検索語句に表れない潜在需要をP-MAXで捉え、2ヶ月で約50件の成約を獲得
前提情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 出張型の車検サービス |
| 獲得の流れ | 「車検 予約」「車検 安い」などの検索広告を中心に獲得し、成約につなげる |
| 見ていた指標 | 成約数・成約単価 |
問題
広告の中心は「車検 予約」「車検 安い」のような検索キーワードだった。クリック単価が上がり続け、検索広告の獲得だけでは件数が頭打ちになりそうだった。
サービスの最大の強みは、店舗に行かなくていいことだった。この強みをいちばん喜ぶのは子育て世帯だと仮説を立てた。チャイルドシートを外し、子どもを連れて店舗に行き、待合室で数時間過ごす手間が、出張型ならなくなる。公的統計から試算すると、1都3県の子育て世帯(18歳未満の子がいる世帯)が受ける車検は月に約10.7万件で、車検市場の2割強にあたった。自社の顧客に占める子育て世帯は約9%だった。
一方で、キーワードプランナーで子育てに関連するキーワードを調べると、月間検索ボリュームは合計しても約800回だった。過去のコンバージョン率から見積もると、この800回から見込める成約は多くて月に数件だった。車検が近づいた子育て世帯も、検索するキーワードの大半は「車検 予約」「車検 値段」で、子育て世帯のニーズは検索キーワードには表れていないと考えた。
打ち手
子育て世帯に向けた専用のLPとバナーを作り、専用のP-MAXキャンペーンで配信した。P-MAXには、通常の検索キャンペーンのようなキーワードの設定がなく、どの面のどの検索語句に出すかを、入稿したアセットとLPの中身をもとにAIが決める。成約の見込みの予測には、そのキャンペーンで実際に成約したユーザーのデータや、出すクリエイティブも使われる。そのため、「車検」のようなビッグワードの検索でも、結果として子育て世帯に寄せた配信になる可能性があると考えた。
子育て関連のキーワードに入札しても、月800回では件数を伸ばせない。「車検 予約」のようなビッグワードに家族向けの広告文とLPを固定で出す方法も試したが、検索するユーザーの大多数は子育て世帯ではなく、獲得効率は合わなかった。
- LP:「子連れで車検に行くのは大変」という場面から始まる、子育て中の利用者の体験記の形式にした。チャイルドシートを外さなくていいこと、家を空けなくていいことを、子育ての場面の言葉で伝えた
- バナー:家族向けのバナーを12種作った
- キャンペーン:LPとバナーを、子育て世帯向けの専用のP-MAXキャンペーンで配信した
結果
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 成約数(2ヶ月) | 約50件 |
| 成約単価 | 目標を2割ほど下回る |
多くて月に数件と見込んでいた層から、2ヶ月で約50件が成約した。成約単価は目標を2割ほど下回り、獲得の柱だった既存のキャンペーンと比べても、最も効率の良い部類だった。2ヶ月目の振り返りでは、全キャンペーンの中でいちばん配信を伸ばしたいキャンペーンになった。
成約は、「車検」単体のようなビッグキーワード、競合の指名キーワード、検索以外のYouTube・ディスプレイ面から出ていた。どれも既存のキャンペーンで以前から配信していて、成約がほぼ出ていなかった場所だった。
考察
成果につながった要因
P-MAXは、アセットとLPの中身をもとに、どの検索語句や面に出すかを決める。クリエイティブとLPを子育て世帯向けに特化させたことで、既存のキャンペーンと同じ場所でも、以前とは違うユーザーが反応したと考えられる。P-MAXがはじめから子育て世帯を選んで配信したのか、家族向けの広告に反応したユーザーを学習するうちに配信が寄っていったのかは、管理画面からは判断できない。
この打ち手が合う状況
狙いたい層の需要が統計などから大きいと見込めるのに、その層に関連するキーワードの検索ボリュームが小さい場合に合う。その層も検索ではビッグキーワードを使っていると考えられ、検索広告の獲得が頭打ちになって新しい層を探している場合に当てはまる。
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