Amazon DSPとは?配信面やクリエイティブなど基本的な特徴を解説

Amazon DSPとは?配信面やクリエイティブなど基本的な特徴を解説

Amazonのサイトを利用する広告プラットフォームのうち、Amazonのサイト外でも表示することができる外部向け広告としてAmazon DSPがあります。

本記事では、Amazon DSPに関する特徴や相性の良い業界などの基本的な内容を紹介していきます。

Amazon DSPが具体的にどういう媒体か知りたい方はぜひ参考にしていただければと思います。

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Amazon DSPとは

Amazon DSP(Demand-Side Platform)は、Amazonのサイト外で広告を表示することができ、Amazon広告の中で、唯一外部から集客できる広告のことです。大きく以下3つの特徴があります。

1.Amazonの膨大な閲覧・購買データを活用した広告配信ができる

Amazonのように巨大なECプラットフォームでの購買データを活用したDSP広告はAmazon DSPが初めてです。 AmazonユーザーのAmazonでの閲覧・購入データを使用することにより、より自社商品に適したターゲティングできます。

Amazonが収集している数十億ものショッピングパターンに基づいてファーストパーティ(企業が自社で収集し、保有している顧客のデータ)、もしくはサードパーティ(第三者が保有しているデータ)のデータを活用した広告配信ができます。オーディエンスについてはAmazonの保有するオーディエンスと自社のオーディエンスの両方のデータを活用することができます。

2.Amazon内外に広告を配信できる

Amazonのサイト内だけでなく、Amazon外部のサイトでもAmazonユーザーに対してアプローチできます。Amazonサイト外部でも商品に興味・関心をもつユーザーに対して、販促・宣伝活動を大規模に展開できるようになります。

3.Amazonで商品を販売していない広告主も配信可能

Amazon DSPは数多く存在するDSPサービスの一種であり、出品者向けに用意されたスポンサー広告ではありません。Amazon出品者の広告主は「エンデミック」・Amazon出品者ではない広告主は「ノンエンデミック」として区別がなされますが、両者ともAmazon DSPを利用できます。

つまり、自社サイトでしか販売していない企業でもAmazon DSP広告は配信することができます。Amazonの出店はしていないけれど、Amazonを利用しているユーザーに広告を配信したいという企業にとっても効果的なターゲティング方法と言えるでしょう。

4.ブランドセーフティ機能がある

無効なトラフィックビューアビリティブランドセーフティに関するサードパーティの広告在庫を絞り込めます。例えばアダルトサイトや反社会的なサイトのようなブランド棄損に繋がる恐れのあるサイトには広告が表示されないようになっています。

参考:Amazon DSP(公式サイト)

Amazon DSPと他のDSPとの比較

数あるDSPの中でも、他の媒体と比較した際のAmazon DSPの特徴をまとめました。

Amazon DSPはユーザーの購買意欲が高い

Amazon内で商品検索をする人は、「商品を買うこと」を目的にサイトに訪れるユーザーがほとんどです。この「購買意欲が強いこと」こそが他のDSP媒体と比較したときの強みの一つといえます。特に「Amazonプライム」を利用している人は、送料が無料であることや、「プライム会員」向けの大きなセールもあり、他DSPと比較しても購入へのハードルが低い傾向にあります。

AmazonDSPとAmazon 広告を組み合わせて利用できる

Amazon広告を利用している方は、Amazon DSPを使うことでさらなる成果が見込めます。Amazon スポンサー広告によってAmazon サイト内で広告の表示を行った後に、Amazon DSPでターゲティングを行うことが可能です。Amazonのサイト内と外でトラッキングできる点は他のDSPにない特徴の一つであり、他Amazon広告との相性も良いと言えます。

