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- 肥田 悟志
リスティング広告のキーワード選定の仕方|検索広告の効果を最大化するコツ

リスティング広告を運用するにあたって、キーワード選定は重要です。機械学習が発達した昨今では、配信前のキーワード選定だけでなく、運用を通じた除外や拡張も重要視されています。
しかし、いざ広告を出稿しようと思っても、以下のような不安や課題が散見されます。
- そもそもキーワードの役割がわからない
- キーワード選定をどのように進めれば良いかわからない
- 機械学習が進むなかで、キーワード選定への向き合い方を知りたい
この記事では、リスティング広告におけるキーワードの役割や、キーワードの探し方について解説するので、参考にしてください。
検索広告のキーワードの選び方で困ったら…
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目次
「キーワード」とは
リスティング広告における「キーワード」の意味から確認しましょう。キーワードと検索語句(クエリ)を混在して認識される方が見受けられますが、それらは異なる意味で用いられます。
万が一意味を誤ったまま解釈していると、スムーズな設定変更や効果的な広告運用ができなくなってしまいますので、ご注意ください。
まず「キーワード」とは、広告主が広告配信の対象として含めたい単語や語句のことを指します。
一方で「検索語句」とは、ユーザーがGoogleやYahoo!をはじめとする検索エンジンに実際に入力した言葉を指します。そのため、検索語句は単語や語句そのものを指します。
これら特徴を簡易的にまとめたのが下表になります。
検索語句とキーワードの違い(重要なポイント)
比較軸 | 検索語句(クエリ) | リスティング広告のキーワード |
使う人 | ユーザー | 広告主 |
目的 | ユーザー自身の知りたいこと、解決したいこと | 広告主の「この言葉で検索する人に広告を見せたい」という意図 |
役割 | 情報探索の「手がかり」 | 広告の「トリガー」 |
「キーワード」の2つの役割
『「キーワード」とは』の章で、リスティング広告における役割を「広告を表示させるためのトリガー」と説明しましたが、その役割は大きく分けて2つあります。
1. 広告掲載するかどうかの決定
1つ目のキーワードの役割は「いつどこに広告を表示するかを決定する役割」です。
リスティング広告では、キーワードを含むいくつかの要素が、ユーザーの検索語句に対して広告の掲載対象になりうるかを判別します。
Googleの公式ヘルプによれば「Google 検索では、ユーザーの検索キーワードと設定したキーワードとの関連性の高さやキーワードのマッチタイプに基づいて広告が掲載される」と説明されています。
また、キーワードの役割と言われると、本章で紹介した「広告掲載先のコントロール」の文脈で言及されることが多いです。
2. 広告文と検索語句の一致率の向上
2つ目のキーワードの役割として、「ユーザーの検索語句と広告文の合致性を高める役割」もあります。
具体的には広告カスタマイザの機能やキーワード挿入といった機能になりますが、キーワードをもとに広告文を動的に変更することが可能です。
広告カスタマイザやキーワード挿入は類似した機能なため、ここでは広告カスタマイザのみを例に説明します。
広告カスタマイザとは、登録されたキーワードを軸に「ユーザーの検索語句」や「ユーザーの属性」に応じて、広告文をカスタマイズして表示させる機能です。
例えば、複数の地域に店舗展開しているビジネスの場合、各地域名ごとの広告アセットを作成する代わりに、カスタマイザを使えば一つの広告文で地域名だけを動的に変更できます。
「東京 ジム」と検索するユーザーには「東京のジムなら〇〇」と表示し、「大阪 ジム」と検索するユーザーには「大阪のジムなら〇〇」と表示する、といったことが可能です。
このような機能を利用することで、複数の広告文を入稿・管理する業務の工数削減を抑制しつつ、検索キーワードに連動した最適な広告文の表示により、関連性が高まりクリック率の向上が期待できます。
広告カスタマイザやキーワード挿入を利用するには、キーワードが必要になるため、ユーザーの検索語句と対応するキーワードを登録する必要があります。
「キーワード選定」に対する捉え方の変化
