- 社内活動・カルチャー
- 足立 誠愛
Business Agility Tokyo(BAT)で、ビジネス・アジリティについて一緒に学びませんか?
まずはお知らせ
こんにちは。オーリーズ副代表の足立です。
この5月に、Business Agility Tokyo(BAT)というコミュニティをつくりました。アジャイルの概念や方法論の学びを通じて、不確実性に向き合う組織づくりやマーケティング活動を広めていきたいなと思い、立ち上げました。特に、非技術系の組織にアジャイルのコンセプトを広めていきたいな、と思っています。(背景については記事の後半に)
BATは、オーストラリア・シドニーに本社を置く Business Agility Institute 公認の日本ローカルコミュニティです。
Business Agility Institute は、「アジャイルなマインドセットや組織構造のつくり方、行動指針などをグローバルなビジネス・コミュニティに広めること」を目的として、2016年に設立されたコミュニティ駆動型の組織です。世界21ヵ国で、BATのようなローカルコミュニティが活動しています。
BATの目的は「不確実性に向き合うアジャイルな組織づくりやマーケティング活動を広めていくこと」です。
活動内容は主に2つ。
- 言語の壁によって得ることの難しい国外事例の共有
- アジャイルな組織づくりやマーケティング活動を実践する企業からの知見共有
さっそくですが、5/28に第一回の勉強会を開催します。Zoomで開催しますので、興味のある方はお気軽にご参加ください。 今回は、スピーカーが45分ほどお話をして、15分ほど質疑応答するようなカジュアルな内容です。
BAT 第1回オンライン勉強会
■日時
2020年5月28日(木)19:00~20:00
■コンテンツ
第一部:ビジネスアジリティとアジャイルとは? / Business Agility Tokyo代表 瀬川直矢
第二部:機能横断型チームで実現する自律した組織づくり / 株式会社オーリーズ副社長 足立誠愛
■申し込み方法
こちらのリンク(meetup)からお申し込みください
今回、代表の瀬川直矢さんと一緒にBATをつくりました。
瀬川さんはコペンハーゲン在住で、これまでマリンソフトウェアやサイトインプルーブといった多国籍SaaS企業に勤めてきました。 デンマークの大学在籍中には、ビジネス、イノベーション、社会科学といった異なる学問分野のアプローチを組み合わせた研究をされるなど、「デジタルドメインのマーケティング」と「ビジネス・アジリティ」について豊富な知識をお持ちの方です。(瀬川さんについてはこちら)
ボッドキャスト
あと、ポッドキャストも始めました。 『Agile Marketing Manifesto』作成に携わった、 アジャイルマーケティング スプリントゼロのオーガナイザーであるJohn(Twitter:@johncass)と、瀬川さんで収録しています。
興味のある方はこちらをどうぞ。(海外向けに用意されているので、日本語・英語のコンテンツが混ざってます。ご了承ください)
BATをつくった背景
私がアジャイルというテーマに興味を持ち始めたのは、2018年に『ハッキングマーケティング』という本に出会ってからでした。
この本はマーケティング領域に対してもアジャイルの概念を持ち込もうというもので、具体的には、アジャイルソフトウェア開発の方法論である「スクラム」を適用するという主旨のもの。
当時は、アジャイルと聞けば「ソフトウェア開発の方法論でしょ」くらいの理解だったのですが、この本から、アジャイルの概念がソフトウェア開発だけでなく、マーケティングや組織開発など、多様な領域に対しても有用な奥深いものであることを知り、興味を持ちました。
その後、アジャイルの概念や方法論について学ぶならこれ、と言われる書籍もいろいろ読みました。例えば『エッセンシャル スクラム』『アジャイルサムライ』『カイゼンジャーニー』『スクラム』『エンジニアリング組織論への招待』などなど。
そして、「エンジニアリング組織論への招待」でこの言葉に出会いました。
アジャイルとは「不確実性に対応する理想的な状態」である
私は元来「理性主義」的な人間で、予測を裏切る事態や、計画どおり進まないことに対してストレスを感じてしまう性分で、会社経営においてもこの性質に悩まされることが多いです。
変化が速くて複雑な世界は、予測を裏切り、計画を狂わせ、ものごとを実現することを難しくします。この不確実性に向き合うための原則、羅針盤みたいなものを持っておきたいな、と考えていました。
