キャンペーン統合により売上が130%に向上した事例

キャンペーン統合により売上が130%に向上した事例

広告を実施する際、商品やターゲット、広告ごとにキャンペーンや広告グループを分ける手法はよく使われますが、細分化が進むにつれてキャンペーンや広告グループの数が非常に多くなってしまうという経験はありませんか?キャンペーンを細かく分けることが全て悪いわけではありませんが、「広告配信の目的」によってキャンペーン設計は大きく変わります。

今回は細分化されたキャンペーンを統合したことにより成果が改善した事例をご紹介いたします。

最後に、キャンペーン統合をすべきかについての判断基準も掲載しているので、参考にしていただければと思います。

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広告キャンペーンの設計について

キャンペーンとは?

そもそもキャンペーンとは、広告を表示するための設定や戦略をまとめた「箱」のようなものです。

  • 予算
  • 入札戦略
  • ターゲット地域
  • 配信先ネットワーク

などはキャンペーンごとに設定する項目です。

その配下の広告グループでは

  • 広告
  • キーワード
  • 入札単価

などを設定することができます。

参考:Google広告ヘルプ「キャンペーンとは」

キャンペーン設計でやりがちな間違い

キャンペーンは、商品やサービスのカテゴリごとに作成するのが一般的ですが、遷移先や広告テキストを細かく出し分けたいために細分化することもあります。もちろん、遷移先や広告テキストをより細かく設定することが効果的な場合もありますが、キャンペーンを細分化しすぎてしまうと予算やデータが不足し、機械学習が機能しなくなることもあります。

キャンペーンを統一したうえで、設定を細かく出し分けたい場合は広告カスタマイザなどの機能を利用することも可能です。

広告カスタマイザの設定についてはこちらの記事をご覧下さい。

キャンペーン統合により収益が130%改善した事例

ここでは、実際にキャンペーンを統合したことによって成果が改善した事例をご紹介します。

今回紹介する事例は、他の代理店から弊社へ切り替えた直後の話です。当時、キャンペーンが商材ごとに細分化していたため、予算・データの不足が発生していました。そこで、収益割合の高いキャンペーン以外を統合したところ、収益が前年比130%に改善しました

前提条件

紹介する事例の前提情報は以下のとおりです。

  • 業種:業者用美容商材EC
  • 予算:net600万円/月
  • 媒体:Google、Yahoo、Microsoft、Criteo、RTB HOUSE
  • CVポイント:売上最大化
  • 状況:他代理店からオーリーズへ代理店を変更したばかり

施策実施前の課題

施策実施前、キャンペーンが商材ごとに細分化されており、合計で40キャンペーンほどありました。

日予算が数百円のキャンペーンもあり、予算が十分に確保できないため、学習に必要なデータがたまらず成果もなかなか上がらないという状態でした。

また、各キャンペーンのコスト割合や収益割合を算出したところ、指名、ショッピング広告、Criteoで全体の7割以上の収益を占めており、予算を効率よく使えていないことが課題でした。

実施した施策の内容

①指名、ショッピング、ディスプレイ(リマーケティング)、Criteo以外のキャンペーンを停止

獲得効率の高い媒体・キャンペーンの予算を確保することで、機会損失の削減・売上のトップラインの向上が期待できると考えました。

②停止したキャンペーンの内容を補完するためDSA(動的検索広告)キャンペーンを新設

キャンペーンを停止をしてしまうと各キーワードでの広告配信が出来なくなってしまうため、DSA(動的検索広告)キャンペーンでカバーをしました。

Google広告ヘルプ:動的検索広告について
Yahoo!広告ヘルプ:動的検索連動型広告のメリットと仕組み

施策導入後の結果

キャンペーン統合前後で全体の広告費用は同水準でしたが、施策後には売上・ROASともに向上し、売上は前年比平均130%にまで上昇しました。

また、キャンペーン構成変更後の予算・収益配分は以下のとおりです。

獲得効率の悪かった指名以外の検索キャンペーンのコストを大幅に減らし、全体の成果改善につながりました。

結果の考察

今回の結果を考察すると、以下のことが推測できます。

  • 分散していた予算やデータが統合されたことで機械学習がワークするようになった
  • 予算による損失が解消されたことで機会損失を減らすことができた

どちらも予算が十分に確保できないことが理由で成果が出ていなかった可能性が高く、キャンペーンを細分化しすぎることは成果に逆効果になる場合があることを示しています。

キャンペーン統合の判断基準

キャンペーンを細分化することのリスクについて再確認できましたが、実際にキャンペーンを統合するかの判断に迷われる広告主もいらっしゃると思います。

キャンペーン統合が向いているケースと向いていないケースを以下に整理しました。

キャンペーン統合が向いているケース

  • KPIがコンバージョン数や売上最大化の場合

キャンペーン統合が向いていないケース

  • キャンペーンごとに配信目的が異なる場合
    • 【例】キャンペーンA:売上最大化 キャンペーンB:インプレッション最大化
  • キャンペーンごとに配信地域が異なる場合

以下のどちらかに当てはまる場合は、データが不足して機械学習がワークしていない可能性が高いため、キャンペーン統合検討しましょう。

  • 各キャンペーン・広告グループの日予算が1,000円以下
  • 各キャンペーン・広告グループのコンバージョン数が月30件以下

ショッピング広告のキャンペーン設計についてはこちらの記事もご覧ください。

まとめ

今回はキャンペーンを統合し、成果が改善した事例をご紹介しました。

遷移先や広告テキストをより細かく設定することも大切ですが、最も重要なのは「キャンペーン構成が配信目的に合っているか」です。

目的が購入や売上の最大化にしている方は、キャンペーン統合の判断基準を参考に、統一できるキャンペーンがないか今一度ご確認ください。

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この記事を書いた人

株式会社オーリーズ

アドオペレーションズ・ストラテジスト/チーフ

吉川 千咲

新卒にて大手損害保険会社へ入社し、営業職としてキャリアをスタート。代理店の保険販売サポート、マネジメント業務に従事。クライアントワークを通じて、スキルの幅を広げ、より深い領域で支援・課題解決ができる人材になりたいという想いからオーリーズへ入社。広告主、ユーザ双方に価値のある広告運用のプロフェッショナルを目指し邁進中。

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