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- 頼富 穰
リスティング広告のクリック率平均|業種別データと改善方法

リスティング広告を運用する中で、「クリック率(CTR)」の数値に対して漠然とした不安や疑問を抱える方も少なくありません。
- 自社のCTRが良いのか悪いのか判断できない
- CTRを改善したいが、どこから手をつければよいか分からない
- CTRばかり見ていて本当に成果につながっているのか不安
そこで本記事では、リスティング広告におけるCTR(クリック率)の基本的な考え方から、平均値の目安、改善方法、注意点までを網羅的に解説します。
CTRを正しく理解し、広告成果を高めるための具体的なアクションが見えてくる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
クリック率(CTR)とは?
クリック率(CTR:Click Through Rate)とは、広告が表示された回数(インプレッション数)のうち、ユーザーが実際にクリックした割合を示す指標です。
CTRの計算式
計算式は以下のとおりです。
リスティング広告においては、ユーザーの検索意図と広告内容がどれだけマッチしているかを測る指標として活用されます。
CTRが高いほど、広告がユーザーの関心を引いていることを示しており、掲載順位や広告の評価にも影響する重要な要素です。
CPCやCVRとの違い
リスティング広告の成果を測る上で、CTR以外にも重要な指標がいくつか存在します。
それぞれの指標が持つ意味を理解することで、CTRが広告成果においてどのような役割を果たすのかがより明確になります。
指標名 | 略称 | 意味 |
---|---|---|
インプレッション数 | IMP | 広告が表示された回数を示します。ユーザーの目に触れる機会がどれだけあったかを示す指標です。 |
クリック単価 | CPC | 1クリックあたりにかかる費用です。広告費用対効果を測る上で重要な指標となります。 |
クリック率 | CTR | 広告が表示された回数(インプレッション数)のうち、ユーザーが実際にクリックした割合。広告がユーザーの関心をどれだけ引きつけられたかを示す指標です。 |
コンバージョン率 | CVR | 広告をクリックしたユーザーのうち、商品購入や資料請求などの目標達成に至った割合を示します。広告の最終的な成果に直結する指標です。 |
顧客獲得単価 | CPA | 1件のコンバージョンを獲得するためにかかった費用です。広告運用全体の費用対効果を測る上で最も重要な指標の一つと言えるでしょう。 |
これらの指標の中で、CTRは「広告がユーザーの関心をどれだけ引きつけられたか」を示す指標です。
高いCTRは、広告文やキーワード選定がユーザーの検索意図に合致しており、広告の魅力を効果的に伝えられていることを意味します。
CTRだけを最適化しても意味がない
CTRは広告の「入り口」としての効果を測る上で非常に重要な指標ですが、CTR改善だけを追い求めても、広告の最終的な成果であるコンバージョンやCPAの改善には繋がりません。
なぜなら、広告の目的はクリックされること自体ではなく、その先のコンバージョンを獲得することにあるからです。
以下の2つのテストケースで考えてみましょう。
広告グループ | 表示回数 (IMP) | クリック数 | クリック率 (CTR) | 平均クリック単価 (CPC) | コンバージョン | コンバージョン率 (CVR) | コンバージョン単価 (CPA) | コスト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
広告グループA | 70,000 | 1,200 | 1.71% | ¥400 | 15 | 1.25% | ¥32,000 | ¥480,000 |
広告グループB | 50,000 | 250 | 0.50% | ¥250 | 20 | 8.00% | ¥3,125 | ¥62,500 |
広告グループAはCTRが高いものの、CVRが低いため、CPAは¥32,000と高額になり、結果的に多額のコスト(¥480,000)が発生しています。
一方、広告グループBはCTRは低いものの、CVRが8.00%と非常に高いため、CPAは¥3,125と大幅に低く抑えられ、少ないコスト(¥62,500)で多くのコンバージョンを獲得できています。
この比較からわかるように、CTRが高いだけでは意味がなく、CTRとCVRを掛け合わせた視点(CTR × CVR)で広告効果を評価することが非常に重要です。
