Amazon広告でインプレッションが伸びない原因と、その4つの対策

Amazon広告でインプレッションが伸びない原因と、その4つの対策

「入札単価を高く設定しているのに、思うようにインプレッションが伸びない…」。Amazon広告の運用で遭遇するよくある問題の一つです。

Amazon広告は、多くの人にとって親しみのあるGoogle広告とは、異なる検索アルゴリズムの特徴を持っています。

今回は、Amazon広告のインハウス運用者や運用型広告の初学者に向けて、Amazon広告でインプレッションが伸びない原因と、その4つの対策をご紹介します。

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Amazon広告でインプレッションが伸びない原因

インプレッションシェアの損失が起きている

インプレッションシェアとは、広告表示機会の総数に対して、実際に広告が表示された回数(インプレッション数)の割合です。

たとえば、あるキーワードが10,000回検索されたとして、そのうち2,000回だけ広告を表示させることができたら、インプレッションシェアは20%です。つまり80%は、何らかの理由によって広告表示ができなかったことになります。この「何らかの理由」を特定し、対策することがインプレッションの伸び悩みの解決策になります。

ちなみに、インプレッションシェアの損失率は、Google広告では管理画面の機能を通じて確認できることで有名ですが、残念ながらAmazon広告にはこの機能はありません。(2021年1月現在)

インプレッションシェアの損失理由は、以下の2つに大別されます。

インプレッション損失率(予算)

広告表示機会の総数に対して、キャンペーンの1日の予算が不足していることにより広告が表示されなかった回数の割合。

インプレッション損失率(ランク)

広告表示機会の総数に対して、オークションランクが低いことにより広告が表示されなかった回数の割合。

以下では、「オークションランク」の決定プロセスを理解するために、Amazonの広告オークションの特性を解説します。

Amazonの広告オークションの特性

カスタマーがAmazon 内で商品を検索すると、Amazon はリアルタイムでオークションをおこない、どのスポンサー広告を表示するかを決定します。

Amazonの広告オークションでは、「オークションランク」のもっとも高い広告が表示される仕組みになっています。オークションランクは、「入札単価 × 関連性」で決定されます。

ある検索クエリに対し競合よりも高い入札単価を設定していても、関連性のスコアが低ければ、結果としてオークションランクは低くなり、広告が表示されづらくなります。

より多くの広告インプレッションを取るためには、高い入札単価を設定することに加えて、「いかに関連性を高めるか」という観点が重要です。

関連性とは?

以下が、関連性に影響を与える要素の一例です。(影響度の優劣については、詳細は開示されていません)

  • キーワードと商品の関連性
  • キーワードの商品情報、広告見出しの一致率
  • 検索キーワードからの売り上げ実績(売り上げ件数や購入率)
  • カスタマーの商品評価

この中でも、Amazonの広告オークションの特性として注目すべきは、「売り上げ実績」が含まれている点かと思います。

Googleの検索エンジンは、「ユーザーにとって望ましい情報を提示すること」を最適化の目的としています。対してAmazonの検索エンジンは、「カスタマーにとって望ましい商品を提示すること」を最適化の目的とします。

よって、「過去に売り上げの多い商品は、Amazonだけでなくカスタマーにとってもよい商品である」という考えのもと、オークションの関連性を決める要素の一つに「売り上げ実績」が入っています。結果として、購入率が高く、売り上げの実績がある商品ほど、関連性が高くなります。

インプレッションを伸ばすための対策

ご紹介するインプレッションシェアを伸ばすための対策は、下記の4つです。インプレッションシェアの損失理由ごとに対策を分類しました。

1. 日予算割れの解消
2. 入札戦略の変更
3. キーワードの改善
4. 商品詳細ページの改善

1.日予算切れの解消

この対策の目的は、「キャンペーンの日予算切れによるインプレッションシェアの損失を回避すること」です。一日の予算を早い段階で使い切っている場合は、日予算の増額を検討しましょう。

予算の増額をする前に、併せて「無駄な配信がないか」をチェックすることもおすすめします。少なくとも下記のポイントはチェックしておきたいところです。

  • 部分一致によって不必要な検索クエリが拾われていないか
  • 意図しないカテゴリキーワードやビッグワードに偏った広告配信がされていないか
  • 除外キーワードのメンテナンスが実施できているか

