その広告効果計測ツール、埃かぶっていませんか?

その広告効果計測ツール、埃かぶっていませんか?

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左から順に、株式会社ロックオン 足立愛樹様、藤原亮太様、品田野乃子様、株式会社オーリーズ 鈴木多聞、川島崇志

インタビューの背景

運用型広告の現場において、広告主のみなさまから「広告効果計測ツールを導入しているけど、どうもうまく使いこなせていないと感じる」というご相談をここ近年より頻繁に耳にするようになりました。それらの背景から広告効果計測ツールでシェアNO.1のADEBiS(アドエビス)を提供する株式会社ロックオン様にインタビューを行いました。

株式会社ロックオンとアドエビス、担当自己紹介

【鈴木】:まずはロックオンさんとADEBiS(以下、アドエビス)そしてみなさまの自己紹介をお願いできますか?

【足立様(以下、敬省略)】:では私から始めますね。コーポレート戦略部 マーケティングプラットフォーム戦略企画 課長 足立愛樹です。ロックオンではコンサルタント職から始まり、今はマネジメント職と企画職として、主に事業・サービス企画・執行支援を担当しています。

ロックオンはマーケティングロボットカンパニーとして自社でプロダクト開発を行っています。中でもアドエビスは広告測定領域において、2006年から導入企業数No.1のサービスでして、これまでに7,000アカウントを超える導入実績があります。

主に提供している価値は、EC、不動産、人材、金融、等様々な業種のマーケティング担当者様の「どのように新しいお客様にリーチしたらいいのか?」「何にいくら使えば、最も得たい結果(新規獲得数や売上・利益の最大化)が得られるか」という疑問に対して解決策を検討するための“データ”を提供しています。
アドエビスの特徴としては、低価格ながらも高い機能性・精度の高いCV計測精度やその後の他サービスとも連携可能な拡張性、ユーザビリティの面でご好評をいただいております。

アドエビスの説明はこんなところでしょうか、よろしくお願いします。

【藤原様(以下、敬省略)】:アドエビスコンサルティングサービス課の藤原亮太と申します。主に代理店さま向けのセールスを担当しています。よろしくお願いします。

【品田様(以下、敬省略)】:同じくアドエビスコンサルティングサービス課の品田野乃子と申します。私も藤原と同じチームで主に代理店さま向けのセールスを担当しています。あと最近は頑張って直販にも力を入れています!よろしくお願いします。

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広告計測ツールを使いこなせていないという課題感

【鈴木】:ありがとうございます。では改めて今回のインタビューの背景ですが、運用型広告の現場で、セミナーなどを定期的に開催していると、参加者(広告主)のみなさまから「計測ツールを導入しているけど、どうもうまく使いこなせていないと感じる」というご相談をここ近年でよく頂きます。実はこういった「近年ますます勃興しているツールの中で広告効果計測機能がうまく活用できていない。少し埃をかぶってしまっているような状況。」は少なくないのではと感じています。その辺りの課題感について、是非、広告効果計測ツールシェアNo.1のロックオンさんにお聞きしたいなと。

【足立】:そうですね。もちろんそういったケースがないのが理想ではありますが、ツールや機能がたくさん増えている中でおおむね多聞さんのご指摘の通りかなと思います。他社ツールの話は置いておきまして、ロックオンでは「まだ満足のいく活用ができていないユーザー様に対するサポート」の課題認識がツールの提供当初からあり、徹底してサポート体制を強化し続けているためもちろん自信をもっていますが、まだまだ理想には程遠く、改善の余地は大いにあると認識しています。

【鈴木】:サポートを徹底されておられるからこそシェアNo.1となり、そして、シェアNo.1だからこそ見えてくることがあるのではと思っていまして、具体的にどういうケースが「使いこなせていない」とご認識されておりますか?

【藤原】:そうですね、 敢えて極端な発想で、「使いこなせない」結果として「解約」という視点で見たときに、解約の理由は下記の2つが非常に多いです。

1:アドエビスを協同で契約・活用してきた代理店様との契約がなくなり解約
2:導入目的のキャンペーン計測が完了し解約

数値は差し控えさせていただきますが、事例を具体的にいいますと、広告主様のパートナー様(代理店様)リプレイスに伴って協同提案して頂いたアドエビスも同時に解約という形が多いのが実態です。

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【鈴木】:なるほど、解約理由だけを見ると広告効果計測ツールに限った話ではなくて、他のツール全般に言えそうですね、アドエビスの特性上、代理店が解約(リプレイス)になったからといってアドエビスまでも解約になるのかも疑問です。もう少し理解したいのでどういうケースがツール変更の対象になるのか、具体例をお聞きしてもいいですか?私たちが実際に代理店として見てきたことも議論できそうですので。

「使いこなせていない」課題の掘り下げ

【藤原】:はい、オーリーズさんの現場でよくある話の部分もあると思いますし、ご意見お聞きしたいです。お互いに具体的な使いこなせていないケースをまとめてみましょうか。

