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Facebook広告 広告評価を決定する3つの要素
数ある運用型広告の中でも、世界的に見てGoogleAdWordsとFacebookの広告売上高は2大巨頭として、その存在を揺るぎないものとしています。特に近年のFacebookの成長は著しく、今や運用型広告を検討する上で、欠かせない広告媒体の一つとなっています。
しかし、「なかなか思うように広告配信がされない」、「そもそもFacebookがどういう要素を広告評価対象としているのかが分からない」というFacebook特有の難しさに関するご相談をよく頂きます。
今回は、そういったご質問にお答えすべく、
- Facebook広告の入札とオークションの仕組み
- 仕組みを理解した上でどう運用に活かすのか
についてまとめていきたいと思います。
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Facebook広告の入札とオークションの仕組み
Facebookの広告主向けヘルプセンターを見ると、Facebook広告におけるオークションでは、「最高金額を入札した広告が落札される」という一般的なオークションとは異なり、「総合的な価値」を最も多く生み出す広告が落札される仕組みとなっているようです。
ここで早速、広告の「総合的な価値」とは何か、そして、それはどのように決定されるのでしょうか。
更にヘルプセンターを掘り下げていくと、Facebook広告における「総合価値」とは、次の3つの要素の組み合わせで決まると明記されています。
Facebook広告オークションにおける「総合価値」は、次の3つの要素の組み合わせで決まります。
- 広告主の入札額
広告セットを作成する際に設定した入札額で、広告を表示することに対しての関心の高さを示します。自動でも手動でも行えます。- 広告の質と関連度
広告の品質と関連度を測定し、あなたの広告の閲覧に利用者が関心を持っているかを示します。- 推定アクション率
推定アクション率とは、利用者が、最適化対象に選んだ結果を得るために必要なアクションを起こす見込みのことです。
<参考: facebook business 入札と広告オークションのしくみについて理解する。>
オークションが発生すると、上記3つの要素を、最適化対象のさまざまな目標に対して標準化し、それらを組み合わせて総合価値が算出されるようです。
このことから、表示させたい広告の総合価値が高いことをFacebookに示す事ができれば、オークションに優位に働きかけることができる、と言えるでしょう。
※最適化対象とは、広告を配信する際に価値を置く内容のことです。詳しく理解したい方は、私が以前ご案内した記事とヘルプページの記述を御覧ください。
では、なぜFacebookは広告表示において、この3つの要素を重要視しているのでしょうか。
またまた、ヘルプページを掘り下げていきましょう。
Facebookでは広告を表示する際、次の2点のバランスを取ることを目指します。
- ターゲット層へリーチして結果を得られるように支援し、広告主にとっての価値を生み出すこと
- Facebook、Instagram、オーディエンスネットワークの利用者に対して有益で関連度の高い利用環境を提供すること
Facebookでは、この2点を達成するために、広告主とユーザーの両者の利益が反映されるようにオークションを実施することが理想だとしています。
Facebookは、この理想を達成するために、広告主の入札で「広告主の意志」を、広告の質と関連度で「利用者の関心度」を、推定アクションは「広告主の広告表示の目的に対して、利用者がアクションを起こしたか」を測り、利用者と広告主がWin-Winの関係を築ける様に設計されていると言えます。
仕組みを理解した上でどういった運用をするべき?
