指名キャンペーンを分割し、ROASを599%→1,234%に改善
前提情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | EC |
| 獲得の流れ | 指名キーワードの検索広告から、商品の購入につなげる |
| 見ていた指標 | CPC・ROAS |
| キャンペーン構成 | 純指名と掛け合わせ指名を1つのキャンペーンにまとめ、目標ROASで入札 |
問題
指名キーワードの検索ボリュームに大きな変化はなかったが、指名検索の平均CPCは上がり続け、前の半期の27円から37円(137%)になっていた。ROASも下がる傾向にあった。
指名キャンペーンの中を分けて見ると、ブランド名だけの検索(純指名)と、ブランド名に商品カテゴリ名などを組み合わせた検索(掛け合わせ指名)とで、効率が違っていた。純指名はCVRが安定して高かった。掛け合わせ指名は購入までにもう一段階の検討が入るため、検索語句ごとのCVRの幅が広かった。
当時は2つを1つのキャンペーンにまとめ、目標ROASで入札していた。目標ROASではキャンペーン全体で目標を達成しようとするため、売上につながりやすい純指名で高いCPCが許容されやすい。本来はもっと低いCPCで取れたはずの純指名で、入札が強まっていたという仮説を立てた。
打ち手
純指名と掛け合わせ指名を別のキャンペーンに分け、それぞれに合う入札方法に切り替えた。
掛け合わせ指名のキャンペーンでは、「ブランド名+商品カテゴリ名」のような検索語句に、そのカテゴリを訴求する広告文とLPを出し、検索意図と遷移先を合わせた。
- 純指名:個別クリック単価で入札し、CPCの上振れを抑えた
- 掛け合わせ指名:目標ROASで入札し、獲得効率を取りにいった
- 広告文とLP:掛け合わせ指名のキャンペーンに広告カスタマイザを追加し、キーワードごとにLPを出し分けた
結果
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| CPC | ¥30 → ¥20(68%) |
| ROAS | 599% → 1,234%(206%) |
| インプレッションシェア | 81% → 85% |
11月と12月の比較で、コストは103%、指名全体のインプレッションシェアは81%から85%だった。純指名はCPCが61%、ROASが235%になり、掛け合わせ指名はCPCが74%、ROASが207%になった。どちらのキャンペーンでも、CPCが下がってROASが上がった。
比較した期間の季節要因は除いていない。繁忙期後の1〜3月も、11月と比べてCPCは¥17(59%)、ROASは958%(160%)で、改善した水準が続いている。1〜3月のインプレッションシェアは74%で、11月の81%を下回った。
考察
成果につながった要因
キャンペーンの分割と同時に、広告カスタマイザの追加とLPの出し分けも行ったため、改善の要因をキャンペーンの分割だけに絞ることはできない。純指名と掛け合わせ指名のどちらでもCPCが下がってROASが上がり、インプレッションシェアもほとんど落ちていないことから、CVRの違いと検索意図に合わせて運用を分けたことが改善に寄与した可能性が高い。
この打ち手が合う状況
指名キャンペーンの中に、CVRが高く安定した純指名と、CVRにばらつきのある掛け合わせ指名が混ざり、同じ目標ROASなど1つの入札方法で運用している場合に合う。掛け合わせ指名の検索語句が商品カテゴリなどで分かれる場合は、広告文とLPの出し分けも合わせて検討できる。
関連記事 【広告運用研究会】指名CPC上昇にどう向き合うか?3社の判断と結果