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  • 川田 昌光

店舗型ビジネスの広告運用ノウハウ ~意外とカンタン、広告経由の来店率を把握する方法~

>店舗型ビジネスの広告運用ノウハウ ~意外とカンタン、広告経由の来店率を把握する方法~

「Webサイトからの来店予約は目標に近い数字で獲得できているんだけど、どうも来店数が伸びないんだよなあ。。。」

エステサロンやブライダルサロン、宿泊施設など、店舗型ビジネスの集客担当者であれば、このようなお悩みを持ったことがあるかと思います。

店舗型ビジネスの場合、Webからの予約が実際の来店につながったどうかを把握し、来店率を改善することは、広告の費用対効果を改善するためには重要なポイントです。

では、広告経由でWeb予約をしたユーザーが、実際に来店したかどうかを把握し、来店率を高めるためにはどうすればよいでしょうか?

今回は、店舗型ビジネスのひとつであるエステサロンの支援事例から、広告経由の来店率を把握し、引き上げる方法についてご紹介します。

 

広告経由の来店率の把握は、思ったほど難しくない

来店率を改善するには、当然ながら、まずWeb予約をしたユーザーが「来店した」という事実を把握する必要があります。一般的に、Web予約「全体」からの来店率を把握することはそれほど難しくありませんが、「広告経由」というフィルタがかかると、途端にハードルが上がります。しかし、広告経由の来店率を把握することは、実はそれほど難しいことではありません。方法はいくつか挙げられますが、その中でも比較的簡単な方法をご紹介します。

今回は「ADEBiS(アドエビス)※1」を活用した事例をお伝えします。

弊社では、主にアトリビューション分析(TCV,TCPAの算出)や、重複コンバージョンを把握するために導入するケースが多く、本事例でも、主たる目的は重複コンバージョンを把握することにありましたが、ADEBiSの提供する「コンバージョン属性情報※2」を利用することで、来店率を把握することができるようになりました。

コンバージョン属性情報とは、コンバージョンに至ったユーザーの顧客IDやデバイス、会員番号、売上金額などの、個人を特定しない範囲の属性情報を取得することのできる機能です。

今回の事例では、ADEBiSで取得されたコンバージョン属性情報である「予約ID」と、クライアントのデータベースの「ユーザーID」を突き合わせることで、Web予約によってコンバージョンしたユーザーが、実際に来店したのかどうかを把握しました。

下図は、ADEBiSで取得されたコンバージョン属性情報の「予約ID」と、クライアントのデータベースの「ユーザーID」を関連づけを行った際のイメージです。

今回の事例では、来店率を把握する以前は、Web予約したユーザーの来店率は60%前後だろうと想定していましたが、集計の結果、広告経由の来店率は35%と、想定より低いことが判明しました。

広告経由の来店率を把握する方法は、ADEBiSの他にも、GoogleAnalyticsの計測タグや、GoogleAdwords・Yahoo!スポンサードサーチなどの広告タグを利用することで、このような属性情報を取得することができ、基本的な仕組みとしては大きな違いはないのですが、ADEBiSの場合はカスタマーサポートが充実しているため、導入における人的なサポートを受けることができるという点で、おすすめです。

また、ここ最近では、FacebookやGoogleが実店舗への来店を成果として計測出来るようになったことを発表しています。どちらも素晴らしい機能ですが、導入には条件があり、すべての広告主が利用できるわけではなさそうです。

Facebook モバイルから実店舗へ: 来店数と売上を増やして、その効果を計測する新しい方法

https://www.facebook.com/business/news/drive-and-measure-store-visits-and-sales

Google 実店舗への来店によるコンバージョンについて

https://support.google.com/adwords/answer/6100636?hl=ja

 

…さて、話を戻しますが、今回ADEBiSを利用して実施したことは、「一般的なオンライン予約システムが保有している予約番号を、ADEBiSのタグに渡しただけ」です。たったそれだけで、広告施策の選定や効果評価のボトルネックとなり得る「来店率」について把握できるようになるのです。このように、広告経由での来店率を把握することは、それほどハードルの高いものではありません。