リスティング広告において、キーワード選定は成果に大きな影響を与える重要な要素の1つです。
ただし、ここ数年の機械学習による自動化の進行によって、キーワード選定の重要性の意味合いが大きく変わってきています。
具体的には先述したキーワードの役割のなかで、以前は「広告掲載先の決定」の観点で重要でしたが、現在は「広告文と検索語句の一致率の向上」観点での重要性が増してきています。
機械学習の進行によるキーワード選定の重要性の低下
機械学習によって広告掲載文脈でのキーワード選定の重要性が、なぜ薄くなっているのか説明します。
機械学習が一般化する前の2010年代までは、キーワードは絞り込み部分一致や完全一致、フレーズ一致などで設定することが一般的でした。このことは、広告の掲載先は人が指定する固定化された範囲での掲載を意味していました。
このような固定化された範囲内での広告掲載が中心だったため、キーワード選定の段階で成果の見込めるキーワードが漏れてしまえば、その分機会損失に繋がる可能性もありますし、逆に成果の見込めないキーワードを含めてしまうと関連性の薄い検索語句に広告が掲載され、成果悪化に繋がりうる可能性がありました。
一方で、近年の機械学習の発展により、広告掲載先が広告文やLP、ならびにユーザーの検索意図を汲んで、自動で拡張されるようになりました。
これにより配信前の段階でキーワードを網羅的に選定せずとも、実際の配信結果をもとに成果の期待できる検索語句に自動で配信先が拡張されるため、機会損失や過剰な広告配信をあまり気にせずとも適切な運用が出来るようになってきました。
また、キーワードの自動拡張は特定の機能を利用する際に得られるものではなく、標準の機能として好むと好まざると関わらず適用されるものになっています。
例えばフレーズ一致は以前であれば指定した検索語句の範囲外のものに掲載が広がることは少なかったのですが、現在では下図のように掲載先が以前より拡張されています。
同様に完全一致のキーワードも類似の掲載先がどんどん拡張しており、設定したキーワードと意味合いが近ければ、どんどん拡張されるようになっています。
このような機械学習の発達により、広告配信前に網羅的にキーワード選定をする重要性はこのような観点から低下しつつあります。
ユーザーの検索意図との合致性がより重要に
媒体側でキーワードに関連したり、ユーザーのニーズが一致したりする関連語句に対して広告表示が可能となったため、広告配信前に関連のありそうなキーワードをリスト化し、網羅的に入稿する必要は低下しています。
一方でキーワードが機械学習によって拡張するため、効果が見込めない検索語句や意図しない検索語句への除外設定を従来以上に行う必要性が生じてきました。
また、配信結果を見て拡張先が意図したキーワード群になっているか、広告に合ったユーザーへリーチしているかを判断することが、機会損失を防ぐためにも好ましい運用となっています。
2020年までと、2021年以降のキーワードに対する考え方を表にまとめると以下の通りです。
時期 | 2020年まで | 2021年以降 |
キーワード選定の捉え方 | 広告配信前のキーワード選定 | 運用後のキーワード確認による掲載先のコントロール |
キーワード選定の目的 | ・売り上げにつながりやすい新規ニーズの発掘 ・網羅性が低いことでの機会損失の回避 | ・機械学習の効果的な生かし方・検索語句と広告文の合致性 |
キーワードの探し方
リスティング広告のキーワードにおける探し方の手順は以下の通りです。
- メインキーワードの選定
- 掛け合わせキーワードの選定
- マッチタイプの設定
- 除外キーワードの設定
機械学習により媒体側が自動でキーワードをピックアップ可能なため、2020年以前のように広告配信前からキーワードを網羅する必要はありません。
ただし、配信前の初期設定としてキーワードを決める必要があるため、設定自体はしておく必要があります。機械学習をスムーズに始めるためにも、広告に関連があると思われるキーワードを設定し、データを蓄えましょう。
1.メインキーワードの選定
リスティング広告を配信するにあたって、まずはメインキーワードを選定します。メインキーワードとはリスティング広告の軸となるキーワードです。
例えば当社の場合、「オーリーズ」というブランドワードや、「Web広告」「リスティング広告」「Meta広告」などがメインキーワードに該当します。
メインキーワードは、当社の広告運用経験上、訴求する商品やサービスと関連性の高いキーワードを設定するケースが一般的です。
