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  • 川島 崇志

Facebook広告 2016年アップデートの振り返り

>Facebook広告 2016年アップデートの振り返り

グローバルにおいて急速な発展を進めるFacebook。直近(1月13日)に『Facebook Audience Networkのリーチが10億人を突破』というプレスリリースの通り、パブリッシャーの増加に伴う規模拡大が留まるところを知りません。マーケティングに携わる方々にとっては、Facebookはすでに主要チャネルの一つになっているのは言うまでもない事実です。

しかし、日進月歩で進化が進む反面、機能改善などのアップデートの数や頻度も高く、知識のキャッチアップが追いつかず困っている方も多いかと思います。そこで今回は、「Facebook広告 2016年アップデートの振り返り」と題し、2016年度のFacebookの数多あるアップデートの中から、運用型広告の観点から私が特に重要だと感じた項目をピックアップして振り返っていきたいと思います。

 

目次

  • オーディエンスネットワークのネイティブパートナープログラムがローンチ
  • インスタント記事の新たな広告フォーマットがローンチ
  • オーディエンスネットワークでの広告配信先を制御可能に
  • 広告画像内テキストにおけるアップデート
  • 予算アルゴリズムに関するアップデート
  • カスタムオーディエンス作成における機能が多数アップデート

 

オーディエンスネットワークのネイティブパートナープログラムがローンチ(3月)

まずは、オーディエンスネットワークに関するアップデートです。

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オーディエンスネットワークとは、精度の高いFacebookのターゲティング機能を活用してFacebook以外のネイティブアプリに広告配信ができるプロダクトで、2年ほど前からFacebook外のウェブサイトやアプリの利用者に対して広告配信自体はできていましたが、Facebookを利用しているユーザーのみに限られていました。

また、2015年11月に発表されたSupership社とのパートナー締結により、Supership社の「Ad Generation」のネットワークに接続されている「グノシー」「Zaim」「ジョルダン乗換案内」「ジモティー」「auスマートパス」といったネイティブアプリが新たにオーディエンスネットワークの配信先に加わりました。

そして本発表では、オーディエンスネットワークの公式パートナープログラムがローンチされたことにより、これまでは上述した特定のネットワークのみが配信先対象となっていましたが、今後はプログラムに承認されたパートナーが新たに参入してくることで、配信面やリーチ数が何倍にも拡大することが想定されます。

▼参考URL

 

インスタント記事の新たな広告フォーマットがローンチ(10月)

2016年10月、オーディエンスネットワーク経由でInstant Articles(以下:インスタント記事)に広告配信ができる新たなフォーマットが発表されました。

インスタント記事とは、Facebookアプリ内のニュースフィード上で動画などを含むWEB上の記事を直接表示する機能です。これは、簡潔でインタラクティブな記事をFacebookアプリ内で素早く配信できるよう、メディアパブリッシャー向けに開発されたツール(仕組み)であり、基準を満たした各パブリッシャーは自由にFacebookモバイルアプリまたはMessenger内に記事を配信することができます。また、インスタント記事はデータを読み込む際にFacebookのインフラを利用するため、標準的な携帯サイトと比較して読み込み速度が最大10倍になるとのことで、主に回線が不安定なエリアでは重宝される機能となるでしょう。

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インスタント記事の広告フォーマットは、

  • リンクページの投稿
  • モバイルアプリインストール広告
  • 動画広告
  • カルーセル形式の広告

が対象となり、Facebook面への配信時と同じ画像素材が使用されるため、新たな広告素材の準備は必要ありません。

また広告の目的は、

  • 動画の再生
  • トラフィック
  • コンバージョン
  • エンゲージメント
  • アプリのインストール
  • 製品カタログでの販売

の場合に対応しています。

インスタント記事への配信を実施する場合は「自動配置」もしくは広告配置オプションで選択が可能です。

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インスタント記事への広告配信の判断については、現状は配信先リストを確認することができないため、的確な判断は難しいところですが、Facebookの発表によるとインスタント記事の導入効果として、

クリック:20%アップ

離脱率:70%ダウン

シェア:30%アップ

というデータを公表していることから、今後の改善も含め期待が持てるかと思います。

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▼参考URL

 

