CTVもウォールドガーデン?CTVオープンプログラマティックの現状

CTVもウォールドガーデン?CTVオープンプログラマティックの現状

CTVの広告市場が大きく成長しています。

Googleが発表した「Advanced TV Inventory Report」によると、2020年のAdvanced TVコンテンツへの広告シェアは、デスクトップやモバイルを差し置いてCTVが最大となりました。

そんな成長著しいCTVですが、「オープンプログラマティックの現状はどんな感じ?」という疑問にお答えするのが本記事です。

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CTVの市場規模

2021年、グローバルの「テレビ広告市場」は1,457億ドルになると予想されています(下図のテレビアイコン)。これには、従来型のTV放送やCTVのすべてを含みます。

引用:The Programmatic TV Supply Landscape

また、これには、

  • TV広告枠の先行販売市場による取引
  • パブリッシャーとの直接取引
  • プログラマティック取引>IMP保証, 固定価格
  • プログラマティック取引>IMP非保証, 固定価格
  • プログラマティック取引>プライベートオークション
  • プログラマティック取引>オープンオークション

などの取引形態のすべてが含まれています。

このテレビ広告全体1,429億ドルに対し、CTVのオープンプログラマティックは95億ドルになると予想されています(下図の「DSP-Traded CTV」)。

CTV市場の成長が著しいと言えども、CTVのオープンプログラマティック取引はテレビ広告全体の7%程度に留まります。つまり、CTV広告インプレッションのうち、現在のところそのほとんどはパブリッシャーとの直接取引だったり、セールスによる手売りだったり、プライベートオークションだったりする、ということです。

引用:The Programmatic TV Supply Landscape

この数字を見ると、「CTV広告市場は成長しているけど、オープンプログラマティックはまだまだ少ないんだな…」という感想ですが、別の数字を見るとやや印象が変わります。

テレビの話から少し離れて、ウェブ、アプリ、CTV、ディスプレイ広告や動画広告などの「オープンプログラマティック全体」の市場を見てみると、2021年は663億ドルになると予想されています(上図の「The Open Internet」)。この中に、前述の「CTVのオープンプログラマティック95億ドル」が含まれており、その割合は14%に迫ります。オープンプログラマティック全体の視点から見れば、CTV市場の存在感の大きさが伺えます。

オープンプログラマティックの課題

とはいえ、前述の通りテレビ広告全体で見ればまだまだ小さいCTVのオープンプログラマティック。adexchanger の記事では、その要因を以下のように考察しています。

一つ目は、アドテク企業が独立して広告在庫を捌く構造ではなく、メディア企業がアドテク企業を所有するトレンドになっている点です

これまでのディスプレイ広告の歴史や、昨今のアドフラウドやブランドセーフティ、個人データ保護に関連する問題から、各コンテンツ所有者は、「自分たちの在庫を自分たちでコントロールできること」の重要性を理解しています。その結果、独立したアドテク企業に在庫の流通を任せるのではなく、自らがアドテク企業を保有することで、上述した課題に自社で向き合っていこうとするトレンドがあります。具体例を挙げると、Rokuはdataxu(DSP)を、ComcastはBeeswax(DSP)を、WarnerMediaはAppNexus を買収し、LGはAlphonsoの株式を取得しています。

このような背景から、現在のところ、CTVコンテンツ供給の80%を占める上位16社のコンテンツ所有企業(WarnerMedia、ViacomCBS、Disney、NBCUniversal など)は、全体の広告在庫のうち8%程度しかオープンプログラマティックに供給していません。

このことについて、アドレッサブルTVプラットフォームを提供するCadent社のJamie Power氏は、「プレミアムコンテンツの大半は、TVネットワークやRokuやHuluが管理する”壁の中の庭”に置かれている」と述べています。CTV市場にもウォールドガーデンが出来上がっているのが現状です。

二つ目はアドフラウドの問題です。上記の結果として、現在のCTVオープンプログラマティックではごくわずかな在庫を取り合っている状況で、それがCPMの上昇を招き、アドフラウドの呼び水になっています。

Pixalate社の調査によると、2020年のCTV/OTTにおける不正な広告の割合は「約20%」で推移していると報告しています(同調査では「不正」を「無効なトラフィック」と説明しています)。非常に高い割合なので、この「不正広告」の定義について詳しく知りたくなりますが、どのような内容であっても、「無効なトラフィック」と認識されたものが20%もあるという事実には驚きです。

※上記レポート内の「無効なトラフィック」に関する補足 :
“無効なトラフィックとは、広告配信の品質基準を満たしていないトラフィック、あるいは、カウントすべき正しい広告トラフィックではないもの、と定義されます。広告トラフィックが無効と判断されるものには、人間以外のトラフィック(スパイダー、ボットなど)や、不正なトラフィックを生成するための活動全般が含まれます。”

このような状況から、広告主はメディア企業から直接(あるいはそれに近い形での取引形態で)在庫を調達し、正確な配信先とコンテンツに広告を配信することに努めています。

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成長著しいCTV広告市場ですが、オープンプログラマティックの成長はまだまだこれから。今後の動向に注目です。

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この記事を書いた人

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