なかでも指名検索と呼ばれる自社商品・サービス名に関するキーワードは、高いコンバージョン率が期待できるため優先的に設定することをおすすめします。
すでにSEOで1位に表示出来ている場合などは指名検索キーワードで広告を配信する意義は薄いですが、競合他社が自社の指名キーワードに対して広告出稿するケースもありますので、そのような場合は指名検索キーワードで広告配信しないと獲得機会の損失につながる恐れがあります。
2.掛け合わせキーワードの設定
メインキーワードを決めたら、よりユーザーのニーズに近づけるため、掛け合わせキーワードを設定しましょう。
掛け合わせキーワードとは、メインキーワードに関連した語句をあわせることで、ユーザーのニーズを具体化するものです。
例えば「Web広告」のメインキーワードだけだと、ユーザーの意図がWeb広告の概要を知りたいのか、Web広告の費用感について知りたいのか、Web広告運用ができる広告代理店を探しているのかわかりません。
しかし、「Web広告 とは」「Web広告 費用」「Web広告 代理店 おすすめ」など掛け合わせキーワードを設定することで、検索意図を具体的に絞り込み、ユーザーのニーズと合致しやすくなります。
3.マッチタイプの設定
メインキーワードと掛け合わせキーワードを決めたら、マッチタイプを設定しましょう。マッチタイプとは、ユーザーの検索語句にあわせてキーワードがどこまで一致するかを指定するものです。
マッチタイプには、インテントマッチ・フレーズ一致・完全一致の3つがあります。
マッチタイプ | 入力例 | 概要 |
インテントマッチ | Web広告 とは | 指定したキーワードに関連する内容の検索語句が広告の表示対象です。インテントマッチには、キーワードそのものが入っていない検索語句でも合致したとみなされるため、より多くのユーザーに自社製品やサービスをアピールできます。一方、複数の分析結果を用いてユーザーの意図をくみ取るため、想定外の検索語句をピックアップする可能性があります。 |
フレーズ一致 | “Web広告 とは” | 指定したキーワードと同じ意味を含む検索語句が広告の表示対象です。文言に差があっても、意味が同じと解釈されれば表示対象です。ただし、インテントマッチほどの複雑な分析結果を用いるわけではないため、拡張性は狭くなります。 |
完全一致 | [Web広告 とは] | キーワードとまったく同じ意味の検索語句が表示対象です。3つのキーワードマッチタイプのなかで最も絞り込めますが、広告表示対象となる検索語句の数は少なくなるため、配信数も少なくなる可能性が考えられます。 |
インテントマッチ(旧:部分一致)は、Google検索広告で利用できるキーワードのマッチタイプの一つです。
登録したキーワードと関連性の高い検索語句に広告を表示するため、完全一致やフレーズ一致では捉えきれない潜在顧客にもリーチできる可能性があります。
インテントマッチの主なメリットは以下の2点です。
- 費用対効果の向上が期待できる
- 他のマッチタイプでは活用できない独自のシグナル(ランディングページの内容やユーザーの過去の検索行動など)を考慮し、商品やサービスに関心を持ちやすいユーザーに優先的に広告配信を行うため、コンバージョンに繋がりやすい可能性があります。
- 潜在顧客へのリーチ拡大
- キーワードに直接含まれていない語句や、より広範な検索をするユーザーにも広告を表示できるため、新たな顧客層の開拓に繋がる可能性があります。
近年の運用型広告では、AIによる自動入札と組み合わせてインテントマッチを活用することが一般的になっています。
なお、弊社オーリーズでは、段階的にインテントマッチキーワードの比率を増やし、広告の配信実績にどのような影響があるのか検証をしました。
インテントマッチの比率を段階的に増やした結果、広告の配信実績には以下のような変化が見られました。

これは、インテントマッチを増やすことで、より広範な検索語句に広告が表示されるようになり、結果としてCPCが引き下げられ、CVRの低下幅を上回ったためにCPAの低下につながったと考えられます。
また、この検証では、インテントマッチ(部分一致)の中でも検索語句がキーワードと完全に一致した場合にCVRが高いという結果が出ており、これはシグナルによって費用対効果の高いユーザーに絞って広告配信が行われている可能性が考えられます。

