Facebook広告 ターゲット機能の基本とTips

Facebook広告 ターゲット機能の基本とTips

運用型広告のアカウントを設計する際に、「どれだけのユーザーにリーチできるか」は、運用者にとって重要な情報です。

Facebook広告では、これを確認する材料として、広告セットの編集画面右側の「オーディエンス設定」や「1日の推定リーチ」機能を利用する方は多いと思います。直観的にリーチ数を確認することのできるとても便利な機能ですよね。

しかし、直観的に利用できてしまう機能だからこそ、その機能の詳細や注意点を確認しないまま利用しているケースも少なくないのではないでしょうか

今回は、Facebook広告のターゲット設定にまつわる運用Tipsとして、見落としがちなポイントについて紹介していきます。

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「オーディエンス設定」機能

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ここで言う「オーディエンス設定」機能とは、上図の赤枠部分を指します。

このメーターとその下部の「潜在リーチ」が示しているものは、指定したターゲット層に合致したFacebook利用者のうち、各月にアクティブだった人数を示しています。つまりは、当該の広告セットにおいてリーチ可能なおおよその人数を確認することができる機能です。

広告セットの作成をしながら、設定したオーディエンスについて、適度なターゲットボリュームを確保できるかどうかを一目で確認することができるため、非常に便利な機能です。

例えば、オーディエンスを絞りすぎた場合、メーターは「特定」と表示された赤いエリアまで傾き、「オーディエンスの範囲を広げなさい」という旨のアラートをリアルタイムに知らせてくれます。

「1日の推定リーチ」機能とは

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続いて、上図赤枠の「1日の推定リーチ」機能の定義について、Facebook公式ヘルプページから確認します。

1日の推定リーチは、あなたと同じターゲット層を対象とした別の広告主による類似した広告のパフォーマンスや、ターゲット層にリーチするために使える金額(予算として設定する金額)などのさまざまな要素に基づいて、広告がリーチできる人数を推定したものです。

Facebookの広告主数と利用者の人数は日々変化するものであり、またFacebookでは推定の精度の向上に常に取り組んでいるため、これらの数値は随時変わることがあります。

(参考:https://www.facebook.com/business/help/fblite/633474486707199

上記によると、類似した設定で広告配信を行っている他社の実績データに基づいて算出された推定値ということになるため、先の「オーディエンス設定」の数値と比べると精度は下がります。

ヘルプページでも、数値に対しては「正確ではない」と明記されており、当然ながらFacebookユーザーの数も日々変動していますので、あくまで動的な値と理解した上で利用する必要があります。

オーディエンスの重複問題

さて、2つの便利機能をご紹介しましたが、これらの機能を利用するにあたり注意すべき点が、オーディエンスの重複です。

「オーディエンス設定」や「1日の推定リーチ」の機能で示される値は、あくまで個別の広告セットに関する値です。つまり、複数の広告セット間で同一のオーディエンス設定が混在している場合には重複は加味されないため、これらの機能を正しい認識を持って利用しなければ、オーディエンス数やリーチ数を見誤ってしまうことが起こり得ます。

もし、誤った認識で広告セットを設計してしまうと、結果として広告配信が不安定になり、パフォーマンスの低下を招く可能性があります。

なぜなら、ターゲットとなるユーザー数が事前に具体的な数値として示されますので、それを基準としてインプレッションやクリック、延いてはコンバージョン数を試算することができます。そして、その各想定値から広告予算が算出され、それを前提にキャンペーンが組まれていくことでしょう。

もし、その数値に対する認識が誤っていた場合、用意された予算を無駄に配信しようとしたり、リーチ数が見積りよりも少ないことで早々にフリークエンシーが高まり、CTRが低下してCPCが高騰してしまったりと、予期せぬ事態を招く可能性があります。

また、Facebook広告は、一人のユーザーに対し短期間で同一の広告主による広告表示回数に制限を設けています。よって、オーディエンスの重複が発生している場合、過去実績からパフォーマンスの高い広告を優先して配信しようとするため、その広告が帰属する広告セットに配信が偏り、一方の広告セットでは思うように予算が使えない(=広告が配信されない)といった現象も起こり得ます。

このように、広告のパフォーマンスを可能な限りコントロールできるようにするためには、適切なアカウント設計は非常に重要であり、意図しないオーディエンスの重複は致命傷になりかねません。

