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- 室伏 翔太
ショッピング広告の効果的なキャンペーンの分け方とは?
「ショッピング広告」とは、商品データを元に検索画面のショッピングタブや検索画面の上部に表示される広告のことです。
商品を探している人に対して、商品の写真、タイトル、価格、店舗名などの情報を直接表示し、ユーザーに商品の魅力を瞬時に伝えることができるため、ECサイトにとっては欠かせない広告メニューです。
この記事では、「ショッピング広告」を配信する際にどのようにキャンペーンを分けると良いのか、特に自動入札の特性を踏まえた上での効果的なキャンペーンの分け方について紹介します。
目次
「ショッピング広告」の種類
主なショッピング広告としては以下があります。
- Google ショッピングキャンペーン
- Google P-MAX with GMC
- Microsoft ショッピング広告
- Meta広告 Advantage+ ショッピングキャンペーン
- Yahoo!ショッピング広告
Google、Microsoftなど媒体ごとで配信される面が異なりますが、管理画面の設定方法や広告の表示のされ方は非常に近しいものとなっており、ほとんど同じ感覚で運用できます。
参考:
Googleショッピング広告について(公式ヘルプページ)
P-MAX キャンペーンについて(公式ヘルプページ)
Microsoft ショッピング広告とは?(公式ヘルプページ)
Advantage+ ショッピングキャンペーンについて(公式ヘルプページ)
「ショッピング広告」自動入札の留意点
推奨は自動入札
「ショッピング広告」を配信するにあたり、特に商品数や商品カテゴリが多い場合は、商品グループごとに入札値を調整するのは非常に工数のかかる作業となりますが、自動入札を利用すれば過去の配信実績を機械学習が学習し、目標を達成するために自動で入札値が調整されます。
「ショッピング広告」における自動入札の利用は、Googleが公開している事例や、弊社での実績としても従来のショッピングキャンペーンと比べて成果が向上する事例も多いため、十分なコンバージョン数がある場合は自動入札を利用することを推奨しています。
この記事では、tROAS(目標広告費用対効果)などの自動入札を使って「ショッピング広告」を運用する場合の効果的なキャンペーンの分け方を解説します。
参考:ショッピング キャンペーンに目標広告費用対効果(ROAS)を設定する(公式ヘルプページ)
自動入札には、十分なコンバージョン数が必要
自動入札を利用して「ショッピング広告」を配信するにあたり、どのような場合でも共通して踏まえておきたいのは、「十分なコンバージョン数があること」です。
通常のショッピングキャンペーンにおいて、「tROAS(目標広告費用対効果)」入札戦略を使用する場合に必要なコンバージョン数は「過去30日間に15件以上」とされています。
参考:目標広告費用対効果に基づく入札について(公式ヘルプページ)
「商品カテゴリごとの予算が決まっており、商品カテゴリごとにキャンペーンを分けなくてはならない」というようなケースもあるかと思いますが、キャンペーン単位で十分なコンバージョン数がない場合は、機械学習が十分に機能するだけの学習量でないため、自動入札は利用しない方がよいかもしれません。
参考:ショッピング キャンペーンに目標広告費用対効果(ROAS)を設定する(公式ヘルプページ)
「ショッピング広告」での、効果的なキャンペーンの分け方
効果的なキャンペーンの分け方は、ECサイトの商品ラインナップの特性により異なります。
1つのキャンペーンにまとめて配信
以下の2つに当てはまる場合は、1つのキャンペーンにまとめて配信した方が効率的と考えられます
- 商品の価格帯や利益率にばらつきがない
- カテゴリ毎に予算や目標が分かれているなどの事情がない
理由は、十分なコンバージョン数が得られるため(機械学習のための学習量)です。
自動入札を利用する場合、キャンペーン毎のコンバージョン数は多ければ多いほど、機械学習の精度が上がるため、以上の条件に当てはまる場合は1つのキャンペーンにまとめて配信した方がよいでしょう。
目標ごとに分ける
商品カテゴリやグループ毎に目標が異なる場合は、目標ごとにキャンペーンを分けましょう。
目標広告費用対効果はキャンペーンごとに目標を設定して、目標を達成できるように入札単価が調整されるため、当然のことではありますが、目標が異なる場合は目標ごとにキャンペーンを分け、それぞれの目標に合わせた目標値を設定しましょう。
利益率ごとに分ける
以下の条件に当てはまる場合は、利益率ごとにキャンペーンを分けることで利益率の向上が期待できます。
- 商品によって利益率にばらつきがある
- 利益率に差がある
