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- 長義 晴香
指名KWのマッチタイプを部分一致にしてカスタムテストを実施した結果
検索広告のキャンペーンは「指名キャンペーン」と「汎用キャンペーン」の2つに分けられるかと思います。
今回は、収益割合の多い「指名キャンペーン」で、「部分一致」KWの検証を行いました。検証の背景や設定方法、初動の動きをご紹介させていただきます。
検証の目的は、既存の「指名キャンペーン」はフレーズ一致・完全一致のみのKW構成となっていましたが、部分一致KWが活用できるシグナルを活かして、獲得効率の改善やROASの上昇を目指すことでした。
まず「部分一致KWが参照できるシグナル」について確認していきます。
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部分一致のシグナルについて
「部分一致」キーワードは、検索クエリの文字列が同じであれば、完全一致またはフレーズ一致で入札されます。
部分一致では、固有のシグナルが活用可能
シグナルとは、個々のユーザーやオークション時のコンテキストを特定できる属性のことです。
キーワードのマッチタイプが、「フレーズ一致」「完全一致」だった場合、拾ってくるクエリのマッチタイプはもちろん完全一致やフレーズ一致になりますが、その場合シグナルが一部のみしか反映されていない仕組みとなっています。
ここを「部分一致」に切り替えると、クエリは全てのマッチタイプで拾うことができ、かつ拾ってきたどのクエリに対しても全シグナルが反映されます。
部分一致の機能拡張には「カスタムテスト」が最適
「部分一致」KWは、「フレーズ一致」や「完全一致」では拾えない固有のシグナルを拾うことができるというメリットはあるものの、いざ導入しようとなると、不安も出てくるのではないでしょうか。
- 「部分一致」の拡張機能によって、意図しないクエリまで拾いすぎてしまわないか
- 指名キャンペーンは収益割合が高いキャンペーンなので、仮に成果が悪化してしまった場合のインパクトが大きい
いくら成果が見込めそうだからといって、新規キャンペーンを作成して一気に配信を切り替えるのは確かにリスクが大きいことです。
その場合、Google広告の「カスタムテスト」を用いることで、元のキャンペーンに影響を与えることなく良し悪しを確認できます。
カスタムテストの設定方法
カスタムテスト機能について詳しく知りたい方は以下の記事をあわせてご参照ください。
<カスタムテストの設定手順>
キャンペーンor広告グループの階層を選択>テスト>カスタムテスト>+マーク
カスタムテストで設定が必要な項目は下記になります。
- テスト名の入力
- テストの目標
- 検証したい指標を最大2つ指定する
- 予算分割
- ウェブテスト期間
- 開始日、終了日の設定
- 同期設定
- オン、オフの選択 ※オンにすると元のキャンペーンに加えた変更が自動で同期されてテストのキャンペーンにも反映される。デフォルト機能の設定はオン。テスト作成段階でしか外せないため注意が必要。
- テストキャンペーンに加えた変更は、元のキャンペーンに反映されない仕様となっている
検証結果
今回弊社で運用しているアカウントにて、実際にカスタムテストを用いて検証を実施しました。学習期間を除いた、配信して約3週間経過時の実績を共有します。
【検証条件】
- 比較キャンペーン
- 既存指名キャンペーン:合計136KW(フレーズ一致:117KW 完全一致:19KW)
- テスト指名キャンペーン:合計7KW(全て部分一致)
- 予算分割:50%
- 検証期間:3週間程度 ※学習の進捗状況により変動予定
■3週間経過時の実績比較
結論、既存指名キャンペーンの方が成果は良かったです。
しかし、テスト指名キャンペーンに関して、CPCは同程度、ROASは約10%程度の低下幅でとどまり著しい成果の荒れはみられませんでした。
既存指名よりROASが低下した要因は、実績ROAS>目標設定ROASとなっていたため部分一致によるクエリの拡張があげられます。
配信日数がさらに増えれば学習も進みシグナルが活きてくると思いますが、初動はこまめにクエリチェックを行い成果の荒れに注視して配信しましょう。
💡 注意点
部分一致キーワードを追加する際は特に、初動はこまめにクエリチェックを行いましょう。
初動はとくに、どの程度までクエリが拡張するのかを把握するためにも確認が必要です。意図しないクエリの流入があれば除外キーワード設定を行いましょう。
参考:除外キーワードについて(公式ヘルプページ)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
指名キャンペーンへの「部分一致」導入に不安感が強い場合は、上記でお伝えしたカスタムテストで検証ができるのではないかと思います。
本記事が日常の運用調整のお役に立てますと幸いです。
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