【事例シェア】縮小最適をアシストCV導入で突破した話

【事例シェア】縮小最適をアシストCV導入で突破した話

ラストクリックCPAを追いかけて運用していると、どんどん縮小最適に陥り、「目標達成のためには予算を使わなければいけないのに、日予算が縮小していく…」というのは、よく聞く悩みです。。

この問題に対して、「アシストCVを考慮して運用をした結果、CPAをある程度維持しながら全体件数を伸ばすことに成功した事例」を共有します。

ちなみに本記事で取り組んだ施策と、得られた結果の因果関係について科学的に検証できているわけではないので議論の余地ありですが、アイディアの一つとして参考になれば幸いです!

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本事例の前提

本事例は、以下のような運用環境でした。

  • 業種:EC
  • CVゴール:商品購入
  • 広告運用KPI:CPA、ROAS(いずれもラストクリックCVで算出)
  • 実施媒体:Facebook広告、Instagram広告、検索広告(Google, Yahoo!)、GDN、YDN、LINE広告

背景

本事例では、年間を通して数回実施される「セール期間」での獲得が、目標達成のためにとても重要なのですが、全体の傾向として、広告経由の獲得が目標から大きく乖離している状態でした。その結果、全体のコンバージョン数と予算の進捗が芳しくない状況でした。一方で、マーケットプレイスでの売れ行きや、広告以外のチャネルからの獲得は好調で、施策全体の目標CPA(有料施策以外も含む全施策でのCV÷全プロモーション費用)は達成できている状態でした。

状況を整理すると、

  • 広告経由のコンバージョン(ラストクリック評価)の調子は良くないが、その他の施策が好調である
  • 広告配信後に検索ボリュームが増加している(ように見える)

といった傾向が確認できたため、広告のラストクリックCPAが高止まりしているとはいえ、広告は全体の需要喚起に貢献している可能性が高いと考えました。

特に、本事例では「セール期間中(=短期間)に、FacebookやInstagramといった特定のチャネルにまとまった広告費を投下する」という特徴があるため、広告配信直後に瞬間的に需要が高まることにも納得感があります。

取り組んだこと

このような背景から、評価基準を「ラストクリックCPA」から「ラストクリックCV+アシストCV、で算出したCPA」に切り替えることで、需要を喚起し、施策全体のコンバージョン増加につなげる運用ができるかどうかを検証してみました。

具体的には、ラストクリックCVとアシストCVの価値をそれぞれ以下のように設定し、この合算値によるCPAをもとに運用調整をしました。なお、重みづけの根拠は過去のラストクリックCVとアシストCVのアトリビューションデータの結果から算出しました(※)。

  • ラストクリックCV:1.0
  • アシストCV:0.5

要するに「これまでのCV数に対し、広告経由アシストCV分(0.5)も加えることで、広告の価値をより高く評価してあげる」ことをしました。

※あるセール期間中に発生したアシストCVが「ラストクリックCVの1.5~2倍発生してていた」ため、「アシストCV×2=ラストクリックCV×1」と置いてみました。

アシストCVの確認方法

アトリビューション機能は、Google広告でも、Google Analyticsでも確認できますが、今回は後者のGAデータを利用しました。

  1. Google Analyticsのホーム画面左側の「コンバージョン」をクリック
  2. 「マルチチャネル」→「アシストコンバージョン」の順にクリック

レポート項目は設定によって異なりますが、今回は以下のように設定し、赤丸の「アシストされたコンバージョン」を確認しました。

  • コンバージョン:確認したいCVタイプを選択
  • プライマリディメンション:参照元 / メディア
  • セカンダリディメンション:キャンペーン

結果

広告経由の成果

アシストCV活用前後で比較すると、日当たりのコンバージョン数が大きく増加しました。同時にCPAも上昇しましたが、想像以上に低く抑えることができました。

成果感は以下のとおり(※)。

  • 日予算:+300%
  • 日あたりのCV:+200%
  • CPA:+50%

上記の「日あたりのCV」と「CPA」は「ラストクリック」のみで評価したものです(上記の「アシストCV 0.5」を含みません)。

※あるセール期間の実績。期間は16日間。前後半に分け、後半にアシストCVを活用。

施策全体のCPA

上記のセール通期では、施策全体の実績CPAは、目標よりも19%も下回りました。また、施策全体でのラストクリックCVは、アシストCV活用前後で比較すると40%増加し、施策全体のCPAが低下しました。

もちろん広告以外の施策の影響もあると思いますが、アシストCV活用後に目立った変化が見られたことから、この方法によって、今回の目的である「需要喚起」「施策全体でのCV増加」に貢献できたと評価しています。

結果的に、施策全体のCPAに余裕が生まれたことで、セールの終盤では、本事例のクライアントから「最終日に向けて認知拡大もしていきたいので、日予算は拡張しましょう!」と増額のGOサインをいただくことがでました。一時、計画よりも4分の1まで減少していた日予算は、最終日には2倍まで拡大することができました。

終わりに

本件を通じて、さまざまな施策を同時並行で展開している際は、広告に閉じた成果分析をするのではなく、施策全体の傾向を踏まえた運用設計が大切なのだと、改めて学びました。

本事例は縮小最適から抜け出すことのできた好例となりましたが、その成功要因として、クライアントの覚悟に後押しされたことが大きいと感じています。状況によっては、アシストCVの導入が本当に全体CVの増加につながっているのか?という点について、もっと踏み込んだ分析を必要とするかもしれません。まだ単純な前後比較しかできていませんので、因果関係のほどは議論の余地があると認識しています。引き続き、検証と分析を続けていきたいと思います!

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト

吉田 奈津希

大学卒業後、PR会社に入社。IT業界、観光業界を中心とした外資系企業を担当。メディアプロモート、SNS Live配信、SNSアカウント運用などでクライアントをサポート。 デジタル化が加速する世界で、より高度なマーケティング支援をするためには、データを分析・活用したデジタルマーケティングの知見が必須になると考え、オーリーズへの入社を決意。 1社1社と向き合い、クライアントのビジネス成長に貢献すべく日々邁進中。

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