 

 侮れない「予算配分」による影響

さて、広告経由での来店率を把握できたところで、次は来店率を改善するためのアクションを検討します。

そこで、さらに踏み込んで分析をしてみると、実施したチャネルによって来店率が異なることが分かりました。下図は、検索連動型広告(Google Adwords,Yahoo!スポンサードサーチ)の来店率の比較です。

画像2

このケースにおいては、Google Adwords,Yahoo!スポンサードサーチそれぞれにおいて、キャンペーンや広告グループ、キーワードなどは、ほぼ同じ構成で運用をしていました

「予約ベース」でのCPAで比較してみると、Google Adwordsの方が獲得効率は高いですが、「来店ベース」で比較すると、Yahoo!スポンサードサーチの方が1.5倍近く獲得効率が高いことが分かりました。もし、来店率を把握することなく、「予約ベース」の成果から判断して予算配分を変えてしまっていたら、実来店数が減少しまうため、むしろ売上が下がってしまうことも想定されます。

さらに広告の訴求別で見てみたところ、Google Adwords、Yahoo!スポンサードサーチのどちらも、「無料エステモニター」という訴求からのコンバージョンがほとんどでしたが、「無料 エステ 池袋」のようにエリアを含む検索語句からのコンバージョンは、エリアを含まないキーワードより、来店ベースでは獲得効率が良いことが判明しました。

上記から、ユーザーの中でもYahoo!を検索エンジンとして利用し、エリアを含むサービスを検索するケースは、来店を前向きに検討しやすいと評価することができ、予算配分を再検討するに至りました。

結果、来店率を把握し予算配分を見直すことで、改善前は35%程度であった来店率が、改善後は50%程度に引き上がりました

予算配分の最適化は、どの広告主にも当てはまる課題の一つですが、今回の事例のような「Webだけで完結しないビジネス」においては、より成約(≒利益)に近いポイントで費用対効果を算出し、その上で最適な配分を考えることが期待されます。

まとめ

今回は、来店率の把握から改善に至るまでのプロセスを、事例を基にお伝えしました。

ごく当たり前の結論を、くどくど書いたなあという印象を持たれるかもしれません。でも、そうなんです、広告経由の来店率を把握することは、それほど難しいことではないのです。さらには、各媒体に振り分けている予算配分を少し変えてあげることで、来店率の改善までをも行うことができます。

大事なことは、広告管理画面上のCPAに捉われず、可視化できる領域を広げながら、広告管理画面を超えた、よりビジネスのゴールに近い観点から、費用対効果の改善に取り組むことです。

ちょっとしたひと手間が、一歩前に進めるきっかけをもたらしてくれることは、運用の現場にはまだまだたくさんあるはずです。

 

※1 ADEBiSとは、広告効果を基軸とした「測定」から「活用」までを一気通貫で提供するマーケティングプラットフォームです。http://www.ebis.ne.jp

※2 コンバージョン属性情報の取得機能は、Webサイト上で取得できる属性情報をADEBiSに「渡す」機能ですので、Webサイトで対象の情報を取得されていない場合は、コンバージョン属性情報は利用できませんのでご注意下さい。

 

この記事を書いた人

アドオペレーションズ・ストラテジスト

川田 昌光

学生期にオーリーズのインターンシップに参加、クライアントの課題解決に真摯に向き合う体制に惹かれ、2014年にオーリーズに新卒で入社する。クライアントにとって最高のバディとなるべく、日々広告運用に励んでいる中、検索クエリがキレイになっていくことに快感を覚え、知らぬ間に広告運用にハマっていることに気づく。Google Adwordsを中心とした自動化テクノロジーや、商品リスト広告、Criteoといったデータフィードを取り入れた広告運用を得意領域とする。

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