~ここから具体例を出し合ってケースをまとめてみました~


ケース① 自社運用広告以外の効果が可視化・認識できない問題

具体例:複数の代理店の間でリスティング広告とソーシャルなどのチャネル別の役割分担や、検索広告とディスプレイ広告という機能別の役割分担がなされていて、「広告効果計測ツールを提案した代理店様側の役割領域は計測対象としているけど、それ以外の代理店様が運用する広告は計測対象とできず機能不全」なケース。

ケース② データ取得・計測(手段)が目的になってしまう問題

具体例:ツール導入段階では今後はデータが大事という点で、あとは過去の関係性のみで導入された場合、「いざ導入してもどう運用に乗せていくのか明確になっておらず機能不全」なケース。

ケース③ 代理店・広告主のマーケティング担当者変更でここどうなってるの問題

具体例:代理店の担当者が変更されたことにより、暗黙知化されすぎた詳細設定が引き継げない、広告主様側でマーケティング担当者が変更になり、同じく暗黙知化されすぎた詳細設定が理解しきれない「属人化することで機能不全」なケース。


【品田】:大きくまとめていくとこんなところこんな感じですよね。

【鈴木】:これ結構しっくりきますね。1つ1つのケースなら対処できそうな気もしますが、リテラシー課題と組織体制課題であったり、実際はこれらが2つ3つと重なりあってしまいますし話が複雑になるのかなと思います。とても自社(オーリーズ)がうまくいっているとは言えないですが、私たちは多機能ツールであればあるほど導入の目的と使い方をはっきりさせ、共有認識をとるように強く意識しています。できる限りツールの権限を広告主さまに保有してもらい、私たちの導入の目的領域と大きく異なる場合は、広告主さまの方でしっかりとやってくださいと念押しするようにしています。ますますツールと機能が増えている中で、全ての機能を使おうとする、あるいはとりあえずツールを入れてみる、という形でうまくいかないのは明白で、代理店側と広告主側のツール導入の立ち位置を明確にした方が良いのかなと。

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【足立】:立ち位置をはっきりするのはいいですね。冒頭にお伝えした通りですが、ツールの立ち位置として主にアドエビスが提供している価値は、「どのように新しいお客様にリーチしたらいいのか?」「何にいくら使えば、最も得たい結果(新規獲得数や売上・利益の最大化)が得られるか」という疑問に対して解決策を検討するための“データ”を提供することです。つまり、わたしたち(アドエビス)が良質な材料を提供し、代理店さまに料理し提供して頂くイメージです。

課題の特定と具体的に運用にのせていくレシピ

【川島】:思うんですが、さっき挙がったいくつかの問題は、お言葉を借りると、その料理の「レシピ」がわからない。料理=例えばアトリビューション、広告接触履歴を計測し、評価し、予算を再配分するということはわかるけど、そのための計測粒度はどう設計すべきなのか、結果に対し広告運用上どう予算配分していくのか、などレシピにあたる部分「具体的に運用に載せる方法」がわからないから起きてしまうんじゃないかと思っています。

さきほど鈴木の方から「私たちは目的と使い方がはっきりしています。それ以外の部分については広告主さまの方でしっかりとやってくださいと念押しする」と言いましたが、ADエビスプランに限定していえば、広告の計測精度を高めることは前提として、私たちは「重複CV、接触履歴(広告貢献性)、顧客ID」を軸に広告運用改善を行います。

例えば、複数の広告チャネルを展開している=重複CVを確認し、広告費と広告効果のROIを算出、CV効率の高い施策に予算再配分を行う。広告チャネル広告キャンペーンの数が多く予算の管理単位が多い=接触履歴(広告貢献性)を確認し、トータルCPAとトータルCVを算出してバジェットカットグラフを作成して貢献性の低い広告から貢献性の高い広告へと予算再配分を行う。オフラインとオンラインで顧客情報を関連づける=広告効果計測ツールと実来店の顧客IDを確認することで、来店ひいては成約者に至る広告を特定し予算配分を行う。その中でも、

A.キャンペーン型支援

配信規模に応じて計測粒度を定め、接触履歴(広告貢献性)を計測、「一定期間のスパン」で事実確認を行い予算再配分を行う。

B.継続型支援

重複CVを把握し「日常的に」運用改善を行う。顧客ID(CV属性情報)を取得し、オンラインとオフラインを紐づけ「日常的に」運用改善を行う。

のように広告運用の載せてアウトプットを使い分けています。

<参考:バジェットカットグラフ(予算再配分算出)のレポートサンプル>
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レシピを成り立たせるのはしっかりとした仮説

【品田】:なるほど、そういうことですね。アドエビスは仮説を検証していく作業に役立ててもらうためのツールです。その意味で目的にあたるのが仮説だと思います、で材料=データを用いて、オーリーズさんのここで言うレシピ「運用の載せていく方法」で検証していく。

