Facebook広告の「目的」と「最適化対象」の違いとは?

Facebook広告の「目的」と「最適化対象」の違いとは?

Facebook広告を掲載する際に、キャンペーンの「目的」を「ウェブサイトでのコンバージョンを増やす」と設定したにも関わらず、広告セットの「広告配信の最適化対象」には、「コンバージョン」以外にも「リンクのクリック数」や「インプレッション数」が選択できるようになっているのは何故だろう、と感じたことはないでしょうか?

今回の記事では、この「目的」と「最適化対象」の機能を正しく利用できるようになるために、それぞれの存在意義について説明をしていきたいと思います。

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Facebookにおける広告表示の決定要素

「目的」と「最適化対象」について理解をするためには、まず、そもそもFacebookではどのような要素を用いてオークションが行われるのか?という、「広告表示を決定する仕組み」について理解する必要があります。

Facebookの広告主向けヘルプセンターを見ると、以下のように記載されています。

Facebookでは広告を表示する際、次の2点のバランスを取ることを目指します。

■ターゲット層へリーチして結果を得られるように支援し、広告主にとっての価値を生み出すこと
■Facebook、Instagram、オーディエンスネットワークの利用者に対して有益で関連度の高い利用環境を提供すること

<参考: facebook business 入札と広告オークションのしくみについて理解する。

Facebookではこの2点を達成するために、広告主とユーザーの両者の利益が反映されるようにオークションを実施することが理想だとしています。

さらに具体的には、Facebook広告におけるオークションでは、「最高金額を入札した広告が落札される」という一般的なオークションとは異なり、「総合的な価値」を最も多く生み出す広告が落札される仕組みとなっています。

この点は、アドワーズなどの主要な運用型広告と類似しており、入札単価だけがオークションの決定因子ではないということですね。

では、この「総合価値」とはいったい何者なのでしょうか?

「総合価値」とは?

オークションにおける「総合価値」は、次の3つの要素の組み合わせで決まります。

  1. 広告主の入札額
    広告セットを作成する際に設定した入札額で、広告を表示することに対しての関心の高さを示します。自動でも手動でも行えます。
  2. 広告の質と関連度
    広告の品質と関連度を測定し、あなたの広告の閲覧に利用者が関心を持っているかを示します。
  3. 推定アクション率
    推定アクション率とは、利用者が、最適化対象に選んだ結果を得るために必要なアクションを起こす見込みのことです。

<参考: facebook business 入札と広告オークションのしくみについて理解する。

オークションが発生すると、上記3つの要素を、最適化対象のさまざまな目標に対して標準化し、それらを組み合わせて総合価値が算出されます。

このことから、表示させたい広告の総合価値が高いことをFacebookに示す事ができれば、オークションに優位に働きかけることができる、と言えます。

ただ、ひとくちにFacebook広告といっても、商品購入や資料請求などのダイレクトレスポンス型のキャンペーンなのか、ブランド認知型のキャンペーンなのか、はたまたアプリのダウンロード促進なのか、広告主のビジネスの状況や商材で広告から得られる価値は異なります。

つまり、総合価値の高低を判断するためには、そもそも広告主が、広告表示から得られるどういった結果に価値の重きを置いているかを定義する必要があります。

そこで、Facebookに対して広告の価値を定義づけるために「目的」と「最適化対象」が用意されています。

では、この「目的」と「最適化対象」を理解するために、Facebook広告のキャンペーン構造について抑えておきます。

キャンペーンの構造を理解する ー キャンペーン、広告セット、広告

以下は、Facebook広告のキャンペーン構造に関するヘルプセンターからの引用です。

Facebook広告を掲載するには、キャンペーン、広告セット、広告という3つのパーツが必要です。これらのパーツがどのように連携するのかを知っておけば、意図した通りに広告を掲載することができ、適切なターゲットにリーチしやすくなります。

下記に、3つのパーツの役割を説明します。

キャンペーン
キャンペーンは、広告の基礎です。最初に「ページの宣伝」など広告の目的を選択して、広告で何をしたいのか明確にします。

広告セット
広告セットは、広告の掲載方法を決めるものです。広告セットレベルでは、Facebookのターゲット設定オプションを使用して、広告のターゲット層を作成します。ターゲット層は、地域、性別、年齢などを選択して定義します。また、広告の予算の作成や掲載期間の設定をして、配置を選択します。広告セットの選択項目の内、予算と掲載期間に最適化対象が含まれます。

広告
広告とは、顧客やターゲット層に表示されるものです。広告レベルでは、画像、動画、テキスト、コールトゥアクションボタンなどの広告素材を選択します。

<参考: facebook business 広告キャンペーン構造

上記の通り、「目的」はキャンペーンレベルで、「最適化対象」は広告セットレベルでそれぞれ設定することができます。

それでは、本題である「目的」と「最適化対象」の違いについて説明します。

「目的」と「最適化対象」の違い

まずは「目的」と「最適化対象」の言葉の定義について、以下、広告主向けヘルプセンターの記載を見てみましょう。

広告の目的とは、利用者が広告を見たときに実行させたいことです。たとえば、Facebookページへの「いいね!」を獲得するための広告を作成できます。これは、ウェブサイトの閲覧を促すための広告を作成するのとは異なります。