オーディエンスネットワークでの広告配信先を制御可能に

オーディエンスネットワーク経由で広告配信を行う際に特定の業種

  • 出会い系
  • ギャンブル
  • 政治
  • 宗教

の現状4カテゴリはウェブサイトやアプリで除外配信設定が可能になり、同時に、広告を表示したくないウェブサイトやアプリが個別に存在する場合、ブロックリストの作成が可能になりました。

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<カテゴリ除外>

広告マネージャ(またはパワーエディタ)の広告セット編集の[配置]セクションから選択可能です。

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<カテゴリ除外>

上図の[Audience Networkのブロックリストを適用]をクリックし[Create a block list]のリンクからブロックリスト作成画面に遷移します。なお、1つのブロックリストにウェブサイトドメインを10,000件までアップロード可能で、またそのブロックリストは広告マネージャまたはパワーエディタで広告を作成する際に適用可能です。

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▼参考URL

他にもオーディエンスネットワークで動画広告のサポートなど注目すべきポイントは多数ありますので、改めて別の機会でご案内したいと思います。

直近でのオーディエンスネットワーク関連のアップデートを振り返ると、大きな変化が起こり続けています。パブリッシャーには収益の拡大を、広告主にはリーチの拡大を、ユーザーには更なるリッチな体験を、といった形で改良を加えており、今後の更なる発展とそのポテンシャルを感じずにはいられませんね。

 

広告画像内テキストにおけるアップデート(6月)

本アップデート以前は広告画像内のテキスト比率が全体の20%を占めている場合、掲載承認自体が得られませんでしたが、アップデート以降は以前のポリシーでは承認されなかった広告でも掲載可能となるような新しいシステムが導入され、テキストの分量に応じて広告の配信量が変動(配信が少なくなる or 全く配信されない)するようになりました。

例えばカルーセル広告の場合でも、複数の原稿の中に1つでもテキスト過多な原稿があれば全体が影響を受けることになります。

※画像テキストチェックツールはこちら : https://www.facebook.com/ads/tools/text_overlay

Facebookは画像テキストを下記の4つのカテゴリに分類して判断します。

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しかし、下記のような例外に該当する広告は自動で判別されます。

例)書道、インフォグラフィック、映画のポスターなど、テキストを主とした製品の画像

また、テキストのうち「書籍の表紙」や「製品画像」は配信制限の対象外となり、下記3点は画像内の文字と見なされます。

  • ロゴ:文字ベースのロゴは、サイズや位置に関係なく、テキスト扱いになります。
  • ウォーターマーク:追加が義務付けられている場合、またはブランドガイドラインで定められている場合でも、すべてテキスト扱いとなります。
  • 数字:数字はすべてテキスト扱いとなります。

改めて本アップデートによって注意すべき点として、以前のように分かりやすく掲載承認の可否(=審査落ち)結果が得られるのではなく、配信量が変動することです。広告マネージャで広告を作成している段階で問題がある場合はアラートが鳴ることもありますが、入稿自体は可能なため画像テキストの評価が「OK」ではないものは配信状況を注視する必要があるでしょう。

▼参考URL

 

予算アルゴリズムに関するアップデート(6月)

以前は、設定した日予算を1日毎に使い切るというアルゴリズムが働いていましたが、本アップデートにより1週間(7日間)のサイクルで最適な予算配分を行おうとするアルゴリズムに切り替わりました。7日間のサイクルで週間予算を超過することは起こりませんが、1日の予算を最大で25%超過した金額を使用する可能性があります。

これにより、広告配信および予算配分を、より効率的かつ効果的に行うことができるとのことです。例えば、夜の時間帯にオンライン状態になるユーザーが多いと仮定すると、それまでに利用額が日予算の上限に達してしまっている場合、広告配信ができず機会損失が発生します。本アップデートにより、25%の幅と日曜日~土曜日の1週間の期間をもって、日々の状況に応じた最適な予算配分が行われます。

例:日予算が10,000円の場合、1日最大で12,500円(最小7,500円)を使用する可能性があります。

▼入札イメージ

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ここで注意すべきは、週半ばでの配信開始や予算変更を実施した際、使用金額は「比例配分」されることです。

例えば、日予算10,000円で週半ばの水曜日に配信開始/予算変更する場合、

∟配信開始:この場合は残日数(4日)で換算されるため、1日単位で25%の振れ幅が発生する可能性はありますが、週末までの上限予算は40,000円となりこれを超過することはありません。

