LINE広告で新規ユーザーを獲得するためのアカウント設定見直しポイント5選

LINE広告で新規ユーザーを獲得するためのアカウント設定見直しポイント5選

LINE広告は、国内9,600万人以上の月間利用ユーザーを基盤としているため、老若男女幅広いユーザーへのリーチが可能な認知拡大施策向け媒体のイメージが強いかと思いますが、LINE広告で新規ユーザーの獲得を想定した場合の推奨設定は、認知拡大施策の場合と異なります

今回はLINE広告でもしっかり獲得成果をあげたいというクライアント支援を通じて得た、新規ユーザーの獲得施策向けの見直しポイントをご紹介します。

LINE広告の成果改善の影響度はクリエイティブ改善が大きいですが、今回はアカウント設定の側面でのTipsを記載します。

参考:LINE広告(公式)

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LINE広告の獲得施策、5つの見直しポイント

LINE広告で新規ユーザーの獲得向けに成果改善を図る場合、確認したい見直しポイントは以下の通りです。

  1. 配信先から「LINEネットワーク」を除外
  2. 効果検証に適したグループ設計
  3. 最適化対象のコンバージョン選定
  4. 「電話番号」と「メールアドレス」でのターゲティング
  5. 類似オーディエンスへの配信

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

1.配信先から「LINEネットワーク」を除外

LINE広告では、広告グループ作成時に配信先を「自動配置」(LINE広告+LINE広告ネットワーク)または「配信先を編集」から選択します。一般的には「自動配置」ですが、新規ユーザーの獲得施策においては配信先から「LINEネットワーク」を除外するのがおすすめです。

LINEネットワークは、LINEサービス以外のさまざまなアプリの広告枠に広告を配信できるため、幅広い広告枠に安価にリーチ拡大できるメリットがある一方、アプリ面への配信による獲得効率の低下、データ収集範囲拡大による学習期間の長期化の2点において、獲得観点では配信をおすすめできません。

施策の目的が認知拡大の場合は「自動配置」を選択、獲得施策の場合は「配信先を編集」でLINEのみ選択をするのがベターです。

参照:LINE広告の特徴とは?配信面や費用、成功事例を総まとめ

2.効果検証に適したグループ設計

LINE広告では長期的な機械学習の蓄積というよりも、検証要素ごとに、こまめに入れ替えを繰り返しながら、勝ち訴求を見つけて広告効率を上げていくことが大切です。LINE社としても、検証単位ごとに広告グループを設計することを推奨しています。

例)クリエイティブ検証のサイクル

参照:LINE広告_運用設計のポイント_クリエイティブの審査ガイド

例えば、複数のオーディエンス(オーディエンスセグメント、オーディエンスリスト)を利用する場合は、オーディエンスごとの配信効果を検証するために、広告グループを分けて作成します。また、クリエイティブサイズごとに掲載面が固定されているため、掲載面を検証する場合も、クリエイティブサイズごとに広告グループを分けて作成します。さらに、クリエイティブ別の獲得成果を検証する場合には、クリエイティブごとに広告グループを分けて作成します。

※「Card」のクリエイティブは全配信面に掲載可能、「Carousel」のクリエイティブは配信面が限定される。

参照:広告配信面と対応フォーマット一覧(※2023年6月現在)

ここで注意すべきは、広告グループを細分化しすぎないことです。検証要素ごとに広告グループを分ける場合は、学習効率の観点から、少なくとも1広告グループあたり40CV、1広告あたり10CVが確保できることを目安に上限入稿本数を決め、広告グループを設計します。

参照:LINE広告_運用設計のポイント_クリエイティブの審査ガイド

例)CP・グループ分けのイメージ

  • CP①購買意欲(スポーツ用品、健康)
    • Aグループ:Square × クリエイティブA
    • Bグループ:Card  × クリエイティブA
    • 控えグループ:Card  × クリエイティブE
  • CP②オーディエンスリスト(LP訪問者、カスタムCVなど)
    • Cグループ:Square × クリエイティブB
    • Dグループ:Square × クリエイティブC
    • 控えグループ:Card  × クリエイティブB
  • CP③類似オーディエンス
    • Eグループ:Square × クリエイティブD
    • Fグループ:Card × クリエイティブD
    • 控えグループ:Card  × クリエイティブF

