LPの離脱率を下げてコンバージョンを増やすには?LPOのやり方と、LP改善のチェックリストを公開

LPの離脱率を下げてコンバージョンを増やすには?LPOのやり方と、LP改善のチェックリストを公開

LP(ランディングページ)への流入は十分、ユーザーの集客ができているのにCV(コンバージョン)に繋がらない。そんな状況を打開する可能性があるインパクトの大きな施策がLPO(ランディングページ最適化)です。
LPOとは、ユーザーニーズに基づいて自社のLPを最適化し、コンバージョンに繋げる施策です。LPはクリエイティブの一種のため、データ分析だけでなく、ユーザー視点での感じ方、読みやすさやわかりやすさも重要な改善ポイントとなります。
本記事ではLPOの概要と、データだけに捉われないLPO実施手順、さらにLPのチェックポイントを解説します。

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LPO(ランディングページ最適化)とは

LPOとは、LPに流入したユーザーが購入や問い合わせなどのCVに至るまでのLP内のカスタマージャーニーを最適化し、コンバージョン率を高める施策です。どんなに広告予算を投じてLPにユーザーを集客しても、ユーザーの興味が途切れ、離脱してしまうLPではCV単価の上昇につながります。つまりLPOとはLPのCVRを高めるための一連の取り組みです。

ちなみにLPOと混同しやすいものとして、EFO(エントリーフォーム最適化)があります。EFOは、LP内のフォーム項目やCTAボタンの調整を行うなどして、フォームに到達したユーザーの離脱率を下げるための取り組み全般を指しています。

LPOの進め方

LPOは、1現状把握→2課題抽出→3改善案の検討→4効果検証のステップで進めていきます。今回の記事では、それぞれのフェーズにおいて具体的に取るべきアクションを解説します。

1.現状把握

まず、現状のLPの評価や分析を行う前段階として、Google Analyticis4(GA4)などの計測ツールでデータ収集をできる状態にしておきましょう。たとえばGA4では、ユーザーがLPページに訪問した回数、エントリーフォームに到達した数、ページをスクロールした割合など、ユーザー行動の理解に役立つデータを収集することができます。GA4のデータを参照しながらLP上でのユーザー行動を把握し、「どの地点で」「どういう理由で」ユーザーが離脱しているのかについて仮説を立てます。

ユーザー行動について理解を深める手段は、GA4のような効果計測ツールだけではありません。ヒートマップツールを活用すれば、ユーザーが重点的に閲覧しているポイントや閲覧の流れなど、データで把握しづらいユーザー行動を視覚的に把握できます。一般的にヒートマップツールは有料の場合が多いですが、Microsoft Clarityは無料で利用できるため、未導入の場合はぜひ活用してみてください。

2.課題抽出

GA4などを利用してLP上でのユーザー行動について把握ができたら、次は課題の抽出を行います。
LPの課題を大別すると、以下の3パターンに分類できます。

課題⑴フォーム到達前の離脱率が高い

フォーム到達前の離脱率が高い場合は、LPを訪問したユーザーが、何らかの理由でフォーム入力する前にブラウザバックなどをしている状態を指します。フォーム到達前の離脱率(%)を把握するには、「フォーム到達数÷LPのセッション数×100」で算出できます。
フォーム到達前の離脱率が高い場合、ユーザーが資料請求や商品購入などのコンバージョンアクションを取る意欲が削がれているか、そもそもフォームがどこにあるのか分からず正しく視認できていない可能性が考えられます。

課題⑵フォーム到達後の離脱率が高い

フォーム到達後の離脱率が高い場合は、フォーム入力を行ったユーザーが、入力途中で離脱しているケースです。
フォーム到達後の離脱率(%)を把握するには、「フォーム入力完了数÷フォーム到達数×100」で算出できます。
フォーム到達後の離脱率が高い場合、フォーム入力の導線が分かりづらかったり、入力の手間がかかっている可能性が考えられます。

課題⑶フォーム到達前も到達後も離脱率が高い

フォーム到達前も到達後も両方離脱率が高い場合は、LPOもEFOも両方行っていく必要があります。
両方一気に改善していく工数が取れない場合は、それぞれの離脱率を考慮しつつ、実行のしやすさや、改善インパクトの大きさなどを踏まえて優先順位をつけましょう。

