ASCの広告セット構成を変え、CVが11件→37件に増加

前提情報

項目内容
業種店舗型ビジネス
媒体と構成Meta広告のASC(Advantage+セールスキャンペーン)。1キャンペーン1広告セットに複数のクリエイティブを入稿
運用設定意図しない属性への配信を考え、バリュールールで学習の方向を補正
見ていた指標CV・CPA(AD EBiS計測)

問題

当初は、1キャンペーン1広告セットに複数のクリエイティブを入稿し、AIに最適なクリエイティブを選ばせる媒体推奨の構成で運用していた。配信は安定し、成果の良いクリエイティブも見つかっていた。

一方で、新規クリエイティブを入稿しても、同じ広告セットの中ではすでに学習が進んだクリエイティブに配信が集中し、新規はインプレッションを得にくかった。成果の良いクリエイティブの訴求軸を転用した類似のクリエイティブも試したが、状況は変わらなかった。

Metaの配信アルゴリズムは主に広告セット単位で学習と最適化を行う。成果の良いクリエイティブと同じ広告セットにいる限り、新規クリエイティブは配信を得にくく、中身を変えるだけでは解決しないと考えた。

打ち手

まず、成果の良いクリエイティブを配信し続ける広告セットAと、新規クリエイティブを検証する広告セットBに分けた。検証は機能するようになったが、Bで成果が出たクリエイティブをAに移すと既存のクリエイティブに配信が偏り、Bに残すと次の検証の枠がなくなった。

そこで、1キャンペーンの中で広告セットを並行して配信し、成果の出たクリエイティブは広告セットごと残す構成に切り替えた。次の新規クリエイティブは、既存の広告セットに足さず、新しい広告セットを立てて検証する。検証を常に最新の広告セットで行うため、既存の学習を崩さずに、新規の検証の機会を確保できる。

広告セットを増やすとデータが分散し、学習が遅くなるおそれがある。全キャンペーンで一斉に変えるのはリスクが高いと判断し、まず一部のキャンペーンで試した。

  • 成果の出た広告セット:中のクリエイティブごと残し、配信を続ける
  • 新規クリエイティブ:検証のたびに新しい広告セットを立てて入稿する
  • 広告セット数:増やしすぎると管理が煩雑になるため、上限を設ける

結果

指標結果
CV11件 → 37件
CPA約4.5万円 → 約3.4万円
広告費約50万円 → 約125万円

新規クリエイティブに配信が回るようになり、クリエイティブの検証を繰り返せる状態になった。そのうえで訴求やデザインの改善を重ね、広告費を増やしながらCVを増やし、CPAも従来より低く抑えた。

一部のキャンペーンでのテスト運用のため、学習データが十分だったとは言い切れない。配信規模を広げた段階で、あらためて検証する余地がある。

考察

成果につながった要因

新規クリエイティブを既存とは別の広告セットに置いたことで、学習が進んだクリエイティブとの配信の奪い合いがなくなり、新規にもインプレッションが回った。成果の出た広告セットを残したまま、次の検証を新しい広告セットで行う形にしたため、既存の学習を保ちながら検証を続けられた。CVとCPAの改善は、この検証の環境のうえで訴求やデザインの改善を重ねた結果と考えている。

この打ち手が合う状況

Meta広告で、成果の良いクリエイティブに配信が集中し、新規クリエイティブの検証が進まない場合に合う。広告セットを増やすとデータが分散するため、各広告セットの配信量が学習に足りる水準であることが前提になる。予算規模が小さい場合は、同じ方法が成り立たない可能性がある。

関連記事 【広告運用研究会】新規クリエイティブの配信機会を作るMeta広告のアカウント設計 allis-co.com