∟予算変更:例えば日予算20,000円を増額する場合、7日間で70,000円を使用する代わりに、残りの4日間で120,000円を使用することに目標を切り換えます。ここで、初めの3日間(日曜~火曜)で使用された金額は、次の4日間(水曜~土曜)の消化目標額には影響を及ぼしません。つまり、予算変更を行ったタイミングの前後では、それぞれ独立した期間として扱われることになります。

Facebookはチャネルの性質上、設定変更を行うことで「最適な配信方法を学習し直す」というアルゴリズムが働くため、設定変更後は一時的に配信の精度が低下する可能性がある旨を公言しています。理想に近い運用を行うためには、あらかじめ仕組みや機能を正しく理解し、後からむやみに設定変更を加えないよう意識する必要がありますね。

▼公式URL : https://www.facebook.com/business/help/190490051321426

 

カスタムオーディエンス作成における機能「滞在時間とエンゲージメント」のアップデート

アップデート時期が不明瞭なものが多いですが、昨年でカスタムオーディエンス関連のアップデートが多数ある中で、滞在時間エンゲージメントに応じた設定が可能となったアップデートを紹介します。

<滞在時間>

ユーザーがアクションを実行するために滞在した時間に応じてオーディエンスの作成が可能になりました。

[オーディエンス]画面から[オーディエンスの作成]、[カスタムオーディエンス]を選択し[ウェブサイトトラフィック]を選択、そしてウェブサイトトラフィックのオプションを表示させます。

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トラフィックが発生したアクティブユーザーの中から上位5%/10%/25% の3つから選択可能です。

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そして、対象のドメイン(複数選択可)と、トラフィックの期間、オーディエンス名を設定して完了です。

なお、このオーディエンスから類似オーディエンスを作成することも可能です。

<エンゲージメント>

Facebookで自身のコンテンツに対し、動画の再生やリード獲得フォーム、キャンバスを開くといったアクション(エンゲージメント)を起こしたことがあるユーザー情報を使用したカスタムオーディエンスの作成が可能になりました。

なお、エンゲージメントカスタムオーディエンスはFacebookでのアクション情報を使用するため、ピクセル(イベント)で情報取得するウェブサイトのトラフィックを元にしたカスタムオーディエンスとは性質が異なります。

[オーディエンス]画面から[オーディエンスの作成]に進みます。

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[Facebookのエンゲージメント]へ進みます。

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本機能は、以前は動画とリード獲得広告のオプションのみでしたが、新たにキャンバスとページのオプションが追加されました。

『キャンバス』については、「キャンバス広告を開いた人」「キャンバス内のリンクをクリックした人」のいずれかを指定してオーディエンスの作成が可能です。

『ページ』については、Facebookでの様々なアクション(クリック、リアクション、CTAのクリック、メッセージの送信、投稿の保存の有無)に応じたオーディエンスの作成が可能です。

カスタムオーディエンスの柔軟性が高まることで、個別状況に応じてより細かな管理や検証ができるようになってきた分、検証すべき対象を見極め適切な設計を行わなければ、Facebookの強みである自動化機能に悪影響を与える可能性もありますので、注意しながら活用していく必要があるでしょう。

▼公式URL:

以上、2016年にアップデートから6つをピックアップしてご紹介いたしました。

他の広告チャネルと比較してアップデートの頻度が高いFacebook、代理店として運用実務に携わっていても日々の情報のキャッチアップは大変ですが、より広範囲な業務領域をカバーされている広告主のみなさまに置かれてはなおのこと大変かと思います。

Facebookに限らず運用型広告において、チャネルの機能やアップデートに至った背景を理解することは、そのまま運用の成果に反映されますので、今後も可能な限り有益な情報をまとめていきたいと思います。最後までご覧頂きありがとうございました。

この記事を書いた人

アドオペレーションズ・ストラテジスト

川島 崇志

新卒で株式会社PLAN-Bに入社し、営業職としてキャリアをスタート。
様々な業種の広告主に対し、SEM、ウェブサイト制作やコンテンツマーケティングなど、多岐にわたる領域でのプロモーション支援を経験。
運用型広告の世界に強い魅力を感じるも、営業担当として奔走する中で、一個人としてフロント業務と運用業務を一貫して支援できるスキルの必要性を感じたことから、2016年オーリーズに入社。運用型広告のチャネル全般を手掛けながら、広告領域のみに留まらないROI最大化を第一義とした支援を大切にしている。

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