リスティング広告の最適化においては、CTRを高める努力はもちろん重要ですが、同時にCVRを高めることにも注力し、最終的なCPAの改善を目指すことが成功への鍵となります。
リスティング広告のクリック率平均
リスティング広告のクリック率(CTR)は、広告の品質やユーザーとの関連性だけでなく、広告が掲載される業種やキーワードの性質、表示順位など、さまざまな要因によって変動します。
- 業種(商材やサービスの特性)
- キーワードの性質(指名系か一般系か)
- 広告の掲載順位
これらを踏まえたうえで、リスティング広告全体の平均CTRはおおよそ3〜5%程度と言われています。以下では、それぞれの要因ごとにCTRの目安を詳しく見ていきましょう。
順位別のクリック率平均
検索結果のどの順位に広告が表示されるかでもCTRは変わります。
一般的に、検索結果の上位に表示されるほどユーザーの視認性が高まり、クリックされやすくなる傾向があります。
検索順位 | リスティング広告 |
---|---|
1位 | 2.1% |
2位 | 1.4% |
3位 | 1.3% |
4位 | 1.1% |
出典:Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2025(First Page Sage)
業種別のクリック率平均
CTRは業界によって大きな差があります。たとえば、BtoB系の高単価商材よりも、BtoC系でニーズが顕在化している業種のほうがCTRが高くなる傾向があります。
指名・一般ワードのクリック率平均
キーワードの種類によってもCTRは大きく異なります。
- 指名キーワード(例:「○○株式会社」「○○(ブランド名やサービス名)」)
→ クリック率が高く、5〜10%程度が目安 - 一般キーワード(例:「営業支援ツール 比較」「英会話 スクール」)
→ ニーズが幅広く、1〜3%程度が目安
特に指名キーワードは、すでにブランドや商品を認識しているユーザーが検索するため、CTRが高くなる傾向にあります。
クリック率がリスティング広告の成果に与える影響
リスティング広告の運用において、CTRの高低は、広告配信の成果に影響を与えます。
ここでは、CTRが高い場合のメリットと、低い場合に生じやすいデメリットについて整理します。
CTRが高い場合のメリット
CTRが高い場合の代表的なメリットは以下の2点です。
- より多くのユーザーがサイトに訪れる
広告が多くクリックされることで、ランディングページ(LP)への流入数が増え、コンバージョン(CV)につながる機会が増えます。 - より少ない入札単価で広告が表示されやすくなる
Google広告では広告の掲載可否や順位が「広告ランク」で決定されます。広告ランクは主に「広告の品質 × 入札単価」によって算出されており、CTRが高ければ広告の品質が向上し、結果としてより低い単価でも広告を掲載しやすくなる可能性があります。
CTRが低い場合のデメリット
CTRが低い場合の代表的なデメリットは以下の2点です。
- サイト流入が減り、CVの獲得機会が減少する可能性がある
広告が表示されてもクリックされない=サイト訪問者が増えない状態になるため、CV(問い合わせ・購入など)の母数自体が減るリスクがあります。 - CPCが割高になる可能性がある
CTRが低いと広告の品質が下がり、同じ表示順位を維持するためにはより高い入札単価が必要になるケースがあります。結果としてCPC(クリック単価)が高くなる傾向につながることがあります。
リスティング広告のクリック率が低い要因
クリック率(CTR)が思うように上がらない場合、広告の品質や運用設定に何らかの課題が潜んでいる可能性があります。
特にリスティング広告では、検索語句・広告文・掲載面のちょっとしたズレがCTRに大きく影響します。
ここでは、実際によくある代表的な要因を5つのケースに分けて紹介します。
CASE1|掲載順位が低い
広告が検索結果の下部や2ページ目以降に表示されていると、ユーザーの視線に入りづらく、そもそもクリックの機会が減ってしまいます。
掲載順位は広告ランク(広告の品質 × 入札単価)によって決まるため、広告やランディングページの品質を改善するか、入札単価を引き上げることでクリック率の向上につながることがあります。
CASE2|商材とマッチしない検索語句に表示されている
設定しているキーワードの範囲が広すぎる、または除外キーワードが不十分な場合、検索意図とズレた語句で広告が表示されてしまうことがあります。