そこで、このオーディエンスの重複問題をできる限り回避するために、「オーバーラップ」という機能を紹介します。

「オーバーラップ」機能とその活用方法

「オーバーラップ」機能では、オーディエンス間での重複度合いを確認することができます。まずは使い方を紹介していきます。

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  1. まず、管理画面左上のタブから「オーディエンス」を選択。
  2. 作成したオーディエンスの中から、重複度合いの確認をしたいオーディエンスにチェック(最大5つ)を入れる。
  3. アクションのタブを開き「ターゲットのオーバーラップを表示」をクリック。
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すると上図のようなページが表示されます。

このデータの示す意味は、例えば「オーディエンスA」は「オーディエンスB」に対して重複率が59%となっており、重複しているオーディエンスの人数は320,220人となります。

これだけだとイメージがつきにくいと思いますので、例と合わせて見ていきましょう。

※今回は機能理解を目的としているため敢えて単純な状況とし、他の設定による影響は加味しないものとしています。

例01

1つのキャンペーンに2つの広告セットがあり、各広告セットには1つずつカスタムオーディエンス(以下CA)が設定されている状況。

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  • ブルーの円が広告セットAに紐づくCA01
  • グリーンの円が広告セットBに紐づくCA02

とした場合、2つの広告セットのオーディエンスの重複率は59%で、320,220人オーディエンスが重複していることになります。

仮に、広告セットの設定時に、何も考慮せずにカスタムオーディエンスの相互除外(それぞれの広告セットで、それぞれのオーディエンスを除外設定すること)を行うと、広告配信ができるオーディエンスは41%にまで減少してしまいます。これでは冒頭で案内した「オーディエンス設定」や「1日の推定リーチ」が示す数値と2倍以上の乖離が発生し、予想と外れた結果が待っていることは想像に難くありません。

この場合、重複している59%(320,220人)のオーディエンスを、どちらの広告セットの対象とするかを決めなければ、大切なオーディエンスリストを無駄にしてしまうことになります。

例02

1つのキャンペーンに2つの広告セットがあり、広告セットAにはCA01、広告セットBにはCA02、CA03が設定されている状況。

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  • ブルーの円が広告セットAに紐づくCA01
  • グリーンの円が広告セットBに紐づくCA02
  • パープルの円が広告セットBに紐づくCA03

とした場合、CA01を基準として、CA02は56%、CA03は100%の重複率があります。特にCA03に関しては完全に重複している状態になっていますので、仮に広告セットAがCA03を除外しておらず、広告セットBの広告が高いパフォーマンスを出している場合、配信量が広告セットBに偏重し広告セットAの配信量が激減する、といった現象が起こり得ます。

この「オーバーラップ」という機能はGoogleアドワーズやYahoo!プロモーション広告には搭載されておらず、存在自体を知らないという方もいるかと思いますが、大変便利な機能なですので、積極的に活用していきましょう。

まとめ

今回は、Facebook広告のターゲティング関連機能を、見落としがちな点や想定されるリスクと併せてご紹介しました。

各広告セットで設定したオーディエンス情報を、正しく把握することがいかに重要であるかをお伝えできたかと思います。

基本的な機能の理解がないままにアカウントを設計して走り出してしまうと、思うような成果を出すことができず、Facebook広告の価値が分からないまま施策を見限ってしまうこともあるかもしれません。それは非常に残念なことです。

Facebook広告に限った話ではありませんが、広告プラットフォームの管理画面は、日に日に視認性や操作性が高まり、どんどん使い勝手が良くなっており、マニュアルを見なくとも感覚的に操作できてしまうが故に、細かな注意点を見落としがちです

今回例に挙げたような、「機能や数値に対する正しい認識」を持って設計や日々の運用に取り組めるように、Facebookのヘルプページを小まめにチェックする習慣をつけていきましょう。

これからも、プラットフォームの思想や基礎情報を正しく理解し、成果を高めるための一助になるような情報を発信していきたいと思います。

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

マネージャー

川島 崇志

新卒にて株式会社PLAN-Bに入社、営業職としてキャリアをスタートし、様々な業種の広告主に対して、SEM、ウェブサイト制作やコンテンツマーケティングなど、Webプロモーションを経験。広告運用が日進月歩で高度化する中で、設計・運用・デリバリー業務と一貫して支援できるスキルの必要性を感じたことから、オーリーズに入社。 手段に囚われず課題を解決する運用者であることを自身のミッションとし、日々支援に臨む。

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