つまり、インテントマッチ(部分一致)は単に表示範囲を広げるだけでなく、より効率的に広告を配信し、費用対効果の向上に繋がる可能性があると言えます。
4.除外キーワードの設定
最後に、除外キーワードの設定をしましょう。特にインテントマッチでは、配信対象の検索語句における拡張性が広いため、配信目的やユーザーの検索意図と異なる検索語句に対して広告が配信されるケースもあります。
もちろん機械学習が最適化される過程で、効果が低そうなキーワードへの掲載は徐々に減少しますが、配信せずとも効果が低いと想定される場合には、事前に除外しておくほうが広告予算をより有効活用できます。
事前に除外すべきキーワードは商品・サービスによって異なりますが、多くの広告アカウントで除外するキーワードを一例として示します。
以下のようなキーワードは除外キーワードに設定しましょう。
- ネガティブなキーワード(例:クレーム・返品・訴訟 など)
- 自社で取り扱いのない商品(例:パン屋においてケーキの品名 など)
- 競合他社(例:競合する社名・他社と同一の商品やサービス名 など)
なお除外キーワードを設定する際にはいくつかの重要な注意点があります。
まず、検索キーワード登録時のマッチタイプと除外キーワードのマッチタイプは異なる点を理解しておく必要があります。
通常のキーワード登録では、類義語や表記揺れも自動的に広告表示の対象となることが多いですが、除外キーワードの場合は類似拡張がされないため、除外したい類義語や表記揺れなどは個別に登録する必要があることに注意が必要です。
この違いを認識していないと、「除外キーワードを設定したはずなのに広告が表示されてしまう」という事態が発生しかねません。
次に、除外キーワードを効率的に選定するために、あらかじめ除外するルールを決めておくことです。
例えば、関連性の低いキーワードや、広告費が多くかかっているにもかかわらずコンバージョンに繋がっていないキーワードなどを除外する基準を設けることが有効です。
具体的な基準としては、「1か月間で〇〇円以上コストを使用していて、コンバージョンが●件以下」や「CPCが〇〇円以上で、コンバージョンが●件以下」などが基準として多いです。
ただし、基準に基づいて機械的に除外するだけでなく、判断に迷うキーワードは一旦保留し、一定期間様子を見てから最終的な判断をすることも重要です。
キーワード選定に有効なツールの紹介
広告にあったキーワードを選定するにあたって、関連するキーワードを一覧でリストアップできる有効なツールを紹介します。キーワード選定にあたって活用してください。
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、メインキーワードを入力すると関連する掛け合わせキーワードを一覧で抽出できるツールです。掛け合わせキーワードを抽出することで、ユーザーの検索意図を把握できます。
抽出したキーワードをもとに、自社が扱う商品やサービスと関連性が高いものを選ぶことで、ユーザーの検索意図を満たした広告配信ができて、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。
キーワードプランナー
キーワードプランナーは、キーワード候補の抽出に加えて広告掲載結果の予測や競合の調査、キーワード単価の確認が可能です。
検索ボリュームが大きいキーワードを設定すれば、広告をより多くのユーザーに配信できます。クリック単価や競合が同じで、自社商品に合致したキーワードが複数ある場合、多くのユーザーにリーチするためにも検索ボリュームの大きいキーワードを選びましょう。
また、競合が多いキーワードはクリック単価が高くなる傾向です。したがって予算の確保が難しい場合は、競合が少なくクリック単価の低いキーワードのなかから、自社商品と関連が深いものを狙いましょう。
共起語チェッカー
共起語チェッカーとは、指定したキーワードに関連する共起語を抽出するツールです。共起語とは、特定のキーワードと関連性が強く、同時に利用される言葉や単語のことです。
あくまで一例ですが、「Web広告」の共起語として「代理」「運用」「サービス」などが挙げられます。
共起語を掛け合わせキーワードとして設定することで、ユーザーの検索意図を満たし、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。
自動化の流れのなかで、キーワード設定はどう対応すべき?
