- ナレッジ・ノウハウ
- 太田 恵
【店舗型ビジネス向け】Meta広告のキャンペーン構成の変更により成果向上した事例
Meta広告のキャンペーン構成については、エリアで分ける、ターゲティングで分ける等色々と方法が考えられます。
今回は、店舗型ビジネスを展開するクライアントのMeta広告アカウントにて、キャンペーン構成の最適化を図るために行なった検証過程を共有いたします。
Meta広告のキャンペーン構成について、どういう構成にすべきか判断を迷っている方には、考え方の切り口として参考になる情報だと思いますので、ぜひご覧ください。
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目次
検証の前提情報
今回検証を行ったクライアントでは全国47都道府県に店舗を構えていますが、広告経由で来店する店舗は約半数ほどであったため、広告においてはエリア別の細かいターゲティングが必須でした。
また、店舗ごとに成約単価の多寡があるため、広告運用においては店舗ごとにAランク・Bランク・Cランクという属性を付与して運用調整を行っておりました。
先方内でA、Bランクが多い主要都市については強化エリア、それ以外の地域については通常エリアという概念があったため、当初はその枠組みでキャンペーン構成をスタートしています。
Meta広告キャンペーン構成の変遷
以下、本クライアントの広告アカウントにて、キャンペーン構成の最適化に向けて行った変更内容を時系列で記載します。
1.エリアでキャンペーンを分ける
前章で述べた通り、初めは①主要都市エリア②それ以外のエリアでキャンペーンを分割しました。
キャンペーン配下の広告セットは各1つで、興味・関心、類似、リターゲティングをまとめて運用していました。(広告セットをまとめた理由は、Meta広告の機械学習要件の目安を満たすため)
参考:Meta広告「コンバージョン最適化のトラブルシューティング」
2.成約単価が高いエリアを切り出す
上述の主要都市エリアとそれ以外のエリアの2つのキャンペーン構成に変更した結果、主要都市エリアの中でも地域によって成約単価の多寡があることが分かり、特に成約単価の高い地域(Aランク店舗が多い地域)に関しては、広告配信を強めていく方針になりました。
そのため、「特に配信を強めたい地域」については予算を別立てしてキャンペーンを切り出しました。配下の広告セットについては構成は変更を加えておりません。
3.強化エリア・通常エリアの見直し
上述のCP②、③の分類で使用していた「強化エリア」「通常エリア」の見直しを行います。
もともと、これはランク別でクライアントが定義していたものですが、前章でのキャンペーン構成の時点で「特に配信を強めたい地域」について切り出しを行ったため、ならば②と③を合体させてはどうかという案が上がりましたが、その際に並行して検討したのが「配信が少ない地域への配信の担保」です。
キャンペーンを統合してしまうと、機械学習による獲得効率重視の広告配信によって配信ボリュームが少ないエリアが発生する可能性が考えられたため、エリアごとで必要な集客数を担保するうえでは配信ボリュームのバランスを取っていく必要がありました。
そのため、CP②と③を統合した後、別予算で配信を確保するため「配信が少ない地域」を切り出しました。
4.CPA引き下げ優先のため「配信が少ない地域」キャンペーンを統合
先述した「配信が少ない地域」キャンペーンのCPAが目標を上回り、Meta広告全体のCPAを逼迫したため改善が必要になりました。
クライアントと議論の上、ここではCPAの引き下げを優先し、「配信が少ない地域」への配信ボリューム確保の優先度を下げてよいと判断したため、当初の予定通り、成約単価が高いエリア「以外」を1つにまとめました。
このとき、「配信が特に少ない地域」の配信停止も検討したのですが、もともと配信が少ない地域だったことからキャンペーン統合後は獲得効率が高い地域に配信が寄っていくことが予想されるため、合体後の影響は小さいと判断して配信継続としました。
念のため、合体後もCPAの改善が見られない場合は「配信が特に少ない地域」の停止も検討していましたが、現状配信は継続しています。
5.広告セットの分割
バナーとターゲティングの相性を探るため、「リターゲティング」「興味・関心+類似」に広告セットを分割しました。
変更のタイミングはずらしていて、配信ボリュームが小さい「成約単価が高い地域」キャンペーンで先に分割を行い、分割後にCPA改善が見られたことを確認した上で「CP①以外の地域」キャンペーンで分割を行っています。
この分割にした理由としては、バナーによるコミュニケーションの違いが生まれることを想定して
・初めてバナーを見るユーザー→興味・関心+類似
・サイト訪問済のユーザー→リターゲティング
と相性が良いと考えたためです。
6.さらに広告セットの検証を進める
ターゲティングとして現在の状態が適切かどうかの検証を進めます。
まず、一番成約から遠い層である「興味・関心」をターゲティングに含めるべきかどうかの検証を行います。
今回は、「類似のみ」vs「興味・関心、類似」の広告セットでABテストを行い検証しました。
なお、配信ボリュームを確保したいため、配信ボリュームが大きい「それ以外の地域」キャンペーンでABテストを行います。
「成約単価が高い地域」キャンペーンの広告セットについては、「それ以外の地域」キャンペーンのABテストで得られた結果を元に変更を行います。
7.類似リストの大きさを検証する
6での検証では「興味・関心、類似」広告セットが勝ったため、
興味・関心層を含めた方がCPAが低く獲得でき、また配信ボリュームが大きくなったことでもCPA引き下げに寄与していると考えられます。
そのため、次の検証としては「類似リストをさらに大きくすればCPAが下がるのか?」(類似リストの大きさは適切か?)ということになります。
というわけで、ふたたび「それ以外の地域」キャンペーンでABテストを行います。
今回は「興味・関心、類似(5%)」vs「興味・関心、類似(10%)」で検証を行います。
「成約単価が高い地域」キャンペーンについては、前回検証で「興味・関心、類似」が勝ったため変更なしです。
検証結果
7での検証ですが、「興味・関心、類似(10%)」が現状勝ちとなりました。
媒体で勝ちとなった一方で、本案件では成約後の利益率が重視されます。
一般的に類似オーディエンスは拡張を広げるほどユーザーの質(顕在性)が低下する傾向があるため、「興味・関心、類似(10%)」で獲得したユーザーの成約単価が低い場合は見直しが必要となります。
広告でのコンバージョンから成約までリードタイムがあるため、媒体で最適化を進める一方でオフラインデータを参照しながら改善を進めていく運びとなっています。
まとめ
以上、Meta広告のキャンペーン構成と検証事例でした。
今後は、興味・関心層の検証とダイナミッククリエイティブ追加の検証も検討しております。
一例とはなりますが、ご参考になれば幸いです。
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