たとえば法人向け商材にもかかわらず、一般消費者が検索しているであろう検索語句で配信されていれば、CTRは当然低くなります。
検索語句レポートを定期的に確認し、意図とズレた語句は除外設定で制御しましょう。
また、表示回数は多いもののクリックにつながっていないキーワードやクエリにも注意が必要です。
最近はインテントマッチの拡張性が高まっており、商材との関連性があるクエリでも、検索意図の範囲が広すぎるとクリック率が伸びず、成果を下げる要因となります。
例えば、契約書管理SaaSの配信において「契約」というクエリが多く表示されたものの、CTRは著しく低い状況がありました。
商材と無関係ではないものの、検索意図が幅広く関心の薄いユーザーにも広告が表示されていたと考えられたため、除外設定を行ったところCTRが改善した事例があります。
CASE3|広告文の訴求が検索意図と合致していない
ユーザーの検索意図に対して、広告文の訴求がズレているとクリックされづらくなります。
たとえば「料金 比較」と検索しているユーザーに対して「導入実績」ばかりを押す広告は響きにくく、CTRが伸び悩みます。
検索語句ごとにユーザーの関心軸を読み取り、それに即した訴求軸で広告文を作成することが重要です。
CASE4|競合の広告と同質化して目に留まりづらい
競合他社と同じような表現・切り口の広告が並ぶと、ユーザーから見て印象に残らず、クリックされにくくなります。
たとえば「無料相談受付中」や「実績多数」など、ありふれた文言ばかりでは差別化できません。
競合の広告を定期的にチェックし、自社ならではの強みやユニークな切り口で目を引く表現を工夫しましょう。
CASE5|アセット(広告表示オプション)が未設定
広告表示オプション(サイトリンク・コールアウト・価格表示など)を設定していない場合、広告の情報量が少なくなり、視認性や訴求力で劣る可能性があります。
アセットを適切に設定することで、
- 広告の面積が広がり、ユーザーの注目を集めやすくなる
- 広告の品質向上につながり、掲載順位の向上が期待できる
ため、自社のビジネスと相性が良くないもの以外は網羅的に設定しておくことをおすすめします。
広告文のクリック率を高める5つのポイント
リスティング広告で成果を出すうえで、クリック率(CTR)は重要な中間指標のひとつです。
ここでは、CTRを高めるために実践すべき改善施策を5つの観点から紹介します。
ポイント1|掲載順位の改善
広告がユーザーの目に留まるかどうかは、表示される掲載順位に大きく左右されます。
掲載順位は、Google広告であれば「広告ランク」によって決定されます。広告ランクは主に以下の2要素で構成されます。
- 入札単価(1件のクリックにかける費用)
- 広告の品質(広告文の関連性、推定CTR、LPの利便性など)
そのため、CTRを改善するためには、主に以下の2方向から掲載順位の改善を図る必要があります。
⑴入札単価の引き上げ
シンプルですが、入札単価を上げることで広告ランクが高まり、上位表示されやすくなるのは事実です。自動入札を利用している場合も、目標CPAやROASが厳しすぎる設定になっていないかを確認し、柔軟に調整することで入札戦略の最適化が可能です。
⑵広告の品質を高める
広告の品質を高めることで、より少ない入札額でも上位に掲載される可能性が高まります。広告の品質改善の具体例としては、以下のようなポイントがあります。
- 広告文の見直し
検索語句との一致性を高める、訴求軸をユーザーインサイトに合わせる、具体的な数値や実績で目を引くなど。 - ランディングページ(LP)の改善
広告文とのメッセージの整合性を保ち、ユーザーが求めている情報(料金、サービス内容、事例など)にすぐたどり着ける構成にする。 - 広告文・LPともに、スマートフォンでの表示最適化
特にスマホユーザーが多い業種では、モバイル対応のUI/UXがCTRにも間接的に影響します。
ポイント2|検索語句のマッチ精度の向上
CTRが低迷する原因のひとつに、ユーザーの検索意図とズレた語句で広告が表示されているケースがあります。
特に、インテントマッチでキーワードを広く設定していると、意図しない検索語句にも広告が出る可能性があります。
これを防ぐためには、
- 検索語句レポートを定期的に確認し、不要な語句は除外キーワードに設定する
- マッチタイプ(完全一致、フレーズ一致など)を調整して、意図した検索とのマッチ精度を高める
といった対応が必要です。CTRを高めるには、キーワードや検索語句の定期メンテナンスも重要です。
ポイント3|広告文の改善
