TikTokで検索広告を配信できる!「Search Ads Toggle」の概要と配信事例からわかる特徴について

TikTokで検索広告を配信できる!「Search Ads Toggle」の概要と配信事例からわかる特徴について

TikTokは2023年8月に新しい広告メニューとして「TikTok検索広告(Search Ads Toggle)」をリリースしました。⽇本市場では、2023年4⽉25⽇よりオープンβテストが開始され、正式リリースは8月22日となりました。

今回は、TikTok検索広告(Search Ads Toggle)の設定方法から、実際に配信した結果と考察を記事にいたしました。
では、本編へどうぞ。

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TikTok検索広告(Search Ads Toggle)とは?

TikTok検索広告(Search Ads Toggle)は、ユーザークエリを基に広告主の既存のフィード広告クリエイティブを利用して、TikTokの検索画面でオーガニック検索結果と並べて広告サムネイルを配信する広告です。
商品またはサービスと関連するキーワードを使って検索しているユーザーにリーチできます。

検索画面の結果ページのフィード内の枠に入稿動画のサムネイルが表示され、サムネイルをクリックすると、おなじみのフルスクリーンのインフィード広告体験になります。
後述する実績を見ていただくとわかる通り、あくまでインフィード動画キャンペーンの拡張機能であり、従来の検索連動型広告のような機能(効果)を提供するものではない点は留意する必要があります。
参考:検索連動型広告トグルについて(公式ヘルプページ)

TikTok検索広告(Search Ads Toggle)の魅力のひとつはTikTok広告のターゲティングに、検索ワードという細分化されたターゲット指標が可視化されたことです。
TikTok広告の配信エンジンは、興味関心が類似するユーザーへの最適化に優れていますが、詳細なユーザーのニーズまではコントロールできません。
流行り廃りが速いTikTokにおいて、ユーザーの検索ニーズに照らし合わせて配信ができるようになったことで、新たな気づきや情報が得られるチャンスになると思われます。

TikTok検索広告(Search Ads Toggle)の設定と実績の確認方法

設定は「広告セット」の「プレースメント」で、「検索結果を含める」のトグルをオンにするのみです。

  • 検索連動型広告とは異なり、予めターゲティングしたい検索語句を設定するのではなく、媒体のエンジンでキャンペーンに関連性のあるワードを自動で判断して配信されます。
  • 説明には「ユーザーがTikTokであなたのビジネスを検索したときに、広告を表示します。」と表示されます

💡 留意点
配信実績から、実際に配信のトリガーとなった検索語句を後から確認できます。この際に意図しないターゲティングが行われていれば、「ネガティブキーワード」を登録することで除外できます。
・事前にNGワードがあれば配信前に登録しましょう
マッチタイプについては選ぶことができません。ヘルプも更新されていないため、厳密さを求める場合には完全一致と捉えておいたほうがいいかもしれません
※実際に試したところ、ネガティブキーワードを含んだ複合語は配信実績が上がっていました。

実績を確認する方法

実績は、キャンペーンor広告セットのデータ確認から閲覧できます。

レポートツールからも出力できます。

  • アナリティクス>カスタムレポート → 「検索用語」にチェック

通常配信とTikTok検索広告(Search Ads Toggle)の実績比較

通常の配信(フィード)と30日間配信した実績を比較しました。
インプレッション割合はフィードに対し1%程度となっており、リリース直後で在庫が少ないことが影響している可能性があります。
また、当該期間においては、クリック、CV(コンバージョン)の件数が少ないこともありますが、CVR(コンバージョンレート)は意外と高く、平均CPM(広告が1,000回表示されるごとにかかるコスト)も低いことからCPA(獲得単価)は安価となっています。
Search Ads Toggleはユーザーが自ら検索しているキーワードと連動する分、顕在性の高いユーザーへ配信できている傾向がありそうです。

<配信時期:23年6-7月>

一方で、TikTokはGoogleやYahoo!の検索連動型広告で拾われる検索語句の傾向と違って、得たい情報の目的がいくつかに分類されており、ターゲットの訴求軸に反れたノイズが含まれやすいと考えられます。
一方、検索連動型広告は主に「次に何かアクションをしたいために必要な情報」が比較的検索語句の割合を大きく占めるため、訴求を狙いやすいという違いがあると思われます。

実際に弊社が運用している広告アカウントの実績を見てみると、全く関連性のない検索語句のインプレッション数は1%程度ですが、広告が表示された検索語句数は全体の3割程度を占めています。
これは私の考察ですが、こうした関連性の低い検索語句への広告表示が行われているのは、広告セットのターゲティングに設定した「興味関心」、「配信対象の拡大 ※年齢のみ」などの情報をもとに広告表示される検索語句の範囲が拡張されているからだと考えています。

💡 <検索語句例>
メインターゲット    :結婚式場を探したい人
・ 一般検索(近しいニーズ) :結婚式、披露宴、少人数婚、韓国風ウエディング、センスのいい結婚 式、やってよかった演出 など
・ 一般検索(関連の別軸) :プロポーズ、ウェディングプランナー、婚活、結婚式余興 など
・ コンテンツ系      :”〇〇クリエイター 結婚式”(ネタ系)
・ 時事ネタ系      :”〇〇芸能人 結婚式”(ゴシップなど)
・ 関係なし       :おしゃれ 女子 コーデ、500円で買えるプレゼント、誕生日サプライズ、早く届く通販サイト安い

また、クリエイティブテストを継続的に実施している中で、「フィード広告を含めた広告成果のテストごとの推移」「検索広告の検索語句を大まかに分類して日ごとに見た推移」を照らし合わせてみると、一定の相関が見受けられました。
日別推移でみると、施策目的に沿った検索語句(「結婚式×◯◯」、「ウエディング×〇〇」、「披露宴」)などのインプレッション比率が下がったタイミングと、CVR低下及びCPAが悪化しだした「テスト3」以降の時期が重なっています。

<フィード広告を含めた広告成果のテストごとの推移>

💡 補足
テスト1~4の主なテスト内容は、主にクリエイティブ、BGM、カードの有無

<検索広告の検索語句の割合を分類して日ごとに見た推移>

これらの配信結果から読み取れることをまとめると、現状TikTok検索広告はフィード広告と比較すると顕在層のユーザーに対して広告配信を行いやすいメニューだと言えそうですが、一方で、Google検索広告などと比較すると、媒体の仕様上マッチタイプの選定ができないためキーワードコントロールによるターゲティング精度にはまだ課題があると言えます。

まとめ

今回は初速値として30日間程度の数値を基にTikTok検索広告の効果を見てみました。
主要なSNS広告でキーワード実績が見られるのは、2023年1月にリリースされたX(旧Twitter)の次になるかと思います。
特にTikTokは最適化エンジンがブラックボックスであり、検索語句というホットなユーザーニーズの情報が拾うことができるのは効果検証の材料の1つともなり、新たな気づきを得られるものとして重宝されていくのではないかと思います。
(TikTokの検索広告は通常面に対しインプレッションの割合が少ないことから、まだ在庫は多くなさそうなので、今のうちに試してみる価値はあると思います。)

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト

坂上 彩乃

株式会社フリークアウトに入社。広告運用マネージャーに就任、顧客課題と向き合いながら、社内業務効率化など組織づくりに邁進。広告ベンダーとしてプラットフォームを運用する中で、より広告運用を通じたスキルの幅を広げたいとの想いからオーリーズに入社。 安定した価値の提供と、新しい可能性への柔軟性を大切にし、広告主とメディア、代理店の三方にとって最良の関係性を追及する。

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