クリエイティブ改善施策を成功させるために確認しておきたい4つのポイント

クリエイティブ改善施策を成功させるために確認しておきたい4つのポイント

Facebook広告やGoogle広告、Yahoo!広告などの「ディスプレイ広告」において、成果改善のカギは

  • クリエイティブ(バナー、動画、LP)
  • オーディエンス

主にこの2点です。

今回はご支援企業で実施したクリエイティブ改善施策において、施策前に関係者全員で共通認識を持っていたことで施策がスムーズに進行できた事例と4つのポイントをご紹介します。

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クリエイティブ改善施策の事例

このケースの背景

この事例のお客様は、広告のなかでも「Meta広告」に配信ボリュームが寄っており、「Meta広告」の成果を改善することで広告全体の成果へのポジティブな影響を見込むことができました。

「Meta広告」をはじめとするディスプレイ広告で、レバレッジのきく改善要素はおもに①クリエイティブ②オーディエンスの2点です。

中でもクリエイティブは、ブランドイメージ、考え、提供できる価値などのメッセージやその表現方法など、広告主側で工夫できる変数が多く、本ケースでも広告成果に与えるインパクトが大きいと考えました。

また、参考情報として手元に残るため、今後「Meta広告」以外にもディスプレイ広告を配信する場合に活用することができ、良いスタートダッシュが切りやすくなると考えたため、クリエイティブを中心に改善施策を進めることにしました。

過去データを使用せず、新施策として切り出してスタート

このケースでは元々「Meta広告」を配信していたため、配信済みクリエイティブの成果や傾向、改善点などのデータは蓄積されていました。

しかし、今回あえて”施策”としてクリエイティブ改善を進めることにしたのは、抜本的な成果改善を狙うためです。

過去のデータを参照することはもちろん必要ですが、抜本的な成果改善をするためには、過去のデータから得た傾向や持っている先入観を払拭し、全く新しい観点も含めてテストすることが必要でした。

一度訴求することが”できる軸を網羅的に洗い出し、一つずつ配信、ユーザーからの反応を確かめるために、施策として仕切り直してスタートしました。

施策概要

今回は以下のように施策を実施しました。

  • 目的:ユーザーの反応が良い(≒ニーズに合致している、関心度が高い)訴求軸を模索する
  • 判断軸:IMP(インプレッション)、CTR(クリック率)、CPC(クリック単価)、CVR(コンバージョンレート)、CPA(獲得単価)の総合判断
    • IMP:ある程度のボリュームが出せる広告か(≒成果がよいと機械に判断されたと推測)
    • CTR、CPC:ユーザーの興味を引き、流入につなげられるバナーか
    • CVR、CPA:流入ユーザーが意図しているアクションを起こしてくれるか、テスト中バナーとLPの相性
  • 方法:
    • 企業として訴求することができる軸を網羅的に洗い出す
    • 洗い出した訴求軸のなかで優先順位を決定
    • 優先順位が高いものから順にコピー、バナーを制作し、配信

施策をスムーズに進めるために、事前に確認しておきたい4つのポイント

クリエイティブ改善施策に対しての期待感や達成したいことは、事前に担当者間で共通認識を図っておくことが重要です。

そのため、上記施策もスムーズに進めるために、開始前に4つのポイントで関係者全員で共通認識を持つようにしました。

共通認識を持つことで、施策期間中や施策が一通り完了した後の判断軸に、一貫性を持たせることができます。

また、クリエイティブ施策は、~1ヶ月の短期間で答えが出るようなことはあまりなく、数ヶ月間にわたって進める場合が多いです。

期間中にテストしている広告の良し悪しを判断する際、判断軸にブレが生じると施策自体に一貫性がなくなり、後の広告運用に活用するにあたって信ぴょう性が低くなってしまいます。

今回は、私がクリエイティブ施策を実施する前に必ず確認していることを4つのポイントにまとめました。

ポイント1:目的を言語化する

まずは、目的をできる限り具体的に言語化することが大切です。

例えば、「成果改善」といっても、

  • CPAを引き下げたい
  • CTRを向上させたい

など、人によってが認識している課題にや目的が異なることがあります。

また、「CTRの向上」を目的にした場合でも、

  • 過去訴求したことがなかったメッセージも含めて網羅的にテストして、ユーザーからの反応がよい訴求軸を探す
  • これまで配信したことがあるクリエイティブをブラッシュアップする

のようにクリエイティブ施策で実現したいことが異なることもあります。

担当者が複数人いるケースはもちろん、将来的に引き継ぐことになった際などに、「なぜこのような動きをする期間があるのか」を明示できるように、施策実施前に明文化しておきましょう。

ポイント2:言葉を定義する

「検証」「プラニング」「クリエイティブ」

上記のような普段の業務や生活で何気なく使っている言葉ほど、実は人によってニュアンスや意味の理解に差があることが多いと感じます。

この違いを認識しないままコミュニケーションを取っていると、いつのまにか異なる方向に歩いていたり、認識のすれ違いが起こったりすることがあります。特にクリエイティブは主観が排除しきれず個々人の感性で答えが変わる場合も多いため、担当者間で納得のいく結果を得るためにも共通言語化が重要です。

例えば「クリエイティブの改善施策」と言われた場合、どのようなアクションを思い浮かべますか?