広告文は、検索ユーザーと最初に接触する接点です。CTRを左右する最も直接的な要素のひとつであり、以下の観点から改善することで大きな成果が期待できます。
⑴検索意図に合った訴求を行う
ユーザーがどんな意図で検索しているかを理解し、それに応じたメッセージを広告文に反映させましょう。
⑵行動を後押しする情報を入れる
価格、スピード、立地、実績など、「選ぶ理由」になる情報を具体的に盛り込むと、クリックされやすくなります。(例:「初期費用0円」「導入実績5,000社以上」「駅から徒歩3分」など)
⑶競合と差別化する
検索結果には競合の広告も並ぶため、埋もれない表現が重要です。差別化が難しい市場では、機能そのものではなく得られるベネフィット(便益)で訴求すると効果的です。
⑷訴求のバリエーションを持たせる
ユーザーの背景や目的は一様ではありません。RSA(レスポンシブ検索広告)を活用し、複数の見出しや説明文を登録することで、多様なニーズに対応しやすくなります。
ポイント4|広告表示オプションの充実
広告表示オプション(アセット)を活用することで、広告の専有面積が広がり、クリック率の向上が期待できます。
設定すべき主なアセットには以下があります。
広告表示オプション(アセット) | 機能 | 詳細 | 主な対象ビジネス |
---|---|---|---|
住所アセット | 広告に住所を表示 | 地図へのリンクや営業時間なども表示できる | エリアが限定されたビジネス |
サイトリンクアセット | 広告の下に同じドメインのリンクを表示 | 複数の商品・サービスを取り扱う場合に効果的常に最新の情報を表示できる | 全て |
コールアウトアセット | 広告に短い追加情報を表示 | USPやキャンペーン情報などを訴求できる広告の訴求内容を常に最新の状態に保てる | 全て |
構造化スニペットアセット | 商品やサービスの詳細情報を表示 | サービスや設備、コースなどの詳細情報を表示できる | 商品・サービス販売 |
電話番号アセット | 広告に電話番号を表示 | 電話番号をタップで電話発信できる | 電話での問い合わせを重視するビジネス |
価格アセット | 広告に商品・サービスの価格を表示 | 価格訴求に効果的 | 価格が固定のビジネス |
プロモーションアセット | 広告に割引クーポンやセール情報などを表示 | 期間限定の割引情報などを訴求できる | キャンペーンを実施するビジネス |
画像アセット | 広告に画像を表示 | 視覚的に訴求し、クリック率向上に貢献 | 全て |
リードフォームアセット | 広告内にフォームを表示し、ユーザー情報を取得 | 電話やメールでの問い合わせよりもスムーズに情報収集できる | BtoBビジネス |
アプリアセット | アプリのリンクを表示 | アプリのダウンロードを促進できる | アプリ運営サービス |
アセットの内容は定期的に見直し、広告文との重複を避けて訴求の幅を広げることがポイントです。
ポイント5|配信条件の最適化
クリック率(CTR)を高めるには、広告を適切なタイミング・環境で表示することも重要な要素のひとつです。ただし、近年では自動入札(特に目標CPA・目標ROASなどのスマート入札)を利用している場合、配信条件の最適化も媒体側が自動で行うようになっています。
Google広告では、ユーザーの所在地・時間帯・曜日・デバイスなどのシグナルをもとに、オークションごとに最適な入札判断を下しています。そのため、人力で地域や時間帯を過度に制限すると、媒体の最適化ロジックの学習や判断機会を狭めてしまうリスクがあります。
とはいえ、以下のような明らかに効率の悪い配信条件が長期にわたり続いている場合は、限定的に調整を行うのも一手です。
- 一部の地域や時間帯で継続的にCTR・CVRが著しく低い
- 費用消化が偏り、成果の出ているエリアに十分な予算が回っていない
このようなケースでは、媒体の最適化を尊重しつつ、成果に応じて配信条件を緩やかに調整することで、CTR改善にもつながる可能性があります。
クリック率改善で押さえるべき注意点4つ
クリック率(CTR)は、広告改善のヒントとなる重要な中間指標ですが、それ自体が目的化してしまうと、本来の成果につながらない運用に陥ってしまう可能性もあります。
ここでは、CTR改善を目指す際に知っておきたい4つの注意点を紹介します。
注意点1|CTR改善を目的化しない
CTRが高くなると「広告がユーザーに選ばれている」と評価されがちですが、クリック率が高い=良い広告とは限りません。
