職種、役職などの詳細な属性に基づいたターゲティングが可能です。
意思決定者層や導入検討に関与するキーパーソンに対し、ピンポイントで広告を届けることができるため、広告の費用対効果を高めやすい点が特徴的です。
また、Facebook広告(Meta広告)には「リード獲得広告」という機能があり、ホワイトペーパーやウェビナー登録などのリード獲得施策と非常に相性が良く、コンバージョン率の高いリードジェネレーションを実現できます。
さらに、サイト訪問者や動画視聴者などに対してリマーケティング配信を行うことが出来るため、検討期間が長期化しやすいBtoB商材でも効率的にCV獲得を期待しやすいです。
こうした点から、Facebook広告(Meta広告)はBtoB領域においても、見込み顧客の獲得や商談化の促進において有効に機能するプラットフォームといえるでしょう。
まとめ:自社の目的に応じて配信方法・設定を選択しよう
Facebookへ広告を出すには、投稿の宣伝を活用するか、Meta広告から出稿しましょう。
Meta広告は多様な配信面や広告フォーマットが用意されているため、継続的に広告配信をおこなう予定があればMeta広告から配信することをおすすめします。
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Facebookへの広告出稿についても、ターゲティングや予算策定などの戦略面のアドバイス、広告アカウントの配信設定、継続的な運用改善など、Facebook広告のパフォーマンスを向上させるサポートをいたします。
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