最適化対象は、広告を表示する際に最も価値を置く内容です。たとえば、ターゲット層の中でウェブサイトへのリンクをクリックする可能性の高い人に広告を表示したい(リンクのクリックなど)、または広告が表示される回数を増やしたい(インプレッションなど)などが挙げられます。

<参考: 広告キャンペーンの目的、最適化対象、課金対象にはどのような関連がありますか。

※なお、キャンペーンの目的によって、それぞれ最適化対象は異なります。目的と最適化対象の一覧については、上記引用した参考リンクをご確認下さい。

上記のように、Facebook広告を設定する際に「目的」を決め、「最適化対象」を選択することで、広告によってどういった結果を得たいかを、Facebookに宣言します。

Facebookが、「この広告は目的を達成している」と認識できればできるほど、その広告の総合価値は高まり、オークションに優位に働きます。そして、Facebookはさらなる価値を求め、ますます総合価値を高めていきます。

ではこの「目的」と「最適化対象」の違いは何でしょうか。

下記に例を挙げて説明していきます。

(あくまで「目的」に対して、「最適化対象」が複数選択できる場合に限定された説明となりますが、ご了承ください)

例えば、「目的」に「ウェブサイトコンバージョン」を掲げ(=価値はコンバージョンにあるとFacebookに宣言し)、「最適化対象」を「コンバージョン」として広告出稿を開始したとします。

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目的と最適化対象:コンバージョンの例

【目的】

ウェブサイトコンバージョン: ウェブサイトでのコンバージョンを増やす。

【最適化対象】

  • コンバージョン: ターゲット層の中からウェブサイトでのコンバージョンにつながる可能性の高い人を狙って広告を表示します(ウェブサイトでのコンバージョンを増やしたい場合に推奨)。
  • アプリイベント: ターゲット層の中からアプリ内で特定のアクションを起こす可能性の高い人を狙って広告を表示します(アプリでのコンバージョンを増やしたい場合に推奨)。
  • リンククリック数: ターゲット層の中からウェブサイトへのリンクをクリックする可能性の高い人を狙って広告を表示します。
  • インプレッション数: ターゲット層に含まれる人にできるだけ多く広告を表示します。
  • デイリーユニークリーチ: ターゲット層に含まれる人に1日1回まで広告を表示します。

<参考: 広告キャンペーンの目的、最適化対象、課金対象にはどのような関連がありますか。

広告出稿を始めたばかりの頃は、Facebookはこの広告を誰に届ければ「総合価値」が高いのか学習できていないためいため、思うようにコンバージョンしないことも多いでしょう。

もしそのまま、コンバージョンしない、もしくはコンバージョン数が少ない状態が続いた場合、Facebookはその広告の総合価値をうまく認識できません。

結果、広告主が宣言した「目的」を達成できていないため、広告の総合価値が低下し、オークションで優位に立つことが難しくなり、なかなか広告が表示されない…という状況に陥ります。

ここで、「最適化対象」が活躍します。

冒頭でご説明したとおり、総合価値は3つの要素で構成されていますが、最適化対象はそのうちの一つである「推定アクション率」に働きかけます。

コンバージョンが思うように発生しない…という状況においては、あくまでも「目的」は「ウェブサイトコンバージョン」としながらも、「最適化対象」では、「コンバージョン」ではなく、まずは「リンククリック数」と設定して、コンバージョンを達成するまでの実績作りを行います。

これにより、本来の目的であるコンバージョンは増えないまでも、まずはその手前であるリンクのクリックを誘引することができれば、Facebookは目的を達成するにあたって、「達成度合い」を認識できるようになることで、推定アクション率を測る事が可能となり、結果として総合価値を高めることができます。

※最適化対象を変更することで、総合価値が高まる可能性はありますが、コンバージョン数に直接影響を与えるわけではありません。

上記を踏まえると「目的」と「最適化対象」の関係性は「達成したい内容」と「その達成度合い」と言い換えることもできます。

まとめ

Facebook広告における最適化とは、広告主がFacebookに対して、広告表示によってどういった結果を得たいかを適切に伝えユーザーからの支持をどれだけ多く集めることができるか、を最適化していくことと言えます。

さらに具体的に言えば、「目的」と「最適化対象」によって広告主の意志をFacebookに宣言し、「広告主の入札額」「広告の質と関連度」「推定アクション率」の3つの要素をまとめた「総合価値」を向上させること、と言えます。

上記を達成するために、まずは広告主の意志をFacebook側に正しく伝えること、つまり適切に「目的」と「最適化対象」を選択することがFacebook広告を運用していく上で重要な要素となります。

Facebook広告を運用していて、なかなか意図したパフォーマンスが出ないことにお悩みであれば、これを機に、現状の「目的」と「最適化対象」が適切に設計されているか、見直してみてはいかがでしょうか?

次回は、本記事でも触れた「総合価値を決定する3つの要素」について具体的に紹介したいと思います。

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