たとえば、過度に目を引く表現や誇張気味の訴求でCTRを上げたとしても、遷移先のページとのギャップが大きければ、ユーザーの期待と合致せず、かえって成果(CV)につながらないことがあります。
CTRはあくまで広告がクリックされたかどうかを示す中間指標であり、本来のゴールであるCVや収益とは別物です。
クリックされることではなく、クリックの“質”と“後の行動”を重視する視点が不可欠です。
注意点2|後工程の指標もセットで見る
CTRが高くても、その後のコンバージョン率(CVR)が低ければ、最終的な成果は悪化するケースは少なくありません。
たとえば、
- クリックはされるが、LPが期待とズレていてCVされない
- 問い合わせフォームや購入導線がわかりづらく、途中で離脱される
といったように、CTR単体では判断できない課題が多くあります。
運用の評価軸としては、CPA(獲得単価)やROAS(広告費用対効果)といった“後工程の指標”とあわせてCTRを読み解くことが重要です。
注意点3|十分なデータ量で判断する
CTRやCVRといった指標は、十分なサンプル数がない状態では判断を誤りやすいという点にも注意が必要です。
たとえば、
- クリック数が10〜30件程度しかない状態で「この広告は効果が悪い」と判断してしまう
- CVが1件もないからといって、数日程度で広告文を差し替えてしまう
といった行動は、まだ学習も検証も不十分な段階での過剰な最適化につながりかねません。
必ずしも統計的優位性に縛られる必要はありませんが、CTRの検証・評価を行う際は、データの母数となるクリック数が十分に確保できているか確認しましょう。
配信結果に統計的有意性があるか簡易的に判断したい場合は、信頼度判定ツールを活用するのがおすすめです。
注意点4|予算による配信機会の損失
日予算が不足して、1日の早い段階で上限に達してしまうケースがあります。その場合、午後以降の検索需要を取り逃し、CTRやCVRが本来よりも低下する可能性があるため注意が必要です。
実際に、あるサービスでは、午後の方がCTR・CVRともに高い傾向が見られましたが、午前中で日予算上限に到達してしまい、成果が伸び悩んでいました。
日予算を増額し入札強度を調整したことで、午後も広告配信を継続できるようになり、CTR・CVR・CV数が改善した事例があります。
配信機会の損失を避けるためにも「検索広告のインプレッションシェア損失率(予算)」を定期的に確認し、必要に応じて日予算を見直しましょう。
あわせて知りたいレスポンシブ検索広告の仕組み
レスポンシブ検索広告(RSA)は、Google広告やYahoo広告の標準的な配信形式として広く利用されている広告フォーマットです。
見出し(最大15個)と説明文(最大4個)を登録しておくことで、機械学習を活用し、ユーザーの検索語句や行動に合わせて最適な組み合わせを自動生成して表示します。
この仕組みにより、ユーザーごとに最も効果が高い広告文が表示されやすくなり、クリック率の向上や成果改善につながりやすいのが特徴です。
RSAのクリック率を高めるポイント
ここでは、RSAのクリック率を高めるポイントを3つご紹介します。
(1)多様な表現の広告文を複数設定する
検索意図や行動の背景までを想像し、できるだけ多様な表現の広告文を複数登録しておくことで、広告はクリックされやすくなります。
レスポンシブ検索広告(RSA)では、キーワード挿入機能やカスタマイザを活用することで、検索意図に沿った見出しや説明文を自動生成できます。
(2)広告文ごとの成果を確認する
広告文ごとの成果を確認し、パフォーマンスが低いものを入れ替えていくことが重要です。
アカウントによっては、表示回数・クリック数・コンバージョン数などの数値が広告文ごとに確認できるようアップデートされています。
この場合は、その数値をもとに、目安として3〜5個程度の低パフォーマンス広告テキストを入れ替えるのがおすすめです。
数値情報が表示されないアカウントの場合は、アセットの評価指標「低」を差し替えることを基本とし、あわせて表示回数が極端に少ない広告テキストを3〜5個程度入れ替えるのがおすすめです。
(3)定期的にPDCAを回す
レスポンシブ検索広告(RSA)は、自動で最適化される仕組みを持っていますが、それだけに任せるのは十分ではありません。
配信結果を定期的に確認し、数値データを分析しながら改善を繰り返すことで、CTRだけでなくCVRやCPAといった成果指標の改善につなげることができます。
RSAで活用できる便利機能
あわせて、RSAで活用できる媒体機能を3つご紹介します。
(1)キーワードの挿入