Amazon DSPの仕組み

Amazon DSPの仕組みを理解しておくことで、Amazon スポンサー広告との違いをより把握できるようになります。

Amazon DSPアカウントの構成

Amazon DSPアカウントは主に上位から下記の5階層で構成されています。

  • Entity(エンティティ)
    • 代理店単位で作成されるAmazon DSPセルフサービスアカウントのことです。Advertiser単位でアクセス権限を付与することはできないため、ユーザーはEntity配下の全Advertiserにアクセスできます。
  • Advertiser(アドバタイザー)
    • 「広告主」を指します。「担当者名」や「会社の基本情報」等を入力する箇所になります。原則1広告主あたり1つのみ作成し、通常は申請から2営業日以内に承認されます。
  • Order(オーダー)
    • 「広告キャンペーン」を指します。広告を運用する目的、予算、表示頻度等を設定する箇所です。Advertiserの配下にあり、Orderの中にLineitemが含まれます。リンクインの場合はASINを、リンクアウトの場合はピクセルを設定し、コンバージョン計測を行います。
  • Line item(ラインアイテム)
    • 「広告グループ」を指します。ターゲティング・予算・入札価格等を設定する箇所です。Line itemには下記の4種類があり、配信できるデバイスとサプライソース(オンサイトかオフサイトか)が異なります。
      • Standard display
      • Amazon mobile display
      • AAP – Mobile app
      • Video
  • Creative(クリエイティブ)

参考:Amazon DSPの広告の特徴・仕組み~配信方法まで解説

Amazon DSPの注意点

Amazon DSPは、23年11月時点ではAmazon担当者もしくはAmazon DSPを取り扱っている代理店などが利用することができますが、事業会社である広告主が自社のみで運用することはできません

Amazon DSPの配信面

Amazon DSPは、幅広い配信オプションがあります。

Amazon内

Amazon DSPはAmazonの中で広告を配信することができます。主にAmanzonの純広告枠での配信となります。Amazonの内か外かで比較すると、内部で配信されるよりも外部に配信される量が圧倒的に多くなります。

Amazon外

Amazon DSPは、Amazon外でも広告を配信することができ、「Amazon Publisher Services(APS)」といいます。ASPは、Amazonが直接取引を行っているWEBサイト枠であり、たとえば『東洋経済オンライン』『デイリースポーツonline』などの大手メディアサイトに広告を配信することができます。

Google Ad Exchange

Amazon DSPは、Googleのディスプレイ広告と同じ広告枠に配信が可能です。Amazonのオーディエンスデータを活用してGoogleのディスプレイ広告を配信することができます。

Amazon DSPの配信費用・課金形式

Amazon DSPの最低出稿金額は300万円~です。ただし、代理店の場合少額から運用が可能ですので詳細はAmazonの担当者もしくはAmazon DSPを取り扱っている代理店に聞いてみましょう。課金形式はインプレッション課金です。獲得広告よりも認知広告に合っている課金形式と言えます。

参考:Amazon広告でかかる費用を解説

Amazon DSPのターゲティング

Amazon DSPのターゲティングは、クライアント名や事例のマスキング、詳細なターゲティングオプションの利用、リアルタイムオークションによる入札など、広告主が効果的な広告キャンペーンを展開するための機能が多数あります。