リスティング広告のキーワード選定が自動化されているものの、機械学習にすべて任せてしまうと、意図しないキーワードで広告を配信する可能性があります。
定期的に機械学習の結果を見ながら、ROIを向上させるため運用しながらキーワード設定をしましょう。キーワード設定をどのように行うか、予算があるケースと限定されたケースで具体的に解説します。
1.ターゲットキーワードの検索ボリュームに対して十分な予算があるケース
ターゲットキーワードの検索ボリュームに対して十分な予算がある場合、幅広いキーワードで広告を配信し、データを収集できます。機械学習を最大限生かす運用が望ましいため、まずはインテントマッチにおける自動運用での掲載がおすすめです
インテントマッチの場合、幅広い検索語句に広告掲載できるので、キーワード毎にクリック数・クリック単価・コンバージョン数などを参照し、コンバージョン率や検索語句ごとのROIなどの指標を算出しましょう。
運用を続けながら良い指標のキーワードへ投資を集中して配信し、指標が良くないキーワードは除外することで、広告効果のさらなる効率化が期待できます。
2.ターゲットキーワードの検索ボリュームに対して、予算が限定的なケース
ターゲットキーワードの検索ボリュームに対して予算が限定的なケースでは、予算が十分にあるケースと比較して機械学習を活用した配信が機能しない可能性が高まります。
予算を効率的に分配するためにも、まずはコンバージョン率が高いと思われる検索語句のインテントマッチに絞ることをおすすめします。そして、学習データを蓄積しながら徐々に検索ボリュームの大きなキーワードに拡張し、広告効果の向上を図りましょう。
機械学習によってキーワードが最適化されていれば、検索ボリュームの大きなキーワードであっても、コンバージョン率の高いユーザーに絞って広告掲載を判断してくれるため、高い獲得効率を満たしつつ、リーチを拡大できる可能性が高まります。
キーワードとあわせて見直したい設定項目
リスティング広告では、「キーワードを起点に広告掲載がされる」と考える方が散見されますが、このような理解は誤りです。
実際は、ユーザーの検索語句とアカウントに登録されている広告文やランディングページ(LP)を照合し、その広告文が含まれる広告グループにキーワードが含まれていれば広告を掲載するという処理をしています。

広告を掲載するか否かはユーザーの検索意図を解消する「広告」があるかどうかで判断されているため、キーワードの登録と合わせて広告文やLPがユーザーにとって魅力的な内容となっていることが重要です。
広告文
現在Google広告をはじめとするリスティング広告では、事前に設定した見出しと説明文をAIが自動で組み合わせて表示する広告フォーマットであるレスポンシブ検索広告(RSA)が主流となっています。
RSAでは、Googleの機械学習が最適な組み合わせをテストし、表示します。広告の成果を最大限に高めるための重要なポイントは以下の通りです。
- 見出しと説明文の作成
- 見出しは少なくとも10個、説明文は少なくとも3個以上のアセットを作成
- アセット(見出し・説明文)は単体でも意味が通じるように作成
- 見出し同士の組み合わせを確認し、不自然な表示がないように注意
- 特に、同じような内容の社名やブランド名のアセットが同時に表示されないように配慮が必要です
- 多様な訴求パターンの導入
- 広告の成果改善とユーザーニーズの把握のために、複数の訴求パターンを盛り込む
- 訴求軸を検討する際には、4Pのフレームワーク(Product、Price、Place、Promotion)を活用
- Product:製品やサービスの強み、ユーザーのメリット
- Price:セール情報、価格、送料などコストに関する情報
- Place:行動喚起(例: 無料相談)、ユーザーの悩み、商品の多様性
- Promotion:会社名やブランド名を必ず一つ以上の見出しに含めることで、信頼性を高めます
- 広告カスタマイザーの活用
- ユーザーの検索キーワードとほぼ同じテキストを広告に動的に表示させ、クリック率の向上を図る
- 広告グループへの設定数
- データボリュームに応じてRSAの数を調整し、一般的には1~2個に留めます。
- コンバージョン数が少ない場合は、1個に絞る方が機械学習の効果を高めやすい
- 定期的なアセットの更新
- 作成後も定期的に見出しや説明文を更新し、パフォーマンスの低いアセットを見直す
- パフォーマンスの良いアセットを参考に、新たな訴求を検討し、継続的にアセットを改善し続ける
これらのポイントを意識することで、レスポンシブ検索広告の成果を最大限に引き出すことが期待できます。
LP(ランディングページ)
LP(ランディングページ)とは、広告をクリックした後に遷移させるWebページのことです。通常は商品・サービスを説明する縦長のWebページを設定することが一般的です。
LPにはHPの商品ページやお問い合わせページを設定することも可能ですが、基本的には商品・サービスごとで専用のLPを用意することをおすすめします。
