ミドル施策をアトリビューション分析で評価し直し、広告予算の15〜20%を継続配分
前提情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | BtoC |
| 獲得の流れ | ボトム施策(指名検索・リターゲティング)と、新規リーチ目的のミドル施策(非指名検索・SNS広告など)で申込を獲得する |
| 見ていた指標 | Adobe AnalyticsのラストクリックCV |
問題
広告予算の約8割をボトム施策が占め、残りの約2割で新規リーチ目的のミドル施策を配信していた。評価はAdobe Analyticsのラストクリックで行っており、ボトム施策が高く評価される一方で、ミドル施策にはCVがつきにくかった。特にSNS広告はCVが少なく、止めるべきではという圧力がかかっていた。
一方で、媒体の管理画面ではミドル施策にもある程度のCVが確認できていた。CV経路を分析すると、2つ以上の接点があるCVのうち66%が「初回接触が広告、最終接触は非広告」で、その逆は14%だった。広告が新規のお客様を連れてきていても、CVは最後の接点である自然検索やダイレクトに計上されていた。
ミドル施策は、ユーザーの検討の比較的早い段階で接点を持つ。そのため、自然検索やダイレクト、指名検索やリターゲティングのような最終接点になりやすい施策にCVが計上されやすく、ラストクリックの評価とは相性がよくない。
打ち手
施策単位で貢献を見るため、広告効果測定ツールのAD EBiSを使い、評価方法を3段階に分けた。全流入ラストクリックから広告ラストクリックに進むと、自然検索やダイレクトに計上されていたCVが広告に戻る。広告ラストクリックから広告再配分に進むと、広告のなかで最終接点に集中していたCVが、初回・中間接触にも按分される。
分析の結果を受けて、広告再配分をミドル施策の評価指標として正式に採用した。
- 全流入ラストクリック:自然検索やダイレクトも含めた全流入のうち、CV直前の最終接点1つにCVを計上する
- 広告ラストクリック:広告接点のみを対象に、最終接点1つにCVを計上する
- 広告再配分:広告ラストクリックに加えて、広告経由の初回・中間接触にも貢献度を按分する
結果
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| ミドル施策のCV | 6件 → 約44件 |
| ミドル施策のCV倍率(全流入ラストクリック → 広告ラストクリック → 広告再配分) | 1 → 5.5倍 → 7.4倍 |
| ボトム施策のCV倍率(同上) | 1 → 3.8倍 → 3.8倍 |
| ミドル施策への予算配分 | 広告予算の15〜20%ほどを継続的に配分 |
全流入ラストクリックのCVを1とすると、ボトム施策は広告ラストクリックで3.8倍になり、広告再配分でも3.8倍のまま動かなかった。ミドル施策は広告ラストクリックで5.5倍、広告再配分で7.4倍になった。ミドル施策のCVは、全流入ラストクリックでは6件だったが、広告再配分では約44件になった。
広告再配分を評価指標に採用したあと、ミドル施策には広告予算の15〜20%ほどが継続的に配分されるようになった。
考察
成果につながった要因
ミドル施策の貢献は、自然検索やダイレクトに計上される分と、広告のなかで最終接点になりやすいボトム施策に計上される分の、二段階で隠れていた。評価方法を広告再配分まで広げると、ミドル施策のCVはボトム施策より大きく伸び、ラストクリックで見ていたときとは施策間の差が変わった。この差の変化が、ミドル施策に予算を配分し続ける判断につながった。
この打ち手が合う状況
第三者計測のラストクリックで評価していて、新規リーチ目的の施策にCVがつかず、投資を続ける理由を説明しにくい場合に合う。評価の範囲を広げるとCVは増えやすいため、CVの絶対値ではなく、同じ評価方法で施策を横並びにしたときの差で判断する。
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