意外に知らない「品質スコア」に関するよくある勘違いと、広告オークションとの関係

意外に知らない「品質スコア」に関するよくある勘違いと、広告オークションとの関係

「品質スコアが低いので改善したいが、どうすればよいか」と相談を受けることがよくありますが、品質スコアを正確に理解できていない、もしくは誤って理解しているケースがあると感じます。

そこで今回は、品質スコアに関するよくある勘違いと、品質スコア改善における注意点について解説します。

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品質スコアとは?

品質スコアとは、広告の品質をキーワードごとに1~10の数値でスコアリングしたものです。

下記3つの要素をもとに算出されます。いずれも過去90日間のデータに基づいて「平均よりも上」「平均」「平均よりも下」の3段階で評価されます。

推定クリック率

推定クリック率とは、広告が表示されたときにクリックされる可能性のことです。

あくまでもGoogleが判断した推定値であり、実際のクリック率とは異なります。

ユーザーのニーズとマッチした広告文を作成することで推定クリック率の上昇が期待できます。

広告の関連性

広告がユーザーの検索意図にどれだけ近いかを表します。

広告文とキーワードの関連性を高めることが重要で、特にキーワードと同じ文言を広告文に含めることが有効です。

ランディングページの利便性

ランディングページが広告をクリックしたユーザーにどれだけ関連性があるかを示す指標です。

広告文とランディングページの内容が大きく異なっていないか、ボタンやフォームなど適切な配置になっているか、ページ読み込みスピードが遅くなっていないかなどを確認するとよいでしょう。

💡 【Tips
品質スコアは前月など過去の履歴も確認することができます。
改善施策を行った結果品質スコアがどう変化したか振り返りに役立てられるのでぜひ活用してください。

具体的に管理画面でどう確認できるかはこちらの記事で紹介しています。
【Google広告】意外に知らない管理画面の見方・設定方法7選

品質スコアに関する2つの勘違い

そこで今回は、品質スコアに関するよくある勘違いと、品質スコア改善における注意点について解説します。

1.品質スコアは入札には使用されない

最も多い勘違いのひとつですが、品質スコアはオークションにおける評価材料として使用されていません。品質スコアはあくまで配信した結果が数値化されたものです。

Goolge広告のヘルプでも、注意事項として下記記載があります。

品質スコアは、広告オークションにおける評価材料にはなっていません。あくまで診断ツールとして、あるキーワードに対して表示される広告がユーザー エクスペリエンスに及ぼす影響を示したものです。

品質スコアはあくまで参考値であり、品質スコアそのものを上げること自体には意味はないと言えます。

2.キーワードと完全一致した場合のスコアである

品質スコアは当該のキーワードと完全に一致する検索に対するインプレッション実績で評価されます。

そのため、キーワードのマッチタイプを変更しても品質スコアが変わることはありません。

これは今までの運用経験からなのでエビデンスがあるわけではないのですが、BtoBにおいていわゆるビッグワード(汎用的で検索量の多いキーワード)の品質スコアは低くでる傾向にあると感じます。

例えば「工場」というキーワードで考えてみましょう。工場用品を販売している会社が「工場」というキーワードの部分一致で広告を出していた場合、実際は「工場 作業台」「工場 ボックス」といったその会社の商品と関連性の高い検索語句にも広告は表示されますが、品質スコアの評価は「工場」で検索されたときの評価が表示されます。

「工場」のようなビッグワードで、BtoBとBtoCの流入数を比べるとBtoC側での検索需要のほうが大きいため、BtoC検索で表示された場合の実績(推定クリック率、関連性)も含めた評価となると、BtoBでは品質スコアが低くなりやすいということです。

品質スコア改善への注力は不要

品質スコアを改善する目的を改めて考えてみると、多くの場合KPI(CPAやROAS)改善にあるケースが多いと思います。

しかし、品質スコアは実際の入札には使われないため、品質スコアを上げたとしてもCPAやROASが改善するとは限りません。

品質スコアはあくまで参考値であり、注力すべきは品質スコアを上げることではなくKPIの改善です。

KPIを改善するために「広告の品質」を改善するための施策を打ち、結果的に品質スコアが上がるのは良いことです。しかし、品質スコアを上げることは必ずしも「広告の品質」の改善やKPIの改善につながるわけではありません。

数値の定義を正しく理解し、品質スコアの数値にとらわれすぎず、KPIの改善に対して意味があることに時間を注げるようにしましょう。

品質スコアの診断結果をもとに対策を施す

  • 広告品質の「3 大要素(関連性、推定クリック率、ランディング ページの利便性)」に注目する

理由: これらの要素はリアルタイムで広告オークションに使用されます(品質スコアは使用されません)。各要素に問題がある場合は、対応策を講じる必要があります。

まとめ

今回は品質スコアについて解説しました。品質スコアは目で見える数字のため、つい意識してしまいがちかもしれませんが、本記事でお伝えしたように注力すべきはKPIです。 品質スコアに限りませんが、まずは言葉の意味や定義、仕組みを正しく理解することが大切です。

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト

清水 健太

大学卒業後、アクセンチュアに入社。ITコンサルタントとして大手ハイテク企業に対し主にCRM(Salesforce)導入の要件定義・PMO・カスタマーサクセスに携わる。CRM導入支援を通じてデータが十分にマーケティング活用されていないことを目の当たりにし、デジタルマーケティングの道に進むことを決意。オーリーズでは「手を動かせるコンサルタント」を目指し日々邁進中。

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