そんなとき、先の言葉(定義)に出会って、アジャイルという概念が、その助けになってくれそうな気がしました。(アジャイルの概念については、こちらのブログを読んでいただければ、ざっくりと理解いただけるかなと思います)
学びを深めていくにつれ、アジャイルのコンセプトは、非エンジニア組織の組織づくりや、マーケティングにも活かすことのできるものだと知り、私たちの組織やサービスもアジャイルなコンセプトでつくっていこう、と考えるようになりました。
たとえば、自社の経営では、こんな取り組みをしています。
・フィーチャーチーム(機能横断型)の組織づくり(ブログ)
・スクラムフレームワークを用いたチームビルディング(ブログ)
・チームの北極星となる「サービスクオリティ(NPS)」の仕組み(ブログ)
・ 個人の幸福度を高めるための「ウェルネス・クオリティ」の仕組み
また、いろいろと情報を集めていると、国外と日本の差を感じるようにもなり、日本はアジャイルな組織づくりの後進国なのかも?という認識も持ちはじめました。
もちろん、アジャイルなソフトウェア開発、サービス開発、組織開発が、あらゆるケースにおいて有用なわけではないし、日本特有の組織観から生まれるサービスだったり品質だったりというのは間違いなくあるので、その善悪を語るつもりはないのですが、ただちょっと、会社組織において「個人が置き去りになってるな」と感じることがあります。小さな企業の経営者の立場から大きな企業の実態をみると、より一層それを感じます。
参考までに、「アジャイル」や「ビジネス・アジリティ」というテーマが、国外ではどのような感じで注目されているのかついて触れると…
たとえば、2019年にマッキンゼーのメディア(McKinsey.com)で最もよく読まれた記事に、アジャイルな組織づくりに関するものが6番目につけていたり、
米国では『Agency Agile』という、広告代理店や広告主のマーケティング組織をアジャイルな組織にしていくことをサービスとして提供するコンサルティング会社があったり、
『AgilityHealth』という、ビジネス・アジリティの実践度を計測するSaaSがあったり、
ソフトウェア開発だけじゃなく、マーケティングや組織開発の領域でもビジネス・アジリティに関する『ICAgile』という資格認定機関があったり、
Business Agility Institute が2016年に設立されたことからも、アジャイルというテーマへの関心の高まりを感じることができます。
ポイントは、ここに挙げたものはすべて「ソフトウェア開発」や「技術系の組織づくり」という領域に閉じていないということです。
日本では「アジャイル」と聞けば、多くの人がソフトウェア開発の一つの方法論を想起すると思うのですが(それも正しくはないのですが)、国外を見れば、アジャイルとは「不確実性に向き合うための理想状態」であり、組織づくりにおける「マインドセット、原則、価値、実践方法」の知識体系であると理解されていることが分かります。
やりたいこと
こんな背景から、「アジャイル」「ビジネス・アジリティ」というテーマについて、国外の情報をもっと身近にしたい、コミュニティを通じて自分自身が学びたい、学びを共有したい(共有することで学びたい)、という想いでBATをつくりました。
私がこの学びを通じて実現したいことの一つに、「マーケティングの外部支援会社と事業主の境界線を溶かす」ということがあります。
こちらの記事や、BAIのラーニングページでも触れられていますが、変化の激しいマーケティング環境では、事業会社とパートナーは「ひとつの生態系のようになる」ことが期待されます。その関係づくりの巧拙が、私たちのような外部支援会社のパフォーマンスを左右すると思っています。
そのために、私たちオーリーズでも、広告プラットフォームのアカウントは広告主に保有してもらうことを推奨したり、契約後は相互理解のためのパートナーオンボーディングを実施したり、サイロ化してチームの動きが緩慢にならないようにフィーチャーチームで組織づくりをしたり、広告主にデジタルマーケティングのリテラシーが十分に備わっていない場合は学習コンテンツを提供したりと、いろんな取り組みをしています。
このような取り組みを、再現可能な形で理論やメソッドとして体系化できたらいいな、と考えています。
興味のある方は、ぜひ勉強会にご参加くださいー! (改めてお申し込みはこちら)