【事例】検索広告のクエリ分析により「リード獲得経路」の見直しをした結果

【事例】検索広告のクエリ分析により「リード獲得経路」の見直しをした結果

「今できる打ち手は一通りやってみたのに、なかなか成果が伴わない」

「成果は安定しているけれど、最終目的を達成するためによりブラッシュアップしたい」

など、日々の運用方針を見直したくなるタイミングもあるのではないでしょうか。

今回はGoogle検索広告から得られたデータを元に打ち手を検討し、Meta広告で今まで活用していなかったリード獲得経路を訴求したところ、CV数やリードの質の改善につながった事例を紹介します。

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今回のA社様の事例概要

前提

A社様の事例はこのようなケースです。

  • 業界:不動産(中古物件の仲介販売、リノベーション施工)
  • CVポイント:リード獲得
  • リード獲得経路:資料請求、問い合わせ、物件見学・物件問い合わせ
  • KPI:CPA(顧客獲得単価)

💡 用語の定義
CVポイント
広告で最適化地点として設定しているポイント(例:リード、購入、など)

リード獲得経路
リードの会社名や氏名、メールアドレス、電話番号などの個人情報を提出してくれる理由(例:お問い合わせ、資料請求、展示会、ウェビナー)

参考:【BtoB事業向け】有効リード獲得の鍵は“経路”にあり ~施策7種まるわかり解説~

背景

A社様では主に資料請求や問い合わせを経由し、リード獲得数の最大化とCPAの改善をすべく、広告配信をしていました。配信中の媒体の中で最も予算を投じていたのがMeta広告です。

当時の課題

1~2ヶ月前からMeta広告のCPAの高止まりが続いており、広告全体のCPAも目標を上振れていたため、CPA改善を目的とした打ち手を検討する必要がありました。

主な課題として「CV数が少なく、Metaの機械学習が上手くはたらいていないこと」が挙げられていました。1~2か月前にアカウントの変更を行っていましたが、変更以降、CV数が伸び悩む状況が続いており、根本的にCVを増やすことを目的にした打ち手を検討する必要がありました。

参考:情報収集期間に関するガイド(公式ヘルプページ)

取り組んだ施策

1.検索広告の検索語句を分析

打ち手を検討するにあたり、まずは併行して運用していた「検索広告の検索語句を分析すること」から始めました。検索語句の傾向を把握することで、広告で流入するユーザーニーズを理解し、そもそも現在の訴求軸や最適化地点は適しているのか?といった広告方針の見直しをしました。

※テキストマイニングツールで検索語句データからユーザーニーズを分析する方法については以下の記事をご覧ください。

分析結果

IMPやクリック数、配信金額で最も多かったのは「マンション リノベーション」「物件 事例集」など、”物件種別×サービス”のかけあわせの検索語句でした。

CV獲得につながりやすいことはもちろん、汎用的な語句の組み合わせのため、検索語句あたりに蓄積されるIMPが集中しやすかったためと考えられます。

さらに細かく見ていくと、「マンション 都内」「戸建て 中央区」のような”物件種別×地名”のかけあわせの検索語句が散見されました。日本全国の各地名のかけあわせで表示されているため「都内」「中央区」のような特定の語句でまとまったボリュームは出ていないものの、日々一定数の表示がありました。CTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)では以下の傾向が見られました。

  • CTR:全体平均より40%高い
  • CVR:全体平均より20%低い

上記の傾向を踏まえると、物件と地名のかけあわせの検索語句はユーザーの関心が高い一方で、リード獲得にはつながりづらいことがわかりました。

2.検索語句の傾向からユーザーが求める情報を考える

「マンション 中央区」のような地名の掛け合わせ語句で実際に検索してみると、中央区にある中古マンションの販売中物件情報が主に掲載されていました。

検索上位に掲載されているサイトは、Googleのアルゴリズムにおいてユーザーの検索意図と関連性が高いと判断されている可能性が高くなっています。

ここまでの情報から、地名の掛け合わせの検索語句で流入してくるユーザーは、サービス資料ではなく、販売している物件の情報を求めているのではないかという仮説が立てられました。

3.“物件情報”の提供を打ち手として設計

今回は最も配信ボリュームが大きく、改善インパクトが大きいと考えられるMeta広告で、上記仮説を具体的な打ち手に落とし込んでいく方針で進めることになりました。

リード獲得経路の見直し

ユーザーに販売している物件の情報を提供するにあたり、訴求しているリード獲得経路を見直す必要がありました。

従来訴求していた資料請求お問い合わせは、販売物件情報を求めているユーザーニーズとは乖離があり、CVにつながりづらいと考えられたためです。

当クライアント様の設計していたリード獲得経路の中では、物件見学物件への問い合わせが最もニーズに近いと考えられたため、広告でのリード獲得経路として活用し、合わせてLPも変更することにしました。

配信メニューの検討

以下の3つの方法を検討し、現実的な実装工数やスピード感の観点から③で進めることにしました。

①Meta Advantage+ カタログ広告

②画像広告

③カルーセル広告

結果

結果は以下の通りでした。

  • CV数:開始月に獲得したCV数のうち約14%の割合を獲得
  • CPA:従来訴求しているリード獲得経路(資料請求・お問い合わせ)よりも3倍高い

開始当初の意図通りCV数を増やすことにつなげられた一方、KPIとしているCPAは従来のリード獲得経路よりも高い結果となりました。

しかし、ユーザーの”質”に関してポジティブなラーニングを得ることができました。

歩留まりが改善

今回訴求した物件見学・問い合わせは、資料請求やお問い合わせと比較すると、ユーザーの温度感に差が生じることが考えられました。

資料請求などはネットで完結させることができ、情報収集中で温度感が高くないユーザーも一定数含まれれる一方、物件見学はユーザーが現地に足を運ぶため一定以上の温度感があると考えられるためです。

予算帯UP

広告に掲載する物件は広告主で選んでいるため、掲載する物件の価格設定も調整することができます。

一般的に提示されている物件価格前後の予算で検討しているユーザーの流入が見込めるため、予算帯UPを見込むことができると考えられます。

まとめ

この打ち手でどのくらいのインパクトを得られるのか?という観点は、打ち手を判断する際の重要な要素です。

今回は媒体や打ち手の検討要素を選ぶ際にインパクトを意識して進めており、結果として意図していた数だけでなく質へのアプローチ方法につなげることができました。

自動化が進む運用型広告において、最適化地点はインパクトの大きい要素の1つです。toC業界でもリード獲得経路によってユーザーの質は異なります。

本事例のように検索広告とディスプレイ広告を配信している場合は、検索広告のクエリデータを基にディスプレイ広告のリード獲得経路を見直すことによってCPAの改善に繋がる可能性があります。最終目的の達成に最適な打ち手を検討する方法の1つとして、参考になれば幸いです。

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オーリーズは、「代理店はマーケティング戦略の立案から実行までを一貫して担うことで、はじめて価値を発揮できる」と考えています。

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト

吉田 奈津希

大学卒業後、PR会社に入社。IT業界、観光業界を中心とした外資系企業を担当。メディアプロモート、SNS Live配信、SNSアカウント運用などでクライアントをサポート。 デジタル化が加速する世界で、より高度なマーケティング支援をするためには、データを分析・活用したデジタルマーケティングの知見が必須になると考え、オーリーズへの入社を決意。 1社1社と向き合い、クライアントのビジネス成長に貢献すべく日々邁進中。

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