3.改善案の検討

LPの課題を特定できたら、次は具体的な改善案を検討していきます。
例えば、GA4やヒートマップから、ページ上部で止まってしまいスクロールがされていないことが分かった場合は、「広告のテキストやクリエイティブの内容と、LPのファーストビューに乖離があるのではないか」「そもそもファーストビューのクリエイティブがターゲットに刺さっていないのではないか」といった仮説を立てることができます。
ここから考えられる改善案としては、たとえば「広告とファーストビューの内容を一致させること」や「ファーストビューの内容をターゲットユーザーの属性に合わせて改善すること」などが考えられます。このように課題から仮説を立て、改善案を検討していきます。

改善を検討する際の3つのポイント

改善案の検討をする上でのポイントは大きく分けて3点です。

ポイント1:ユーザー体験から考える

改善プランを検討する際は、ユーザー体験を起点に考えましょう。
GA4やヒートマップツールを使えば、ユーザーの離脱要因について、ある程度の仮説を立てることはできます。とはいえ真にユーザーの心理を捉えているかは慎重に判断すべきです。改善案を検討する際は、ユーザーになったつもりで、LP流入→LP閲覧→フォーム入力→フォーム完了といった一連の導線を体験してみるのがおすすめです。また、自分1人では偏った思考になる場合が多いため、可能であれば、実際のユーザー層に近い立場にいる人に複数名アンケート調査を実施することも有効です。

💡 複数名にアンケート調査を行う際のポイント
・アンケートの回答者は、①ターゲットユーザーに近しい属性をもった人に限定する②あえて幅広い属性の人に聞いてみるなど、目的に応じて調整する
・事前にチェックポイントを作成しておき、各項目に対して回答者がどう感じるか意見をもらう(共通のフレームがあることで解釈のブレが少なくなり、かつ案出しの負担が減るためアイデアを収集しやすくなる)

ポイント2:改善案の優先順位をつける

課題に対して有効だと思われる施策を可能な限りブレストしましょう。ブレストした施策候補に対して、①着手のしやすさ②金銭・工数③期待できる改善インパクトなどの観点を踏まえて優先順位をつけていきます。
詳しくはポイント3で述べますが、LPOはさまざまな施策を繰り返しながら徐々に成果改善につなげていくのが王道のやり方ではありますので、施策の球数は可能な限り確保しておきましょう。

ポイント3:検証前提で改善プランを計画する

LPの改善案を検討する際は、効果検証を前提とします。改善施策を実行したとしても、「結局、その施策は離脱率の改善に有効だったのか?」ということが分からなければ、LPOの意味はありません。
また、LPO初心者がやりがちなミスとして、一度に数多くの要素を変更してしまうケースもあります。1回の改修で、ファーストビューの画像も変更して、説明文も変更して、フォームのCTAボタンの色も変更して・・・と一度に複数の要素を変更してしまうと、具体的にどの要素が離脱率に影響したのかが特定できなくなってしまうため、1回の改修で変更する要素はできるだけ絞りましょう

LPOで効果検証する方法として一般的なものに「ABテスト」がありますので、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

また、改善案を検討する際は、以下の観点でLPを評価し直すと、アイデア収集に役立ちます。

  • ユーザーに「もっと知りたい」と思わせるコンテンツかどうか
    • 広告文、バナー、動画をみて、LPに訪問したユーザーが期待した情報がLP内に存在し、さらに読み進めたくなるか
    • LPを読み込んだうえで、商品に興味を持ち、「もっと商品を知りたい」と思ってもらえるか
  • ユーザーが理解しやすいコンテンツかどうか
    • LP内の動画を視聴したうえで、商品に興味を持ち、「申し込んでみよう」と思ってもらえるか
  • ユーザーが読みやすいと感じるUIかどうか
    • 「申し込んでみよう」と思ったユーザーが、実際に行動に移しやすいか
    • フォームまで到達後、離脱の要素はないか

4.効果検証

改善案が出揃ったら、実行可否と優先順位をつけてLP改善を実行します。修正後のLPの効果検証の精度を担保するには、修正前のLPとA/Bテストを実施し、同じ配信条件下でCVRの成果を比較します。修正後のLPも、データだけでクオリティを判断せず、広告との整合性、LPクリエイティブそのものの良し悪しを点検しながら継続してLPOを実行していくとよいでしょう。

