過熱する短尺動画市場 ~主要プラットフォームの最新動向~

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過熱する短尺動画市場

調査企業のApptopiaが発表したアプリランキングによると、2020年に世界で最もダウンロードされたアプリはTikTokで、そのダウンロード数は8億5000万件に及びます。

2020年8月には、Instagramは「Reels」をグローバル展開しており、2021年3月、Snapchatは「Spotlight」をグローバル展開、YouTubeも「YouTube Shorts」を米国に展開するなど、各プラットフォームが立て続けに短尺動画機能をリリースしており、短尺動画市場は盛り上がりを見せています。

また、Facebook公式ブログでは、Instagramフィードに投稿される動画のうち、45%が15秒以下であり、短尺の動画コンテンツを好むユーザーが急速に増えていることを伝えています。

さらに各プラットフォーマーはコマース機能の拡充や収益化に対しても積極的な姿勢を見せており、短尺動画はソーシャルコマースにおいて重要な役割を果たすことが期待されています。

飛躍的な成長とコマース機能の拡充に取り組むTikTok

TikTokはユーザー数の飛躍的な成長に加え、滞在時間も顕著に伸長しています。 App Annie Intelligenceの調査によると、2020年の米国において、TikTokに費やされた時間は前年比で325%と驚異的に伸びており、ユーザー1人当たりの月間利用時間ではFacebookを初めて上回る結果となりました。

2020年10月、TikTokはShopifyとグローバルで提携し、2021年2月には日本でも提携が発表されました。

これにより、TikTokの広告マネージャの機能がShopifyのダッシュボードに組み込まれるようになり、Shopifyを利用する事業者は簡単にTikTokへの広告配信が可能となります。

TikTok For BusinessのHead of Global Business Solutions, Japanの西田真樹氏は、リリースに際し、TikTok For Businessは2021年よりEC連携を本格的に強化していくとして、今回の提携はその一環であるとコメントしています。

参考リンク:

2020年12月、米国でTikTokとWalmartがライブストリーミングによるショッピングサービスにおいて提携したことを発表しました。

TikTok限定のライブストリーミングイベントは、既に2020年12月と2021年3月の2回にわたって開催されており、視聴者は気に入った商品があればピンをタップすることで、イベントの途中もしくは終了後にアプリを離れることなく商品を購入することが可能となっています。

第1回目のイベントの振り返りとして、Walmartは「予想の7倍の再生回数、TikTokフォロワーが25%増加」と確かな手応えがあったことを公式ブログで発表しています。

参考リンク:

さらに、TikTokは販売事業者に向け、自社ストア展開の方法などを記載した「TikTok Shop_Seller University」というページを公開しており、今後TikTokショップやTikTokアフィリエイトプログラムといったコマース機能の拡充に注力していこうという姿勢が伺えます。

短尺動画の収益化にも積極的な姿勢を見せるFacebook

2020年8月、Instagramは短尺動画機能のReelsをグローバルに展開した後、同年12月には、ショッピングタグを利用してReelsにも商品のタグ付けをすることが可能となりました。

2021年3月、Facebookは動画コンテンツのクリエイターに向けた収益化オプションに関するアップデートのひとつとして、短尺動画にもインストリーム広告を挿入できるようにすることを発表しました。
これまでは最短でも3分以上の動画にしか広告を挿入することができませんでしたが、一定の条件を満たせば1分程度の動画にも広告挿入が可能となるようです。

他にも、クリエイターの収益化を支援するための機能テストを随時実施していく方針を示しており、Facebookのアプリマネタイズ担当ディレクターであるYoav Arnstein氏によると、Facebookは特に短尺動画の収益化に注力していると公式ブログで発表しています。

参考リンク:

以前からFacebookならびにInstagramは、米国でShopifyなど複数のeコマースプロバイダーと連携し、「Facebook/Instagramショップ」の展開など、コマース機能の強化を積極的に進めていました。また、チェックアウト機能やFacebookペイなど、決済領域にもカバー範囲を拡張していることから、独自の経済圏の構築を志向していることが垣間見えます。

参考リンク:

長尺動画で覇権を握るYouTubeは短尺動画でも存在感を示せるか

2020年9月、YouTubeは15~60秒の短尺動画作成機能であるYouTube Shorts(以下Shorts) のベータ版をインドでリリースし、2021年3月には米国に展開しました。

昨今YouTubeのコネクテッドTVでの視聴時間が急増している影響もあり、長尺動画市場では日に日に存在感を増しているYouTubeですが、今回TikTokやReelsに追随するかたちで短尺動画市場に参入した格好となっています。

他プラットフォームと比較したShortsの特徴は、音楽に重点を置いていることで、YouTubeはUniversal Music Group、Sony Music Entertainment、Warner Music Groupなどを含む250のレーベルやパブリッシャーと提携しており、数百万曲のリストの中から楽曲の一部を使用することができるようです。

参考リンク:

現状、Shortsには広告は含まれておらず、クリエイターのための収益化機能も提供されていませんが、YouTubeはコマース機能の拡充に向けて動いており、新たなショッピング体験を2021年後半に向けて拡大していくことを、YouTubeのチーフプロダクトオフィサーのNeal Mohan氏が公式ブログで発表しています。

あわせて、Googleは米国においてショッピング機能をYouTubeに試験導入することを、2021年2月の公式ブログで発表し、続けて動画内で検出された商品を自動的にリスト化する機能を試験的に開始することを2021年3月に発表しました。
これにより、ユーザーがショッピングバッグのアイコン部分をクリックすることで、視聴中の動画に関連した商品リストが表示され、商品詳細ページを見たり、購入を行うことが可能になるようです。

参考リンク:

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以上、短尺動画市場の盛り上がりに伴う主要プラットフォームの最新動向でした。
2019年に行われたCisco社の調査では、動画は2022年までに世界のインターネットトラフィックの82%以上を獲得すると報告されており、これは2017年からの5年間で約15倍にあたるそうです。
毎日のようにアップデートが行われ変化の激しい動画市場ですが、引き続き注目していきたいと思います。

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

マネージャー

川島 崇志

新卒にて株式会社PLAN-Bに入社、営業職としてキャリアをスタートし、様々な業種の広告主に対して、SEM、ウェブサイト制作やコンテンツマーケティングなど、Webプロモーションを経験。広告運用が日進月歩で高度化する中で、設計・運用・デリバリー業務と一貫して支援できるスキルの必要性を感じたことから、オーリーズに入社。 手段に囚われず課題を解決する運用者であることを自身のミッションとし、日々支援に臨む。

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