【検索広告】レスポンシブ検索広告(RSA)のアセット改善事例

【検索広告】レスポンシブ検索広告(RSA)のアセット改善事例

2022年6月に「検索連動広告」の広告フォーマットが「レスポンシブ検索広告(以下、RSA)」のみに統一されて約1年が経ちました。

運用型広告では、クリエイティブの改善が重要であることは変わらず、アセットの入れ替えによって「RSA」のパフォーマンスを高めようと試行錯誤している方も多いのではないでしょうか。

今回は、「RSA」のパフォーマンスを向上させた改善事例についてご紹介します。最適化機能に向き合うための検討材料を提供したいと思います。

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「RSA」の最適化機能とは

改善事例について説明する前に、「RSA」の最適化に関する機能をご紹介します。

広告のローテーション

「広告グループ」内に複数の広告がある場合「広告のローテーション」を「最適化」に設定することで、より成果の見込める広告が優先的に配信されるようになります。

※入札戦略を「CV数の最大化」「目標コンバージョン単価」にしている場合はデフォルトで広告のローテーションが最適化に設定されます。

参考:Google広告ヘルプ「広告のローテーションを使用する」

「RSA」アセットの最適化

「RSA」では広告見出しを15個、説明文を4個まで設定でき、入力されたアセットを様々な組み合わせパターンで掲載し、検索語句に対して最も関連性が高く、成果の見込める組み合わせを自動で検証します。

参考:Google広告ヘルプ「レスポンシブ検索広告について」

これらの最適化機能は非常に便利ですが、媒体の自動機能に成果を一任するのは危険です。

今回は、「RSA」の配信で起こりやすい、会社名やサービス名、サイト名を含むアセット(以下、指名アセット)が見出しに重複表示される事例から、「RSA」のパフォーマンスを更に高める方法について検証を行います。

「RSA」のパフォーマンス改善事例

前提

今回は、BtoBサービスを取り扱うクライアントのアカウントにて検証を行いました。

このアカウントでは主にPC面への配信が中心となっており、過去の検証によって「サイト名を含む見出し(指名アセット)2つの表示回数が多く、他の見出しと比べてCTR(クリック率)が高い」ことが分かっています。

(例.「(サイト名)で〇〇」「△△なら(サイト名)」等の見出し)

上述した「RSA」アセットの最適化機能によれば「表示回数が多い=ユーザーの検索語句と関連性が高く、より成果が見込めるアセット」と考えられるため、

このアカウントでは「サイト名を含む指名アセットが相対的に媒体評価が高い」と考えられます。

仮説

一方で、このアカウントでは指名アセット2つが両方とも表示されたパターンが全体の45%を占めており、指名アセットに表示回数が集中していることが分かりました。

PC面では見出しが2つしか表示されないケースが多いため、同内容の訴求が重複表示されることで、本来別の訴求で行動喚起できたはずのユーザーを取りこぼしている可能性があります。(ex.「(サイト名)なら〇〇-〇〇は(サイト名)」)

そこで今回は、サイト名を含む指名アセットが見出しに重複表示されないようにすることで、ユーザー獲得の機会損失の防止につながり、CTR×CVRの向上が見込めるのではないか?という仮説を立てて検証を行いました。

検証内容

検証はサイト名を含む指名アセットが見出しに重複表示されないようにするために、固定機能の活用片方の見出しを停止するという2つの方法で検証を行いました。

1. 見出しの固定機能を活用する

指名アセットが見出しに重複表示されないようにするために、見出しの固定機能を活用しました。
見出しの固定は以下の手順で行うことが出来ます。

💡 <手順>
1.「RSA」の新規作成または編集画面を開く
2.固定したい見出しまたは説明文の右側にカーソルを合わせ、キャプチャ黄色のピンマークをクリック

3.固定したい位置を選択する

今回の検証では、サイト名を含むアセット2つを見出し1の位置に固定することで指標変化を測る簡易テストを実施しました。

2. 片方の見出しを配信停止する

他の見出しは手を加えず、サイト名を含む見出しアセットの一方を配信停止とすることで指標変化の様子を観察しました。

結果

結果として、上記検証のいずれの方法においても、導入前と比較しCTR(クリック率)×CVR(コンバージョン率)が上昇しました。

検証結果1:固定機能を利用した検証

検証結果2:片方の見出しを配信停止した検証

片方の見出しを配信停止した検証では最も多い組み合わせのパターンが40%程度と、表示されるアセットのバリエーションはそこまで変化が見られませんでしたが、固定機能を利用した検証では最も多い組み合わせパターンが10%程度と、施策導入前と比べて表示されるアセットの分散が進んだことが見受けられます。

これらの結果から、サイト名などのクリックされやすい、指名アセットが複数入稿されている場合、それらが同時に表示されないようにすることで訴求のバリエーションが増え、結果として「RSA」のCTRやCVRが高まる可能性があるということが言えそうです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

上記の仮説検証を通して、「RSA」の最適化に任せることが必ずしも成果向上につながるとは限らないことが分かりました。

「RSA」の最適化機能に一任するのではなく、実際に広告がどのように表示されるかを意識してアセットを選定したり、固定化機能を使って表示される見出しの訴求が被らないように設定したりすることで、「RSA」の成果を高めることが出来る可能性があります。

今回はサービス名を含む指名アセットを対象に検証を行いましたが、見出しに同内容の訴求が集中して表示されるケースは指名アセット以外でも起こりうる事象のため、「RSA」の配信をしている場合は「どの訴求の見出しが」「どれくらい配信されているか」を定期的に確認することをおすすめします。

(その他RSAの改善ポイントは以下の記事にまとめています。あわせてチェックしてみてくださいね。)

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト

藤野 昇

デジタルマーケティングの可能性に惹かれ、2005年、在学中からネット専業代理店にて運用型広告のキャリアをスタート。その後検索広告を中心に複数の広告代理店を経て、広告運用スペシャリストとして第一線で活躍。航空業界、人材業界、ECサイトや旅行代理店を始めとして豊富な支援経験を持つ。 2019年、オーリーズの掲げるアジャイルマーケティングに共感し、入社。最前線で顧客支援を行いつつ、「広告代理店のサービスの根幹は人」を信念にメンバー育成にも力を注いでいる。

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