LPOに役立つ「LP改善のチェックリスト」

最後に、LPOを進める上で参考になる「LP改善のチェックリスト」をご紹介します。

LPの課題について分析する際や、改善案を検討する際にお役立てください。

大項目中項目内容
1ユーザーが理解しやすいコンテンツかどうか明確なメッセージメッセージが簡潔かつ明確
2数秒でページの内容を理解できる
3キャッチコピーやヘッドラインを使用して主要なメッセージを強調
4シンプルなデザインナビゲーションが明確
5コンテンツ配置が整理されている
6視覚的要素画像、アイコン、ビデオなどの視覚的要素がある
7シンプルな言語複雑な専門用語や難解な言葉を避ける
8利点の強調製品やサービスの利点を強調し、ユーザーに提供する価値を伝える
9具体的な事例や成功事例を共有する (訪問者が自分自身をその利益に結びつけられるようにする)
10フォーマットと構造箇条書き、段落、見出しなどで情報が整理されている
11視覚的ヒエラルキーフォントサイズ、色、太字、強調を適切に使用している
12ソーシャルプルーフ顧客のレビューや評判、信頼性の高いブランドのロゴがある
13ユーザーに「もっと知りたい」と思わせるコンテンツかどうか興味を引く情報の提供興味深い情報やユーザーが関心を持つトピックに関するヒントがある
14ターゲットオーディエンスに合ったカスタマイズターゲットオーディエンスが感情的につながる可能性が高い情報が強調されている
15クリフハンガー重要な情報の一部を提供し、残りの情報を明示的に示さない
16コンテンツの段階的な提示ぺージを複数のセクションに分け、段階的に情報を提示する
17無料提供物ユーザーが興味を持つ可能性の高い情報を提供する(ユーザーがメールアドレスなどの情報を提供することで無料提供物を得られる、など。)
18質問を促すユーザーに疑問や関心を引く質問を提示し、続きを知るためにページの下にスクロールやCTAボタンをクリックするように促す
19グラフィックとビジュアルグラフィック、画像、ビデオなどの視覚的な要素を活用して情報を強調する
20ストーリーテリング物語を使って情報を伝える
21カウントダウンや限定オファーユーザーに期限を設けた特別オファーやキャンペーンを提示する
22ユーザーが読みやすいと感じるUIかどうかシンプルなレイアウト要素が過度に詰まっていない
23明確なコール・トゥ・アクション(CTA)1つまたは2つの目立つCTAボタンを使用
24簡潔なコンテンツ簡潔で、不要な詳細や冗長な情報を避ける
25シンプルなフォームフォームは必要最小限の項目に制限し、ユーザーが簡単に記入できるようにする
26シンプルな色彩色の選択はシンプルで、ブランドの一貫性を保つ
27読みやすいフォント読みやすく、明瞭なフォント
28モバイルフレンドリーモバイルデバイスで適切に表示される
29シンプルなナビゲーション不要なナビゲーションメニューや外部リンクを含めない

まとめ

この記事では、LPOの概要と実施手順、チェックポイントをご紹介しました。
LPOはデータだけでなく、ユーザー視点や複数人からの意見収集も組み込みながら、継続的に最適解を探り続けることが重要です。実際に本記事の手順に沿ったLPOに取り組んだ事例ではLP読了率は+12.3%、HP遷移率は+46.7%、資料請求フォーム到達率は+32.9%と、前回よりもポイント上昇に繋がる結果となりました。
集客したユーザーを少しでも多くコンバージョンに繋げられる一助になれば幸いです。

(また、BtoB企業でリード獲得数を伸ばしたい方は以下の記事もあわせてご覧ください)

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト

挾土 結衣

新卒で大手クレジットカード会社へ入社し、新規CS部門の立ち上げを経験。日々お客様応対をするなかで、より深くお客様の課題に向き合い、戦略立案から実行まで一気通貫で支援できる人材になりたいという想いをきっかけに、デジタルマーケティング領域に興味を抱く。オーリーズの顧客と真摯に向き合う支援スタイル、アジャイルマーケティングの考え方に共感し、入社を決意。

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