では、この「総合価値」を決定する3つの要素をどのように変化を加えれば、Facebookから正しい評価を得ることが出来るでしょうか。
1.広告主の入札額
広告セットを作成する際に設定した入札額は、Facebookに対して広告を表示することに対しての関心の高さを示します。
入札には大きく2つ、手動入札と自動入札があり、選択したキャンペーンの目的、最適化対象で、入札方法は異なります。
例えば、下記は広告の目的を「投稿のエンゲージメント」、最適化対象を「投稿のエンゲージメント」、入札方法を「自分で設定」に選択した場合の画面例です。
手動で入札を行う場合、推奨入札価格と入札価格範囲が表示されます。ターゲット設定や広告のパフォーマンス状況、競合の入札状況など、様々な要素を元にFacebookがそのタイミングで算定した入札単価の目安が表示されます。
上述の通り、選択したキャンペーンの目的、最適化対象で、入札方法は異なります。
下記は2017年1月時点で確認できる、目的と最適化対象、課金形態の一覧をまとめてみました。
赤字で表示されているものが、Facebookが推奨している入札方法です。
キャンペーンで設定した目的を達成するために最も適した入札方法をFacebookが指定してくれています。
自動入札は、オークションごとに広告の最適化対象となっている結果を最大化することを目標に、入札額が計算されます。この入札額の計算には、設定したターゲティング、ウェブサイトに実装されたピクセル情報や、目的の達成度合いなど様々な変数を元にしているため、リアルタイムに手動でCPCを調整していくこと以上の価値を発揮してくれます。
これらから、「このターゲットには出来る限り配信を強めたい」「配信したいターゲットボリュームが極めて限定的」という場合は手動でCPCを調整することをおすすめしますが、それ以外の多くの場合は自動入札でFacebookが推奨している入札方法を選択することが良いかと思います。
2.広告の質と関連度
配信された広告に対して、ユーザーがどれだけ興味関心を持っているかを示します。
これは「関連度スコア」という数値化された値で確認することが出来ます。
関連度スコアは管理画面から広告を選択し、列をカスタマイズすることで、確認することができます。
「関連度スコア」だけでなく、「好意的な意見」「否定的な意見」も併せて選択することで、広告に対してのポジティブな情報、ネガティブな情報がどの程度集まっているかを確認することが重要です。
下図は、実際に広告の関連度スコアを表したものです。「関連度スコア」列には1~10の数字が表示され、「好意的な意見」「否定的な意見」は低、中、高の評価で示されます。
「好意的な意見」とは、広告を見た利用者が、望ましいアクション(投稿へのリーチやリンクのクリックコメントなど)を起こして、広告の目的の達成に貢献した回数に基づいて計算されます。
一方、「否定的な意見」とは、非表示、スパム報告、いいね!を外すなどを起こした利用者の数に基づくスコアです。
少々前置きが長くなりましたが、関連度スコアを向上させるために、広告運用上どういう取り組みが出来るでしょうか。下記に3点挙げてみます。
ターゲットを絞る
例えば、「10代から40代の男女」といった不特定多数に配信を行うと、訴求が散漫になり、関連性の低い人に広告が表示される可能性が高くなります。特定の地域、年齢層、趣味関心、行動などでターゲットを絞り込む、カスタムオーディエンスを使用することで、関連性の高いターゲットにリーチし、広告へのエンゲージメント(ターゲットが起こしたアクション数)を高めます。
広告の画像やメッセージを差し替える
画像やメッセージ(見出し、テキスト、コールトゥアクション、ニュースフィードリンク説明文)を変更し、設定したターゲットに対して、どういった訴求が関連度スコアを高めるか検討します。
広告の鮮度を保つ
時間がたつと、もともと広告に肯定的に反応していたターゲットでも広告への反応が少なくなっていくことがあります。必ずしも、「2週間に1回差し替える」といったような定量的に頻度を決める必要はありませんが、「広告の関連度スコアが落ちてきた」、「表示回数が減ってきた」、「フリークエンシーが高まってきた」などの情報から変更を柔軟に検討してみましょう。
上記のように、主にターゲット設定と広告素材の画像とメッセージ、鮮度を繰り返しテストし、改善することで関連度スコアは向上していきます。
3.推定アクション率
利用者が、最適化対象に選んだ結果を得るために必要なアクションを起こす見込みを示します。
推定アクション率は総合価値を決定する3つの要素の内、「入札額」や「関連度スコア」のように可視化出来る指標でないため、最も気をつけたい要素です。
推定率は広告を見る利用者がこれまでに取ったアクションと、広告のこれまでのパフォーマンスを基準に算出されるため、まずは、広告配信の結果、設定した「最適化対象」を達成出来たという実績作りが必要になります。
目的と最適化対象の組み合わせは様々ですが、特に利用されているケースが多い、「ウェブサイトコンバージョン」を例に考えてみましょう。
ここでは、Facebookの推奨する最適化対象コンバージョン、課金対象インプレッションで自動入札を設定したとします。