2.入札戦略の変更

この対策の目的は、「入札額の調整幅を拡張すること」です。入札の基本方針である「入札戦略」を変更することで、状況に応じた柔軟な入札調整が可能となります。

広告の配信開始当初は、オークションの関連性が低くなりがちで(売り上げ実績が少ない、などの理由から)、インプレッションが伸び悩むケースも多いと思います。

入札単価を高く設定することによってインプレッションの獲得を狙っていきますが、単価を上げても伸び悩む場合は、「入札戦略」そのものを変更することも視野に入れましょう。

Amazon広告の自動入札には、「①キャンペーンの入札戦略」「②掲載枠ごとの入札の調整」の2種類があります。下図がその設定画面です。

①キャンペーンの入札戦略

Amazon広告には、売り上げにつながる可能性(予測CVR)に基づいて、自動で入札単価を調整する「入札戦略」機能があります。具体的には以下の3つです。

  • 「動的な入札 – ダウンのみ」        :売上につながる可能性が低い場合、入札額を引き下げる
  • 「動的な入札 – アップとダウン」:売上につながる可能性が高い場合は入札額を引き上げ、売上につながりにくい場合は入札額を引き下げる
  • 「固定額入札」                      :自動調整なし

特別な理由がなければ、「動的な入札 – ダウンのみ」もしくは「動的な入札 – アップとダウン」がおすすめです。特定キーワードでの露出を強化したい場合や、費用対効果よりもインプレッションを重視したい場合などは、「固定入札」の利用を視野に入れても良いでしょう。

また、この入札戦略は、下記の「掲載枠ごとの入札調整」機能と組み合わせることが可能です。

②掲載枠ごとの入札調整

以下2つの掲載枠に対して、入札額を0~900%の間で調整することが可能です。

  • 検索結果の最初のページの上部
  • 商品ページ(商品詳細ページ、カートページなどを含む)

掲載枠ごとにインプレッションの程度を調整したい場合は、この掲載枠ごとの入札調整機能の利用を検討しましょう。

3.キーワードの改善

この対策の目的は「アクティブキーワードを増加させること」です。インプレッションが発生するキーワードを発掘し、追加することで露出の増加を狙います。新しいキーワードの発掘には、スポンサープロダクト広告の「オートターゲティングのキャンペーンレポート」の活用をおすすめします。スポンサープロダクト広告のレポートは、管理画面から以下の実施手順で作成します。

実施手順

1. Amazonスポンサー広告の管理画面で、サイドメニューから「レポート」を選択する
2. 「レポートを作成」を押下する
3. 設定画面が表示されたら、キャンペーンタイプのラジオボタン選択から「スポンサープロダクト広告」を選択する
4. レポートタイプのラジオボタン選択から「検索ワード」 を選択する

下図が実施手順3.~4.の設定画面です。

4.商品詳細ページの改善

この対策の目的は、「購入率の向上」です。先述の通り、オークションランクを高めるためには、関連性スコアを高める必要があり、その一つの要素に「売り上げ実績をつくる」ことが上げられます。

それぞれの詳細な改善方法は割愛しますが、代表的なチェックポイントを以下に記載します。以下の改善を図ることで、購入率の向上に加え、キーワードの関連性の観点から、自然検索での上位表示も期待できます。

  • 商品名
  • 商品画像
  • 商品紹介コンテンツ
  • 在庫状況
  • ショッピングカートボックスの獲得
  • A+
  • カスタマーレビュー
  • 検索用キーワード

以上です。本記事がAmazon広告の運用時の改善指針の一つとしてお役に立てれば幸いです。

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト/チーフ

小西 伸弥

外資系製薬会社のMRとして入社2年でトップパフォーマンスを発揮した後、フリーランスとしてWEBコンテンツ企画・コンサルティング・コミュニティビジネスを展開。 自身のビジネスが拡大していく中で、デジタルマーケティングの影響力の大きさとその深さに魅了される。 ビジネス課題を起点として、キャリアを歩む中で最も大切としていた「顧客にとって真に価値があることを追求する」という信念から、オーリーズに入社を決意する。

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