- 自社商品だけでなく仕入れ品も販売している
tROASは、設定した目標ROASに合うように自動で入札単価が調整されますが、ROASという数値はコンバージョン値(売上金額)から算出されるものであり、利益率については考慮されません。そのため、利益率の低い商品のCV数を増やした方がROASを達成しやすいと機械学習によって判断された場合、利益率の低い商品に配信が寄るということが起こりえます。
利益率ごとにキャンペーンを分ければそのような状況が回避できるため、TOTALの利益率向上に繋がる可能性があります。
利益率ごとにキャンペーンを分ける方法
利益率ごとにキャンペーンを分けるには管理画面で利益率ごとに商品を区別できるようにする必要があります。
ショッピングキャンペーンはフィードの情報を元に配信するため、フィードのカスタムラベルに利益率ごとに区別できるラベルを付与しましょう。ただし、細かく区切りすぎるとキャンペーン毎に十分なコンバージョン数が得られない可能性があるため注意しましょう。
参考:ショッピング広告でカスタムラベルを使用する(公式ヘルプページ)
価格帯ごとに分ける
以下の条件に当てはまる場合は、価格帯ごとにキャンペーンを分けることで合計の売上額が向上する可能性があります。
- 取り扱っている商品の価格帯に幅がある
- 低額の商品ほど販売数が多い
tROASは、設定した目標ROASに合うように自動で入札単価が調整されます。高額な商品が売れた方が売上、ROASへの貢献度が高いため、tROASという入札戦略自体は価格帯の幅があってもバランス良く売上がつき、入札戦略が効率よく機能する場合もあります。
しかし、高額の商品の売れる頻度がそこまで高くない場合は、よりコンバージョンを獲得しやすい低額の商品に配信が寄り、高額な商品の配信量が減ってしまうということもあり得ます。
弊社の運用事例でも価格帯別にキャンペーンを分けた結果、分割前後で売上金額、ROASが向上した事例もあるので、実際の配信状況から上記の懸念がある場合は、価格帯別に分けてみることをオススメします。
価格帯ごとにキャンペーンをわける方法
価格帯ごとにキャンペーンを分けるには管理画面で価格帯ごとに商品を区別できるようにする必要があります。
フィードには商品ごとに価格の情報(price)はありますが、その情報を利用して商品グループ、リスティンググループを分けることはできません。
そのため、利益率ごとに分ける方法と同じようにフィードのカスタムラベルに価格帯ごとに区別できるラベルを付与しましょう。
参考:ショッピング広告でカスタムラベルを使用する(公式ヘルプページ)
この場合も、細かく区切りすぎるとキャンペーン毎に十分なコンバージョン数が得られない可能性があります。
配信を強化したい(抑制したい)商品を切り出す
以下の条件に当てはまる状況の場合は、一部の商品を切り出してキャンペーンを分けることで、意向に応じた配信が可能になります。
- 特に売り出しを強化したい商品群がある
- キャンペーンで拡販をしたい
- 販売数を増やして在庫を減らしたい
- 販売はできるものの、積極的に広告は出したくない商品群がある
- 在庫が少なくなってきており、積極的に広告は出したくない
tROASは、設定した目標ROASに合うように自動で入札単価が調整されるため、特に配信を強化したい商品群があったり、逆に抑制したい商品群があったとしても、それらが混在していると、商品群ごとに入札を調整することはできません。
そのため、配信を強化したい、または抑制したい商品群がある場合は、別のキャンペーンに切り出して、それぞれに合わせた目標値を設定することで意図に応じた配信ができます。
配信を強化(抑制)したい商品ごとにキャンペーンを分ける方法
この場合も、これまでに紹介した方法と同じようにフィードのカスタムラベルに区別できるラベルを付与します。
参考:ショッピング広告でカスタムラベルを使用する(公式ヘルプページ)
付与したラベルごとにキャンペーンを立て、強化したいキャンペーンの目標ROASは相対的に低く、抑制したいキャンペーンの目標ROASは相対的に高く設定することで、配信の強化、抑制ができます。
参考:フィードラベルを使って特定のフィードの商品を宣伝する(公式ヘルプページ)
おわりに
いくつかの事例に分けて、ショッピング広告における効果的なキャンペーンの分け方を紹介しました。
これらの内容はまとめれば、「自動入札の特性を踏まえて使いこなそう」とも言えるかと思います。他にもそれぞれの広告主に合った最適な切り分け方もあるかもしれません。
また、価格帯×利益率などここで紹介した分け方を組み合わせて活用してもよいでしょう。この記事の内容が参考になれば幸いです。
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