  1. イメージはABテスト。配信中の各クリエイティブに対して「何がよかったのか?」を特定し、各クリエイティブを勝ちパターンにブラッシュアップすることが目的。色・コピー・構図など一部のみを変更したクリエイティブX’を制作して成果比較する。
  2. 特定のクリエイティブだけではなく、あくまで広告全体の成果改善が目的。既存広告のデータも参照のうえ、まずはユーザーからの反応が良い訴求軸を把握するために過去とは全く異なる訴求軸のクリエイティブなども制作して成果比較する。

前後の文脈があればもう少し認識もあってくるかもしれませんが、”改善”という言葉1つとっても既存のクリエイティブの成果向上なのか、新規クリエイティブも含めた広告全体の成果向上なのか、聞き手によって受け取り方が異なる可能性が考えられるのです。

ポイント3:フローを確認する

施策を進めるにあたり、具体的にどのように進めていくのかをすり合わせることで、スムーズにスタートできます。
フローは以下2つについて確認することがおすすめです。

1つのクリエイティブの企画~納品までのフロー

クリエイティブ施策を進めるにあたり、取り急ぎ必要になるフローです。社内外で制作していたクリエイティブ制作フローに第三者が関わることになるため、明文化することでタスクの調整やスケジュール管理がしやすくなることを目的としています。
主に想定されるフローは下記ですが、第三者確認や依頼などが間に入ることが多くなります。

  1. 企画:訴求軸、メインコピー、ターゲットなど、クリエイティブの概要をプラニング
  2. モック制作:本番制作前にラフ案の段階で共通認識をもつことで、本番制作の修正工数を最小限におさえるために制作。トンマナや強調したい内容の表現方法などはこの段階ですり合わせる。
  3. クリエイティブ制作:制作したモックをもとに制作

中長期的な改善フロー

クリエイティブ改善施策は、広告やその先の目的である売上増加、ROAS改善を実現するための1つの手段にすぎません。

クリエイティブ改善施策で訴求軸のテストやCTR改善ができた後、それらをどのように最終目的につなげていくのかも念頭に置いて施策を進めていくことにより、判断軸や次のアクションがより明確になり、担当者全員の足並みを揃えることにもつながります。

ポイント4:体制、役割分担の明確化

見落としがちな項目ですが、社内の担当者が複数人いる場合や、代理店などの外部に一部業務を委託している場合は特に重要です。

複数者/社が関わる場合、どこからどこまでのフローを誰が担当するのかを決めることで、責任の所在を明らかにすることができ、タスクのヌケモレ防止や情報共有が円滑を円滑にすることができます

クリエイティブ改善施策は、一定のスケジュールに合わせて進行するケースが想定されるため、どのタスクがどういうステータスなのか?を全員で追えて、フォローしあえる環境を整備することによって心的ストレスを減らすことにもつながります。

まとめ

ディスプレイ広告においてクリエイティブが成果に与える影響度は大きいと考えられます。

日々の運用の積み重ねで改善を目指すだけではなく、より大きなインパクトの改善をしたい方は、施策としてクリエイティブ改善に注力することも検討いただければと思います。

その際、効率的かつ円滑に施策が進められるよう、事前準備は入念にすることが大切です。準備の過程で今回の記事がお役に立てれば嬉しい限りです。

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オーリーズは、「代理店はマーケティング戦略の立案から実行までを一貫して担うことで、はじめて価値を発揮できる」と考えています。

そのため、オーリーズでは非分業の支援体制をとっており、運用者1人あたりの担当社数を4社までに制限することで、 運用者が作業のみに追われるのではなく、よりマーケティング戦略の立案を行える仕組みを取っています。

また、広告運用という手段に縛られずにクライアントの目的を実現するため、クリエイティブ制作ブティックのQeticやインハウス支援に強いアタラ、 BtoB向けインサイドセールス支援を得意とするセールスリクエストなど、豊富なグループアセットも抱えています。

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト

吉田 奈津希

大学卒業後、PR会社に入社。IT業界、観光業界を中心とした外資系企業を担当。メディアプロモート、SNS Live配信、SNSアカウント運用などでクライアントをサポート。 デジタル化が加速する世界で、より高度なマーケティング支援をするためには、データを分析・活用したデジタルマーケティングの知見が必須になると考え、オーリーズへの入社を決意。 1社1社と向き合い、クライアントのビジネス成長に貢献すべく日々邁進中。

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