【Google 広告・GA】アトリビューションモデルの使い分け方

【Google 広告・GA】アトリビューションモデルの使い分け方

Google 広告やGoogle Analytics(以下、GA)には、コンバージョン経路全体で広告を最適化する「アトリビューションモデル」機能があります。

具体的には、

  • ラストクリック
  • ファーストクリック
  • 線形
  • 減衰
  • 接点ベース
  • データドリブン

の6種類が用意されています(22年2月時点)。

個人的な意見ですが、各モデル活用シーンは、

💡 データドリブン = ラストクリック > 線形 > 減衰 > 接点ベース > ファーストクリック

の順番で多いような気がしています。

本記事では、「どれをどんなシーンで使えばいいの?」という疑問に対して、広告運用者の目線から、私なりに考察したことについて書いてみます。

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アトリビューションモデルの概要

まず、簡単にアトリビューションモデルの概要について触れておきます。

アトリビューションとは

広告運用におけるアトリビューションとは、ユーザーが複数回、あるいは複数種類の広告に接触しコンバージョンした際に、「コンバージョンの直前にクリックした広告 = ラストクリック」だけを評価するのではなく、そのラストクリックに至る過程も考慮し、広告効果を評価することです。

下図のように、ラストクリックでは場合は「広告3」だけが評価されますが、アトリビューション分析では「広告1、2」も評価します。

Google広告やGAには、この考え方に基づいた「アトリビューションモデル」機能があり、モデル同士の結果の差を見たり、任意のモデルに基づいて入札単価を最適化したりすることができます。

アトリビューションモデルの種類と特徴

ラストクリック

コンバージョンするまでにユーザーがクリックした広告のうち、コンバージョン直前にクリックした広告だけに貢献度を割り当てます。

ファーストクリック

コンバージョンするまでにユーザーがクリックした広告のうち、最初にそのサイトに流入するきっかけになった広告だけに貢献度を割り当てます。

線形

コンバージョンするまでにユーザーがクリックした広告すべてに貢献度を割り当てます。(例:コンバージョンするまでに4種の広告をクリックしていた場合、各広告に0.25CVを割り当てるイメージ)

減衰

コンバージョンから遡って7日間隔ごとに半減した貢献度を割り当てるモデルです。

接点ベース

コンバージョンするまでにユーザーがクリックした広告のうち、最初と最後の広告に40%、残りの広告に残った20%を均等割り振りするモデルです。

データドリブン

対象のコンバージョンアクションについて、過去のデータに基づいてコンバージョンの貢献度を割り当てます。他のモデルとは異なり、アカウントのデータを利用して、コンバージョン経路全体における各広告の貢献度が計算されます。

モデルごとに適した「状況」と「商材」

あくまでも個人的な経験に基づく見解ですが、それぞれのモデルと相性の良い「状況」と「商材」について考えてみます。

ラストクリック

状況:目先のコンバージョンを増やすことが優先されるケース。短期的に獲得数を伸ばすという点において、もっとも適している。(よくも悪くも「購入しようとしている人」に最適化されやすい)

商材:

  • 検討期間の短い商材
  • コンバージョン数の多い商材(ECなど)

ファーストクリック

状況:広告経由での獲得が軌道に乗り、ブランドワードでのコンバージョンも増えてきている状態において、より認知を広げていきたいケース。

ただし、ファーストクリックモデルは初回接触以降を加味せずに運用することになるため、「その接点は、どれほどコンバージョンに貢献したのか?」という評価が難しい印象があります。なので、このモデルを利用するのであれば、ファーストクリック以降も評価に組み込む「接点ベースモデル」(後述)の方が扱いやすい印象です。

商材:

  • 業界内シェアの高いブランド

線形

状況:キャンペーンの目的に「獲得施策」や「認知施策」といった役割を「明確に設けていないケース」で利用しやすいモデルです。各広告を均等に評価するため、平均的な最適化がなされます。

商材:

  • 検討期間の長い商材(複数広告への接触が想定されるため)

減衰

状況:唯一、「接触回数」だけでなく「コンバージョンまでの時間」を加味して配分できるモデルです。認知施策をおこなっているが、同時にできるだけ短期でコンバージョンを増やしたいケースにおすすめです。「認知目的の施策だが、IMP数やブランド認知だけでなく一定数のCVを期待している」、「認知目的でも、当月~2ヶ月以内などの短いスパンでCVすること期待している」とったケースが考えられます。

商材:

  • 検討期間が短めの商材
  • 認知~検討施策を展開しつつ、獲得フェーズに移行していきたい商材

接点ベース

状況:「認知施策」と「獲得施策」の役割を、明確に分けてアカウントを構成している場合に便利なモデルです。コンバージョンするまでにクリックされた広告のうち、最初と最後の広告により多くの貢献度が割り当てられるため、「認知施策=初回クリック」で効果の高い広告と、「獲得施策=ラストクリック」の中で効果の高い広告がバランスよく評価され、最適化されることが期待できます。

商材:

  • 検討期間の長い商材
  • ブランド認知の高い企業が新たに始めた商材

データドリブン

状況:上に挙げたような特別な理由がない限り、基本的にはこのモデルを利用するのがいいと思います。日進月歩で発展を続ける「部分一致」と「自動入札」を利用し、さらにこのデータドリブンモデルを設定すれば、「認知獲得と目先のコンバージョンを両立させながら、効率よく全体の件数を伸ばしていく」ことも可能です。

ただ、データドリブンモデルを使用するには、過去30日間で一定数以上のクリックとコンバージョン数が必要ですのでご注意ください。

商材:

  • あらゆる商材
  • 過去30日間で3,000回以上の広告クリックと300回以上のCVがあること(22年2月時点)

以上です。参考になれば幸いです!

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アシスタント・マネージャー

中野 亮

新卒で株式会社ロックオン(現イルグルム)に入社。広告効果測定プラットフォーム 「AD EBiS」の広告主・広告代理店向けの営業を担当。 業務を通してデジタルマーケティングの世界に強い興味を持ち、 オーリーズであれば「自分を叶え」つつ、お客様のビジネスも叶えられる環境があることに感動し、入社を決意。 「代理店の担当者」ではなく「お客様のマーケッター」になることを目標に邁進中。

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