店舗別バナーの制作をツールで自動化し、3ヶ月で約80時間分の工数を削減
前提情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 店舗ビジネス |
| 制作していたもの | 販促ごとに、同じデザインで店舗名だけが違うバナーを店舗の数だけ |
| オーリーズの担当 | 広告運用とクリエイティブ制作 |
問題
販促のたびに、同じデザインで店舗名だけが違うバナーを、店舗の数だけそろえる必要があった。セールの日付を一つ変えるだけでも、全店舗分を作り直すことになる。
1枚あたりの所要時間は5分ほどだが、店舗数とデザイン数の掛け算で、枚数は数百枚まで膨らむ。仮に500枚なら、この作業だけで40時間を超える。依頼してから手元にそろうまでに数営業日かかり、店舗が増えるほど作業も増えていく状態だった。
打ち手
社内のクリエイティブチームが最初に出した案は、店舗名を並べたCSVを読み込ませて文字を入れ替えるFigmaのプラグインだった。ただ、この案ではFigmaを開いて書き出し、確認する工程が残る。店舗名を差し替えるだけの制作には人の判断の余地がないため、人が編集する工程そのものをなくす方針にした。
画像生成AIでバナーそのものを量産する方法も試したが、生成のたびに文字や余白、装飾などの細部が変わり、数百枚を同じ仕様でそろえられる水準では安定しなかった。そこで、AIに任せるのは最初の一度、指示書を書く工程だけにした。
プログラムを作った人にしか動かせないままだと、依頼と納品待ちが残る。そのため、クラウド上で動くWebアプリにして操作画面を用意し、誰でも使えるようにした。作ったのは専任のエンジニアやデザイナーではなく現場の広告運用者で、開発にかかった時間は約15時間だった。
- 指示書:お手本のバナー1枚をAIと画像解析で読み取り、店舗名を置く位置、書体、大きさ、色を数値にまとめ、人が確認して確定する
- 量産:画像処理のプログラムが、指示書のとおりに店舗名を書き込む。この工程にAIは関与しない
- 操作画面:広告運用者がブラウザでデザインと対象の店舗を選び、生成ボタンを押す
- デザインの追加:ファイルをアップロードするだけで反映される
結果
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 作成したバナー(3ヶ月) | 975枚(33種類のデザイン) |
| 削減した制作工数(3ヶ月) | 約80時間分 |
| 依頼から入稿まで | 数営業日 → 数分 |
3ヶ月で33種類のデザインを使い、のべ975枚のバナーを作った。従来の制作工程に換算すると約80時間分にあたる。依頼から制作待ち、納品確認、修正を経て入稿するまで数営業日かかっていた流れは、デザインと店舗を選んで一括生成し、確認して入稿するまで数分になった。
ツールは細かな改修を重ねながら、チームに定着している。空いた工数で、店舗の予約データから空き枠を逆算して集客が必要な店舗への配信を提案したり、競合約100本のクリエイティブを分析して他社にない切り口の動画施策を企画したりするようになった。
考察
成果につながった要因
量産の工程にAIを関与させず、プログラムが同じルールで描くため、店舗名以外のデザインは誰がいつ作っても変わらない。AIの使いどころを指示書を書く最初の一度に絞ったことで、画像生成AIでは安定しなかった、仕様のそろった量産ができた。差し替えの手間を知っている人と、AIで何ができるかを知っている人が同じチームにいたことで、編集を速くする案で終わらなかったと考えている。
この打ち手が合う状況
同じデザインで一部の文字だけが違うバナーを、大量に、繰り返し作る必要がある場合に合う。この事例では、開発の約15時間に対して3ヶ月で約80時間分を回収しており、1社のためだけに作っても見合った。差し替えに人の判断の余地がない制作であることが前提になる。
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