3.最適化対象のコンバージョン選定

「効果検証に適したグループ設計」では、推奨の1広告グループあたり40CV、1広告あたり10CVをいかに早く蓄積できるかが重要になります。よって、検討期間の長い商材やコンバージョンが付きにくい商材ではカスタムコンバージョンの設定が推奨されます。

LINE広告では、最適化対象にコンバージョンかカスタムコンバージョンのいずれかを選択して設定することができます。

アカウントで複数のカスタムコンバージョンを作成していても、最適化対象のカスタムコンバージョンには1種類のコンバージョンアクションのみ設定可能です。最適化対象のカスタムコンバージョンを、後から別のカスタムコンバージョンに変更することはできません。(最適化対象のコンバージョンをカスタムコンバージョンからコンバージョンに変更することは可能です。)

また、カスタムコンバージョンを最適化対象とするには下記の条件を満たしている必要があります。

  • 過去に最低1回は計測されているカスタムコンバージョンであること(カスタムコンバージョン一覧の画面で「最終受信」に日時が表示されていれば、過去に最低1回は計測されています)
  • 有効期間が30日以下であること

参考:最適化の対象として選択できるカスタムコンバージョン(公式ヘルプページ)

(LINE広告でカスタムコンバージョンを設定する方法は以下の記事をご覧ください)

4.「電話番号」と「メールアドレス」でのターゲティング

新規ユーザーの獲得施策におけるLINE社の推奨は、電話番号アップロード、またはメールアドレスのアップロードによるオーディエンスリスト配信です。LINEではユーザーが登録するプロフィール情報が限られているなか、電話番号やメールアドレスは必須登録項目のため、数あるターゲティングのなかでも獲得精度が期待できる方法とのことです。

なお、広告代理店を利用している場合は、ページ下部の「アップロード用のURLを発行」で発行したURLから、広告主が個人情報をアップロードできます。

参考:カスタムオーディエンスの作成(公式ヘルプページ)

5.類似オーディエンスへの配信

カスタムコンバージョンのオーディエンスリストや、電話番号・メールアドレスでのオーディエンスリストの次なるターゲティングは、「類似オーディエンス」への配信です。類似オーディエンスの元となるオーディエンスリストでは、最低でも100件、推奨は500件のCVが獲得完了している状態が望ましく、精度の高いリストとなります。

類似オーディエンスのリストサイズは1~15%で選択ができます。初めは1%など小さなリストから配信し、成果次第で徐々にオーディエンスサイズを調整していくとよいでしょう。

参照:LINE広告のターゲティングの種類を解説 特徴やケース別の活用方法も

まとめ

LINE広告は低予算で幅広いリーチが可能な点において、認知拡大施策での媒体としてメディアプランを組むケースが多いかもしれませんが、やはりコンバージョン数を担保するためには、獲得施策に振り切った設定や細かな運用が必須です。実際、今回ご紹介した打ち手をいくつか実施したところ、CVRは10倍の改善がみられました。

また、今回は配信予算規模によりLINE社の運用サポートが得られたことも大きく、運用の最適化について多くの知見を得ることができました。サポート内容は時期により変更されるとは思いますが、一定の予算規模がある場合には、一度、サポートデスクにご相談してみてもよいかと思います。

その他LINE広告に関するナレッジは以下記事にまとめていますので、あわせてご参照ください。

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト

挾土 結衣

新卒で大手クレジットカード会社へ入社し、新規CS部門の立ち上げを経験。日々お客様応対をするなかで、より深くお客様の課題に向き合い、戦略立案から実行まで一気通貫で支援できる人材になりたいという想いをきっかけに、デジタルマーケティング領域に興味を抱く。オーリーズの顧客と真摯に向き合う支援スタイル、アジャイルマーケティングの考え方に共感し、入社を決意。

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