仮説をしっかりと持てば、自ずとやることが見えてくるはずで、そこがしっかりと検証するプロセス「運用方法」を建てられているからアドエビスが機能する。

例えばFacebook広告はブランドワードの検索流入を生むことはよく知られていますが、これを検証するために、SEOエビスプランを導入し、Facebook広告に接触したユーザーが、ブランド検索流入のコンバージョンに貢献していることを3か月にわたって「日常的に」計測する。

といった具合です。仮説が正しい場合に、運用にどう活かしていくのかは、Facebook広告の予算を引き上げる、クリエイティブを強化するなどが広告運用に落とし込んでいただくことになります。

個別論から、まとめるとアドエビスは、顧客とのコミュニケーションの仮説を立て、そのコミュニケーションを運用し、最適化していくために使って頂くもので、アドエビスを通じて顧客と対話するものだと思っていただけるとその価値が発揮できると思います。

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アドエビスの文脈

【足立】:その文脈の中で、 更にデジタルマーケティングの顧客接点を今まで施策軸でみていたものをヒト軸で可視化・分析するのが「オーディエンスエビス」ですね。近年、デジタルマーケティングが「潜在顧客」層向けへとシフトしている中、施策軸の評価だけではなく、「人(オーディエンス)軸」での評価が重要になっています。

わかりづらいのでかなりざっくりまとめると、「どの媒体が一番いいの?」ではなく「どんな施策や媒体を組み合わせたらいいの?その順番は?」みたいな発想です。リアルの店頭でもお客様にいきなり「買ってください」とは言わないですし、情報交換、コミュニケーションを取っていく過程で好みを知り、オススメしたり悩んでいただいたりしながらも初めてお客様になっていただける。Web上でも、「この人はどんな情報を順番に得ていったの?」という情報がわからないと「こんな順番、組み合わせでお伝えすれば好きになってもらえるんだ!」という気づきを得ることができない。なので、今はWebでもヒト(オーディエンス)軸でどんな情報提供や態度変容があったのか、知ることが必須なんです。今までにサービス提供者が考えてきた考え方を、ちょっとWebっぽく言ってるだけです。(笑)

そんなことができると例えば、動画広告に接触した人が実はそのあと検索しやすくなっていたり、サイトよく見に来て製品詳細調べてくれるようになったりといった成果が正確に確認できるなど、今までは複雑で分からなかったマーケティング施策の評価を明らかにすることができます。

まとめ

【鈴木】:なるほど、ありがとうございます。ここまで広告効果計測ツールのよくある課題から仮説=料理、データ=材料、運用に載せる方法=レシピについて議論してきましたが、まとめると、広告効果計測ツールは仮説を検証するためにデータをとっていくものであり、埃がかぶる原因は、仮説とその仮説を検証するプロセスが明確にしきれないことにあるということですね。そういう意味では運用上の仮説と検証を常に考えつづけることであって、それがある限り埃はかぶらない。私たちもその辺りをしっかりと見つめ直し、運用に載せていく必要があると認識しました。

ただ、現状課題としてデータの取り込みからTCPA算出、予算再配分へと落とし込みと運用コストがそれなりにかかるのでいかに効果的かつ効率的に進めていけるのかを日々模索しながらやっています。この10月にアップデートされたアドエビスの管理画面からTCPA、TCVの算出ができる機能は、運用コストが軽減されるので非常にありがたいです。

【足立】:ありがとうございます。そうですね、デジタルマーケティングの効果計測の重要性への意識は日増しに高まる中、まだまだ仮説を検証の速度や精度はあげられると確信していますし、むしろこれからが面白いと感じています。オーリーズさんがいうように、ツールや機能が勃興していく中で広告主さまも代理店さまもそれぞれに実施したいこと、つまり仮説や検証の方法は広がりを見せていく中でもっともっと寄り添っていけたらと思っています。本日は参考になるご意見ありがとうございました。

【多聞】:こちらこそ大変勉強させて頂きました。本日はインタビューにご協力頂きありがとうございました。

【一同】:ありがとうございました。

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オーリーズは、「代理店はマーケティング戦略の立案から実行までを一貫して担うことで、はじめて価値を発揮できる」と考えています。

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また、広告運用という手段に縛られずにクライアントの目的を実現するため、クリエイティブ制作ブティックのQeticやインハウス支援に強いアタラ、 BtoB向けインサイドセールス支援を得意とするセールスリクエストなど、豊富なグループアセットも抱えています。

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

代表取締役グループCEO

鈴木 多聞

経営コンサルティング会社にて、主に情報通信産業と小売(通販)産業にて事業再建、M&Aや資金調達業務に従事した後、株式会社オーリーズを設立。2013年より運用型広告を通じて課題を解決する広告代理店として事業を開始、Google AdsやMeta広告などの運用型広告の戦略立案、体制構築、運用支援及びそれに付随するマーケティングテクノロジーツールの導入運用支援を実施する。2019年2月よりアタラ合同会社フェローに就任。

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