ラストクリックでは過小評価される動画広告を全体CPAで評価し、YouTube広告を予算の25%まで拡大

前提情報

項目内容
業種店舗型ビジネス
獲得の流れWebで来店予約を集める。動画広告は新規リーチに絞り、リターゲティングはしない
見ていた指標Web施策全体の件数と広告効率
オーリーズの担当運用型広告の全般

問題

動画広告の予算は月に数百万円、多い月で4桁万円で、ほぼすべてがYouTube広告だった。動画広告をCVで評価すると、検索やリターゲティング広告と比べて見劣りしていた。

YouTube広告のCVやビュースルーCVは、実際に起きたCVをすべて捕まえられるわけではなく、ビュースルーCVは30日間しか追えない。一方で、認知度や好意度などの態度変容指標には、目標値を決められるだけの社内の実績がなかった。

打ち手

媒体や計測ツールで確認できる成果は、購買への影響を過小評価していると考え、Web施策全体の目標の中で動画広告を評価することにした。自然検索やアフィリエイトを含む成果全体の目標と予算を共有してもらい、全体の件数と広告効率の目標を達成している限りは、動画広告の見かけの成果が悪くても止めない方針にした。

ただし、CVがまったく出ない状態では続けられないため、動画広告単体にも目標CPAを置いた。クリックスルー・視聴・ビュースルーのCVをすべて含めたCPAを、検索広告の一般ワードCPAの3倍とした。動画広告の予算は全体の40%まで高めた月もあったが、全体の投資対効果が合わなくなったため、翌月以降に調整した。

  • 全体の目標の中で評価:Web施策全体の目標を達成している限り、動画広告の見かけの成果が悪くても止めない
  • 目標CPA:ビュースルーCVを含めたCPAを、検索広告の一般ワードCPAの3倍に置いた
  • 見る指標:ブランドワードの検索数よりも、検索とリターゲティング広告のCVRの傾向を見た
  • アカウント:動画広告専用のアカウントをつくり、検索広告にラストクリックのCVを取られないようにした
  • CVの評価期間:ビュースルーのCV期間を最大の30日にして、配信後に遅れて出るCVまで数えた
  • ブランドリフト調査:ビジネスへの貢献の評価には使わず、クリエイティブの良し悪しの評価だけに使った
  • フリークエンシー:週2〜3回程度の接触を目安にした

結果

指標結果
全体予算に占める動画広告の割合0% → 25%
検索とリターゲティング広告のCPA約80%に低下
全体のCPA約90%に低下
Web施策全体の問い合わせ約110%に増加

動画広告の開始前後6ヵ月間を比べると、全体予算に占める動画広告の割合は0%から25%に広がり、検索とリターゲティング広告のCPAは約80%、全体のCPAは約90%に下がった。Web施策全体の問い合わせは約110%に増えた。動画広告のCPAは、調子の良い月には一般ワードCPAの1.5倍程度になった。

動画広告を始めてから、検索広告の一般ワードのCVRは徐々に上がった。ブランドワードの表示回数には、増えたかどうか分からない程度の変化しかなかった。検索広告と同じアカウントで1ヵ月だけ動画広告を配信すると、動画広告の管理画面上のCVは、アカウントを分けたときの44%まで減った。

考察

成果につながった要因

他の施策や競合の動向、季節性を踏まえても、動画広告の貢献が大きいと考えている。ブランドはある程度認知されていたため、全体の20〜30%程度の動画広告予算ではブランドワードの検索数は伸びなかった。動画広告で候補に入れてもらい、ブランドの違いを分かってもらえたことが、検索とリターゲティング広告のCVRの上昇として現れたと評価している。因果関係の検証はできていない。

この打ち手が合う状況

Webで成果を計測できる事業で、動画広告をCVで評価すると見劣りし、態度変容指標の目標値も決められない場合に合う。動画広告を含むWeb施策全体の目標と予算を共有でき、全体の効率で投資を判断できることが前提になる。一つの事例からの話のため、再現性は高くないかもしれない。

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