ユーザーが検索したキーワードを自動的に広告文に反映させる機能です。検索意図にマッチした見出しや説明文を表示できますので、クリック率の向上に繋がります。
ただし、ユーザーの検索語句とキーワードが必ずしも一致するとは限らないため、より検索ニーズへ対応した広告文を表示させたい場合は、後述のカスタマイザの活用がおすすめです。
(2)広告カスタマイザ
広告文の一部を動的に差し替えられる機能です。キーワードごとに表示する広告文を変更できるため、検索語句との関連性を高めやすい点が特徴です。
また、在庫数・価格・地域名などを広告文に自動反映させることも可能で、CTRだけでなくCVRの改善にもつながりやすくなります。
参考:広告カスタマイザについて
(3)広告見出し・説明文を固定
重要なメッセージを含む広告文を指定した位置に必ず表示させることができます。
たとえば、広告表示時の先頭に必ず「【公式】株式会社オーリーズ」を表示させるといった形で、ブランド名や必ず伝えたい訴求を常に表示させることが可能です。
これにより、指名キーワードや重要キーワードでのCTR向上につながります。
よくある質問|リスティング広告のクリック率の疑問に回答
最後に、リスティング広告のクリック率に関してよくある質問とその回答をまとめました。
Q. 検索時に「Google AI Overviews」が表示された場合、CTRに影響はありますか?
はい、影響が出る可能性があります。Google AI Overviewsは、検索結果ページ上部にAIによる要約を表示するため、ユーザーが広告枠に到達する前に情報を得てしまうケースがあります。その結果、CTRが低下するケースが想定されます。
一部地域ではGoogle AI Overviewsへの広告掲載がスタートしているため、常に媒体のアップデート情報を確認しましょう。
Q. ユーザーの年齢や性別でクリック率の傾向に違いは出ますか?
はい、年齢や性別によってCTRの傾向は異なる場合があります。
たとえば、美容やファッション系の商材は20〜30代女性のCTRが高い傾向にあります。BtoB商材や高額サービスでは、30〜50代の男性層のCTRが相対的に高いケースが見られます。
Google広告では「ユーザー属性別のパフォーマンス」を確認できるため、実際のデータを分析し、入札強度などの配信調整に反映させましょう。
Q. モバイルとデスクトップでCTRは違いますか?
はい、違いが出るケースがあります。モバイルは検索シェアが高く、広告が画面上部に目立ちやすく表示されるため、CTRが高くなる傾向があります。
一方で、成果はデバイスごとに異なる点に注意が必要です。BtoC商材ではモバイルからの購入や申し込みが多くCVRが高い一方、BtoB商材ではモバイルのCTRは高くても、デスクトップの方がCVRにつながりやすい場合が多いです。
したがって、CTR単体で評価するのではなく、デバイス別のCVRやCPAもあわせて確認することが重要です。
Q. CTRが良いのにコンバージョンが増えないのはなぜですか?
CTRとコンバージョンは必ずしも比例しません。CTRが高くても、広告文とランディングページの内容が一致していなかったり、訴求が強すぎて興味本位のクリックが増えている可能性があります。
CTRが良い場合でも、必ずCVRやCPAなどの各数値指標を確認し、広告文とランディングページの一貫性を意識した改善を進めましょう。
Q. 急にCTRが悪化しました、対応策はありますか?
CTRが急激に下がる要因はいくつか考えられます。主な例としては以下のようなものがあります。
- 競合の入札強化や新規参入による掲載順位の低下
- 季節性や検索需要の変化によるクリック動向の変化
- 広告文の劣化(同じ広告文を長期間配信して新鮮味が薄れる)
まずは検索語句レポートや競合状況を確認し、その上で入札調整や広告文の差し替えを行うことが有効な対応策です。
まとめ|クリック率改善でリスティングの成果を向上させよう
クリック率(CTR)は、広告の成果を左右する重要な中間指標のひとつです。掲載順位や広告文、検索語句とのマッチ精度といった複数の要素が影響するため、原因を見極めて丁寧に改善を重ねることが重要です。
ただし、CTRの改善はあくまで手段であり、最終的な成果指標(CVRやCPA)とセットで評価する視点も忘れてはいけません。
まずは自社のCTRが適正かを見直し、原因となりうる要素を一つずつ改善していくところから始めてみましょう。
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