  • ホットカスタマーターゲティング
    • 「ホットカスタマー」とは、Amazonにて過去30日間で対象カテゴリに興味関心のある、購買意向の高いユーザー層を指します。
    • 大カテゴリは約20個/中カテゴリで約250個存在し、さらに細分化された商品カテゴリが無数に存在する為、そのカテゴリ閲覧をベースとしたセグメントを提供しており、約2500種類以上のカテゴリを有しています。
    • 過去30日間に、指定のカテゴリに属する商品ページを閲覧したユーザーに広告が配信されるためエンゲージメントが高いユーザーをターゲットにすることができます。
  • オーディエンスターゲティング
    • オーディエンスターゲティングはAmazon DSP内で発行できるトラッキングタグをサイトに埋め込む事でサイトにアクセスしたユーザーへ広告を配信できる手法です。
    • また顧客データを自社で保有していれば、顧客データをアップロードしてオーディエンスリストを作成し配信することも可能です。
  • ライフスタイルターゲティング
    • ライフスタイルは、特定のライフスタイルに関連した複数の商品カテゴリに関心を持つユーザー層を指します。カテゴリは約100種類以上あり、グルメ、スポーツ愛好家、テクノロジー愛好家など、特定のライフスタイルにマッピングされたユーザーへ自社商品を促すことができます。
    • 過去1年間の検索内容や閲覧・購入履歴などから好きなブランドや商品、関心のあるサブカテゴリーより特定の趣味嗜好を割り出しています。
  • 類似オーディエンスターゲティング
    • 類似オーディエンスターゲティングは、アップロードした優良顧客のデータやトラッキングタグで収集したコンバージョンユーザーのデータに類似した動きをしているユーザーをリスト化して配信する手法です。
    • 類似オーディエンスターゲティングは、新規の顧客を獲得する為に効果的な手法です。
  • リターゲティング
    • リターゲティングは一度サイトにアクセスしたユーザーを追客して配信できる手法です。
    • 比較検討離脱しているユーザーにアプローチする事で、効果的に購入へつなげることが出来ます。
  • アドバタイザーターゲティング
    • アドバイザーターゲティングは、Amazonが保有している匿名化された会員リストと自社で保有している顧客リストを照合させて配信できる手法です。
    • そのため自社顧客データとAmazon会員データに一致したユーザーに広告を配信することができます。上記のように様々なターゲティング手法がありますので、自社の目的に合った手法で効果的にユーザーへアプローチすることが可能です。
  • コンテキストターゲティング
    • コンテキストターゲティングは、リアルタイムのコンテンツ視聴に基づいて広告配信できる手法です。例えば、スポーツのブログを見ている時にランニングシューズの広告を表示させる等リアルタイムに興味関心のある内容を訴求することができます。
      参考:Amazon DSPは全世界でコンテキストターゲティングGAを開始

Amazon DSPと相性の良い業界

Amazon DSPと相性の良い業界を5つ選出しました。

  • オンライン小売業界
    Amazon DSPは、オンライン小売業界において広告主がターゲットユーザーに効果的に広告を配信するのに適しています。商品ページに関連する広告を表示したり、類似商品を提案する広告を配信することができます。
  • ゲーム業界
    Amazon DSPは、ゲーム業界における広告キャンペーンの効果的な展開に役立ちます。特定のゲームのユーザーに向けた広告を配信したり、新しいゲームのリリースを宣伝するために広告を表示することができます。
  • ファッション業界
    Amazon DSPは、ファッション業界における広告キャンペーンに最適です。特定のファッションブランドやアパレルアイテムに関連する広告を配信することができます。
  • 旅行業界
    Amazon DSPは、旅行業界における広告キャンペーンにも利用することができます。特定の旅行目的地に興味を持つユーザーに向けた広告を配信したり、ホテルや航空会社のサービスを宣伝するために広告を表示することができます。
  • テクノロジー業界
    Amazon DSPは、テクノロジー業界における広告キャンペーンにも適しています。特定のテクノロジー製品やソフトウェアに関連する広告を配信することができます。

まとめ

Amazon DSPの基本的な内容について説明してきました。他媒体と比較しても歴史が浅く、今後さらなるアップデートにも期待が持てる媒体の1つです。

配信を検討する際は出稿金額等確認の上、Amazon担当者もしくはAmazon DSPを取り扱っている代理店に問い合わせを行うことをお勧めします。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト

宮崎 征弥

新卒にて大手建設会社へ入社し、現場監督や見積業務に従事。超大型工事から小型工事まで大小問わず様々なプロジェクトに携わる中で、よりお客様と近い関係で一貫して業務を行いたいという気持ちが芽生えジョブチェンジを決意。課題解決に向けてお客様と徹底的に向き合って業務に取り組める組織運営の考え方に共感しオーリーズに入社。

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