インハウス運用におけるコスト削減の考え方

インハウス運用におけるコスト削減の考え方

はじめに

今回はインハウス体制とコスト削減に関してお話します。

インハウス化を検討する場合は「広告手数料の削減」を目的にすることも多いかと思います。

この記事ではコスト削減を目的にしたインハウス体制を実現するにあたり、知っておきたいポイントをご紹介します。

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インハウス体制には3つの形態がある

オーリーズでは、インハウス体制の実現において「変化に適応する柔軟な組織能力を持つこと」が最も重要と考えています。創業当時より数多くのインハウス支援をしてきましたが、これらの経験から、インハウス化することの難しさはもちろん、それ以上にインハウス体制を維持することの難しさも知っています。

インハウス体制が維持できなくなる理由は様々です。一例ですが

  • 担当者の異動や退職、休職
  • アカウント肥大化、複雑化による成果の低下
  • トラッキング規制への対応
  • 組織改正に伴う運用体制の方針変更

などが挙げられます。

このような変化に適応していくために、3つのインハウス体制の形態があります。

ライト:パートナー協働型

運用作業や施策の立案などをパートナーに委託する体制です。

いわゆる「運用代行」との違いは、自社で判断・決断する能力を持ち、主体的に広告運用に関わっていることです。自社でデータを保有し、成果や施策の良しあしを評価できる知識を持って、戦略~作戦レイヤーを主導します。

ミドル:パートナー併用型

運用作業や自社で行い、戦略作りや施策の立案などはパートナーのサポートを得る体制です。

ヘビーインハウスと同様に、運用の柔軟性や機敏性が高いのが特徴です。運用作業を委託しないため、外部パートナーはコンサルティングとしてサポートするケースが多いです。

ヘビー:自社完結型

運用の柔軟性や機敏性が高く、3つの中でもっとも自社のビジネスやターゲットに適した運用ができます。外部の情報収集や人材の採用・育成が課題になりやすく、固定費は大きくなります。

インハウス体制は、ライト→ミドル→ヘビーのように段階的に進んでいくものではありません

下の図のようにミドル→ライト→ヘビー→ライトのように組織を取り巻く環境変化に応じて、体制を変えていくことが一般的です。

そしてやはり、単にインハウス化することがゴールではありません。しっかりと維持できる体制を作る必要があります。

インハウス体制とコスト削減

現在の外部パートナーからインハウス化することでコスト(主として外注費)を削減することは可能です。外部パートナーからインハウスに切り替えることで、下の図のようにすぐに「広告運用手数料」(コスト)が削減されると思う方も多いと思います。

しかし、さきほどからお伝えしている通り、単にインハウス化するだけなく、インハウス体制を維持することがとても重要です。インハウス化は、広告運用主体が外部パートナーから自社に切り替わるだけでなく

  • 広告の成果を確認するモニタリング/レポーティング環境の構築(BIツールの導入など)
  • クリエイティブ制作体制の構築(自社で行う or 外部パートナーを探す)
  • メンバーの広告運用スキルの向上/知識習得

なども含まれています。

そのため、実際のコスト削減のイメージとしては、下の図のようになります。

インハウスの初期段階は、「研修やコンサルティングを受ける」「モニタリング環境を構築する」ことなどが必要になり、時には広告手数料総額よりも高くなることがあります。徐々にコストが削減されていくイメージです。

インハウス化の目的が「コスト削減」の場合、どうしても広告運用手数料・外注費の削減に終始してしまい、それ以外の部分が疎かにしてしまうことがあります。たとえば、運用未経験のメンバーしかいないが、見様見真似で広告運用を行う、モニタリング環境を構築せずExcel(手動)で対応するなど。

そうなると、インハウス体制を維持することができず失敗に終わってしまう可能性が高くなります。せっかくインハウス化に取り組んだのものの、外部パートナーに再度委託するという結果になってしまいます。

また(チームメンバーの運用型広告のナレッジやスキルによっても変わりますが)インハウス体制によるコスト削減は中長期的な目線で行うことをおすすめします。

まとめ

今回のポイントをまとめると

  • インハウス体制は構築より維持が難しい
  • インハウスには3つの形態がある
  • インハウスの初期は、メンバー育成、広告運用の環境構築などに投資が必要(一時的に広告手数料より高くなる場合がある)

→ 中長期的にコスト削減を行うイメージ持ちながらインハウス化の実現を目指すことが大切!

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「広告運用の担当者が退職したため後任を育成したいが社内にノウハウが無い」
「中長期の広告外注費を削減したいが、自社にとって適正な外注費がいくらか分からない」

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オーリーズではグループ会社のアタラと協業し、業界を問わず100社以上の広告運用のインハウス(内製化)支援を行ってきました。

将来的に広告運用の内製化を実現したい、既に広告運用は内製化しているものの社内にナレッジが少なく、セカンドオピニオン的な存在を求めている場合など、 オーリーズとアタラが貴社のインハウス体制の最適化に向けて伴走支援いたします。

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト

漏田 翔秀

新卒でWebマーケティング支援会社に入社し、広告運用やSEO業務を担当。その後、シンガポールの現地企業でマーケティングマネージャーを経験し、2018年にオーリーズに入社。人材、金融、不動産など多業種で広告主の事情に合わせた幅広い支援を提供。顧客に寄り添った支援を信条に、インハウス運用やクリエイティブ領域の支援も行っている。

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