「ウェブサイトコンバージョン」を目的とした広告の最適化(推定アクション率の最大化)を行うためには、統計的に有意な数のコンバージョンを分析することで、はじめて最適化ができるようになっているため、充分な数のコンバージョン数が得られることが不可欠です。
そのコンバージョン数の目安は「広告セットで1週間あたり最低でも15~25件のコンバージョンを獲得すること」としています。
では、「え?広告セットで1週間あたり最低でも15件?そんなにコンバージョン数ないけど、どうしたらいいの?」という場合は、どのように改善を行えばよいでしょうか。
下記に改善手段を列挙してみます。
コンバージョンウインドウを広げる
コンバージョンウィンドウとは、広告をクリックしてから(または見てから)、コンバージョンイベントとして定義したアクションを完了するまでの期間を指します。
入札の対象は「選択したウィンドウ(時間枠)内に起こったコンバージョン」であるため、設定したコンバージョンウインドウより後に発生したコンバージョンは入札対象のデータにカウントされません。
最適化対象を「コンバージョン」に設定した場合、下図のように4つ選択することが出来ます。
例えば、コンバージョンウインドウに「1日間のクリック」を選択したとします。クリック後、1日以内に発生したコンバージョンの入札額が300円、クリック後、3日で発生したコンバージョンの入札額が100円だった場合、後者は低単価でコンバージョンを獲得していますが、設定した入札対象期間を超えているため、前者のコンバージョン情報を元に入札が行われます。
そのため、十分なコンバージョン数が得られない場合は、コンバージョンウインドウの期間を伸ばすことを検討しましょう。
一定以上のターゲットボリュームを保つ
広告セットを細かく分けて運用している場合、それらを統合することをおすすめします。
特に細かく分けているものの、ターゲットの重複率が高い場合は広告セットを統合しましょう。
ターゲットの重複率については下記を参考にして下さい。
上述しましたが、コンバージョンの最適化は広告セットに対してコンバージョンを集めることが重要です。
広告セットを細かく分けてしまうと、コンバージョンボリュームも分断されてしまうので、「広告セットで1週間あたり最低でも15~25件のコンバージョン」を獲得することが難しくなります。
ある特定のターゲットに対して、異なる入札価格を設定して優先的にリーチしたい場合以外は、細かく広告セットを分けることはぐっとこらえて、一定以上のターゲットボリュームを保ち、あとはFacebookがコンバージョンの可能性が高い利用者を見つけて広告表示してくれるのを待ちましょう。
ターゲットボリュームは広告セットのオーディエンス設定の潜在リーチで確認することが出来ます。
これは筆者の感覚値ではありますが、最低でも25万人以上の配信ボリュームを保つといいかと思います。
ゴールポイントを引き上げる
そもそもウェブサイトにおいてコンバージョン数が多くない場合、上記2点を変更してもコンバージョン数を増やすことができない可能性があります。
そうした場合は、コンバージョンのポイントを引き上げることをおすすめします。
例えば、eコマースの場合、購入に至る前にカートを通過することがほとんどだと思いますが、コンバージョンポイントを「購入」ではなく、「カートに入った」地点に設定することで、コンバージョンを達成したという実績をつくることができます。
もちろん、直接購入を増やす手段ではありませんが、Facebookの最適化を促すためには、コンバージョンデータをできるだけ多く与える事が重要なので、最適化のための一つの手と言えます。
※カートから購入にほぼ100%の確立で至る場合は、上記の限りではないのでご留意下さい。
最適化対象を変える
推定率を高めるためには、広告配信の結果、設定した「最適化対象」を達成出来たという実績づくりが必要だと上述しましたね。
最適化対象を元に最適化されるのであれば、最適化対象のハードルを下げてあげるのも一つの手段と言えます。
具体的に言うと、キャンペーンの目的を「ウェブサイトコンバージョン」に設定した場合、最適化対象には「コンバージョン」「リンクのクリック」「インプレッション」「デイリーユニークリーチ」の4つを選択することができます。
この最適化対象を変えることで、入札対象を「コンバージョン」ではなく「リンクのクリック」や「インプレッション」にハードルを下げることで、広告の配信量を増やし、少しでもコンバージョンを増やすことに繋げることが出来ます。
目的を変える
上記4点を変更した上で、どうしてもコンバージョンが達成できないということであれば、キャンペーンの目的に設定した「ウェブサイトコンバージョン」は適切ではないのかもしれません。
こうした場合は、「ウェブサイトへの誘導」や「投稿のエンゲージメント」に目的を変え、長期的にコンバージョンが発生するか、ポテンシャルを見たほうが良いかもしれません。
以上となります。お疲れ様でした。
今回は、Facebook広告の入札と広告オークションの仕組みについての理解とコンバージョンを例とした具体的な最適化の方法を挙げてみました。これからも、広告プラットフォームの機能を正しく理解し、成果を高めるための情報を発信していきたいと思います。
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