広告用にLPを用意する意図としては、同じ商材でも、ユーザーによってニーズは多様であることが多いため、ユーザーニーズに応じて訴求やデザインを個別カスタマイズすることで、コンバージョン率の向上が期待できるためです。
一方、LP制作を外注する場合は、約10万円~100万円程度かかることが多いです。
十分な予算を捻出することが難しい場合は、自社で制作するか、Webサイト内の商品ページや問い合わせページを遷移先URLに設定しましょう。
なお、既に広告用のLPを用意している場合は、広告の配信データを参考にしながら、継続的にLPO(ランディングページ最適化)を図ることが重要です。LPO(ランディングページ最適化)は、1.現状把握→2.課題抽出→3.改善案の検討→4.効果検証の4ステップで進めます。

まずはGA4やヒートマップツールを活用し、ユーザー行動をデータで把握。どこで、なぜ離脱しているか仮説を立てます。
次に、フォーム到達前後の離脱率などの指標をもとに課題を分類し、離脱理由を分析します。
課題を特定したら、ユーザー体験を起点に改善案を検討し、着手しやすさやインパクトの大きさから優先順位を設定します。
改善はABテストなどを用いて、効果検証を前提に進めることが重要です。一度に多くを変更せず、変更要素は絞ることで、効果の要因特定が容易になります。
継続的な検証と改善を繰り返し、成果向上を図ることがLPO成功の鍵です。
広告表示オプション(アセット)
広告表示オプション(アセット)とは、リスティング広告に追加情報を付け加えられる機能です。
たとえば「サイトリンク」「電話番号」「住所」「商品情報」「キャンペーン情報」など、広告文に加えてさまざまな情報を表示できます。
広告表示オプション(アセット) | 機能 | 詳細 | 主な対象ビジネス |
住所アセット | 広告に住所を表示 | 地図へのリンクや営業時間なども表示できる | エリアが限定されたビジネス |
サイトリンクアセット | 広告の下に同じドメインのリンクを表示 | 複数の商品・サービスを取り扱う場合に効果的常に最新の情報を表示できる | 全て |
コールアウトアセット | 広告に短い追加情報を表示 | USPやキャンペーン情報などを訴求できる広告の訴求内容を常に最新の状態に保てる | 全て |
構造化スニペットアセット | 商品やサービスの詳細情報を表示 | サービスや設備、コースなどの詳細情報を表示できる | 商品・サービス販売 |
電話番号アセット | 広告に電話番号を表示 | 電話番号をタップで電話発信できる | 電話での問い合わせを重視するビジネス |
価格アセット | 広告に商品・サービスの価格を表示 | 価格訴求に効果的 | 価格が固定のビジネス |
プロモーションアセット | 広告に割引クーポンやセール情報などを表示 | 期間限定の割引情報などを訴求できる | キャンペーンを実施するビジネス |
画像アセット | 広告に画像を表示 | 視覚的に訴求し、クリック率向上に貢献 | 全て |
リードフォームアセット | 広告内にフォームを表示し、ユーザー情報を取得 | 電話やメールでの問い合わせよりもスムーズに情報収集できる | BtoBビジネス |
アプリアセット | アプリのリンクを表示 | アプリのダウンロードを促進できる | アプリ運営サービス |
補足情報を加えることで、広告の表示面積が広がって目立ちやすくなり、ユーザーにとっても有益な情報が伝わりやすくなります。その結果として、クリック率の向上が期待できるというメリットがあります。
さらに、広告表示オプションは広告ランク(広告の掲載順位を決める指標)の向上にも寄与します。
広告ランクは「入札単価」「広告の品質」「表示オプションの効果」などによって決まるため、表示オプションをしっかり設定することで、同じ入札額でも上位に表示されやすくなる可能性があります。
これらの理由から、広告表示オプションはビジネスモデル的に合わない場合を除いて、基本的には網羅的に設定することがおすすめです。
なお、広告表示オプションの設定自体に費用はかかりません。課金が発生するのは、ユーザーが表示オプション部分(たとえばサイトリンクや電話番号)を実際にクリックした場合のみです。
設定するだけで広告効果を高めることができるため、初心者の方でも優先的に取り組むべき重要な項目のひとつです。
まとめ
リスティング広告においてキーワードの選定は、機械学習の進歩により以前ほど網羅的に行う必要はなくなりつつあります。
しかし、機械学習による自動化にすべて任せてしまうと拡張の方向性が意図したものと異なり、期待通りの効果を得られない可能性も考えられます。
広告を配信した後の運用については定期的に効果を測定し、広告の内容と機械学習によって選定されたキーワードが乖離していないか確認が必要です。
広告の内容と実際にピックアップしているキーワードが異なっていたり、ネガティブなキーワードを選定したりしている場合は、ROI向上のためにも、除外キーワードへの登録を行いましょう。
成果につながるキーワードの取捨選択なら
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