指名検索広告の増分を検証し、全体広告費の約20%を新規獲得に回せる状態を実現

前提情報

項目内容
業種BtoCサービス
獲得の流れ広告で申し込みを獲得する(媒体CV:申し込み)
見ていた指標管理画面上の指名キーワードのCPA

問題

管理画面上の指名キーワードのCPAは2,000円台で、ほかのキャンペーンと比べてかなり低かった。一方で、指名キャンペーンの配信コストは全体広告費の約20%を占めていた。

広告予算の総額は決まっていたため、この比率のまま出し続けると、新規獲得に回せる予算がその分減る状態だった。指名キーワードで検索するユーザーはサービス名を知ったうえで検索しており、自然検索でも自社サイトは最上部に表示されていた。指名検索広告のCVには、広告がなくてもオーガニックで発生していたCVが含まれていると考えた。

打ち手

指名キャンペーンを約1ヶ月間止め、停止前後の指名CVの差から、広告がなければ失われていたCV(増分CV)を出した。指名キャンペーンのコストをこの増分CVで割り、増分CPAとした。

増分が小さければ、指名キャンペーンの予算を新規獲得に振り替えたほうが、全体の成果は上がると考えた。

  • 停止:指名キャンペーンを約1ヶ月間止めた
  • 除外:P-MAXなどほかのキャンペーンでも、指名キーワードに配信が出ないよう除外設定をした
  • 計測:CV数は広告管理画面ではなく、第三者計測ツールの数字を使った
  • 算出:広告を出していた時期の指名CV(指名オーガニックと指名キャンペーン経由の合計)と、停止後の指名CV(指名オーガニックのみ)の差を増分CVとし、指名キャンペーンの月間平均コストを割った

結果

指標結果
指名CV(月)約730件 → 約690件
増分CV(月)約40件
指名検索広告のCPA管理画面 2,000円台 → 増分 26,000円(13倍)

停止前の指名CVは月約730件、停止後のオーガニックのみのCVは月約690件で、増分CVは約40件だった。指名キャンペーンの月間平均コスト約104万円を約40件で割ると、増分CPAは26,000円で、管理画面のCPAの13倍になった。新規向け施策のCPAは26,000円と比べても遜色のない水準だったため、指名キャンペーンの予算を新規獲得施策に振り替え、停止を続けた。

停止から半年が経った時点で、指名キーワードのオーガニック経由CVにゆるやかな低下傾向が見られた。広告を出していないあいだに検索結果の上部を競合の広告が占めるようになり、オーガニックのクリック率が下がった可能性がある。その後、全体の広告予算が大幅に増え、指名キャンペーンの構成比は約20%から約5%に下がった。競合の入札強化も続いていたため、構成比5%程度なら競合対策として許容できると判断し、指名キャンペーンを再開している。

考察

成果につながった要因

指名キーワードで検索するユーザーは、自然検索で最上部に表示される自社サイトからもCVしていたため、広告を止めても指名CVの大半はオーガニックでカバーできた。費用を増分CVで割ったことで、管理画面のCPAでは見えなかった獲得効率が分かり、新規獲得施策と同じ基準で予算の配分を比べられた。ただし前後比較による簡易的な検証で、季節性や外部要因の影響を完全には除けていない。

この打ち手が合う状況

指名キャンペーンのCPAは低いが、広告費に占める割合が大きく、新規獲得に予算を回しづらい場合に合う。自社サイトが指名キーワードの自然検索で最上部に表示されていることが前提になる。指名キーワードに競合が入札している場合は、止めているあいだに競合の広告が検索結果の上部を占め、オーガニックのクリック率が下がることがあるため、オーガニック経由のCVを定期的に確認する必要がある。

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