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- 大花 ちなみ
「リモートで充分」と感じていた私が、出社したら大きく変われた話

業務をこなすだけならリモートでも十分やれる。実際、私はこれまでリモート中心の働き方を続けてきました。
でも、出社しているメンバーの姿を間近で観察したことで、出社ならではのメリットに気づくことが出来ました。
人間関係を円滑にするという側面はもちろんですが、「自分の弱点に気づき、働き方をアップデートできる」という思わぬ恩恵もあったんです。
正直、最初は出社に乗り気ではなかった
昨年のオフィス移転をきっかけに出社推奨日が出来たものの、最初は正直、出社に対して前向きではありませんでした。
皆リモートの働き方に慣れきっていたので、社内であまり喋ることも無く、まるで「出社してリモートワークをしている」ような状態だったんです。
自分の席で静かに作業をして、誰ともあまり話さない。出社の良さを実感できずにいました。
でも、同じ場にいることで「優秀なメンバーがどうやって仕事をしているのか」を間近で観察することができ、徐々に出社の魅力を感じるようになりました。
出社だからこそ見える、優秀なメンバーの働き方
出社して他の社員の働き方を観察している中で、特に印象に残ったのは「オフィスでの立ち回り」です。
優秀な人にはどんどん仕事が舞い込むので、いつも「膨大な量の仕事をどうやって回しているんだろう?」と不思議に思っていたのですが、オフィスで優秀なメンバーの動きを見ていると「全然椅子に座ってない」ことに気づきました。
ほとんど座らず、次々と人に声をかけて、相談を受け、判断していく。情報の中心に立ちながら、動きながら仕事を前に進めている。そんな姿が見えました。
また、「初動の早さ」も印象的でした。分からないことに遭遇したとき、すぐに立ち上がって誰かに聞きに行く。優秀な社員の「腰の軽さ」は、画面越しでは気づけないものでした。
加えて、オフィスで自然と耳に入ってくる「他のメンバーの会話」も学びになります。フィードバックをしている声、商談の会話、アポ取りのスクリプトなどが聞こえてきて、「ああ、そういう言葉選びをするんだ」「そういう考え方があるんだ」と気づくことができました。
オフィスではこういったいろんな情報が目に入って、思いがけない学びがある。リモートでは「結果」しか見えないけど、出社すると「プロセス」が見える。これが出社の魅力の一つだなと思います。
比べて初めて気づいた、自分の無駄な時間
こうして優秀なメンバーの動き方を観察しているうちに、自分は「考えてから動くまでが長い」ことに気づきました。
それまではリモートで働いていたので、自分が必要以上に時間をかけていることにすら気づけなかった。比べることで、初めて認識できることがあると思うんです。
チャットで相談するための文面の言い回しに悩んだり、クライアントに連絡するときの連絡の仕方に悩んだり。そういうところで足踏みしてしまったことに気づくことが出来ました。
出社で得た気づきをもとに、思い切ってそれまでの自分の動き方を変えてみました。
相談事が湧いてから相談するまで、クライアントに話したいことが湧いてから伝えるまで、その時間を短縮するようにしたんです。一つ一つの作業は習熟しないとなかなか短くならないかもしれませんが、無駄に悩んでいる時間は意識的に短くできると思いました。
正直、最初は抵抗がありました。細部が固まっていないうちに相談することで相手に負担を強いるような気がしたんです。
でも、やってみると意外と大丈夫でした。何も困ることはなかったし、自分が相手を恐れなくなったというか、そんなに遠慮することが少なくなったからこそ、心の距離は近くなった気がしました。
細部まで決まっていること自体は良いことだと思うけど、そこはそんなに重要じゃない。伝えたい芯の部分が明確であれば、細かな枝葉はそんなに重要じゃないことに気づけました。
出社文化があって良かった
リモートワークの環境で働いていて、なんとなく自分の成長にモヤモヤとしている人は、出社して、いろんな人の働き方を観察してみるのは良いんじゃないかなと思います。
自分との差がどこにあるのかを、言語化できなかったとしても、なんとなく感じること。そこに課題意識を持つことができれば、すぐにどうにかなるものではなくても、自分にとって目指すべき基準ができると思うんです。
それはリモートで画面を挟んでしか見れないときと、同じ空気を吸えるときとでは、ぜんぜん解像度が違うと感じています。
最初は「リモートで充分」と感じていた私でしたが、優秀な人の時間の使い方を間近で見ることで、自分の無駄な時間に気づけました。そして、相談やチャットを投げる速度を上げることで、相手との心の距離も近くなりました。
人間関係が良くなるだけでなく、仕事への取り組み方をアップデートすることが出来たんです。私の経験が、少しでも参考になれば幸いです。