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- 室伏 翔太
指名検索とは?その重要性と広告配信のコツ
獲得効率の高いキーワードに対して広告配信を行いたい場合、指名検索キーワードへの出稿は必須と言えます。
今回は、指名検索キーワードに広告を出稿する意義と、出稿する際の入札方法に関して解説しています。
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目次
指名検索とは?
社名やブランド名、商品名などの固有名詞で検索されることを「指名検索(branded search)」と言います。
例えば「ユニクロ」「ウルトラライトダウン」といったブランドや商品名のキーワード検索は指名検索(branded search)であり、「ダウンジャケット」のような一般的な物の名前でのキーワード検索は指名検索ではない(non-branded search)ということになります。
指名検索をするユーザーは、既にそのブランド名や商品名を知った上で検索をしていることから、購買意欲が高かったり、強い興味関心を持っている可能性が高いです。
また指名検索数は売上と高い相関関係があると言われており(※)、指名検索数を増やすことや、指名検索をしたユーザーを適切に自社のサイトに導くことはマーケティング活動の中でも重要なポイントのひとつと言えます。
参考:※ResearchGate「Rankings Correlation Study : Brand Search Volume vs. Brand Sales Volume」
指名検索広告について
指名検索で用いられるキーワードのことを「指名キーワード」と言いますが、指名キーワードに対して広告を出すということについては、否定的な意見を持つ方もいるかもしれません。
確かに企業が自社のブランド名などの指名キーワードで検索をした際に、競合他社の広告が表示されず、自社のページがトップに表示される場合は指名キーワードに広告を出す必要性は低いです。
しかし、指名キーワードで検索した際に競合他社の広告が表示される場合、自社のページが検索結果画面で下位に表示される可能性が高まります。そのような場合は、指名検索広告を行うことで、潜在的な顧客が競合他社に流出するリスクを減らすことができます。
指名検索広告が必要なケース
指名キーワードで検索した際に他社の広告が表示される場合
上述の通り、指名キーワードで検索した際に他社の広告が表示される場合は、自社のページが他社のページより下に表示されてしまう可能性があるため、指名検索広告を出稿することでリスクを減らすことができます。
※指名キーワードへの広告出稿に関しては、このような状況を避けるため競合他社と連絡を取り、お互いに相手企業の指名キーワードには出稿しないという、いわゆる紳士協定を結ぶこともあります。
※企業名やサービス名で商標登録をとっている場合、これらの商標登録されている指名キーワードを他社が広告文に使用すると商標権侵害に該当する可能性があります。とくに注意しましょう。
参考:自社の商標キーワードが出稿される…。違法性と停止方法を解説
指名キーワードが間違って検索されやすかったり、他のニーズもあるようなキーワードである
たとえば「GAP」のように服のブランドとして以外の意味も持っている言葉など、固有名詞でありながら一般名詞でもあるようなキーワードの場合は、自社のページを上位に表示するハードルが高いため、広告出稿を行った方がいいケースが多いでしょう。
オーガニックで表示されるページが適切でない
オーガニックだと顧客向けのページよりもコーポレートサイトなどが上位に掲載され、意図した通りの導線となっていないような場合も指名検索広告の出稿が有効となるでしょう。
指名キーワードに使う入札戦略
指名キーワードに広告を出稿する際、どのような入札戦略で、どのような入札価格で出稿すべきか、ということに関しては、そのキーワードで検索した際にどのような結果が表示されるか(他社の広告が表示されるか)によって何が最適であるかは変わってくると思います。
ただ私の考えとしては、必ずしも指名キーワードでインプレッションシェア100%を取る必要はないというのが基本となります。
なぜかというと入札するキーワードに対して、他の広告主からも入札がある場合、インプレッションシェア100%を目指していると、クリック単価が非常に高額になってしまう可能性があるためです。
一般的に指名キーワードの獲得効率は他と比べて高いため気づかないことも多いですが、インプレッションシェア100%を目指すために高いクリック単価でも入札をしてしまうと効率が著しく悪化してしまうため、入札単価は過度に引き上げない方が良いです。
実際に指名キーワードの入札単価がやや高めに設定されていたものを引き下げたところ、コンバージョン値(売上金額)はほぼ変わらない中、費用が半分になったというケースもあります。
参考:インプレッション シェアについて(Google公式サイト)
入札戦略
現在の検索広告においては、コンバージョン数の最大化や目標広告費用対効果(tROAS)などの自動入札が主流となっています。
しかし、自動入札を利用するとCPC(クリック単価)が高額になってしまう可能性があるため、指名検索広告の場合は「拡張クリック単価」の利用をオススメします。
拡張クリック単価
拡張クリック単価は、コンバージョンにつながる可能性が高い場合は入札単価を引き上げ、コンバージョンにつながる可能性が低い場合は入札単価を引き下げる入札戦略です。平均CPCが上限CPCを上回らないように調整されるため、過度に高い入札単価で入札が行われ、平均CPCが上がってしまうということがありません。
参考:拡張クリック単価(eCPC)について(Google公式サイト)
獲得効率の低い指名キーワードの入札戦略
指名キーワードの中にも固有名詞でありながら一般名詞であるキーワードの場合や、指名キーワード×一般キーワードの掛け合わせキーワードなど他の指名キーワードと比べて獲得効率が低いものもあるかと思います。
そのようなキーワードは獲得効率の高い指名キーワードとはキャンペーンを切り分け、自動入札を使って一定以上の効率を目指して運用することをオススメします。
入札戦略
目標広告費用対効果(tROAS)
獲得効率の低い指名キーワードに関しては、目標広告費用対効果(tROAS)のような入札戦略を利用することで、獲得可能性が高い状況では入札単価を高く、獲得可能性が低い状況では入札単価を低くし、設定したROASを達成できるように入札を行うことができます。
参考:目標広告費用対効果に基づく入札について(Google公式サイト)
このような自動入札の入札戦略を使うことで、入札単価の最適化の際にコンテキストに基づいたさまざまなシグナルが活用されたり、機械学習による予測から入札単価が最適化されます。
そのため異なった検索意図を持ったユーザーが一定数含まれるような「濁りのある」キーワードの場合も、効果が出る可能性が低いユーザーに高い入札単価で入札してしまうリスクを減らすことが期待できます。
指名キーワードのマッチタイプ
指名キーワードで広告配信をする場合、広告が出ていない(インプレッションシェアが低い)という状況を極力減らすことが目的となるケースが多いかと思います。
また、指名キーワードは一般キーワードに比べて競合も少ない為、完全一致・フレーズ一致にすることで安価な入札単価で配信できることが多いです。
まずは完全一致・フレーズ一致で配信してみて、配信ボリュームや費用対効果を検証した上でマッチタイプの拡張が必要かどうか判断するのが良いでしょう。
参考:キーワードのマッチタイプについて(Google公式サイト)
部分一致で改善するケースも
Google広告の場合、部分一致の機能が向上しており、スマート自動入札×部分一致の活用でパフォーマンスの改善ができた事例もあります。
指名キーワードで部分一致を配信するのが不安な場合には、カスタムテストでまずはテストしてみるのもオススメです。
まとめ
指名検索をするユーザーは、購買意欲や興味関心が高いユーザーの可能性が高く、そのようなユーザーを適切なサイトに導くことは非常に重要です。
指名キーワードへの広告出稿においては、入札単価が高くなってしまう設定で配信していることで、効率が悪化してしまっている(元の効率が高いため気づきにくい)ことも多いです。
ぜひこの記事の内容を参考にしてより良い広告運用の参考にしていただければと思います。
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